2012/12/14:
●パワハラはむしろあって普通? 4人に1人が被害者
●管理職・非正社員・男性・女性、パワハラを受けやすいのは?
●信用できない?社内相談窓口は全く利用されず
●社内よりも社外ホットラインを利用すべきか
2018/12/29:
●みんなの人権110番や法テラスなどの相談窓口も
●パワハラはむしろあって普通? 4人に1人が被害者
2012/12/14:2012年の7~9月に、パワハラに関する国の調査が行われていたそうです。従業員30人以上の全国約1万7千社を調査しました。回収率は27.3%(4580社)です。これとは別にインターネットを通じて、全国の20~64歳の管理職や非正規も含めた民間企業の社員9千人も調査しています。
パワハラに関する国の調査というのは、これが初めてだったとのこと。今まであまり重視されていなかったということでしょうから、こうした調査が行われたということは良いことですね。
さて、この結果ですが、厚労省によると「過去3年間にパワハラを受けたことがある」と回答した人は25.3%だったとのこと。4人に1人ですから非常に多いです。パワハラが普通に起きているということでしょう。これまで調査されていなかったことの方が問題で、やっと一歩前進といった感じです。
(
パワハラ「受けた」 4人に1人 管理職が最多 国が初調査(2012/12/12 19:01 日経新聞)より)
●管理職・非正社員・男性・女性、パワハラを受けやすいのは?
なお、職種・性別でみると、職種別で最も多かったのが管理職(男女合計)で31.1%。管理職を除いた女性社員では29.0%、管理職を除いた男性社員26.8%、正社員以外の男性20.9%、正社員以外の女性19.3%。多少数字が違うものの、管理職・非管理職、正社員・非正社員、男女の性別を問わず、まんべんなくパワハラを受けているようです。
私は以上のような感想でしたが、記事では最も多かったという管理職に注目していました。極端な差ではないので、管理職に注目することでほかへの注意が薄れると困るのですが、確かに管理職はストレスを感じやすいといった問題は指摘されています。
うちでは、
死亡率が高いのは管理職・専門職・事務職のどれ?ストレスが原因かや
仕事のできる優秀な課長が転げ落ちるとき マインドフルネスなどのセルフマネジメントは必要といった話をやっています。
●信用できない?社内相談窓口は全く利用されず
一方で、社員らから「過去3年間にパワハラに関する相談を受けた」と回答した企業は約2080社(45.2%)でした。これもやはりパワハラが日常的にあることを示しています。また、その特徴としては以下のようなものがあるとされていました。
「上司と部下のコミュニケーションが少ない」51.1%(複数回答)
「正社員や正社員以外など様々な立場の人が一緒に働いている」(21.9%)
「残業が多い、休みが取り難い」(19.9%)
一方で、"7割以上の企業が社内外に相談窓口を設置していた"のにも関わらず、パワハラを受けた人は「何もしなかった」の46.7%(複数回答)、「社内の相談窓口を利用した」(1.8%)という有様でした。
パワハラのあるような会社の相談窓口が信用できるか?と言うと疑わしいわけで、ある程度予想は可能だったことでしたが、1.8%というのは笑っちゃうほど酷い惨状です。
厚労省労働条件政策課は「相談窓口を設けてもプライバシーや人事評価への影響を恐れて相談しないケースがあると推測される。制度を設けるだけでなく、相談しやすい環境づくりが必要」としていました。
なお、相談窓口への相談が1.8%で、社員から相談を受けたと把握している企業が45.2%ってのはちょっとよくわからなかったところ。「1社で3年間にパワハラを受ける人は~人」とは決まっていませんので理論上はあり得ますけど、相談窓口以外のルートで会社が把握したという形が多いのでしょうか…。
●社内よりも社外ホットラインを利用すべきか?
2012/12/14:なお、社外の相談窓口があるだろうと検索をしてみると、ちゃんとありました。オススメっぽかったのが、この調査をした厚生労働省のやっているものです。
"こころの耳"というサイトがあり、"悩み全般 職場での悩み 生活の悩み 人権 労災補償"とジャンルもいろいろです。今回ピンポイントなのは「職場での悩み」ですが、他のときのためにも覚えておくと良いかもしれません。
こころの耳
http://kokoro.mhlw.go.jp/agency/worker/ 組織変更などありそうですので、上記サイトで覚えるのが一番だと思いますが、パワハラだと「働く人の悩みホットライン」というのが良さそうです。こちらの場合は別サイトに飛ばされます。
2018/12/29:やっぱりこういうのは変わりますね。現在は、"働く人の「こころの耳電話相談」"となっていました。
働く人の「こころの耳電話相談」
(旧こころほっとライン)
全国の働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者の方々からメンタルヘルス不調などのご相談を電話でお受けいたします。
※現在、相談件数が非常に多く、電話がつながりにくい状況にあります。あらかじめご了承願います。
0120-565-455
月火 17時~22時/土日 10時~16時 (祝日、年末年始はのぞく)
2012/12/14:私は最近割と厳しいことを書いちゃうことが多い気がしますが、こういうのは全く頑張るべきところではないですので、我慢せずに相談してみたら良いと思います。
●みんなの人権110番や法テラスなどの相談窓口も
2018/12/29:冒頭で紹介していたパワハラ初調査は民主党政権時代末期。その後、安倍政権に代わり、
内部告発者が保護されず犯人探しの上いじめらるという日本文化に追記したように、内部告発者よりも加害者の企業を守る方向性になっており、上記の相談窓口も心配になってきました。
ということで、他の相談窓口についても検索。結局、国や自治体関連が多いのですけど、
相談窓口のご案内|あかるい職場応援団 -職場のパワーハラスメント(パワハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-に多くの紹介がありましたので、いくつかリンクしておきます。参考にしてください。
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総合労働相談コーナー
(各都道府県労働局)・
職場のいじめ・嫌がらせ・セクハラ|法テラス(こちらは元ページがリンク切れしていたので、私が新たに検索したものです) 犯罪被害者支援ダイヤル 0570-079714 利用料0円 通話料:全国一律3分8.5円
PHS・IP電話からは 電話:03-6745-5601
平日9時~21時 土曜日9時~17時(祝日・年末年始を除く)
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みんなの人権110番 全国共通人権相談ダイヤル 0570-003-110 (平日午前8時30分から午後5時15分まで)
・
労働関係紛争 |法律にかかわる様々なトラブルの相談・話し合いによる解決のサポートのかいけつサポート【本文中でリンクした投稿】
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内部告発者が保護されず犯人探しの上いじめらるという日本文化 ■
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