地方の話をまとめ。<地方には特に楽な仕事がないのが問題?楽な仕事こそ地方に必要>、<えっ、逆じゃないの?田舎の方が都会より友達を作りづらい説>、<就業経験に乏しいニートや引きこもりを農家に…政府案に失笑>、<「農家が辛い」が事実なら農業を他人に勧めるべきではないのでは?>などをまとめています。
その他、<教授おすすめの「にぎやかな過疎」、成功例ですら人口は激減中>、<以前と比べれば移住者は増加傾向 しかも、ど田舎ほど増えやすい!>、<田舎ほど良いって本当?「移住失敗」「もう限界」関係悪化で離脱>なども追記しました。
2023/02/13追記:
●田舎ほど良いって本当?「移住失敗」「もう限界」関係悪化で離脱
2023/04/20追記:
●なぜいきなり難易度高いど田舎へ…テレビが美化しすぎのためか? 【NEW】
●移住だけではムリ…地方活性化は仕事がないと成功しない
2018/02/23:地域活性化で移住を促進!というのがありますが、そもそも地方には仕事がないという問題があり、一番重要なところを見落としていると感じます。住居だけあっても食べるものがないと暮らしていけませんからね。「保育園に預けられないなら田舎行け」なんてのもの同じような誤解による主張です。
そういう記事はないかな?と検索すると、出てきたのは
35歳から地方移住ってどう?彼氏の田舎へのIターンで知った現実 | 女子SPA!(2017.08.13)<TEXT/タケダマコ>という記事。仕事がないって話は多くなかったのですけど、「いかんせん、仕事が少ない!」とは言っていました。
これはより好みしているわけではなく、「何でもやりますよというスタンス」だったのにも関わらずという話。「パートやアルバイト一つとっても1日5時間程度の仕事しかなかったりします」と、田舎で定職を見つけることの大変さを痛感していました。
●地方には特に楽な仕事がないのが問題?楽な仕事こそ地方に必要
このように仕事がないことにより地方が廃れるというのは前々から考えていたものの、予想外だったのが、
安いお店の客はクレーム多く民度低い?低い家賃で滞納率も高く?でも紹介したシェアハウス失敗エピソードです。
向こうで書いたように、このシェアハウスは家賃1万円~と破格に設定したものの失敗。家賃を安くしたことにより、むしろ猛烈にお金がない人たちを集めてしまった感じ。勉強会を開いて自分なりに育成もしたものの、そもそも向上心あふれる人や勉強熱心な人だったら1万円の家賃も払えないような貧困層になってないだろうと予想されていました。
で、予想外だったのが、東京だとこうした「底辺」とこの人が呼ぶ人々でも、わりとお金を稼ぐ術があったという見方です。底辺のネットワークで楽なバイトや治験を紹介してもらったり紹介したりとなんとかしようと思えばなんとかなるシステムが東京にはあったというのです。
("シェアハウスを解散するにあたってのエントリ | ギークハウス越路"2018/2/21より)
http://geek-koshiji.com/2018/02/21/post-332/
●サービス業の多様化が加速度的に過疎化を促進
これを読んで過去に書いた投稿を思い出し、全体に修正して再投稿したのが、
地域活性化を促進するとされるITの発展、実は地方の過疎化の原因だったでした。
ここではタイトルにしたIT以外に、サービス業についての指摘も印象的だったのです。サービス産業は、需要者が供給者の存在するところに行く必要があります。なので、人が集まれば集まるほど多様なサービス産業が成立するということになる、つまり、都会ほど多くのサービス業のお店ができることになります。
例えば、高級フランス料理店のように食べる人が多くないものは、よほど人口が多い地域でないと採算が取れないなど、「集積の利益」が強く作用するため、田舎では成り立ちません。
そして、このように人口が多い地域ほどサービス産業が立地するということが、また雇用機会を生んで人を集めるということで、さらに都市への集中と地方の過疎化を進めます。加速度的に過疎化を進行させるのです。
で、今回の話は安いけど楽な仕事みたいなのも、結局、都会にあって、地方にはないんじゃないの?という話。贅沢しない暮らしであっても、都会の方が成り立ちやすいのかもしれないという意外な話でした。
●地方は「年収が安い代わりに楽な仕事」を用意する方が現実的
シェアハウスの人は、「一人あたりのGDP400万+平均消費120万で移住者一人につき500万超の効果、移住者誘致だ!」なんて絵空事を言うより、「お金ないしあんまり働きたくないので地方でのんびり生活したい」層を誘致するほうがよっぽど現実的ではないかとしていました。
