河野太郎議員の話をまとめ。<死者多数の災害で「雨男なので台風が3回も」…右派の反応は?>、<右派マスコミ、河野太郎議員を「左翼・リベラル」と猛批判>、<自民党幹部「菅政権のワクチンの迷走は河野太郎大臣のせい」>、<大臣なりたさに変節?河野太郎議員がブログ削除ので主張封印>などをまとめています。
その後、<河野大臣、任意のマイナンバーカードを議論なく突然、強制義務化へ>、<意味不明発言「マイナカード利用し年齢制限かけて迷惑動画対策」>などを追記しました。
冒頭に追記
2022/10/14追記:
●河野大臣、任意のマイナンバーカードを議論なく突然、強制義務化へ
2022/10/31追記:
●健康保険証廃止・マイナンバーカードと一体化、批判浴びて迷走
2023/02/19追記:
●意味不明発言「マイナカード利用し年齢制限かけて迷惑動画対策」 【NEW】
●河野大臣、任意のマイナンバーカードを議論なく突然、強制義務化へ
2022/10/14追記:河野太郎議員がデジタル相に就任する前からマイナンバーカードはゴリ押しされており、河野太郎議員個人の問題ではなく、自民党政権自体の問題なのですが、任意だったはずのマイナンバーカードがなし崩し的に強制化されるそうな流れになって強く批判を浴びています。
この問題で「マイナンバーカードは便利だと思う」「メリットがある」などという賛成意見が出ているものの、これは本質的ではない話。今回最も問題だったのは、前述の通り、任意だったものをなし崩し的に強制化するという点。きちんと議論を経て行えば良いのにそうせず、重要な話を議論なしで強行するというのが最も問題です。
<現行の健康保険証を2024年秋にも廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えるとした13日の政府発表に対し、SNS(ネット交流サービス)を中心に疑問の声が相次いだ>
<2013年5月に成立したマイナンバー法は「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係るカードを発行するものとする」(16条2項)と明記しており、その任意性を問題視する投稿が目立った>
(
「任意なのに義務化?」 マイナ保険証、SNSで渦巻く不信感 毎日新聞 2022/10/13 20:02(最終更新 10/13 22:12)より)
同じ時期に政府では安倍元首相の国葬実施が国会での議論を経ずに閣議決定。これも「本来ならきちんと議論を経て行う重要な話を議論なしで強行」というパターンです。一方、安倍元首相の国葬で最もネックとなった統一教会問題には慎重で、例えば、自民党は議員の自己申告調査のみで本格調査を拒否。これらは本来逆でしょう。
<9月の国葬実施が国会での議論を経ずに閣議決定されたことへの不信感も重なり、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令の請求は「慎重に判断」(松野博一官房長官)とした政府の姿勢を引き合いにこんな皮肉めいた書き込みもあった。
<マイナ保険証と国葬は閣議決定で決め、解散命令の請求は「慎重に判断」なのですね>
●健康保険証廃止・マイナンバーカードと一体化、批判浴びて迷走
2022/10/31追記:前回書いたように、突然、健康保険証廃止・マイナンバーカードと一体化の方針が出されました。保険証なしだとデメリットが大きすぎるため、国民の保険証を人質にとった上でこれまで「任意」と説明し続けていたマイナンバーカードを丁寧な議論なく事実上の強制・義務化するもの。国民の利益はそっちのけです。
ところが、これで批判を浴びた岸田首相がまたわけのわからないことを言って大混乱。以下の記事は、強引な河野太郎大臣の保険証廃止が正しいかのような書き方をしていますが、前回書いたようにそういう問題じゃないんですよ。本来なら国会で議論したり、国民に理解を求めたりするべきなのにしていないというのが問題なのです。
・岸田首相、マイナ保険証ない人に「新制度作る」明言で非難轟轟「骨抜きパターン」「抜け穴に利用される」(
2022年10月25日 18時15分 Smart FLASH)
<マイナンバーカードと健康保険証を一本化する政府の方針をめぐり、岸田文雄首相は10月24日の国会で、「カードを持たない人には新しい制度を用意する」との考えを示した>
<国会では、立憲の後藤祐一議員から、保険証廃止後にマイナンバーカードを持っていない場合、医療機関の窓口では全額自己負担になるのではと問われ、岸田首相は「そうならないような新しい制度を作る」と答弁。
紙の保険証でもなく、マイナ保険証でもなく、さらに保険証が手元になくても保険診療を受けられる「資格証明書」でもない「第4の方法」をつくると明言した。これには後藤議員も「それ、新しい保険証と何が違うんですか」と呆れていた。
呆れたわ。何もかも意味不明じゃん? ただ税金のムダ》
《「聞く力」を発揮しすぎて、結局本来の目的が骨抜きにになってしまうパターン。行政の効率化と不正利用の防止という点だけは、絶対に譲らないでほしいが、例によってあまり期待はできそうにない》
《客や自社の営業にわがまま言われ、仕様をどんどん追加したり、条件分岐をやたら細かくして複雑怪奇なシステム構造にするディレクターみたいだな》>
https://news.livedoor.com/article/detail/23085398/
●意味不明発言「マイナカード利用し年齢制限かけて迷惑動画対策」
2023/02/19追記:また河野太郎大臣が強引にマイナンバーカードを普及させようとしているという話が登場しました。後述するように、マイナンバーカード利用は対策として根本的にズレておりトンチンカンな発言です。一方で、デメリットも多数指摘されており、かなり悪いアイデアのようでした。
・マイナカードを利用し年齢制限も 河野デジタル相 迷惑動画問題で(2023年2月12日 18時2分 FNNプライムオンライン)
<河野デジタル相は、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演し、迷惑動画のSNSでの投稿が問題となっていることについて、マイナンバーカードの認証機能を利用できるようにすれば、投稿者に年齢制限をかけることに役立つとの認識を示した。
河野デジタル相「いろいろなサービス(SNS)のアカウントを作るときに、マイナンバーカードで認証を最初するということにすれば、年齢制限をきっちり守ることができますから、そういうところにも、(マイナンバーカードが)役に立ってくると思う」>
