どっちかと言うと就職活動している側の意見を書いていることが多いですが、ブックマークを整理していると人事採用者側の悩みというテーマのものが出てきました。
トンデモ求職者みたいな裏話なんでしょうか?
人事部長も言いたい!「採用」の悩み 「息子はなぜ不採用になったんですか?」に困ってます
野々村 人事部長,永禮 弘之,瀬川 明秀 2010年2月16日(火) 日経ビジネスオンライン
外食さん 学生だけでなく人事側の責任も大きいですよ。採用過程では、現場の営業担当者も面接をするのですが、インタビュースキルのない人間に面接させたりしてますからね。それで面接官も困って、「弊社を動物に例えると?」などという質問をしたりしています。それで良い人材が分かるはずがないですよね。
あるいは、面接官の方がたくさん喋ってしまって学生は一言二言話したら、あとは面接官の話を聞いている、というような面接をしたり、趣味の話で盛り上がったり。「目を見れば分かる」なんて言っている面接官もいます。まあインタビュースキルの訓練もないまま面談させられている担当者も被害者なんですが。
(中略)
衣料品販売さん エントリーシートを見る段階からいい加減ですよね。今のように何千枚も届くような状況で、全てにきちんと目を通すなんて不可能ですよ。
野々村さん しかしその中で面接に進んでもらう人を選ばないといけないですよね。それはどういう基準で選んでいるんですか?
外食さん ある程度、こういうワードが入っているか、などの基準を設けて選びますね。機械的に選別するしかない、という面があります。
衣料品販売さん だからアウトソーシングできてしまうんですよね。エントリーシートがあって、こういう人材を採用してください、と言えば、インタビュースキルのない人間に面談をさせるよりよっぽど良い人材が取れますよ。
外食さん インタビュースキルと言えば、圧迫面接というのもありますよね。最近は少なくなってきましたが。あれも何の意味があるのか、と思います。不採用になった人間は潜在顧客なのだから、採用しないと決めたら今度は顧客として扱わなければいけないですよね。
野々村さん 学生から「気持ちよく喋って帰ってきたら不採用でした。どうしてでしょう?」と聞かれたことがあります。「不採用だから気持ちよく帰ってもらうために、あなたの話を聞いてくれたんだよ」と言ったら納得していましたよ。
衣料品販売さん 学生はショックだったでしょうねー。でもそれを学んで良かったとも言えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20100125/212428/ あら、そういうのじゃありませんでしたが、おもしろいです。
圧迫面接については以前少し書いた気がしますが、私の思っていたことと同じです。
トンデモ話もありました。
外食さん 就職活動に親が出てくることも増えていますね。面接の後に、直筆で達筆の手紙が母親から届いたこともあります。「息子は緊張してしゃべれなかったようですが、貴社が好きで、貴社のようなところで働けたら幸せだといつも申しております…」なんて手紙です。
そんなに気持ちがあるなら自分の言葉で面接で喋ってほしいですね。そもそも、就職活動に親が出てくるということで好印象を受けることはまずありません。こういう母親の元で育てられたということは…と考えてしまいます。不採用ですね。
衣料品販売さん 弊社にもそういう方は来ます。しかし本人は、母親がそうしていることを知っているんでしょうかね。知らなければ本人も被害者ですよね。まあどちらにしても、そういう環境で育ったというバイアスが入り、内定出しは慎重になってしまいます。
外食さん 不採用になった後に、母親から苦情の電話が来たこともありました。「息子の何が良くなかったのか」と。あまりにもヒドイ電話だったので「あなたの育て方かも」とか思ったりもしますよ。もちろんいいませんよ。
野々村さん その場合はどうするんですか?
外食さん 褒め殺しします。「息子さんのような優秀な方にはうちの会社ではもったいないですよ」なんて言うと、だいたい納得します。
あと、最初の方にあった話。
衣料品販売さん 就職が厳しい中、学生もかなり準備をしてきている印象ですね。しかし、(中略)じゃあ厳しい中でどう内定を取るかという方向に頭を働かせてしまいます。それを見抜くのは難しいですね。正直、見抜けているかというと、分からないですね。
外食さん 学生が準備をしてきますので、面接では用意された答え以外を出させるようにしていますよ。例えば学生時代に興味を持ってきたことと聞くと、みんなが「環境に興味を持っていた」なんて答えます。PRすることがみんな同じなんですよ。
それで滔々と用意してきた答えを喋って「これで内定が取れただろう」なんて顔をしています。だからそういう用意された答えを一通り聞いてから、「ではこれから面接を始めます」なんて始めるんです。そうすると急に喋れなくなって素の自分が出てきます。
衣料品販売さんの方が謙虚で、外食さんの方が厳しい言い方をしています。
外食さんは後半でこんなことも。
外食さん 採りたい人ってなかなかいないですよね。逆にいると、必ず他社とバッティングしますから、どうやって入社してもらうかを考えます。(中略)
野々村さん そもそも採りたい人ってどんな人なんでしょうか。それもいい加減な気がします。例えば社会人基礎力なんてありますけど、社会人基礎力を全部きちんと身につけている社会人がどれほどいるのか。社会人が身につけていないものを学生に求めて何になるのか、と思います。
外食さん 少なくとも言えるのは、資格をたくさん持っているというようなことよりも、学生時代に何をしたかが大事だということですね。それから自社について知っている、愛している人。いくら優秀でも、うちの会社のことは全然知りません、っていう人は採りたくないと思いますね。
衣料品販売さん 「優秀」という定義も難しいですね。もちろん優秀だと思う人を採用するわけですが、優秀な人は30、40代で伸び悩みます。会社の中心になる30、40代に、ぱーんと光る人をどう見つけていくか、は新卒採用の永遠の課題ですね。
人事担当者によっては「私は見抜ける」と断言している方もいらっしゃいますが、この方は正直ですね。やっぱりそう簡単にわからないものです。
外食さんは"他社とバッティング"するという話をしていましたが、本来会社ごとに個性があって良いと思うんですよね。上司によって部下の評価が違うなんてことはざらにあるんですし、価値観は異なって当然です。
ですから、ある会社ではいらないと思う人でも、別の会社では優秀な人材とみなされるってことがあっても良いでしょう。
そうなっていないというのはそもそも会社側にユニークな点だとか、確固たる信念だとかがないのでは?と思います。
まあ、私は似た人ばかり集めるのも害悪だと考えているので、ある程度ランダムになるいい加減さが残しておくのも逆に良いのかもしれませんが……。
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