そして、そのためにはアドバルーン監視のようなゆるいバイトだけを集めた求人サイトやシェアハウスに楽な仕事が定期的に斡旋される仕組みがあるといいものの、これって自治体の協力が不可欠だと主張しています。
これについて、「なんで楽な仕事を求めるシェアハウスの住民のために自治体が税金使って協力するべきなの?」という否定的な反応が出ていました。「自治体やそこに住む人にどんなメリットがあるかしっかり説明できてないと、協力は得られないっていうあたりまえの話」と一刀両断です。
ただし、そもそも地方ではその地域へ人を呼ぶことを欲しているのですから、人が来た時点でメリットになります。「ツライ仕事があるので来てください」で皆が来たがらない地方へ人が来るわけがないので、何らかの魅力を出す必要があります。
シェアハウスの人の主張としては、そういう魅力の出し方として、「平均以上のレベルの年収の仕事」を用意するのよりは、「年収が安い代わりに楽な仕事」を用意する方が可能性あるでしょ?ということだと思われます。
実を言うと、私はそもそも行政がそういうことをやるのは難しいという考え方ですけどね。これは、
国が民間企業に介入して失敗、下町ボブスレー・東芝・銀行などなどで書いています。
●えっ、逆じゃないの?田舎の方が都会より友達を作りづらい説
話がそれるのですけど、最初の女子SPA!では、予想外の田舎のデメリットがあったので紹介。これも普通は、地方より都会の方がダメだと思われているもの。なんと友達ができづらいと言っていたのです。
「(引用者注:地元出身の)旦那の友だちはほとんど男性だし、何かイベントごとでもない限りは新しい知り合いができないので、できるだけ近所でマルシェのイベントやマクロビのワークショップがあったら参加するようにしています」
ただ、ここでITが活躍。新しく出会った人たちに向けて、自分を知ってもらうようにとSNSで料理をアップすることで、「最近になってようやくですよ、料理のSNSで主婦の友だちが増えて来たのは」とのことでした。
●就業経験に乏しいニートや引きこもりを農家に…政府案に失笑
2018/09/06:農林水産省が2019年度から、ニートや引きこもりなど就業経験に乏しい生活困窮者の農業分野への就労を進める事業について、施設整備や研修などの費用を補助することを決めたそうです。
おそらく農水省がそう説明しているのでしょう。「農業は作物の収穫などを通して達成感を得られやすく、作業を通して周囲とのコミュニケーションを取りやすいといったメリットがある」とも説明されていました。
(<生活困窮者>ニートや引きこもりの就農支援に補助 農水省 9/1(土) 12:27配信 毎日新聞より)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180901-00000036-mai-soci
ところが、この政府の案がまとめサイトでは失笑されていました。そもそも仕事が嫌で引きこもっている人たちが多いのに、農業のようなきつい仕事は向かないだろうといったニュアンスの反応が多いです。
ニートについて書いた投稿も結構あるので、そっちに追加しても良いと思った話なのですけど、「楽な仕事ほど必要」との繋がりでこちらに追記。ニートや引きこもりの人たちも、給料は高くなくて良いので、むしろ簡単な仕事が必要なのでしょう。
●TOKIO山口「農業とか面倒くさい」に共感…「本物の農家だ!」
2019/04/21:DASH村で農家顔負けの活躍をしていた山口達也さんは、女子高生への強制わいせつ容疑でTOKIOをクビになっています。この事件の際には、「DASH村とか、農業とか面倒くさい。正直だりぃよ」と愚痴を吐いていたとも同時に報じられていました。
事件の報道では、強制わいせつ容疑よりこの発言の方が驚いたという反応があったのですけど、これは強制わいせつを軽視したもの。性犯罪くらい…という見方は未だに多いですね。性犯罪がなくならないのもわかる気がします。ただ、ここで書きたかったのはそういう話ではなく、農業のつらさを知っている人ならではの本音に「本物の農家だ」と称賛する意見が数多く寄せられていたということでした。
"山口達也完全に農家ですわ。農業って完全に機械化できない部分があるから愚痴る気持ちは痛いほどわかる"
"山口達也元メンバーの言う通りですよ。農業は面倒くさいしダルい。儲かんないんだから"
(
「農業とか面倒くさい」 元TOKIO・山口達也の愚痴に「完全に農家」と共感の声 (2018年5月9日) しらべぇより)
●「農家が辛い」が事実なら農業を他人に勧めるべきではないのでは?
