2012/12/4:
●遺言より強い遺留分とはいったい何か?
●トラブルにならない遺産相続のコツは「遺留分」だけど…
●一番困るのでは誰?遺留分を絶対無視してはいけない理由
●遺産を相続させたくない子がいる!遺留分対策はある?
●遺留分をゼロにはできないが少なくすることは可能
●相続させたい子どもの方に孫がいると対策が可能
2019/02/18:
●孫を養子にして子供を増やすという作戦はどうだろうか?
●遺言より強い遺留分とはいったい何か?
2012/12/4:うちのブログでは初めて話題にしてみますが、遺産トラブルの話です。日経新聞が遺産トラブルの連載をしていて、「へー」と思ったのが遺留分というしくみでした。
これ書いちゃうと、親不孝な子供らが増えそうなのが嫌でちょっと悩んだのですが、遺留分というのが遺言状以上に威力を発揮するようなのです。
この遺留分についてWikipediaを載せようと思ったのですが、説明が難しくてよくありません。なので、いきなり記事から。記事では、「遺留分(いりゅうぶん)」について、「
特定の相続人に認められる最低限の保障」とごくシンブルに説明していました。
もう少し詳しく書いた部分でも同じような感じで、「子や親といった相続人に保障された、相続財産に対する最低限の保障のこと」との説明。相続させたくない子でも最低限度はあげなくてはいけないようです。
(
「あの子には財産を残したくない」親の思いの実現性(日経新聞 川原田慶太(かわらだ・けいた) 2012/10/9 7:00)より)
●トラブルにならない遺産相続のコツは「遺留分」だけど…
司法書士の川原田慶太さんによると、遺言書関連の本をひもとけば、必ずといっていいほど「相続人たちの遺留分を十分に考慮したうえで、財産の分配を決めましょう」というポイントが、揉めないための注意点として挙げられているといいます。
ただ、「遺留分なんてどうでもいい、揉めてもなんでもいいから、とにかくあの子にだけは絶対に財産をやりたくない」という意見が結構あるそうです。そうでしょうね、わかります。
単なる不仲ではないより深刻なケースにも、川原田さんは言及。殴る蹴るなどの肉体的な暴力を受けている、言葉によって精神的な暴力を受けている、あるいはお金の負担をしないことなどによって経済的な虐待を受けている、といったこともあります。そんな子に相続なんかさせたくないってのは、当たり前で、責められる方が間違いだと思ってしまいます。むしろ報いが必要そうです。
●一番困るのでは誰?遺留分を絶対無視してはいけない理由
ところが、最初に書いたように、ここで遺留分が邪魔をします。「特定の相続人に認められる最低限の保障」があるため、いくら特定の子に対しては財産を渡さないとする内容の遺言書を作ったとしても、完全ではないということになります。
遺留分というのは、法律上できちんと明文化された、いわば最強の権利、という言い方もしていました。当事者自身が、合理的な理由から「私には保障は必要ありません」と遺留分を放棄する手続きを取らない限りは、その権利を奪うことは非常に難しいといいます。
また、遺留分を無視した遺言を作ってしまうと、財産を貰えなかった子が貰った他の子供たち、つまり、兄弟姉妹を相手に訴訟などを起こし、良かれと思ってとった行動で孝行息子・娘にも迷惑をかけることになります。むしろ絶対にやるべきではないことだと言えます。
●遺産を相続させたくない子がいる!遺留分対策はある?
そこで「他に何か方法はあるでしょうか?」というのが、この回のテーマでした。
まずは一つ目の方法として挙げられいたのは、「もはやこんなやつは自分の子じゃない」ということで、家庭裁判所を通じてその子を自分の相続人から除外してしまう、という手続きをとること。この手続きは、専門用語で「相続人の廃除」(はいじょ)と呼ぶそうです。
完璧じゃないか!と思うのですが、この「廃除」という手続きは、実現性は乏しいものなんだそう。というのも、家庭裁判所でこの廃除が認められるのは、かなり難しいためです。
「ヤクザな息子などを勘当したい」みたいなのじゃ駄目なんですかね? 確かに簡単に子どもを除外できるのは問題だと思うものの、迷惑な子どもがいる人たちにはかわいそうだと正直思います。
●遺留分をゼロにはできないが少なくすることは可能
じゃあ、他のは?というので、違うアプローチも紹介されていました。遺留分をすっかりゼロにしてしまうことは難しいにしても、その割合を小さくすることはできるという話です。これだと何言っているのかわからないと思いますが、具体例を見るとわかります。
たとえば、養子を取れば、相続人の数が増え、一人あたりの配分はそのぶん少なくなる…というわけ。でも、これまた現実的ではないですよね。孝行息子・孝行娘がまたしても割を食う方法でもあります。
また、遺産となりそうな親の財産そのものを生前から減らしておくことで、それに連動する遺留分も小さくなる、という方法も。これも荒唐無稽なように思えますが、こちらはまだ工夫のしようがあるようです。
例として挙げられていたのが、親が自分を被保険者として保険の契約をして、受取人をかわいいほうの子などに設定し、長期にわたり生命保険の利用をする方法。こうすると、親の財産を少しずつ減らしながら、かわいいほうの子供が受け取ることのできる保険金が確保されるとのこと。
これも財産とみなされて、遺留分が主張されるのでは?と思います。ただ、全体的なバランスによってはやはり例外もあるものの、基本的に「死亡時に保険会社から支払われる生命保険金は相続財産には含まれない」という性質があるそうです。
●相続させたい子どもの方に孫がいると対策が可能
もうひとつ、親の遺産の規模を小さくする方法として、相続人以外の者に対して生前に贈与をしておく、ということも考えられる、としていました。
たとえば、遺産をのこしてやりたいと思っている孫などの第三者がいるならば、先に財産を渡しておくというやり方。この場合、第三者への贈与であれば、相続人同士で「お前だけ得しやがって、もらった分は遺産に戻して計算しろ」といわれる特別受益(とくべつじゅえき)とは原則ならないそうです。
やるとすれば最後の二つ、生命保険金と第三者への生前贈与ですね。これらははっきり言って効率の悪いやり方だと思いますけど、まあ、他にやりようがないので仕方ないでしょう。
これを書いている弁護士さんは"遺言書を作成する究極の目的は、財産のスムーズな承継ができるということに加えて、やはり相続人の全員が「納得感」をもって相続を終えること"なので"推奨できるわけではありません"と書いています。
まあ、そう書かざるを得ないでしょうけど、憎らしい息子、娘をお持ちの方は参考にしてください。
●孫を養子にして子供を増やすという作戦はどうだろうか?
2019/02/18:読み直していて思ったのですけど、「養子を取れば、相続人の数が増え、一人あたりの配分はそのぶん少なくなる」は、孫を養子とすることででも使えそうですね。確かこれは最近、相続税の節税として利用されています。…と書いてから検索かけると節税としてはデメリットもあるというのを知りましたが、とりあえず、遺留分を減らす策としては使えるかもしれません。
ただ、このやり方ともともと書いていた最後のやり方は、かわいい方の子側に孫がいないといけないケース。使えないというご家庭も結構あるでしょう。
個人的な話で実際の割合は不明なのですけど、遺産トラブルでは、未婚でずっと親の面倒を見てきた親孝行な子どもの遺産配分に、別の子が文句をつけるといったケースを聞きます。結構使いたいときに使えないことが多い裏技かもしれません。
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