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有給休暇で理由が必要なのは取得拒む会社側 理由を聞くと違法?


 私のいた会社もそうだったんですが、有給休暇を取るには必要で、しかもその理由ももっともらしい(?)ことを書かないと都合が悪いみたいで書き直しを要求されます。残念ながら「違法」とまでは行かないようですが、こういった要求は本当は間違いなんだそうです。(2012/11/26)

2012/11/26;
●有給休暇に理由は必要ない 理由を聞くと違法?
●むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側
●2010年から適用された国のガイドラインでやっと一歩前進したが…
●事実上の圧力!日本政府は理由を聞くのを禁止にした方が良い
2017/04/28:
●ゆとり新人社員に呆れた…「ゲーム発売日に有給休暇」は非常識?


●有給休暇に理由は必要ない 理由を聞くと違法?

2012/11/26;Wikipediaの年次有給休暇で「理由」という言葉が最初に出てくるのは、<年次有給休暇の請求・取得>という部分。理由はいらないということが明記されています。ただ、残念なことに「理由を聞くのが違法」とまでは書かれていません。

<使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季(法文上「時期」ではなく「時季」)に与えなければならないのが原則である(労働基準法第39条第5項)>
<年次有給休暇は労働基準法により労働者の権利として認められているものであり、またその理由(利用目的)は労働基準法の関知するところではなく労働者の自由である(最判昭和48年3月2日)ことから、労働者は有給休暇を取得する旨を事前に使用者に伝える必要はあっても、その理由までを使用者に伝える義務はない。所属する事業所に対するストライキが目的でない限り、有給休暇は「理由なし」も含めて理由の如何にかかわらず取得できるものであり、使用者は労働者に対しその理由をもとに有給休暇の取得を制限することはできない(最判昭和62年7月10日)>

 お互い様ですので、常識的に考えて繁忙期に有給休暇ぶつけられたら困るよというのは、会社側からしてもあって良いと思います。たとえば、お餅を作る会社で正月に備えた餅作りの真っ最中に有給休暇を申請されると、ブチ切れたくなるのもわかります。

 しかし、実際には会社側が一方的に強い状態で、社員側の権利が強いように読み取れる上記とは全く違う光景が繰り広げられていることと思います。まるであべこべであり、到底「お互い様」などとは言えず、Wikipediaの文章は現実とは遠く離れた別世界の物語のようです。


●むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側

 しかも、Wikipediaで「理由」というキーワードが出てくる部分を読んでみると、理由が必要なのはむしろ会社側のようですね。これは、<時季変更権>という項目に説明です。まず、この時季変更権の説明から。以下のようなものだそうです。

<使用者は、労働者の請求通りに有給休暇を与えると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、例外的に他の時季にこれを与えることができる(労働基準法第39条第5項但書)>

 ところが、この時季変更権の行使を会社側は簡単にはできないんだとのこと。有給休暇の取得を拒否することもできないといいます。これは明確に違法であるようです。しかし、残念なことに、「飽くまで法律上は…」というのが、現在の日本の悲しい現実なんですけどね。

<時季変更権の行使要件は「事業の正常な運営を妨げる場合」であり、単に業務多忙という理由では行使はできない。代替勤務者の確保や勤務割を変更するなどの努力せずして時季変更権の行使は許されない(最判昭和62年9月22日)>
<使用者に与えられている時季変更権は、文字通り有給休暇を与える時季を変更することができる権利であって、労働者からの有給休暇の取得請求そのものを拒否できる権利ではない。ストライキの例外を除き、使用者には一切の拒否権がないので、労働者に対する有給休暇の付与を拒否することはできず、労働者の請求により発生した与えるべき有給休暇を後から取り消す余地も当然にない>


●2010年から適用された国のガイドラインでやっと一歩前進したが…

 おそらく会社が上記の条件を満たして有給休暇の申請を拒めるというケースは、「ほぼない」と言ってしまってよいでしょう。現在拒否しているものは、100%近く違法だと思われます。

 なので、上記をそのまんま適用すると「会社側に厳し過ぎない?」といった感じに。ただ、前述の通り現在厳しすぎる扱いを受けているのは社員側。全く逆になっています。次の<低い有給休暇取得率の原因と対策>という部分からもその現状がわかるでしょう。

<厚生労働省の「平成16年就労条件総合調査の概況」によれば、1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除いたもの)は、労働者1人当たり平均18.0日であるが、そのうち実際に労働者が取得した数はその半分にも満たない8.5日であった。この要因としては、日本では休暇消化を容易にするための人員構成が「経営効率化や人材育成の面で無駄が多い」として導入に反対している経営者が多いうえ、労働者の側にも有給休暇の取得をためらわせる様々な事情が絡んでいるためではないか、と言われている>

 2010年から適用された国のガイドラインでは、有給休暇の取得を事業主に促進する方向性のものであり、やっと一歩前進。とはいえ、これは強制的なものではないために、続けて改善が必要だったのですけど、その後の状態を見てわかるように、この後は続かなかったようです。