そもそも多くの仕事が辛いもの…と言うのならわかるんですけど、「農家はマジ辛い」をあまり強調してしまうと、また農家のなり手不足につながってしまいます。まあ、事実なら仕方ないんですけどね。ただ、そうした場合、農家が不人気なのは当然ということで、むしろそんな仕事をやらせようというのが無茶だということに。勧めてはいけない仕事だということになります。
また、「農業とか面倒くさい。正直だりぃよ」が事実であり、農家が辛いものであるというのであれば、一つ前で書いた、政府がニートにそのめちゃくちゃきつい農家をやらせようってひどくない?って話にもなるので、今回こちらに追記しました。今回の件に限らず、「農家が辛い」を美談のように扱っているのは、どうかと思いますね…。
あと、蛇足になりますけど、上記のTOKIOの神格化的な反応も無理があるものだということも一応指摘。本物の農家のように多くの仕事をしておらずテレビの前だけ演じていた場合でも愚痴を吐くことはありますから、愚痴を言ったから本物という考えに根拠はありません。この発言だけじゃTOKIOのすごさを全然証明できないように思えます。
●「若者を農業に就かせれば、ニート問題は解決」と言った議員は?
2020/12/15:再び「就業経験に乏しいニートや引きこもりを農家に」という政府案の件。これは過去にも何度も出ている案だったみたいですね。2015.10.23にも
「中年ニートに農業体験させよ」 国の就労支援に「負け組どもが嫉妬で働かせようとするな」と反発の声も | キャリコネニュースという記事が出ていました。
このとき言い出していたのは農林水産省ではなく、厚労省。ちなみに当時の大臣は自民党で安倍晋三さんとも近い塩崎恭久議員でした。厚労省の生活困窮者自立支援室は、日経新聞に対し「(農作業で自然と触れ合うことは)心身の健康に良いことが別の事業などから判明している」とコメントしています。
記事ではさらに過去の話もあります。自民党でやはり安倍晋三さんに近い稲田朋美議員は、第一次安倍内閣が成立する直前の2006年8月に開催されたシンポジウムで、「若者に農業に就かせる『徴農』を実施すれば、ニート問題は解決する。そういった思い切った施策を盛り込むべきだ」と発言していたそうです。
また、記事では、中国共産党の毛沢東時代の「下放」や人民への大量虐殺を行ったポルポト政権下のカンボジアなど独裁国家での「徴農制度」を連想するとして、批判的な意見も根強い…といった話も紹介されていました。そういう意味では普遍的で、よくある発想とは言えそうです。あまり発想が似ていて嬉しいような顔ぶれではありませんけどね。
●お店の前でたむろするUberEatsの「マック地蔵」が消えたのはなぜ?
2021/07/23:
「マック地蔵」が消えた…配達員が語る、UberEatsでいま起きていること(熊野 雅恵) | FRaU(2021.07.10)という記事を読んでみたら、また地方の仕事問題に繋がってきてびっくりしました。タイトルからは全然予想できませんでしたわ。これは映画監督の青柳拓さんに話を聞いた…という記事です。
ただ、先に元記事タイトルになっている「マック地蔵」の話を…。私は初耳でしたが、「マック地蔵」というのは。マクドナルドの前でたむろしているUberEats配達員のこと。そこにいる人たちは外国人、特に東南アジアの人たちが多かった…とされていました。これは長時間働くことができないためだと青柳拓監督は説明しています。
「彼らは在留資格の関係で労働時間に制限があります。特に、留学ビザで来ている人たちは勉強することが主たる目的なので、1週間に28時間までしか働けません。そうなると、マックの前でピーク時間だけ短時間で稼ぐというやり方がいいんです」(青柳拓監督)
では、なぜ彼らが消えてしまったのか?と言うと、東京では2021年5月10日から報酬体系が新しくなったため。今まで距離のみで報酬がカウントされていたのが、「距離と時間で決まるベース料金」と「その他の要因で決まる配達調整金」の2つによって決まることになったことで、以下のような変化が起きたとされていました。
<今までは、距離のみでなので一日いくら稼げるか自分で計算することができたんですが、この「配達調整金」の登場で、どういう理屈で自分がこの報酬なのかということがわからなくなってしまった。
マックはたくさん店舗があって需要も多いので、距離が短くても回数が稼げるところに魅力があったんです。ところが、今回の報酬体系の変更で回数と報酬は比例するとは限らなくなりました。マック地蔵だった人たちは今、ばらけている状態ですね>
