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ビッグマックのキャンペーン、本当は失敗 王者マクドナルドの曲がり角


●勝ち組だったマクドナルドが苦戦、原田泳幸社長に理由を聞く

2012/12/1:あんまり堅い話は……と思って最初書くつもりはなかったんですが、以前のマクドナルドの大失敗キャンペーンのリベンジとしては最適では?と思ったので紹介します。リベンジ……というのはその投稿はよく読まれていたものの、出来がイマイチだと思って罪悪感を感じていたためです。

 で、何かそれを補うものを……とマクドナルドで何度か書いてきたものの、ちょっと方向性が違うよな?としっくり来ないものばかりでした。しかし、今回はちゃんとしたキャンペーンであり、「大失敗」とまでは行かないものの、隠れた失敗です。うん、ピッタリですね!

 その良いなと思った記事は、<マック、崩れた「勝利の方程式」>(瀬戸 久美子 日経ビジネスオンライン 2012年11月14日)というものでした。巧みな価格・商品戦略で外食の勝ち組に君臨していた日本マクドナルドですが、2012年1~9月期の既存店売上高が2.2%減に。マックに何が起きたのかを原田泳幸・会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)に聞いたという記事でした。
>http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121112/239306/


●キャンペーンで売れまくっていたビッグマックの何が悪いのか?

 さて、キャンペーンの失敗の件ですが、「隠れた失敗」と先に書いたようにビッグマックのキャンペーンは傍目には成功に見えます。よく売れているのです。ところが、キャンペーンシーズンだけでなく、長い期間に目をやるとそれとは違う姿が見えてきました。

 これを説明する前に、まず、売り上げには「質の高い売り上げ」と「質の悪い売り上げ」があると原田泳幸社長は説明。売り上げと利益が継続的に確保できるのが、質の高い売り上げ。一方、短期的に売り上げや利益が出ても、それに伴う投資額が膨大なうえ、次の売り上げを押し下げてしまうものもあるとのこと。そして、具体的には、「ビッグマック」を200円で販売するプロモーションがまさに悪い売上だったという話なんです。

<2011年は売り上げに大きく貢献し、利益も上がった。だが、プロモーション期間中はとてつもない売り上げが出るが、終わると下がる。そして、プロモーションを何度か重ねるうちに、平時のビッグマックの売り上げが徐々に下降していった。こうした価格戦略は、後からボディーブローのように効いてくる。今の牛丼業界にも通じる話だ。
 今後は、継続的な利益や売上高の向上につながらないプロモーションは一切排除すると決めた。厳しい環境下で、あえてこの決断をすることが、向こう3年の継続的な成長につながる。一方、150円の「マックフライポテト」など、コアの商品にアドオン(追加)して客単価を上げる戦略は、質の高い売り上げにつながる。こうした価格戦略は今後も続けていく>


●ビッグマックのキャンペーン、本当は失敗 王者マクドナルドの曲がり角

 このビッグマックは"粗利が非常に高"いと原田泳幸会長は言っていましたので、普段の売上減少は利益という面でも非常に大きいと思われます。本来、最も儲かる主力商品を安売りを繰り返すことで、お客さんに通常価格では買わないように仕向けてしまったんですね。かなりまずいやり方だったと後になるとわかります。

 客単価を上げよう……というのは、マクドナルドが手元のメニュー表をなくす改悪?注文の迅速化が理由だが、単品でなくセットを買わせるためという疑惑もでも感じました。低価格化戦略は客単価より全体の顧客数を上げようというのもですが、マクドナルドは浸透し過ぎて既に飽和状態なのかもしれません。

 マクドナルドが手元のメニュー表をなくす改悪?注文の迅速化が理由だが、単品でなくセットを買わせるためという疑惑もは表題の通り、表向きの理由は顧客数増加の方です。しかし、「セットを買わせるため」という客単価アップが裏の理由では?などと言われています。

 今回の記事やマクドナルド原田泳幸会長兼社長の手腕と評価でわかる通り、外食の王者マクドナルドも曲がり角を迎えています。切羽詰まって、なりふり構わないことをやってもおかしくないと感じました。


●値引き合戦で伸びてきた牛丼業界も成長が止まってしまった…

 あと、記事では、牛丼の話もありましたので、記事を検索。牛丼「値引き合戦」収束か 消費者の「慣れ」で効果薄れる(2012/6/13 20:08 J-CASTニュース)という記事が出ていました。これまで集客に効果を発揮してきた値引き合戦も、「神通力」が薄れ、牛丼チェーン店の売上高が「頭打ち」になっているとのことです。

< 2012年5月の営業成績は、「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)、「吉野家」の吉野家ホールディングス(HD)、「松屋」の看板を掲げる松屋フーズの大手3社とも、売上高と客数を前年同月に比べて大きく減らした。客単価はなんとかプラスにしたが、苦戦を強いられている。
(中略)「松屋」は2012年1月に「牛めし」の定価を40円引き下げて、280円(並盛)にした。最安値だった「すき家」に対抗して、同じ価格に設定した。
そうした中で5月の売上高は既存店ベースで、前年同期比6.3%減。客数は10.3%減。客単価は4.5%増えたが、表情はさえない。「1年前、とくに上半期は値下げキャンペーンもあって好調だったので、前年の反動減が大きい」ことはあるが、値引き合戦の盛り上がりが収まってきて、効果が薄れている>


●原田泳幸社長「メニュー廃止で批判されたが、それは店側の問題」

 さて、マクドナルドの話に戻って…と記事を再び読んでみると、さっき私が書いたメニューの話が出てきました。客から批判が出たのは、店舗側が悪いといった説明になっています。

「お客様がカウンターマットの前で考え込むことが、長蛇の列や待ち時間の長さにつながっていた。それならラミネート加工したメニュー表を先にお渡しし、待っている間に注文内容を考えていただこうと、カウンターのメニューを廃止した」
「だが、マクドナルドは全国に3300の店舗があり、約17万人のクルーがいる。店舗によっては要望があったらメニューを出すと勘違いしたクルーがいるなど、対応が不十分な点があった。それらが、一部の消費者からの批判につながった」

 なお、マクドナルド原田泳幸会長兼社長の手腕と評価で書いたように、マクドナルドは直営店を極端に減らし、フランチャイズを増やすように変えてきています。この戦略に対して、その当時使った記事では以下のような指摘がありました。

<直営方式を採用するライバルの大手外食企業の関係者からは「フランチャイズにしてしまうと、大きな方針転換に際し、オーナーを説得する必要があるなど、直営に比べてスピード感が落ちる可能性が高い」と、デメリットを指摘する声も聞こえてくる>

 店舗側への周知が十分でなかったという言い訳は、普通の会社においても通用するものではありません。しかも、マクドナルドの場合は上記のように、構造的に意思疎通が困難になるスタイルを自分で選択したわけです。こういった理由からも「店舗側が悪い」で済ませることはできないと感じましたし、マクドナルドの横柄さを再確認してしまった気がします。


【本文中でリンクした投稿】
  ■マクドナルドの大失敗キャンペーン
  ■マクドナルドが手元のメニュー表をなくす改悪?注文の迅速化が理由だが、単品でなくセットを買わせるためという疑惑も

【関連投稿】
  ■マクドナルド原田泳幸会長兼社長の手腕と評価
  ■マクドナルドのマニュアルに大した価値はない,マニュアル主義批判の勘違い
  ■マクドナルドの都市伝説 ミミズの肉、ランランルーなど
  ■その他の企業などについて書いた記事

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