https://news.livedoor.com/article/detail/23697212/
この発言を読む限り、全く役に立たない対策に見えます。「投稿者に年齢制限をかけることに役立つ」としているものの、これはSNS側が未成年利用禁止などの年齢制限をかけたいのに全然できていない場合のみの話。SNS側が年齢制限をかけるつもりがなければ全く意味なし。そして、たぶんSNS側にはそういった考えはないと思われます。
念のために検索してみると、若者に一番人気があるTikTokの場合は2022年10月時点の記事で利用が13歳以上、LIVE配信などが16歳以上。やはり未成年は禁止しておらず…。また、仮に未成年のSNS投稿を禁止したとしても、迷惑動画は消えません。減りはするでしょうが、18歳以上の人もこれまで大量に迷惑動画を投稿してきたためです。
記事によると、河野太郎大臣は、文部科学省などと協力し、ネットリテラシーの向上に向け、教育の分野でも指導していかなければならないとの考えも示したそうですけど、河野太郎大臣自身がネットのサービスについてよくわかっていないのかもしれません。これ以外にも、ネットでは以下のような批判が出ていました。
門倉貴史 エコノミスト/経済評論家
<すでに大手のSNS運営会社は携帯電話事業者から年齢情報の提供を受けてSNS接続に年齢制限をかけており、あえてSNSの利用にマイナカードを紐付けするメリットはない。
しかも、大手SNS運営会社は海外に本拠を置くグローバル企業となっている。マイナンバーカードについてはもともと個人情報流出への懸念が根強かったが、SNSの (引用者注:メモ忘れで以降の文言は不明。海外への情報流出の懸念でしょうか? グローバルなサービスが多い中で、マイナンバーカードを持っていない海外や外国籍の利用者には意味がないところも個人的には気になります)>
小木曽健 国際大学GLOCOM客員研究員/執筆業
<「回転ずし問題」は、SNSのせいで起きている訳はありません
ネットは物事を見える化する道具。昔だったら気が付かれなかった「企業の裏側」「代議士の本性」「路地裏の事件」……そして「バカな行為をする人達」を、わかりやすくあぶり出す道具、それがネットです
今回の件、SNSは「きっかけ」程度であり「原因」ではありません>
https://news.yahoo.co.jp/articles/879a42c91563b8255fce428b7c8acfd9968ad2b2
puhu208n これは韓国でゼロ年代から行われていて、認証ツールがXPとIE専用なのでActiveXが死ななかったりFirefox・Chromeのシェアが底打ったり、お互いが実名ゆえに荒らしや炎上が激化して自殺他殺が発生する原因になったりしてる
take-it マイナンバー、行政本来の手続き上、最低限の範囲で最高の仕事(手続きの効率化)をしてくれればいいのに、行政に関係ない所まで最大限の範囲で最低の仕事(過度の個人情報の紐づけ)をしようとしてて邪悪だわな。
raimon49 またデジタル庁の人たちがあずかり知らない場所でトップが思い付きのアイデア披露するスタンドプレーなのかな
itotto 健康保険証もそうだけど利用者にメリットのないことばかりだね
catalog360 迷惑動画とSNS年齢制限に何の関係があるのかな?大人になったら迷惑動画投稿してもいいってことなの? 仮に年齢制限するとして、そこにマイナカードは必要なの?
Kazero マイナカードの導入によって、出来るようになったことはなく、出来なくなるようなことばかり増える
shaokuz 個人識別番号とSNSアカウントが結びつくとかbilibiliかな?/日本製SNSならともかく海外製のやつにそんなの強要できんの?
ma-nkgm あらゆる手段を使ってでもこれを普及させたいわけ?政府にとっては別の目的があるのではと思わざるを得ないんだけど。
ene0kcal 迷惑動画の人らは、迷惑行動のエリートなのでマイナンバーを使うことでなくなるとは考えにくい。家庭や学校でイジメや喧嘩や争いから罰を上手くかい潜ってきた人ら。警察で小中高大の問題を扱う課が要るのでは。
(
はてなブックマークより)
●死者多数の災害で「雨男なので台風が3回も」…右派の反応は?
2021/10/24追記:総裁選より前の話もひとつ。安倍政権で防衛大臣を務めていた2019年、河野太郎さんは自身の政治資金パーティの挨拶で、「私はよく地元で雨男と言われました。私が防衛大臣になってからすでに台風が3つ(会場笑い)。そのたびに災害派遣、自衛隊の隊員が出てくれております」とジョークを飛ばしたことがあったそうです。
このジョークの直前にあった台風19号では、報道時点で死者が88名にのぼっていました。それで笑っちゃう政治資金パーティの参加者らもあれですが、クズすぎる発言です。台風被害の直後に防衛大臣が自分の政治資金を集めるパーティを盛大に開いていること自体がおかしいとも言われています。
で、当時は右派からこのことが批判されたかというと、全然そうじゃないんですよ。右派が多いツイッターでは、むしろこれを報じたマスコミを批判。百田尚樹さんやネトウヨまとめサイトのアノニマスポストなどから、河野防衛相を擁護し報道を叩く投稿が相次いでいました。マスコミ批判だけでなく、発言は全然問題ないという擁護もあったそうです。
ということで、この話は、以前はむしろ河野太郎さんを右派が擁護していた…という例でした。この後の話で書いているように、右派はその後手のひら返しで河野太郎叩きに躍起になっています。この批判モードのタイミングで死者を冒涜するジョークをしていれば、それこそ安倍元首相系の右派がボロクソに叩いたでしょう。
なお、これを伝えた
河野防衛相の台風を笑いにした「私は雨男」発言を百田尚樹ら安倍応援団が必死で擁護、逆に報道を攻撃! 萩生田文科相も…|LITERA/リテラ(2019.10.29)では、「復興以上に議員が大事」「東北のほうだったから良かった」と発言して辞任した桜田義孝・元五輪相や今村雅弘・元復興相の発言も紹介。河野太郎さんだけでなく、基本的に自民党議員がクズなのだと思われます。
●右派マスコミ、河野太郎議員を「左翼・リベラル」と猛批判
2021/09/15追記:以前からずっとめちゃくちゃだったのに、批判されないどころかむしろ擁護されていた河野太郎議員を、急に右派マスコミなど保守派の人たちが批判し出して笑いました。たぶん総裁選で安倍首相らが高市早苗候補を推すと決まったので、手のひら返しで河野太郎候補を潰そうとしているのでしょう。
