●鳥の死因の4分の3が猫…猫は脊椎動物63種の絶滅に関与している
2020/10/22:米国カリフォルニア州にある非営利の野生動物病院「ワイルドケア」には2019年、ネコに襲われて負傷した動物が321匹運び込まれ、そのうちの232匹が亡くなりました。写真家ジャック・ワンダリーさんは、これらの動物を一枚に収めた写真を撮影して発表しています。
ネコに殺された232匹の動物たち、一枚の写真に | ナショナルジオグラフィック日本版サイト(2020.09.24)で出ていた米ジョージタウン大学が推進する「ジョージタウン環境イニシアチブ」のディレクター、ピーター・マラさんは、ネコは脊椎動物63種の絶滅に関与していて、そのほとんどは鳥類だそうです。
マラさんは「これらの絶滅を引き起こしたという事実だけでも大変なことですが、そのうえ、絶滅の危機にあるかどうかにかかわらず、全世界のさまざまな個体群に、ネコは重大な影響を及ぼしています」ともしていました。記事の中にあった図によると、自然死ではない鳥の死因の4分の3が猫で、うち3分の1程度が飼い猫だといいます。
●猫が獲物をとるのは自然なこと…ただし、飼い猫は自然ではない
上記の数字を見ると、最も大きな原因は野良猫だとも言えるのですが、飼い猫の場合は特殊なところがあります。猫が動物を殺すというのは、猫の性質・習慣であり、本来、悪いこととは言えません。ただ、ワイルドケアのアニマルケアディレクター、メラニー・ピアッツァさんによると、飼い猫は自然の状態ではないため、自然の摂理に従っていないということが重要になってきます。
<野生下での捕食・被食関係では、捕食者は獲物が足りなくなるまで狩りを続けるとピアッツァ氏は説明する。獲物が不足すると、捕食者の個体数が減少し、その結果、被食者の個体数が増加に転じる。イエネコはこのサイクルを狂わせる存在だ(中略)
「彼らは一方的に獲物の命を奪い、彼らの個体数の変化はありません。そのため、野生下の捕食・被食関係と異なり、餌食となっている野生動物が個体数を回復するチャンスは訪れないのです」 >
●猫は外出させず家の中で飼うべき?多くの鳥を殺し絶滅危惧に…
以前、ツイッターの猫の動画に「猫を外で飼うな」といった主張をしている人がいました。俗に言う「ヒステリック」な感じの人で狂気を感じました。私はてっきり動物嫌いの人なのだと思ったのですが、プロフィールなどをたどるとどうも鳥好きの人だったみたいです。猫が鳥を殺しているという論文をあげて、猫を外に出さないようにと訴えていました。
ただし、これは素人考えなところがあるかもしれません。
池の水ぜんぶ抜くで魚大量死問題…外来種駆除、実は非科学的?でやっているように、生態系は場所によって異なるため、飼い猫の影響が少ない地域もあると考えられ、調査研究を行っていない地域について断定的に言うのは難しいと思われます。
ただ、先のピアッツァさんも、今後ネコを飼う際は室内で飼うことなどを提案しており、やはり外に出さないように…と考えてはいるみたいですね。一方、前述の写真を使ったプロジェクトについて、ピアッツァさんは、動物愛好家(おそらくネコ好きな人という意味)を疎外することが目的ではないとも強調。むしろ目的は、意見の異なる者同士を結び付けることだとしており、ツイッターの人のように猫を飼っている人を攻撃することは得策ではないでしょう。
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