●地方で働きながら映画製作生活…を断念して東京に出てきた理由
さて、本題である地方の仕事問題の話です。青柳拓さんは、山梨で働きながら映画製作をしていたところ、コロナ禍で職を失い、2020年3月に上京してUberEats配達員となることになり、ホテルや友人の家を転々としながら働きました。
ただ、転んでもただでは起きない…といった感じで、これを記録映画『東京自転車節』として発表しています。そして、このUberEatsを使った働き方が地方ではできないという話だったのです。やはり給与の高い仕事だけでなく、給与の低い働き方も地方ではしづらく、都会でしやすい…ということになっていました。
「自分は映像制作の傍ら(引用者注:山梨で)運転代行の仕事をしていたのですが、緊急事態宣言で仕事がなくなってしまったんです。代行は飲みに行く時には車で行って、帰って来る時に使うサービスですが、多くの人が飲みに行けなくなってその仕事はなくなってしまいました。
僕はそのタイミングで東京に出て来て配達員を始めましたが、いつでも都合のいい時に働けるUberEatsは、映画監督の仕事もしている僕にとってはありがたいものでした。山梨にもUberEatsがあればよかったんですが」
「配達員同士は一言二言挨拶するくらいなので、詳しいことはわかりませんが、地方から東京・大阪・名古屋・福岡などへ出てきた人は多かったのではないでしょうか。UberEatsがない県は山梨以外にもたくさんありますから。2020年5月末時点では配達エリアは16都道府県だけでした。商店街が密集している地域でないと成り立たないんです」
●教授おすすめの「にぎやかな過疎」、成功例ですら人口は激減中
2022/12/23追記:小田切徳美・明治大学教授が「にぎやかな過疎」という概念を提唱していると知り、興味を持ちました。最初に見た記事では詳細不明だったので検索。
<「にぎやかな過疎」をつくる―農山漁村の地方創生― - 全国町村会>(2019年1月7日)だと、詳しい内容が読めそうでした。
<「にぎやかな過疎」とは、筆者が地域社会のあるべき姿として論じてきたキーワードでもある。それは、ここ数年、一部の農山漁村で、「過疎地域にもかかわらず、にぎやかだ」という矛盾した印象を受けたことに始まっている。人口データを見る限りは依然として過疎であり、自然減少が著しいために、人口減はむしろ加速化している。しかし、地域内では小さいながら、新たな動きが沢山起こり、なにかガヤガヤしている雰囲気が伝わってくる。それを、ある秀逸なテレビドキュメンタリー(テレビ金沢「にぎやかな過疎-限界集落と移住者たちの7年間-」、2013年放映)のタイトルを拝借して、「にぎやかな過疎」と称したのである。
そして、その代表格がこの徳島県美波町である。ここでは、移住促進のためのサポートが早くから行われていたが、そこにサテライトオフィスという形での仕事の持ち込み(筆者は「移業」と呼ぶ)が生まれ、それを支援する会社も設立された。そして、そのように移住した若者が祭りをはじめとする各種の地域活動に参加する姿も見られる。また、複数の飲食店の新規開業も生じている。同じような状況は、福島県三島町、愛知県東栄町、鳥取県智頭町、山口県阿武町、同県周防大島町などにもある>
いきなり否定してしまいますが、「人口減はむしろ加速化している」とのことで大成功とは言い難いですね。ただし、移住者がいて活気があるという時点で成功といえば成功。大半の過疎地はもっと悪いです。また、上記のサテライトオフィスや下記の「人が人を呼ぶ」は、他の成功例と共通点があり、方向性としては正しそうでした。
<これらの地域は、国内に点在する田園回帰の「ホットスポット」であると同時に、彼らがネットワークを作り、それ自体が動き出している地域である。移住頻発地域で見られる「人が人を呼ぶ」という関係がさらに活発化して、ある起業が別のしごとを生み出すような関係さえも発現している。まさに「にぎやかさ」を実感できる場となり始めている>
なお、「サテライトオフィス」「人が人を呼ぶ」の成功例として私が思い浮かべたのは、徳島県神山町だったのですが、念のためにここの人口を見てみると激減中。こちらも活気はあるが人は増えていない町でした。本当に移住者で人口を増やしている北海道東川町などの例もあるのですが、人口増は相当難しいのかもしれませんね。
●以前と比べれば移住者は増加傾向 しかも、ど田舎ほど増えやすい!