後半で書いているように、河野太郎議員は手のひら返しで主張を変えた変節右翼です。これを批判するというのならわかったのですが、直前まで擁護していたのに総裁選になってから手のひら返しで批判しているのですから、河野太郎批判の右派の人たちも変節ぶりでは大差ありません。どっちもどっちと言った感じです。
いくつかに分けて投稿予定ですが、まず今回は右派・産経新聞社の夕刊フジから。<河野氏は「リベラル・左翼」…危うい 「靖国代替施設賛成」の過去 「皇位継承」尊重姿勢は総裁選への方便 麗澤大学の八木教授が緊急寄稿>(9/11(土) 16:56配信)とその記事ヤフーニュースコメント欄から少々。麗澤大学の八木秀次教授の寄稿だそうです。
<河野太郎氏も「保守主義者」と名乗り、「本来の保守政治」に戻すとして近著『日本を前に進める』(PHP新書)を発表した。しかし、河野氏は具体的な問題を見る限り、「保守」とは言えない。「リベラル・左翼」に近い。
皇位継承について、2016年10月のブログで、「男系、女系に関わらず皇室の維持を図るべき」と指摘し、昨年8月のインターネット番組でも「(皇位継承資格のある)男子がいなくなったときは、愛子さまから順番に女性の皇室のお子さまを天皇にしていく」と語っている。(中略)
河野氏が政権を担えば、再び「女系継承容認」一択に戻る。皇統断絶への道だ>
<河野氏は靖国神社にも冷淡だ。04年11月のブログで、首相の靖国参拝を中国政府が抗議する理由を1972年の日中共同声明での合意に反するからだと、中国に成り代わったかのように説明している。(中略)
日本の場合、顕彰・追悼の中心施設は靖国神社だ。中国が靖国参拝に反対するのは国のために戦う意欲を持つ日本人を消滅させるためだ。河野氏はそのことを理解していない。河野氏は危うい>
https://news.yahoo.co.jp/articles/160d8e78b4faf49314bd0255b0939536b2250412
ヤフーニュースのコメント欄も批判一色。<入閣してから右寄りな発言が多くなりましたが、元々はリベラルな方でしたよ。それまでの発言をコロッと変えたときは、一体どうしたんだ?と思いました>、<岸田はリベラルで河野はリベラル・左翼で高市だけが保守ってことになるってことか>、<河野氏が保守なんてありえない>などのコメントが出ていました。
●産経新聞も「河野太郎がワクチン行政を自画自賛」と批判記事
2021/09/19追記:今の河野太郎さんが左翼なわけねーだろ!と思うのですが、右派の人ってすぐ「左翼」と言って批判するんですよね。安倍首相も国民で多数派だった五輪反対派を左翼扱いしてました。産経新聞の方は「左翼」とまで書いていないようですけど、上記の夕刊フジ記事の翌日に<ワクチン行政を自画自賛「河野太郎でなかったら…」>(9/12(日) 23:39配信)という批判的なタイトルの記事を書いています。
<自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を表明した河野太郎ワクチン担当相は12日夜のフジテレビ番組で、自身が担う新型コロナウイルスワクチン行政を自画自賛した。「自分で言うのもなんですけど、言っちゃいますけど、やはり河野太郎でなかったらここまで来なかっただろうと正直、思っています」と述べた。日本におけるワクチン接種回数の増加などを根拠とした>
https://news.yahoo.co.jp/articles/52b56c88a13036f643c7f411fca66032a2ac1b40
(ヤフーニュースの反応)
<結構迷走していただろ(笑)日曜日の報道番組で大口叩いて、水曜日には謝罪なんてことも何度もあったと記憶してる。正直現場が頑張っただけ。良いことは自分の手柄。失敗したら部下の責任・・・こういうタイプだな>
<過去の栄光とも言えない、周りに助けられ出来た事をこのように自分の手柄だと大々的に発言とは恥ずかしい>
<自画自賛かよ。まず、医療関係者、配送業者、ワクチン接種してくれた国民にありがとうございます。じゃないのかな??>
河野太郎議員の自画自賛発言は、当然ながら右派以外からも批判。右派は手のひら返し批判ですが、そうじゃなくて、以前から批判していた人も多かったですしね。<河野太郎、ワクチン行政を自画自賛で批判の声「人の手柄を横取りするな」>(9/13(月) 17:24配信 SmartFLASH)という自画自賛発言に反応した記事が出るなど、ちょっと話題になりました。
「河野大臣の手腕によって、ワクチン接種が滞りなく進んだかというと、決してそうとは言えない現状があります。7月には、『国からワクチンが来ない』として、各自治体で接種予約の停止が相次ぎました。それまで、国としてはひたすら接種ペースを上げることを要請していたため、自治体からは『はしごを外された』という怒りの声があがりました。
(中略)もともと、ファイザー製のワクチンが7月以降に供給が減ることは5月時点で発表されていました。国会審議では、このタイミングで、自治体への注意喚起ができたのではないかとの指摘もなされました。さらに、モデルナ製の調達量が減ることを4月には把握しながら、契約上の理由で7月まで公表していなかったことも問題視されています」(政治ジャーナリスト)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0a67ae4e33a244abaf4fbfbeec90261d16a3a511
(ヤフーニュースの反応)
《どんどんボロが出てきてる。人の手柄を横取りとはね》
《県は国からのワクチンが急に減っててんやわんやしてたけどな》
《河野大臣でなかったら、もっとスムーズに接種が進んだのに、が、国民の声だぜ!》
《受けたい人が受けられないとか、ワクチン会場設けるのも自治体まかせだというのに どこをどう評価したら自画自賛となるのか?》
●自民党幹部「菅政権のワクチンの迷走は河野太郎大臣のせい」
2021/09/23追記:他でも書いた話なのですが、ワクチンに関しては上記より少し前に、自民党の甘利明税調会長が「菅政権のワクチンの迷走は河野太郎大臣のせい」という趣旨の皮肉を言っていました。これは今まで認めてこなかった菅政権の新型コロナウイルス対策の失敗を認めたようなものですから、墓穴を掘った形にもなっています。