<厚生労働省は日本の労働者における有給休暇の取得率の低さを問題視し、うつ病や過労死、過労自殺に繋がる大きな要因であると危惧しており、労働時間の短縮や有給休暇の取得を事業主に促進する取り組みを定めている「労働時間等の見直しガイドライン」の改正を公示し、2010年4月1日から適用された。ただしこれは努力義務のみ定めたもので強制力はない>


●事実上の圧力!日本政府は理由を聞くのを禁止にした方が良い

 先にも書いたように、<ただし、使用者が労働者に対し有給休暇の理由を聞くことを禁止・制限する法律はない>ということで、有給休暇の理由を聞くことそのものは禁止ではないようです。

 しかし、この「理由を聞く」ということ自体が、有給休暇取得阻止に大きな力を発揮している可能性があります。2012-10-23 会社は、社員に休暇の理由なんて尋ねるな 脱社畜ブログではそこらへんを鋭く批判していました。(作者は"元会社経営者で、現在は一応会社員"とのこと)

<会社が従業員に休暇の理由を尋ねるのはナンセンスだ。(中略)
 こういうことをいうと、「上司としては、部下がなぜ休んでいるのかも把握しておく必要がある」とかなんとか、よくわからないことを言う人がいる。部下が休んでいる理由を知らないことで、何か仕事上の不利益が発生することが果たしてあるんだろうか。(中略)
 また、理由を尋ねるというのは、「明確な目的が無いのに会社を休むのはおかしい」といった考えが裏にあるようで嫌な気持ちがする。(中略)「免許の更新」とか、「荷物受け取り」とか、「家族旅行」とか、そういった理由がないんだったら会社に来いというのは乱暴な話だと思う。(中略)
 理由を尋ねることで、「こんな理由で休むのはよくないかな」と思ってしまって、有給取得が萎縮されることは十分に考えられる。有給の取得理由を会社が尋ねるのは、暗にこの効果を狙っているのではないかと邪推してしまう。

 途中でも書いたように私はこのまんま厳密にやると、会社側がかわいそうかなという気もしています。ただ、しつこく書いているように現実はまるで正反対となっており、今のところは会社側に同情するところはありません。最低でもお互い様…というところまで持って行かないといけませんね。


●ゆとり新人社員に呆れた…「ゲーム発売日に有給休暇」は非常識?

2017/04/28:有給休暇に関しては、その後、ペットが死んで休むと批判が出る日本でユニ・チャームが忌引を新設といった話をやっています。また、有給休暇とは異なるものの、「むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側」と似た感じで、雇用者側の怠慢が見えたのが、ブラックバイト!セブンイレブンが風邪で休んだバイトに罰金1万円という話もやりました。

 今回はこれらとは別で、「ゲーム発売日に有休」はモンスター社員なのか? 日刊SPA! / 2017年4月27日 15時56分という話。2ちゃんねるのひろゆきさんが書いたものですけど、彼はたまにもっともなことも言います。

 転職サイト(2019/12/24追記:@type系の「typeメンバーズパーク」というサイトだった模様)が実施した「出没注意!? モンスター新人について」というアンケート結果が、今回の話の発端。アンケートのコメントで、「ゲームの発売日に有休」というものがあり、これにネット上では、「何が問題?」「別に新人に限ったことじゃないだろ」など、否定的な意見が目立ったのだそうです。

 これについて、ひろゆきさんは、"有休を取るときに理由を説明する義務はないですし、他人が有休を何に使うかってのを聞くと腹が立つんだったら、有休の理由なんて聞かなければいい"としていました。

 "「ゲーム発売日なんで有休取ります」って言う社員を「モンスター社員」って呼んでしまうような人たちは、「自分は我慢してるのにお前はルール通りやるのか!」っていう根性論的なものとか、「本当は有休を取りたいのに周りに変な理由で有休取る人だと思われたくない」っていうところからくる嫉妬があったりするんじゃないかと思"うとのこと。

 ただ、そもそもほとんどの人が有給休暇に理由がいらないことを知らないと思うんですよ。しかも、かなり多くの人が、休むに値するもっともな理由がないと休んではいけないと信じているのだと思います。私が勤めていた会社で理由の書き直しを命じられた…というものそういう理由でしょう。

 これらは、たとえ「法的にそうなっている」という勘違いまでがなかったとしても、「常識としてはそうだ」と考えていれば、それが正しいものとしてまかり通ってしまいます。実際には常識がないのは、本当は彼らなんですけどね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ペットが死んで休むと批判が出る日本でユニ・チャームが忌引を新設
  ■ブラックバイト!セブンイレブンが風邪で休んだバイトに罰金1万円

【その他関連投稿】
  ■ブラック企業の特徴 現役ブラック企業社長が手口を披露
  ■ブラック企業の特徴・基準ランキング
  ■企業の離職率を知るにはどうすれば良いか?離職率の調べ方を知り、ブラック企業を見分ける
  ■離職率の高さは就職時や辞めるときの就職環境が大きい 若者自身の問題というのは俗流若者論か?
  ■就活の内定辞退の方法 人事との対決FAQなど
  ■ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ

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