2023/01/07追記:前述の通り、そもそも成功例ですら人口が激減中なのですが、小田切徳美・明治大学教授は田園回帰傾向があると主張していました。根拠は?と見ると、5年前と比べて、移住者を増やした区域が激増しているということ。人口増まで持っていけるかは怪しいですが、一応、以前よりマシにはなっているようです。
<調査研究(引用者注:総務省「『田園回帰』に関する調査研究会報告書」、2018年3月)では、国勢調査の個票を使い、過疎地域に居住するが5年前には都市部に住んでいた者を「移住者」と捉え、その数や地域分布、属性などを調べている。
それによれば、5年前と比べて、移住者を増やした区域の数は、2000~2010年の108区域に対して、2010~2015年には3.7倍の397区域に増加している(「区域」は平成大合併前の2000年4月時点の旧市町村)。これは過疎地域に指定された全区域の26%に相当する>
移住者が増えた区域の割合が高いのは沖縄、中国、四国。ここで意外なのは、沖縄では離島部に移住者増加地区が多く、中国、四国でも、特に山地の脊梁部である県境付近でこの傾向が見られること。区域人口が小さい地域ほど移住者が増えた割合が高いことも図示されており、過疎がひどいところほど移住者が増えやすいようです。
なお、個人的に気になるのは、移住してきた人がその後長く定着しているかどうか、しばらくして出ていった人を考慮してるか?ということ。というのも、親戚がいる田舎町では、補助金などで釣って移住者が多数来るものの、ほとんど定着せずに離れてしまっている…と関係者が嘆いてたため。見せかけの増加の可能性があります。
●田舎ほど良いって本当?「移住失敗」「もう限界」関係悪化で離脱
2023/02/13追記:前回まで書いてきた小田切徳美・明治大学教授の話では、まだまだ紹介したい話がありました。ただ、その前に紹介したいニュースが登場。「ど田舎ほど増えやすい」という主張に、定着率に問題はないの?と前回書いたら、まさにど田舎に行って定着せずに離れたというケースが話題になったんですよ。
これは、
「もう限界」移住失敗した男性の後悔 限界集落で起きた「うわさ話」(23/1/26(木) 8:00配信 朝日新聞デジタル)などで報じられたケース。地域おこし協力隊員だった男性(34)がYouTubeに「移住失敗」「もう限界、引っ越します」と投稿。300万回超再生されるほど注目されました。
<男性はコロナ禍で行動制限が多い都会暮らしに疑問を抱き、小学校教員を退職して地域おこし協力隊に応募。2021年に妻子と共に東京都調布市から四国地方の山間部の限界集落に移住した。しかし、地域振興の活動の中で地元の顔役的な数人との関係が悪化したという。
男性は「集落の大半の人とは仲良くさせてもらい、農作業や猟など様々な体験をさせてもらった」と感謝しつつ、「身に覚えのないうわさ話が出回り、親しかったのに関係がギクシャクしてしまった人もいた」と振り返る>
男性は「人間関係の問題はどこでもあるけど、私が行った集落では都市部のような付かず離れずの関係は許されなかった。郷に入るか、出るかの二者択一だった」と話していました。ただ、これはど田舎ほどある話というか、むしろ田舎ではそれが標準。田舎出身の私としては、こうした実態を知らせず、前回あったような「ど田舎ほど移住が増加」といった宣伝じみた文句だけ言うのは無責任に感じます。
<コロナ禍で注目が高まっている地方移住。男性は「後になって知ったが、過去にも同じようなトラブルで地域を去った隊員がいた」と言い、移住者の定住率を事前に調べなかったことを後悔している。
一方で「東京で田舎暮らしに興味を持ち続ける生活だったら、それはそれで後悔していたと思う」とも言う。現在は東京に戻らず、別の地域の山間部で新たな移住生活を始めている>
●なぜいきなり難易度高いど田舎へ…テレビが美化しすぎのためか?
2023/04/20追記:前回の定住失敗の話。ツイッターでは「田舎は甘くないというか、むしろ一番難易度高いよ」「そりゃそうなるよね」といった感じの反応が多数でした。その中からいくつか紹介。「地方県庁所在地くらいにすればいいのに」という反応も複数。「都会に疲れて田舎」というのはむしろ向かないパターンかもしれません。うちでも<えっ、逆じゃないの?田舎の方が都会より友達を作りづらい説>という話をやったことがありました。
それなのに「地方県庁所在地くらい」では済まず、まさに前々回の主張がそうであったように「ど田舎」が人気になってしまうのは、テレビ番組などで「ど田舎」を美化するものが多いためかもしれません。個人的には、田舎や農業をポジティブに取り上げるテレビ番組が多いと驚き。田舎や農業の暗黒面の紹介は、タブー視されている感じもしますね。
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Appendix
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