銃乱射事件で銃規制なんて冗談じゃない!だからこそ銃が必要…という推進派の論理を少し紹介。基本的には自己防衛のために銃がむしろ必要という考え方なのですが、全米ライフル協会(NRA)は、「銃規制は逆効果で、暴力的なゲームや映画のせい」というのも言っています。
2017/11/11:
●理想的な銃乱射事件が発生し、むしろ銃規制反対論の追い風に
2020/09/25:
●銃規制反対とゲーム悪玉論がなぜかセットで出てきやすい理由
2020/11/15:
●トランプ大統領も「問題は銃ではなくネットとゲーム」などと主張
●推進派「銃乱射事件で銃規制なんて冗談じゃない!だからこそ銃が必要}
2012/12/24:どこで読んだか覚えていないのでうろ覚えで申し訳ないのですが、たびたび起こる銃乱射事件や凶悪事件などのアメリカの銃による犯罪では、主に二つの大きな反応があるそうです。
一つが、銃が巷に溢れているからこういう事件が起こる。だから、規制しましょうという論理。つまり、銃規制です。これは日本人にはわかりやすい考え方です。
一方、わかりづらいのは、だからこそ銃が必要だ!武装しなくてはならない!という論理です。相手が銃を持っているのだから、こちらも銃を持たなくてはいけない。銃規制などという愚かなことをすると、もっと不幸な事故が増える…というわけです。
●銃による虐殺を見て気が変わる人もいるにはいる
そんな感じでいくら大量殺人が起ころうが、凶悪犯罪が起ころうが、銃が必要だと言っていた人の考えは覆らないだろう…と私は思っていました。
何しろ今までだって何度もたくさんの人が殺されているのです。その殺人を致し方ないとして許容する選択をしてきたわけですから、何を今さら…と思っていたら、考えを転向する政治家も出てきたとのこと。政治家は日和見と言えばそれまでなんですけど、私はやはり意外に感じました。
虐殺見て変わった…銃規制強化へ米議員転向次々 (2012年12月18日14時19分 読売新聞)
【ニューヨーク=柳沢亨之】米コネティカット州ニュータウンの小学校で26人が死亡した14日の銃乱射事件を機に、米社会で銃規制論議が高まり始めた。
亡くなった男児2人の葬儀が行われた17日には、これまで規制反対派の論客として知られた連邦議員が相次いで規制強化を訴えるなど、法制化に向けた機運も芽生えつつある。
「罪なき子どもたちの虐殺を見て、全てが変わった」――。銃器所有者らのロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」のメンバーで規制反対派のジョー・マンチン上院議員(民主)は17日、米NBCテレビに出演し、今回の事件で使われた殺傷力の高い攻撃用銃器の規制を訴えた。
同議員は、先の上院選でNRAの推薦を得て当選しており、突然の「転向」は米世論を驚かせた。17日は同議員を含め規制反対派だった民主党議員少なくとも3人が米メディアで規制強化を主張。これを受け、2004年に失効した攻撃用銃器の製造や所持を禁じる連邦法が来年初めにも再び提案される見通しとなった。
リンク切れ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121218-OYT1T00757.htm
●全米ライフル協会(NRA)「銃規制は逆効果」「暴力的なゲームや映画のせい」
一方、全米ライフル協会(NRA)は生活がかかっていますので、相変わらずです。米コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受け、全米ライフル協会(NRA)は、記者会見し、「すべての学校に、武装した警察官を配置すべきだ」と訴えました。
これは、「銃犯罪を防ぐためには、銃規制は逆効果」はNRAの従来の主張を繰り返したもの。「銃を持った悪いやつを止められるのは、銃を持ったいいやつしかいない」と警察官の配置を呼びかけていました。記事も
「すべての学校に武装警官を」NRA、乱射事件受け訴え 朝日新聞 2012年12月22日11時35分というタイトルです。
ただ、いおい、ゲームのせいにしているよ!と驚いたのは、これ以外にも、暴力的なゲームや映画の多さが犯罪の根底にあると主張し、新たな銃規制には反対していたこと。責任転嫁もいいところです。過去にやっているように、ゲームが暴力に繋がるというのは科学的根拠に欠ける説です。
関連
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ゲームと犯罪の関連性の真実 ~ゲーム規制は逆効果?~ ■
ゲームは暴力に繋がると警告入れる法案、アメリカでバカ議員が提出●保守的な政治家も全米ライフル協会の主張に疑問
ただ、今回はこの全米ライフル協会の主張に、保守的な政治家からも疑問が上がっているとのこと。銃規制を求めてきたニューヨークのブルームバーグ市長は会見を受けてさっそく、「NRAは自分たちが生み出してきた問題に向き合わず、万人が武装し、どこも安全でない、より危険で暴力にあふれた米国のビジョンを示しただけ」と批判しました。
ブルームバーグ市長はやや中道よりではありますが、保守派の共和党候補としてニューヨーク市長に出たことがありますし、少なくとも民主党よりとは言えないといった立ち位置です。
(
