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仕事のできる優秀な課長が転げ落ちるとき マインドフルネスなどのセルフマネジメントは必要


 マネージャーの役割シリーズに入れようかな?と思っていたら微妙に違う話だったものです。

「優秀な課長」でいるだけでは潰れかねない
時間とお金をかけてセルフマネジメントを
石田 淳 日経ビジネスオンライン 2012年11月13日(火)

 成長を続けるIT(情報技術)関係の企業で頭角を現していた、ある課長がこともあろうに暴力行為で警察に引っ張られ、会社を辞めざるを得なくなりました。

 事件を起こした日、その課長は部下たちを居酒屋に誘い、一杯やっていました。帰宅途中に運悪く、人身事故が発生、乗っていた電車が止まってしまいました。

 「明日は朝から大事な仕事がある、早く動かせ」

 酒の勢いもあって駅員に詰め寄った課長は、だんだんエスカレートしていく自分の怒りを鎮めることができませんでした。忙しい駅員が立ち去ろうとすると、こう怒鳴ったのです。

 「おまえ、俺を馬鹿にしているだろう」

 それだけでは済まず、あろうことか駅員を殴ってしまい、そばで見ていた乗客に110番通報されてしまったのです。

 後日、事の顛末を聞いた部下たちは「さもありなん」と感じたそうです。実は居酒屋ですでに、その課長は部下たちに絡んでおり、部下たちはほとほと参っていたからです。

(中略)

 「どうせ、俺の部署から異動したいと思っているのだろう」

 「おまえたち、言いたいことがあるならはっきり言えよな」

 駅員に馬鹿にされたと思い込んだのと一緒です。この課長はやり手で仕事はできたそうです。どうしてこのようなことになってしまったのでしょう。

 もう一つ例を挙げます。ある大企業で将来を嘱望されていた課長が突然、無断欠勤を重ねるようになり、とうとう長期入院することになりました。医者の診断は重度の鬱病ということでした。

 「どうも部長に嫌われているみたいだ。いくら企画を出しても通らないのは、部長の意向に違いない」

 会社を休むようになる前、上司の部長について同僚にしばしばこぼしていたそうです。同僚はこう言って慰めました。

 「そんなことはない。考えすぎだよ」

 しかし、課長はますます落ち込んでしまい、とうとう会社に来られなくなってしまったのです。

 後からその話を聞いた部長は心底びっくりしました。部長はその課長をとても高く評価し、期待していたからです。どうしてこのようなことになってしまったのでしょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121108/239193/?rank_n&rt=nocnt

 作者の石田淳さんは「頑張り屋の課長こそ」こういったことが起こりやすく、「セルフマネジメントに大いに時間とお金を使って欲しい」と書いていました。

 と言うのも、まず一つ管理職の死亡率が高く、その多くが自殺で心臓疾患・脳疾患・ガンの三大疾病による死亡も増えているということがあるからです。

 これは和田耕治北里大学医学部准教授がイギリス医師会発行のBMJ誌に報告したものだそうですが、以前の管理職、専門職、その他事務・労務職 死亡率が高いのはどれ?でも出てきました。

 またもう一つ、"朝から晩までフル回転し、頭の中は、業績のこと、部下育成のことで一杯"という課長さんが危ない理由は以下です。
恐ろしいのは、自殺にしろ過労死にしろ、本人に「そこまで追い詰められている」という自覚がないケースが多いことです。周囲からしたら、かなり疲れているように見えても、本人は「それほど大げさなことじゃないよ」と思っていることが少なくありません。

 冒頭で紹介した二人の課長はまさにそうでした。自分は大丈夫だ、なんとかなる、と思って働いているうちに、大事になってしまったのです。あまりにもストレスフルな状況に普段から慣れてしまっていると、心身の疲労を感知するアンテナが壊れてしまうのでしょう。

 これは過労死の本当の恐ろしさ~疲労を感じないまま死亡~で書いたものですね。

 石田淳さんはこのような状態でストレスを溜め込んだときに、"ストレスが外に向かえば、警察沙汰を起こした課長のように「キレて」しま"ったり、"ストレスが内に向かえば、長期入院した課長のようにな"ったりしかねないので、"自分の心身を自分でマネジメントする意識が必須だと申し上げたい"としていました。


 初めて聞いた話ですが、"人間の頭の中には、常時様々な言葉が流れており、一説によると、1日のうちに7万回も言葉が流れている"そうです。

 一日中、勝手なマインドトークをしているわけです。(中略)

