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特許庁システム刷新頓挫で55億円の税金が無駄に 失敗の東芝、賄賂のNTT 悪いのは官僚?政治家?


 54億とあったり、55億とあったりで一定じゃありませんが、金額は大体54.5億ちょっとらしいです。

 酷い話がてんこ盛りなんですが、仕事そのもの以外のところでもおかしな話が見えます。

 「システム入札情報入手に賄賂」、特許庁審判官とNTTデータ社員を逮捕
2010/06/22 吉田 洋平=日経コンピュータ 

  警視庁は2010年6月22日、特許庁の基幹システム再構築プロジェクトの入札関連情報を提供する見返りに、NTTデータ社員から数百万円分のタクシーチケットを受け取ったとして、同庁先任審判官の志摩兆一郎容疑者を収賄容疑で逮捕した。タクシーチケットを渡した、NTTデータ社員で特許庁の営業担当部長である沖良太郎容疑者も贈賄容疑で逮捕した。

 特許庁が2006年に実施した、基幹システム再構築プロジェクトのシステム設計工程の入札において、NTTデータは受注を逃した。それ以前は、1990年からシステム全体の開発・運用を委託する「データ通信サービス契約」を交わしていた。報道によれば「警視庁は、NTTデータの社員が、その後の入札を有利に進めるために賄賂を渡したのではないかと見て関係を調べている」という。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100622/349509/

 既に上で書いているように"NTTデータは受注を逃し"ていますので、55億無駄の犯人ではありません。また、この賄賂も今回のシステム刷新そのものではなく、"今後入札が始まる予定の業務アプリケーション開発工程の受注を狙って"のものだったようです。


 問題の"特許庁の基幹システム"は、"特許、実用新案、意匠、商標の知財四権について、出願の受付、審査、登録といった基本業務を支える"ものだそうです。

 今から読むと笑っちゃう話ですが、"特許庁はシステム開発・運用コストの削減を狙い、分割発注方式への方針展開を決定、2006年にシステム設計工程の入札を実施した"そうです。

 応札したのは3社、NTTデータ、日立製作所、東芝ソリューションです。

 そして、"東芝ソリューションが94億5000万円で落札していた"と、この記事にはありました。

 先の55億というのは途中で頓挫したためそれで済んでいたということじゃないかと思いますが、落札価格も記事によって多少数字が異なります。(「55億で済んだ」ですが、ゴタゴタしていますのでおそらく最後までやると予算オーバーしたと思われます。当初の見積もりでは全く収まらない進行具合という事例では、八ッ場ダムが有名です)

 以下の記事はもう少し詳しく買いており、重なる部分もありますが、そのまま引用します。

 55億円無駄に、特許庁の失敗
2012/12/10 浅川 直輝=日経コンピュータ 出典:日経コンピュータ 2012年7月19日号   

 特許庁は2004年、政府が打ち出した「業務・システム最適化計画」に沿って、特許審査や原本保管といった業務を支援する基幹系システムの全面刷新を計画した。システムアーキテクチャーに詳しい情報システム部門のある職員(以下A職員)と、刷新の「可能性調査」を担ったIBMビジネスコンサルティングサービス(現・日本IBM)を中心に、調達仕様書を作成した。

 業務プロセスを大幅に見直し、2年かかっていた特許審査を半分の1年で完了することを目指した。度重なる改修によって複雑に入り組んだ記録原本データベース(DB)の一元化に加え、検索や格納などの基盤機能と法改正の影響を受けやすい業務機能を分離し、保守性を高めるという野心的な目標を立てた。一方で、全ての情報をXMLで管理するなど技術的難度が高く、十分な性能を出せないなどのリスクを抱えていた。さらに仕様書の骨格が固まった2005年7月、A職員は異動となりプロジェクトを離れた。

 特許庁はこの調達仕様書に基づいて2006年7月に入札を実施した。政府の調達指針では、大規模プロジェクトについては分割発注を原則にしていたため、システムの基本設計から詳細設計までと、業務アプリケーション開発以降の工程を分離した。

 基本設計から詳細設計までを落札したのは東芝ソリューションだった。技術点では最低だったが、入札価格は予定価格の6割以下の99億2500万円。これが決め手となった。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121204/441882/

 "技術点では最低だった"そうです。しかし、優秀と言われる日本の官僚は"価格の妥当性について会計課は審査し、問題なしとした"そうです。


 脱談合の希望社、公共工事の利益を返還での希望社は最低制限価格以下で仕事できていました。このようにお役所価格でもともと高めということはあります。

 リアカーがネットでまとめて注文されるというけど、実物も見ないで安くないものをそんなにいったい誰が買っているの?という記事では、買っているのは学校や自治会などだという答えでした。利益を出す必要のない仕事で、他人のお金だと気軽に使えちゃうんですね。

 ただ、こうやってもともとが高い価格を想定しやすいとはいえ、あまりにも低すぎる価格の会社は怖いです。


 私も見積依頼して使う会社を選んだことが何度もあるのですが、他社に比べて低すぎると大丈夫か?と心配になりますし、実際にメーカーのミスだったという経験もあります。

 それは幸い技術的にわかるものでしたので、性能に関わる部分が明らかに少ない数値だったのを確認して、その数値から逆算したところ使用条件がかなり理想的な状態(十分あり得る状態ではある)になっていました。

 電話して聞いてみると、やはり他の仕事で使った条件そのままで計算しており、こちらから出した仕様に従っていなかったそうです。(私も別会社で使ったエクセルを流用するので、やりかねないというのはよくわかります)