<自民党の甘利明税調会長は6日、国会内で行った講演で、党総裁選に立候補する意向を固めた河野太郎行政改革相について「菅(義偉)総理がダメだと、たたかれた一番の原因がワクチンの迷走といわれているのに、ワクチン担当大臣の評価が上がるとは、よくわからない」と皮肉った>
(
自民・甘利税調会長が河野氏に皮肉 「迷走したのに評価上がった」 2021年9月6日 15時53分 朝日新聞より)
甘利さんは、河野さんが所属する麻生派の幹部。ただ、河野さんは、所属する麻生派の幹部らに立候補の意向を伝えたものの、同派内にはすでに立候補を表明した岸田文雄前政調会長を推す声も多かったとのこと。私は甘利明議員と言うと、安倍元首相のお友達(実際、安倍首相時代に重職を歴任)というイメージでしたが、岸田さんとも近く、岸田さんが立ち上げた議員連盟の幹部にも就任しているそうです。
この話は朝日新聞だけでなく、自民党、特に安倍元首相一派を熱烈に支援する産経新聞も<甘利氏「ワクチン迷走といわれた担当相の評価が上がるとは」 総裁選で河野氏に皮肉>(9/6(月) 13:58配信 産経新聞)という記事で報道。ただ、この時点のヤフーニュースでは、河野太郎批判ではなく、甘利明批判が多くなっていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ab602ef96a7fea1fbe2b2569cf13ee5edfeb83c
(ヤフーニュースの人気コメント)
<河野さんは、貴方と違い最終的に自身で判断します。安倍さんがトランプさんに買わされそうになった迎撃システム役に立たない事わかり、防衛大臣としてやめました。とこで、甘利さん、説明責任果たすと約束した印西での公共事業補償費アップ斡旋に伴う裏金500万円の件、いつ説明するのですか!>
<皮肉を言っている場合じゃないよ。そんな暇があるなら、自分に関連したまだ説明していないことを、皆が理解できるように説明してください>
<甘利君、7割の得票で総裁になった菅首相を大して助けるでもなく支持率が落ちたからと言うだけで「見捨てた自民党」の政党支持率が35%もある事の方が「不思議」だよ>
(
はてなブックマークの人気コメント)
< 河野太郎を擁護するつもりは全くないが、自民党という政党ではなぜ、大臣室で堂々と賄賂を受け取った輩が偉そうな口を利けるのか。まともな民主主義国家なら断じてありえないだろう?>
<河野氏もどうかと思うけど、そもそもそれとは比較にならないレベルで甘利氏はアウトなのに何故上から目線で話してるんだろう>
<目くそ鼻くそという言葉は自民党内の批判によく似合うな。で、甘利さんは収賄疑惑の説明はいつ行うのですか? 退院後に説明するといって何年も経ってますが>
●河野太郎議員支援の菅首相を手のひら返しで叩き出す人も
3つ前の夕刊フジ記事では「河野が当選したら、もれなく菅・創価学会が付いてきます。共に反靖国派」というコメントがついていたのも笑いました。菅首相が総裁選に出たときは「菅候補以外だと日本は終わる」って、安倍元首相系右派が応援していたんですけどね。手のひら返しすぎてすごいですわ。
ちなみに菅首相が河野太郎さんを支援することを報じた、2021/9/4(土)の<菅総理は「河野氏を支持」の意向 総裁選>(日本テレビ系(NNN))の時点では、このタイプの批判は上位にありませんでした。上位5件に批判的な内容は含ま
れていたものの、自民党は基本的に全部ダメというタイプの批判などで、左翼批判はなし。変節漢という指摘が1つあった程度で、むしろ好意的なものもありました。
<新たに立候補の意向を表明した河野ワクチン担当大臣ですが、菅総理大臣が周辺に対し、河野氏を支持する意向を伝えたことが分かりました>(記事本文)
<河野さんか岸田さんのどちらがだろうね。次の総理は。石破さんも多分出ると思うけど厳しそう。野田さんは論外です>
<A2や2F(引用者注:安倍元首相・麻生元首相・二階幹事長のこと)が、バックアップするような政権であれば、看板の掛け替えだけでは、国民からの支持は、得られない。総理辞めた人間がキングメーカー気取りで、何度もやるって、異常だ。外国同様、隠居すべきだ。自民の若手も、菅では自分の選挙がおぼつかなくなってから、騒ぎ出す。ロクな仕事もせず、議員なんて半減でいい>
<おそらく菅と河野の間で話はできていたのではないか>
<思うに岸田氏への嫌がらせだと思う>
<岸田さんになったら二階は消える。河野さんになったら二階はそのまま。個人的には河野さん好きなので応援したいですが、根本的な日本の汚点を排除するには岸田さん一択でしょう>
<自分のあとは河野さんとずっと仰ってましたね。河野さんも推薦人、支持者固まりつつある様ですね>
<長老を牽制しつつ、手堅くコロナ禍の難局を乗り切る。そんな議員が自民党内にいるのだろうか。残念ながら河野さんは長老に逆らえないことは分かっているので、選挙の神輿程度になってしまう可能性がある。それとリップサービス旺盛だけど発言の二転三転が目立つのもやめた方が良いと思う>
<河野さんは、自己責任型の自民党とセーフティネット強化型の民主党が切磋琢磨する二大政党制を構想。(中略)竹中平蔵構造改革路線だけど、賛成するにしろ、反対するにしろ、政治家の考えについて国民は調べた方がいいよね>
<叩き上げの菅氏が2世議員を必死に担ぐ。ある意味、硬直した日本社会を象徴している。岸田氏も石破氏も野田氏も2世議員。2世議員でなければ国の舵取りができないとすればこの国の未来は明るいとは言えない>
<なんか…河野氏が今総理になると菅氏の二の舞になる気がする。伸び伸びとやっている大臣の職についている限りはそんなことはなかったけど。24時間痛烈に批判されまくる河野氏は見たくないなぁ…今の菅総理が良い例だよ。今回は…岸田氏の方がいいかもしれない。お互いのためにね。河野氏は将来のいざという状況で総理になれば良い。(敵国と交戦状態に陥った時とか)>
なお、菅首相はその後も改めて河野太郎候補支持を表明。<菅首相、河野氏支持を表明 コロナ対策「継続が大事」―自民総裁選:時事ドットコム>(2021年09月17日)などの記事が出ています。菅首相がそもそも不出馬表明した一因は、安倍元首相などに梯子を外されたためとも報道されていますし、こちらのおふたりも仲違いした格好なのかもしれません。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021091700950&g=pol
●マスコミや左翼や野党が河野太郎首相を熱望しているって本当?
