●夜が一番長い冬至 しかし、「日の出が最も遅くて、日の入りが最も早い」は間違い
2012/12/23:例年、12月21日か12月22日のあたりに、二十四節気の「冬至」が来ます。本格的な寒さはこの冬至ごろからだと言われるそうです。 この「冬至」とは何か?と"聞かれれば、多くの人が「夜が長くて昼が最も短い日」"と回答できるものの、「日の出が最も遅くて、日の入りが最も早い」と言ってしまうと違うようです。
・「日没が一番早い日」ではない 冬至めぐる意外な事実(気象予報士 伊藤みゆき 2012/12/21 6:30 日経新聞)
<2012年~2013年にかけて、日の入りが最も早くなるのは、札幌は12月初め~半ばで16時ちょうど、東京は11月末~12月上旬で16時28分、福岡は11月末~12月上旬で17時10分。日の出が最も遅くなるのは、札幌が12月末~1月上旬の7時6分、東京は1月上旬の6時51分、福岡は1月前半の7時23分です>
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2001W_Q2A221C1000000/ 札幌、東京、福岡という北、東、南西にある都市の「日の入りが最も早くなる時期」と「日の出が最も遅くなる時期」は以下の通り。こうして見るとバラバラですね。とはいえ、後述するように共通点もあります。日の入りのピークは冬至より前、日の出のピークは冬至の後で大体翌年なのです。
札幌
【最も早い日の入り】12月初め~半ば 16時ちょうど
【最も遅い日の出】 12月末~1月上旬 7時6分
東京
【最も早い日の入り】11月末~12月上旬 16時28分
【最も遅い日の出】 1月上旬 6時51分
福岡
【最も早い日の入り】11月末~12月上旬 17時10分
【最も遅い日の出】 1月前半 7時23分
<各地とも日の入りが早くなるピークが、日の出が遅くなるピークよりも先なのです。つまり、冬至の日には「日の出はもう少し遅くなるけれど、夕方は徐々に明るくなり始めた」という時期で、そのズレの兼ね合いによって昼間の時間が最も短くなるのです>
記事を書いていた気象予報士の伊藤みゆきさんは、<「冬至以降に日の出が最も遅くなる」ということから、おもしろい事実も浮かび上がってきます>として、以下のように書いていました。寒いイメージがある真冬の早朝出勤が実は寒くなくて、一般的な出勤時間の方が寒いというのです。
<放射冷却による気温の底は日の出頃。つまり、これから年明けにかけては「朝の冷え込みが最も遅い時期」といえるのです。私は午前3時半に出勤するため2時半に起床しています。すると「暗くて寒い時間に起きるのは大変だね」とよく言われますが、実は、この時期は、6時過ぎに起きて7時過ぎに家を出る一般的な生活をしている人が最も寒い思いをしているのです。
これからの年末年始、屋外で過ごす予定のある人は「初日の出が拝めそうなら、その瞬間が一番寒い」と覚悟をしておきましょう。特にお正月休みの都心は車や人も少なくなって空気が澄むため、普段よりも放射冷却が強まりやすくなるといわれています。例えば、元旦に都心で初氷・初霜を観測した2007年の年越しは快晴。気温の変化は、大みそかの夜8時で7度4分、深夜0時が5度、日の出直後の朝7時が2度2分まで下がりました。
また、近年は冬至以降に「クリスマス寒波」や「年末年始寒波」などと呼ばれる強い寒波が襲来し、交通に影響が出ることがあります。実際、今年はクリスマスイブをピークに「真冬としても非常に強い」寒気が流れ込むと予想されていて、3連休や連休明けの交通機関が雪や風で乱れる恐れもあります>
「放射冷却」という言葉が上記で出てきました。天気予報でよく出てくる言葉なので、だいたい分かるでしょうが、補足のために放射冷却の
Wikipediaの説明も載せておきます。この前70年間生きていてそんな言葉聞いたことがなかった…というおばあちゃんもいましたので、知らない人は聞いたことすらないかもしれません。
<放射冷却(ほうしゃれいきゃく)とは、高温の物体が周囲に電磁波を放射することで気温が下がる現象のこと。
日本ではおもに秋から冬を挟み春までのよく晴れた風の弱い夜間に発生しやすい。天気予報では放射冷却が予想される場合、冬を中心に低温に注意する旨の呼びかけが行われる(「低温注意報」として発表される)>
<絶対温度が零度ではない全ての物体は、プランクの法則により電磁波を放射している。電磁波を放射している物体は温度が下がり、他から放射を受けた物体は温度が上がる。
昼間、太陽の光が地表面に当たっている時、地表面は太陽放射を受けて温度が上昇する。逆に夜間は、地表面から宇宙空間に向けての放射があり、地表面の温度は低下する。このとき、大気中に雲が存在すると、雲からの放射を地表面が受けることにより、地表面の温度低下が妨げられる。一方、大気中の水蒸気が少ないよく晴れた夜間(日本では冬季間が代表的)には、地表からの放射はそのまま宇宙空間に放出されるため、地表付近の温度が低下しやすい。この状態を放射冷却と呼ぶ>
聞いたことはある言葉ではあるものの、私も説明しろと言われると困ります。難しい概念であることは確かでしょう。寒さと時間帯の関係だけで言うと、単純に日が当たるまでは温度が下がり続けるんだから、日の出直前が一番寒いって思ったんですけど、そういう理解じゃダメなんでしょうかね…。
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