2012/12/20:
コンテンツが売れないグーグルのアップル追撃策
グーグルがお手本とした日本企業のサービス
iPhoneは垂直統合・Androidは水平分業は間違いで実はアンドロイドも?
●コンテンツが売れないグーグルのアップル追撃策
2012/12/20:「新版アンドロイドの“お手本”はiモード」(ジャーナリスト 石川 温 2011/10/28 7:00 日経新聞)という気になるタイトルで読んだものですが、結構前のもの(2011年10月)です。ですので、ちょっとタブレット市場についての記述など違和感あるかもしれません。
http://www.nikkei.com/tech/personal/article/g=96958A9C93819499E0E5E2E09A8DE0E5E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2E6
“お手本”の話は、アンドロイドのiPhoneへの追撃について語る中で出てきました。それが出てくる前は、"アンドロイドタブレットに起死回生の秘策はあるのか"という話をしています。
アンドロイドタブレットとアップルのiPadの差は、映画や音楽などのコンテンツの売れ方でした。アップルの場合、ユーザーが「Apple ID」を使って、映画や音楽などのコンテンツをいつでもどこでも簡単に買える利便性が大きいです。
一方、アンドロイドプラットフォームには、グーグルによるコンテンツサービスはほとんどありませんでした。様々なコンテンツサービスがアンドロイドプラットフォームに参入したものの、決済手続きの途中で踏みとどまってしまうことも少なくないとのこと。ここがネックだったのです。
この対策の一つが「グーグルによる月額課金」の導入だといいます。
「月額課金の準備を進めている。しかも月ごとに『支払いを続けますか』というメッセージはなくてもいいのではないかと思っている。ユーザーに契約を継続してもらえれば、それだけコンテンツプロバイダの経営は安定し、さらにいいコンテンツを開発できるようになる。ユーザーがいつでも解約できるように、(契約しているコンテンツを)一覧表示して解約が簡単にできる仕組みも作るつもりだ」(ラーゲリン氏)
●グーグルがお手本とした日本企業のサービス
これは主にAndroid端末向けの デジタルコンテンツ(アプリケーション・映画・音楽・書籍など)の配信サービスであるGoogle Play(グーグルプレイ)の話ですかね? インタビューはGoogle Play誕生前。Google Playが提供開始されたのは、2012年3月のことです。
私が気になった「“お手本”はiモード」というのは、上記の「月額課金」に関するもので、以下のように書かれていました。このところずっと元気のない印象の日本企業ですけど、比較的最近のiモードはお手本になるくらい良かったようです。
グーグルが目指しているのは、NTTドコモが「iモード」で育ててきたビジネスモデルそのものだ。iモードの公式コンテンツは、ほとんどが月額課金で成り立ってきている。コンテンツプロバイダは毎月、一定の収入を見込めるだけに、経営を安定させることができ、品質の高いコンテンツを投入できた。iモードコンテンツでは1カ月ごとに「契約を継続しますか」とは聞かれない。ユーザーは忘れたまま課金され続ける“幽霊会員”になってしまうこともあるが、コンテンツプロバイダにはありがたいシステムとなっている。
一方でスマホのコンテンツは現状、アプリを1回販売するだけの売り切り型がほとんどだ。ソーシャルゲームのようにアイテム課金で稼ぐ方法もあるが、そのモデルに向かないコンテンツは月額課金が望ましい。
アップルは自動継続課金モデルの導入を始め、携帯電話会社もスマホ向けの月額課金モデルを展開している。グーグルも同様の準備を進めているわけだ。
グーグルが月額課金の有効性を理解しているのは、ラーゲリン氏がNTTドコモでiモードビジネスにも携わっていた経験を持つため。グーグルはアンドロイドでNFC(near field communication)によって、おサイフケータイビジネスを展開しようとしている。ここにもラーゲリン氏の日本での経験が生かされようとしている。
●iPhoneは垂直統合・Androidは水平分業は間違いで実はアンドロイドも?
話が変わりますが、iPhoneは垂直統合・Androidは水平分業って一般的には言われています。「しかし、そうじゃない」という話を書いておきたかったので、それっぽいページを探しました。
以下はかなり古い時点での指摘でしたね。2009年7月であり、Android MarketというのはGoogle Playの前身です。
垂直統合iPhoneと水平分業Android? 2009-07-24 OS縛り始まるか? バッサリめα
グーグルは、Android Marketという形こそあれど、ここは1つの「店」に過ぎない。
NTTドコモはAndroid MarketやWindows Marketplaceで販売されるアプリだけでなく、独自のアプリ配信サービス:(ITmedia)を行うことを発表した。
比較すると、iPhoneが閉ざされたように見える。
しかしそれは間違いであり、「iPhoneOS」や「Android」、「Windows Mobile」「WebOS」「BlackBerryOS」「SymbianOS」といったOSによる囲い込みが始まっている。
ある意味では、全体的に垂直統合化しつつある。
各OSとも、アプリケーションストアーを用意し、確実にユーザーを囲い込もうとしている。
そして、今現在iPhoneがやや先を走っている状況だ。
http://d.hatena.ne.jp/yo_from-satsuki/20090724/1248453302
また、このページでは"日本のキャリアが導入している垂直統合モデルは""世界の最先端を走って"いたんだけど、"共通のプラットフォームとしての「OS」がなかったため、キャリア独自の機能の詰め合わせのようなものになって"しまったという見解も書かれていておもしろかったです。
ご存知の通り、ケータイ・スマホ市場は日本が壊滅的ですが、悪いものは作っていなかったんだという見方です。家電に関しても日本は技術は高い、しかし、欲しいと思ってもらえる製品が…ということで、どこもあと少し大切な何かが足りなかったのかもしれません。
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