2021/09/27追記:この前ツイッターの反応も見てみたのですが、「マスコミや左翼や野党が河野太郎首相を熱望しているからダメ」みたいな変な理論のが多くて唖然。マジな左翼の人や野党なんか河野太郎議員を嫌っているでしょう。自民党総裁候補の中から消去法で相対的に見てまだマシ…ならわかるのですが、「熱望」はあり得ません。本気で言ってるんですかね?
しかも、彼らが「マスコミが推している」と考える根拠として、世論調査に関する報道を載せている人までいました。それはマスコミが推しているんじゃなくて、アンケート結果です。世論調査のしくみをわかってないのでしょう。右派の産経新聞の共同世論調査では捏造が過去に判明しており、捏造という理解なのかもしれませんが…。
ということで、ひどいツイートだらけで読んでいると気持ち悪くなってきたのですが、とりあえず、河野太郎さんを左翼だと認定し叩いていた証拠として、前述した「マスコミや左翼や野党が河野太郎首相を熱望!」という系統以外のツイッターの記事を載せておきます。これはこれで頭が痛いですけどね。
●右派「偽装保守河野太郎・リベラル石破茂・小泉進次郎に反発」
2021/10/09追記:右派の醜い仲間割れの話はまだあります。以前も書いた産経新聞社の夕刊フジは他にも
河野氏が麻生派から「脱藩」含みの大勝負 自民総裁選で石破氏&進次郎氏とタッグ、狙う“リベラル政権誕生” 安倍氏ら党内保守派から反発必至か( 2021年9月14日 17時11分)という記事を書いていました。石破茂議員は左翼とも批判されていますが、実際には右翼なタイプ。小泉進次郎議員の方は最後、菅首相の側近のようになっていましたね。
<自民党総裁選(17日告示、29日投開票)で、河野太郎行革担当相が「脱藩」含みの大勝負に出た。所属する麻生派領袖(りょうしゅう)、麻生太郎副総理兼財務相の「天敵」である石破茂元幹事長に支援を要請したのだ。小泉進次郎環境相は14日にも「河野支持」を正式表明するとされ(引用者注:その後実際に支持)、「河野首相(総裁)-石破幹事長-進次郎官房長官」という“リベラル政権誕生”を狙っている可能性がある。岸田文雄前政調会長と、高市早苗前総務相が政治理念や政策を掲げて支持拡大を進めるなか、知名度のある政治家を集めて一気に撃破するつもりなのか。軍事的覇権拡大を進める中国に、どう対峙(たいじ)するのか。高市氏を支持する安倍晋三前首相など、党内保守派の反発が注目される>
<総裁選出馬にあたり、河野氏は持論である「女系天皇容認論」や「脱原発」などを封印し、“方便”“偽装”などと批判されている。こうしたなか、知名度の高い石破氏に猛烈なラブコールを送ったといえそうだ>
この記事では、<河野氏と石破氏、進次郎氏が連携すれば、国民的注目が集まるのは必至だ。「脱原発」「脱炭素」「日中友好」などを掲げるリベラル系メディアや識者も歓迎するとみられる>とも書いていましたが、例によって怪しいところ。歓迎するリベラルマスコミや識者もいるのかもしれませんが、別に大歓迎しているわけではないでしょう。
というのも、そもそも菅政権で閣僚を務めていた河野太郎大臣や小泉進次郎大臣は、今まで普通にリベラル系マスコミやリベラル系識者に批判されていた…という動かせない事実があるため。彼らをリベラルが熱望しているというのは、右派の妄想です。今回たとえポジティブな評価があったとしても、他の自民党候補よりマシといった消去法的な評価でしょう。
●河野太郎議員の「消費税で年金」にも批判、でも実を言うと…
この話を下書きしたのは総裁選前だったので、上記に続けて<誰が首相になっても地獄しか見えないいわゆる「究極の選択」みたいな罰ゲーム状態で、ツラいですわ…>と書いていました。また、下書きの後、別の投稿で使った記事にも河野太郎批判があって紹介したので、こちらにも転載しておきます。
これはまた夕刊フジの記事で、<自民党総裁選、不用意な発言でにじむ「危うさ」 河野氏「年金の最低保証」に消費税 岸田氏「新自由主義との決別」主張 高市氏は意外に安定>(9/27(月) 16:56配信)というもの。バリバリの右派論客・長谷川幸洋さんによる記事でした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c245943972096528f35c793705fe4ebf5613443
長谷川幸洋さんは、沖縄県の基地問題に関してデマを流したテレビ番組に出演しているなど、右派の中でも特に右寄りの方ですね。「いまの基礎年金は本当に最低保証になっているのか。最低保証部分は保険料ではなく、税でやるしかない。(財源は)消費税がいいと思っている」という河野太郎さんの発言について、以下のように批判的だったのです。
<そもそも、「年金は保険」だ。給付額を増やすなら、税負担を言う前に、なぜ「保険料引き上げ」を言わないのか。英語で「ペンションタックス」と言うように、納付義務があるので、普通の人にとっては、保険料も税と同じだ。違いは、保険料なら納めた記録が残って、自分の負担と給付の関係がはっきり見える点である。
税で納めて、この関係が分からなくなったら、もはや保険とは言えないだろう。
現在の税負担部分を増やすにしても、私は消費税の負担増に反対だ。社会的公正を保つには、高所得者の負担が重い累進構造を持つ所得税を活用した方がいい。
大問題に果敢に挑戦する姿勢は高く評価したいが、いかにも話が生煮えで、かえって「危うさ感」を出してしまったのではないか>
上記は一部賛同できる部分があるものの、いろいろツッコみたいところも。一番指摘しておきたいのは、「消費税を年金に」を含む概念である「消費税を社会保障に」という主張なら、河野太郎さんのオリジナルではなく、安倍政権・菅政権と同じ方向性だったということ。河野太郎さんを批判するなら、安倍首相や麻生太郎財務大臣なども批判しなくちゃいけません。
<政府は1日(引用者注:2013年10月1日)の閣議で、2014年4月の消費税率8%への引き上げを決定した。(中略)首相(引用者注:安倍首相)は「消費税収は社会保障にしか使わない」と理解を求めた>
(
消費税、14年4月8%を政府決定 経済対策5兆円: 日本経済新聞 2013年10月1日より)
<麻生太郎財務相は18日の衆院財務金融委員会で、消費税は少子高齢化が進む中での全世代型社会保障の実現に必要なため、今引き下げることは考えていないと述べた。清水忠史委員(共産)への答弁。(中略)麻生財務相は消費税が社会保障制度上不可欠との従来見解を繰り返した>
(
今消費税引き下げは考えていない=麻生財務相 | ロイター 2020年11月18日より)
●河野太郎議員の親族企業が中国で合弁企業、ウイグル人を強制労働?