 「ああ、そろそろお客に連絡を入れないといけない」

 「昨日の客、腹立ったな」

 「そういえば彼女からの報告、遅いな」

 意識している、意識していないにかかわらず、今やっていることとは関係のないことが絶えず頭の中に出てきて、認知してしまう。それが人間です。

 これらの認知の多くは言ってみれば勝手な妄想です。ところが人間はそれらを現実とごちゃまぜにしてしまうわけです。前述した三つの言葉の例を続けると、次第に現実の問題であるかのように、とらえるようになります。

 「お客にまだ連絡を入れていない。担当者は相当怒っているに違いない」

 「今日はどうにも不愉快だ。昨日の客のせいだ」

 「彼女は俺を嫌っているから報告に来ないのだろう」

 こうして事実ではないネガティブなことを次々に考え、どんどん自分でストレスを溜めていきます。

 ビジネスパーソンのストレスの多くは人間関係によるものです。そのストレスは、周囲の人たちが与えているのではなく、自分自身が誤った認知によって勝手に作り出しているのです。

 酒を飲んで暴力を振るった部長は、部下や駅員に対し、間違った認知をしていました。もう一人の課長は「部長に嫌われているに違いない」という誤った認知によって、実際に体が動かなくなってしまい、会社に行けなくなりました。

 細かいところを飛ばしますけど、対策として認知行動療法の一つである「マインドフルネス」というものがあるそうです。

 「ポジティブシンキング」とは全く違った方法である、とわざわざ書いていましたが、苦しめる余計な感情や思考は過去か未来から来ているので、今と現実に集中しようというもののようです。

 具体的には以下のような例が出ていました。
 極めて簡単な方法に「呼吸」があります。自分の呼吸に意識を向け、「1・2・3……」と数えてみましょう。そこには、「今、呼吸している自分」という現実しかありません。

 深呼吸するだけでもオーケーです。そのとき「深呼吸している自分」に意識を向け、実況中継してみるといいでしょう。

 あなた独自の「今に戻る合図」を作っておくのもいい方法です。たとえば、「いらっとしたときは左手を右手で握りしめる」など、自分なりのルールを決めておきます。いらいらする状況になったときは、すかさず行動に移し、左手を右手で握りしめます。その行動によって、誤った認知から今と現実に戻ることができます。

 「無になれる習慣」を普段から持っておくこともおすすめです。私にとってはランニングの習慣はまさにこれにあたります。同じ動作を淡々と繰り返すことで、心がすーっと整っていくことが分かります。

 他のところはスッと入ってきたんですが、何だかここは本当かなぁ?と思う話でした。

 あと最後には上記と全く違う、もう一つ「セルフマネジメントに大いに時間とお金を使って欲しい」という話が出ていました。

 欧米でもアジア諸国でも、できるビジネスパーソンは、自分を成長させるために驚くほど勉強しています。そうでなければ生き残れないことを、みんなよく知っているからです。

 米国のビジネスパーソンの間では「年収の10パーセントもしくは労働時間の10パーセントを自分のビジネスの勉強に費やせ」と言われています。(中略)

 ところが日本では、働き盛りの世代にアウトプット一辺倒の人が多いのです。プレイングマネジャーである課長は、意識的にインプットを増やさなければ、日々の仕事に忙殺され、アウトプットばかりになっていきます。

 ある時期までは、アウトプットだけで業績を伸ばしていけます。むしろ、インプットに励んでいる同僚より良い成績をあげることもできます。しかし、すべてを出し切ったとき、もぬけの殻となってしまい、インプットを怠らなかった同僚に大差を付けられることになりかねません。

 高度成長期からバブル時代までは、とにかく仕事さえやっていれば、それなりの出世ができました。年功序列で上から言われるままに動けば良かったため、インプットはさほど必要ではなかったのです。

 マネージャーの役割シリーズで繰り返し出している「できる部下ができる上司になれない」っていう話は、こういう説明も可能ですかね?

 とにかく日本のビジネスパーソンは全然勉強しないということだそうです。

 家に帰ってまで勉強するなどというのは私は真っ平ごめんですが、日本だけ異常だそうな。日本人が勤勉ってのは、一面においては嘘であるようです。


 関連
  ■管理職、専門職、その他事務・労務職 死亡率が高いのはどれ?
  ■過労死の本当の恐ろしさ~疲労を感じないまま死亡~
  ■マネージャーの役割6 ~「最強の戦士」なのに「最悪の指揮官」~
  ■マネージャーの役割7 ~仕事の任せ方、部下の育て方~
  ■マネージャーの役割8 ボスタイプVS仲良しチーム
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