 では、特許庁の場合はどうだったのでしょう?
 プロジェクトは2006年12月の開始直後からつまずいた。複数の関係者によれば、計画と工程の策定に2カ月をかけた後、特許庁は東芝ソリューションにこんな提案をしたという。

 「現行業務の延長でシステムを開発してほしい」。

 そんなこと、簡単に言うなよ……。こりゃ、酷いわ。特許庁がおかしいです。

 "調達仕様書の作成に費やしたコストと時間を無駄にしてまで方針転換した理由は定かでない"そうですが、どうもシステム部門、利用部門との間できちんと話が決まっていなかったようです。

 一般の会社でも現場に話が伝わっていないということは非常によくあることなんですが、予定価格の6割以下でも100億の案件ですよ?6割以下から逆算すると、予定では170億くらいはあったはずです。そんな案件を勝手に進めちゃうとか、信じられんわ。


 こういう風に受注の内容とすっかり変わってしまっても「お客さんの無茶に応える」というのが日本の風習ですので、東芝ソリューションは"現行の業務フローを文書化するため、2007年5月までに450人体制に増強"。さらに足りなくて"人材派遣会社や協力会社を通じて、大量の人材"を集めて、"2008年には1100~1300人体制に"します。

 ところが、"多数の開発要員を統率"したことのない東芝ソリューションはてんやわんや。出来上がるものの品質は酷かったようです。


 で、どうしようもならなくなったのか、今度は2009年4月に"開発範囲を当初の仕様書ベースに戻し"、最初の"調達仕様書を作成したA職員をプロジェクトに復帰"させます。

 一応これで「ようやくプロジェクトが回り始めた」そうですけど、それには"NTTデータの参画が必要"だったとのことす。もともと東芝ソリューションで大丈夫と受注したわけで、その論理もおかしい気がします。先の受注価格や技術点の低さはやはり問題だったのでは?という気になってきますね。

 ともかくこれで何とかと思ったそうです。ところが、その矢先に最初に引用した"利益供与"の発覚が来ます。肝心かなめのNTTデータが"6カ月の指名停止処分"となってしまいました。

 また、あちらの記事にはありませんでしたが、NTTデータ以外の日立製作所、東芝ソリューションも逮捕こそなかったもののしっかり袖の下を渡していたようです。

 しかも、あのA職員もその情報提供に関わっていたということですから、出てくる人たちが全員黒です。

 そして、プロジェクトは「開店休業」状態に。打ち切ることもなくそのまましばらくダラダラと続いた後、技術検証委員会が2012年1月に「開発終了時期が見通せない」とする報告書を公開したのを良いきっかけだとばかりに、プロジェクト中止としたようです。


 いや、もう何か呆れるようなことばかりですが、情報提供に関わっていた官僚はプロジェクトを再び外れたというだけで、結局処分らしい処分はありません。

 また事実上のプロジェクト破綻状態を打開するどころか、終わりにもできずに税金を垂れ流し続けた上、結局誰一人責任を取らないというどうしようもないことになっています。


 とりあえず、一番悪いのは「官僚叩きはおかしい」と訴える日本の優秀な官僚さんたちだと思われますが、賄賂にばかり一生懸命な応札企業の皆さんや、政治家の監督責任も問題かもしれません。

 特許庁担当の経済産業大臣の皆さんも、お名前をざっと並べておきます。


中川昭一 第2次小泉内閣 平成15年(2003年)11月19日
第3次小泉内閣 平成17年(2005年)9月21日

2004年 業務・システム最適化計画

二階俊博 第3次小泉改造内閣 平成17年(2005年)10月31日 自由民主党・衆

2006年 入札実施

甘利明 安倍内閣 安倍改造内閣 平成18年(2006年)9月26日 自由民主党・衆

2006年12月 プロジェクト開始

2007年初め プロジェクトの方針変更

甘利明 福田康夫内閣 平成19年(2007年)9月26日
二階俊博 福田康夫改造内閣 平成20年(2008年)8月2日 自由民主党・衆
二階俊博 麻生内閣 平成20年(2008年)9月24日

2009年4月 再びプロジェクトの方針変更

直嶋正行 鳩山由紀夫内閣 平成21年(2009年)9月16日 民主党・参
直嶋正行 菅内閣 平成22年(2010年)6月7日

2010年6月 利益供与判明

大畠章宏 菅第1次改造内閣 平成22年(2010年)9月17日 民主党・衆
海江田万里 菅第2次改造内閣 平成23年(2011年)1月14日 民主党・衆

2011年 開店休業状態に

鉢呂吉雄 野田内閣 平成23年(2011年)9月2日 民主党・衆
枝野幸男 野田内閣 野田改造内閣 野田第2次改造内閣 野田第3次改造内閣 平成23年(2011年)9月12日 民主党・衆

2012年 プロジェクト中止


 なぜこんなことが許されているのか、理解できません。


 追加
  ■特許庁システムだけじゃない 次期年金(社会保険)システム、人事・給与システムでも中止、停止、延期

 関連
  ■脱談合の希望社、公共工事の利益を返還
  ■復興予算の流用・横流し・不適切使途 脱官僚批判が後押した官僚のシロアリ化
  ■脱「脱官僚」・脱官僚批判が招いた消費税増税
  ■消費税増税より悪い?軽減税率の問題
  ■消費税増税では財政健全化できない
  ■その他の政治(時事)について書いた記事

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