2021/10/18追記:夕刊フジでは、百田尚樹さんともよくコンビを組んでいて、右派に人気のある有本香さんが<河野氏、親族企業問題で説明不足 合弁する中国巨大企業「BOE」にウイグル人強制労働疑惑 誠実な姿勢の野田氏と対照的>(9/27(月) 16:56配信)という記事も書いていました。河野さんは新たに自民党の広報本部長になっています。こんな党は潰さなくちゃいけませんね。
この記事で、有本香さんは、河野氏と野田氏ともに「自民党内左派」さが違いが大きいとしていました。第1は、語り口で、男性候補2人に比べ好感度は格段に高い…と評価。男性候補2人となっているので、河野太郎さんだけでなく、岸田首相も語り口が悪いってことですね。以下のように岸田首相もまとめて批判していました。
<河野氏と岸田氏が万事につけ、知識の披瀝(ひれき)の後、「検討する」「議論する」とお茶を濁すのに対し、野田氏は「自分はどうするか」を語っている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fe056a31008a978b04fa20990b1203d028eb17f
なお、<河野、野田両氏の違いの第2は、自身の親族に関する「疑惑」への説明姿勢>だとされていたのですが、別にこれは全然野田さんは立派ではありません。野田さんの夫が裁判で元暴力団と認定したのに、野田さんが「夫を信じる」とSNSで主張し続けているのでむしろ問題かもしれません。一方、河野さんの件は以下のような感じで疑惑止まり。裁判で認定されている野田さんの方が無理筋な感じです。
<河野氏が株式を保有し、父の洋平氏が会長、実弟が社長を務める「日本端子」(神奈川県平塚市)に関する「疑惑」がネット上を騒がせ始めたのは先週後半のことだ。
21日の記者会見で、本紙「夕刊フジ」の記者がこの件を質問したが、河野氏の答えは「私の政治活動に影響を与えるということは全くない」「資産報告を毎回しっかりやっており、問題はない」だった。
ネット上にも「河野擁護」らしき声が上がった。「違法ではない」「中国進出している企業は山ほどある」「麻生太郎副総理も、鳩山由紀夫元首相(の関連企業)も同じだ」「中国進出企業が現地で合弁させられるのは常識だ」など。どれも一見、もっともらしいが、そんなことは河野氏に疑問を抱くネット民の多くとて先刻ご承知だろう。
海外事業がほぼ中国のみで展開されている「日本端子」について、多くの国民がいぶかしく思うのは、不釣り合いな合弁相手だ。
同社のサイトによると、関連会社である北京日端電子有限公司(北京市)の合弁相手は「北京京東方科技集団股分有限公司(BOEテクノロジーグループ)」だという。ディスプレーで世界屈指のシェアを持ち、営業規模2兆円を超える大企業が、100分の1以下の規模の日本の中小企業に、特例的な株式比率での合弁を許してきた。その理由は「日本端子が、河野ファミリーの会社だからではないか」と誰もが思う>
この他、2020年3月、オーストラリアのシンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」が、世界80以上の有名企業のサプライチェーンに組み込まれている中国の工場で、8万人以上のウイグル人が強制労働させられているという報告書の中では、「中間業者」としてBOEの名も記されているとのことでした。
●河野太郎議員も岸田文雄首相も票目当てのミエミエ・偽装保守
2021/10/24追記:別のところで使った記事をこちらにも。長谷川幸洋さんが夕刊フジで、<本音を隠した? リベラル路線から軌道修正の河野氏と1年でハト派から変身の岸田氏 高市氏は「タカ派姿勢」割り切り前面 野田氏は今後に注目>(2021.9.18)という記事を書いていました。河野太郎さんは偽装保守だとしています。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210918/pol2109180001-n1.html
<河野氏の発言を追ってみると、従来のリベラル路線から、微妙に軌道修正している様子がうかがえる。
例えば、原発について、従来は「脱原発」を唱えていたが、「明日とか1年後といった話ではなく、当面は原発再稼働を容認する」に変わった。「女系天皇容認」についても、「皇位継承は有識者会議の議論を尊重する」と言い方を変えている。
党内保守派の支持を集めるためには「ウイングを広げざるを得ない」という話なのだろうが、果たして吉と出るかどうか。保守派から見れば、「原発」も「女系天皇」の問題も政策の根幹に関わる問題で、選挙で立場を変えるような軽い話ではないからだ。
票目当ての思惑がミエミエで、むしろ反発を呼ぶかもしれない>
記事ではこのときの総裁選で勝利する岸田文雄前政調会長が、敵基地攻撃能力の保有について「有力な選択肢」、武力攻撃と断定できないグレーゾーン事態について「法整備を検討」などと言っていたとした上で、「こちらも本心はどうか」と書いていました。つまり、同様に「票目当てのミエミエ・偽装保守」といった見方のようです。
<敵基地攻撃能力の保有でも、グレーゾーン事態への対応でも、本当に新たな法整備を進めるとなったら、中国の猛反発は避けられない。ところが、岸田氏の本領は、2冊の著書の題名にあるように『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)、『核兵器のない世界へ 勇気ある平和国家の志』(日経BP)といった典型的なハト派路線なのだ。
これらの本が出版されたのは、昨年9月と10月だ。わずか1年で、急にタカ派に変身した、とは思えない。こちらも、河野氏と同じく「党内保守派の支持を得たい」という思惑ではないか>
●大臣なりたさに変節?河野太郎議員がブログ削除ので主張封印