銃規制派は左翼!とアメリカの銃推進派 購入の待機期間導入だけで死亡者は減少する、他の政治家の意見を追加しています)
「銃犯罪があるから、銃を買いましょう」という主張は支持しかねますけど、アメリカは自己防衛が必要な国だというのもわかります。ですから、日本人の感覚だけでモノを言ってしまうのも、ちょっと無責任なところはあります。少なくとも銃推進派の主張くらいは、軽く覚えておいてください。
●理想的な銃乱射事件が発生し、むしろ銃規制反対論の追い風に
2017/11/11:また悪循環が起きそうですね。米南部テキサス州の教会で5日に発生した銃乱射事件の件についての話です。日本人の感覚なら事件を受けて「やはり銃規制が必要」と思うところなのですが、前述の通り、アメリカでは逆に銃の有用性を主張する反応が出ます。特に今回の事件は、銃推進派にとっては、理想的なものとなりました。
(
銃で応戦住民「ヒーロー」規制反対に勢い 毎日新聞2017年11月8日 20時04分(最終更新 11月9日 03時07分)より)
今回の事件では、銃推進派の急先鋒である全米ライフル協会(NRA)の元教官が、教会近くに住んでいました。銃声を聞いてライフルを手に、靴も履かず外に飛び出したとのこと。教会から逃げる容疑者と撃ち合いになり、容疑者の脚と胴部に1発ずつ当たります。容疑者はライフル銃1丁を落としたまま、車で逃走しました。
さらに、元教官は近くにいた人の車に乗って追走。容疑者は逃走中に父親に電話をかけ、「撃たれた。もう駄目だ」ともらしており、自殺に追い込まれたと見られています。
結果、地元住民も捜査当局者も「応戦した住民はヒーロー」とたたえており、銃規制反対論の追い風に。例によって、「武器を持った人が教会にいれば同様の事態に応酬できる」(パクストン州司法長官)と、武装強化を勧める声も出ています。
米調査会社ギャラップの世論調査によると、58人が死亡した10月のラスベガスの乱射事件後ですら、拳銃の所有を禁じる法律にそもそも71%が反対しているというお国柄。
ラスベガスの件では銃規制を約束したトランプ大統領も、NRAからお金をもらっているということもあり、今回は「勇敢な住民が容疑者を撃っていなければ、何百人が死んでいただろう」と銃の必要性を強調しています。銃規制はむしろ遠のいた感じですね。
(関連:
乱射事件でNRAが銃規制に協力 トランプ大統領暗殺危機が理由か?)
●銃規制反対とゲーム悪玉論がなぜかセットで出てきやすい理由
2020/09/25:銃規制とは直接関係ないのですけど、最初でも少し書いていた右派・左派的な話。保守的な政治家ですら全米ライフル協会の主張に疑問を呈した…というのは、本来、右派が銃規制に反対が多いという理解のため。実はかなり入り乱れており、単純ではないのですが、どちらかと言うと右派に銃規制反対派が多いんですね。うちでは、
銃規制派は左翼!とアメリカの銃推進派という投稿も書いています。
読み直していて思ったのが、これと「ゲームが悪影響を与えている」といった主張をする人との相性の良さです。ゲーム批判も右派・左派できれいに分かれるものではありません。ただ、どちらかと言うと、右派の方が批判的な人が多いんですよ。これを全く逆に、左派にゲーム批判が多いと誤解している人が結構いらっしゃいます。
例えば、
香川県ゲーム規制条例、賛成したのは誰?ネット工作コメント疑惑もで書いたように、香川県ゲーム規制条例を猛烈に推進していた議員は自民党所属で、積極的に賛成する報道を繰り返していたのは自民党を応援する産経新聞でした。ここらへんは国を問わない傾向が見える気がします。
●トランプ大統領も「問題は銃ではなくネットとゲーム」などと主張
2020/11/15:アメリカ大統領選挙のとき、すでにデマだと否定されているトランプ大統領の不正選挙だというデマを多数流していた、安部かすみさんというジャーナリストの方がいました。過去記事を見ると、特に右派ということはなかったので、大統領選挙で急に目覚めちゃったみたいですね。
安部さんの過去記事では、銃に関する記事が多く、その中ではトランプ大統領の銃に関する主張を注釈なくそのまま翻訳した…というものがありました。
「問題は“銃”ではない」トランプ大統領の声明(概要)と銃社会を救う?レッドフラッグ法とは(安部かすみ) - 個人 - Yahoo!ニュース(2019/8/7)というもので、特徴的な主張としては以下のところ。トランプ大統領の有力支持団体である全米ライフル協会(NRA)の意向にある程度沿った発言かもしれません。
・インターネットやSNSは有害である インターネットは、頭の中を掻き回し精神的におかしな行動に繋がるような悪影響のあるものだということに、我々は気づく必要がある。インターネットやソーシャルメディアの危険性について無視することはできない。
・ビデオゲームが暴力を美化している ビデオゲームでよく見られるような、ショッキングでゾッとする暴力の美化を止めなければならない。暴力を歓迎するような環境に置かれている若者は、いとも簡単に洗脳される。
・問題は精神疾患であり、銃ではない メンタルヘルス法の見直しを行わなければならない。犯罪に及ぶことになるかもしれない精神障害者を識別できるような手立てが必要だ。
【本文中でリンクした投稿】
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