2017/10/10:私は全然左派は好きじゃないのですが、自民党はもっと合わず、大嫌いな政治家が多いです。ただ、不思議なことに、好きな政治家というのも、むしろ自民党に多くいました。ところが、安倍政権で彼らが閣僚になると、次々と化けの皮がはがれたというか、ダメなところばかり見えてがっくりくることの連続。結局、自民党に好きな議員は一人もいなくなってしまいました。
河野太郎さんはその中でも特におもしろいと思っていた議員で、一番好きと言って良い政治家だったものの、2015年だったでしょうか、行革担当相などとして初入閣した際に、今まで書いていたブログを削除してしまったときに愕然としました。
河野太郎さんが良いと思ったのは、自民党にとって都合の悪いことでもはっきりと主張していた点。なので、おそらく安倍政権と合わない主張があったことを隠したかったのでしょう。結局、欲にくらんで権力に従うのかと、一気に覚めました。同様の見方はあり、
そこまでして大臣になりたかった? 河野太郎氏、ブログ削除で「脱原発」持論「封印」 : J-CASTニュース(2015/10/ 8 18:11)という記事も出ています。
私は脱原発で支持していたわけではないんですが、記事によると、河野さんは、「核のゴミ」問題が解決しないままでの原発再稼働を「無責任」だと主張してきました。しかし、2015年10月7日に入閣が決まると主張をつづったブログの記事は削除してしまっています。
記者会見では「(安倍首相と)ベクトルとしては同じ方向を向いている」と釈明し、「決まったことについては、それを誠実に実行する」とも述べたものの、記事は「苦しい釈明」と指摘。"すっかり牙を抜かれてしまい、大臣なりたさに「迎合」したといわれそうだ"とも書かれていました。
●河野太郎氏の変節は称賛されて、希望の党合流の民進党は批判される不思議
その後、河野太郎さんは外務大臣への大出世。産経新聞と自民党の御用新聞を争う読売新聞は、以下のように評価していました。
"河野氏は改革派を名乗り、脱原発や厳しい行政改革を主張してきたが、外相就任後は持論を封印。外交も無難にこなしており、自民党内の評価はうなぎ登りだ。この日の演説も安倍政権の方針から逸脱せず、応援要請した陣営側からは「バランス感覚がある」と評価する声が出た"
(河野外相と進次郎氏、引っ張りだこの2大弁士 2017年 10月09日 19時16分 提供元:読売新聞より
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1459081/)
でも、これって単に、自分の欲のために主張を捨てただけですよね。安保法案に反対していた民進党議員が、安保法案賛成を踏み絵にした「希望の党」と合流することは叩かれている一方で、河野太郎さんの心変わりが褒められているというのは、矛盾を感じます。
(なお、希望の党の場合、当初は民進党の主張を丸呑みするようなことを言っていたのに、後からそれを覆したということで、希望の党の方にも問題がありました)
●自民党は勝ちすぎた? 河野太郎議員と森喜朗元首相らの確執
2017/10/10:ということで、すっかり評価が変わってしまったのですが、もともと書いていた話は2009年の河野太郎さんに好感を持ったときの話です。
2009/9/10:自民党が惨敗して政権交代が起きた選挙において、自民党の河野太郎議員が「自民党は勝ちすぎた」という旨の発言をしていたようです。
河野太郎-Wikipediaを見ると賛成できることばかりというわけでもありませんが、今回読んだ記事では「なかなかおもしろい方だなぁ」と感じました。
読んだ記事は
民主勝ち過ぎ、「2大政党制」雲散霧消か(2009/8/31、日系ビジネスオンライン、以下※1)と
自民・河野太郎が懸念する 「自民勝ちすぎ」の意味(2009/8/31、J-CASTテレビウォッチ、以下※2)なのですが、2つの記事のタイトルが矛盾するようなものになっていておもしろいです。
8月31日の朝ズバッ!という番組で、河野議員は「(自民党は)ちょっと勝ちすぎましたね」と言い、「世代交代するなら、もう少し整理したほうがよかった。中途半端に勝ったのが1番良くない。負けるなら、とことん負けて一から出直し――更地に大きな石がずいぶん残っちゃったんで」とその感想の理由を説明したそうです。(※2より)
大きな石が残った、つまり「目の上のたんこぶ的なロートル上司たちの当選が残念無念」(※2より)という意味のようですが、河野議員は自民党のベテランらには積年の不満があるようです。
まず、13年前、衆院選で初当選したときは、「今の年金制度はもうダメです。抜本的な改革が必要です」と訴えると、先輩議員から白い目で見られたそうです。この年金改革は、ポスト小泉を決める総裁選でも「年金改革をやるなら河野太郎、やらないなら安倍晋三」と訴えています。(※1より、推薦人が集まらず立候補自体は断念)
重鎮に呼びつけられ、「冥王星は太陽系の一番外れたところをぐるぐると回っている。おまえは自民党の中で一番外れているから、自民党の冥王星だ」と言われ、悔しくて「冥王星が外れているのではありません。太陽の位置がずれているんです」と言ったそうですが、以降も党の上層部から疎まれる主張を繰り返します。(※1より)
●改革派として知られていた河野太郎氏
2008年6月に発足した自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」では中心的な役割を果たし、すべての予算を総点検、胡散臭いと感じた時は、担当部署など現場に乗り込み、予算の使い道を徹底的にチェックして詰めたそうです。
これに参った局長や次官クラスが自民党本部の重鎮に「何とかしてくれ」と泣きつき、森喜朗元首相に呼ばれ、「おまえいい加減にしろ」と怒られたそうです。河野議員にしてみれば「何で私がいい加減にしないといけないんですか。」という思いで、「いい加減しろと言う矛先は役所でしょ。役所に言ってください」とケンカしたそうです。(※1より)
野党も批判していた「メディア芸術総合センター(国立マンガ喫茶)」でも、文科省に突っ込みます。「中に入れるマンガやアニメやゲームの予算が残っていないじゃないか」と言うと「寄付で」との回答、さらに運営の見込みを聞くとグッズの仕入れにかかる費用を考えていないという状況だったので、「もうこれはダメだね、はい凍結」と結論を下すと、与謝野馨前財務大臣に怒られます。
「河野はマンガやアニメやゲームの重要性をちっとも分かっとらん。けしからん」と言われますが、「けしからんのは財務大臣でしょ。マンガやアニメやゲームが日本の文化として海外で評価されていることも、経済的に重要であることも十分に分かっている。でも、何で117億円かけて5階建ての建物を作ると、マンガやアニメやゲームの産業が盛んになるのか。何の説明もない」と噛み付いたそうです。(※1より)
また今回の選挙では「与党にとっての本来のマニュフェストは、毎年やっている骨太の方針でしょ。それと全然違うのを出してきて、どうすんの。与党は政権運営の実績を示して、だから引き続き選んでくださいというのが、あるべき姿。だけど示すものが何にもない」と批判したそうです。(※1より)
というわけで、河野議員は党の上層部への不満は溜まっていたようですが、「じゃあ、何で自民党に残るの?」という話が次でした。
参考記事
※1
民主勝ち過ぎ、「2大政党制」雲散霧消か(2009/8/31、日系ビジネスオンライン、以下※1)※2
自民・河野太郎が懸念する 「自民勝ちすぎ」の意味(2009/8/31、J-CASTテレビウォッチ、以下※2)●野党としての自民党の大切さ
2009/9/11:昨日見てきたように、自民党の河野太郎議員は自民党上層部に不満が募っているようです。では、逆風の予想される今回の選挙において、なぜ自民党に残ったのでしょう?
河野議員はこれについて、「何が大事かって、健全な2大政党制でしょ? 別に対立する政党は自民党じゃなくてもいいけれど、自分にとっては、自民党を一から作り直して、乗っ取っちゃうのが一番手っ取り早い。民主党のやらないところをやる政党は必要だから、必ず生まれてくるわけで、世代交代をした自民党が一番、そうなりやすいと思っている」と答えています。(※1より)
私は首相であったころの小泉純一郎さんが「自民党をぶっ壊す」と言いながら、自民党にこだわっていたように見えて、それを不思議に思っていました。それに対して、河野議員のこの説明は自民党の今の状況からすると理解しやすいです。
河野議員は選挙中から既に衆議院選敗退後の野党自民党を意識していたようで、有権者へ次のように訴えて今回当選を果たしました。
「残念ながら、ここ最近の報道を聞いていると、自民党が政権を担当するのは難しい状況のようであります。しかし、どの政権もまっすぐ進んでいるか、正しい方向に向かっているか、常に誰かがチェックしなければ、必ず曲がります。必ず誤ります」
「だから私が野党として、今度できる新しい政権をきちんとチェックする役割を果たしていきたいと思っています。正しい方向であれば、それを全力で後押しする。違っているんだったら、政権に政策を変えさせる。そういう健全野党の役割を果たしてまいりたい」
「そして、そういう役割を果たしながら、自民党の世代交代を進め、一から自民党を作り直し、4年後の総選挙で『もう1度、自民党やってみろよ』と国民の皆様から言われるような自民党を作ってまいりたい」 (以上3つ、※1より)
●自民党はこのまま万年野党になる?
しかし、※1の記事では、「自民党は2大政党制を担う『健全野党』として本当に機能していけるのだろうか。目下のところ、不安視する声は多い」と書いています。
選挙コンサルタント会社の代表を務める宮川隆義さんは、8月中旬に発売された週刊誌で、「民主291議席、自民128議席」(実際にはさらに差がついた)という自身の予測に基づき、「『自民党は政権に復帰できるでしょうか』。(中略)自民党議員や関係者から、そう聞かれることが多い。私の答えは決まっている。『できません。少なくともあと20年はムリです』。本当を言うと20年どころか、このまま自民党が露と消えるかもしれない、とさえ思っている」と言っていたそうです。(※1より)
この理由を※1では、かつて自民党を支えた業界団体の支持が既に一部他党に乗り換えているのに、多くの自民党候補者はこの変化に気付けておらず、相変わらず業界・地域への利益誘導を口にしているため、このまま自民党が変わらなければ自民党は「2大政党制」の一翼を担えないと説明しています。
ここらへんは他のブログ等で読んだ展望と異なっていますし、私もこのまま「民主安泰、自民万年野党」とは思えないんです。
今回の選挙が多くのところで言われているように「自民党の否定」であり、「民主党の支持」といった側面は弱かったとしたら、今後の政治次第で次の衆議院選で「民主党の苦戦」もありますし、それどころか「民主党の大惨敗」も充分有り得るような気がします。
今回民主党は風が吹いたので勝てたのだとすれば、ちょっと風向きが変わればあっという間に負けるという危険性をはらんでいる支持層の弱い候補者が多いのではないかと思います。
(2017/10/10追記:その後の民主党は知っての通りで減り続けて消滅、さらに後継の民進党も消滅し、希望の党と立憲民主党とに分裂しました)
それはさておき、河野議員の「自民党の作り直し」は頑張ってほしいと思います。
参考記事
※1
民主勝ち過ぎ、「2大政党制」雲散霧消か(2009/8/31、日系ビジネスオンライン、以下※1)【関連投稿】
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