2012/12/26:
●銃規制反対派議員すら銃撃事件に合うアメリカ アリゾナ銃乱射事件
●ギフォーズ議員は回復したが死亡者が出たアリゾナ銃乱射事件
●ナチスなどの本を愛読し以前から議員に嫌がらせをしていた…
●敵の政治家を撃ち殺せ?銃撃匂わす表現で脅迫増加…銃乱射事件も
2020/09/25:
●アメリカでまた敵議員を並べてライフルを持つ画像を掲載した議員登場
●銃規制反対派議員すら銃撃事件に合うアメリカ
2012/12/26:最初に勘違されないように断っておきますけど、これは最近の事件ではありません。ただ、アメリカの銃社会を象徴する事件ですので、
全米ライフル協会(NRA)「銃規制は逆効果、暴力的なゲームのせい」の関連として、今紹介しておきます。
さて、銃撃の的となったのは、ガブリエル・ギフォーズ議員。性別は今回特に関係ありませんが、女性です。彼女は"銃規制反対派であり、ワシントンD.C.の銃規制法令にも反対して"いました。規制への反対ですので、銃の所持しやすさを守ろうという立場。実際に"個人でグロック社製の銃も所持してい"たそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%96%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BA そころが、その銃の味方であるギフォーズ議員が銃撃事件の的となってしまいました。"全米ライフル協会(NRA)から「D+」の評価があり、米国銃所有者協会(GOA)からは「D-」の評価だった"ということで、銃規制反対派としては優秀な方ではなかったようです。
しかし、銃規制反対を唱えていたことには間違いなく、非常に皮肉な結果となりました。
●議員は回復したが死亡者が出た銃乱射事件
彼女自身は一命をとりとめて、議会で採決も行なっています。
2011年1月8日にアリゾナ州ツーソンでジャレッド・リー・ロフナーによる発砲事件により、頭部を撃たれ重体となる。(中略)
6月16日、銃撃の傷が癒えたため、リハビリ先の病院を退院した。今後は、テキサス州の自宅で24時間看護を受けながら通院治療に専念するとしている。8月1日、米債務上限引き上げ法案の採決を行う為、事件後初めて下院本会議に出席した。議場では民主・共和党の議員らから復帰を祝福され、彼女も同僚議員の肩を抱くなどして感謝の意を示した。なお、採決では賛成票を投じた。2012年1月25日、回復を最優先してリハビリに専念するため、下院議員を辞職した。
ただし、他のスタッフなどが亡くなっています。
事件は、2011年1月8日午前10時10分(MST)(UTC-7)、Casas Adobes のスーパーマーケットの駐車場で開かれていたガブリエル・ギフォーズ連邦下院議員(民主党・アリゾナ州第8選挙区選出)の政治集会で起きた。
ギフォーズ議員をはじめ19名が銃撃を受け、9歳の少女や連邦地方裁判所判事ジョン・ロール、ギフォーズ議員のスタッフら6人が死亡した。 ニュース報道はギフォーズ議員が銃撃の的となったとした。彼女は至近距離から頭を撃ち抜かれ、当初、その容体は重体であるとされた。
ツーソンの22歳の男性がその場で逮捕され、連邦検事は、下院議員暗殺未遂をふくむ5つの罪状で彼を起訴した(中略)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/2011%E5%B9%B4%E3%83%84%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E9%8A%83%E6%92%83%E4%BA%8B%E4%BB%B6
●ナチスなどの本を愛読し以前から議員に嫌がらせをしていた…
以下は銃規制からは離れますが、事件は様々な波紋を呼びました。
犯人は"軍に志願したが認められなかった事への憤りや、以前から犯罪歴があり、精神的な不安定からマインド・コントロール(ナチスや共産主義思想の本を愛読していたと言う)に関心を持って"いました。そのため、"精神的な問題を抱えていた可能性がある"ということで、個人的な問題の可能性もあります。ただ、"なぜ銃を乱射したのかは、本人が黙秘している為、よく分かってい"ません。
また、犯人は"政府に不満があると発言していた"他、2010年の中間選挙で、ギフォーズ議員の事務所へ頻繁に嫌がらせをしていたため、政治的な背景があることも十二分に考えられます。
●敵の政治家を撃ち殺せ?銃撃匂わす表現で脅迫増加…銃乱射事件も
政治的なところで言うと、アメリカ保守派・右派共和党議員の素行の悪さも見えています。
この発砲事件に関連して、米大統領選挙で元副大統領候補であった共和党のサラ・ペイリン前アラスカ州知事が、2010年の選挙の際に、「再装弾(リロード)せよ!」とツイッターで発言したり、選挙戦対抗馬を表すターゲットマップとしてギフォーズを含む民主党候補をライフルの的でFacebookに表現していた(その後、ギフォーズは事務所のガラスを割られたり、脅迫を受けるようになった)ことが、この事件に繋がったのではないかと議論されている。ペイリンは、事件後直ちに「再装弾せよ!」ツイート、標的マップを削除している。
先の犯人の「精神的な問題」のため、上記の過激な活動への批判は筋違いだと断言しているページも私は見ましたが、先述のようにもともと"ギフォーズの事務所へ頻繁に嫌がらせをしていた"ことから、誰でも良かったという犯行とは考えづらいです。
なお、彼女の場合は左派にも「標的」とされていたようです。
ギフォーズは銃容認などが一部の左派からも批判対象となっており、特に同党のナンシー・ペロシ議長との対立後はそれが顕著だった。ペイリンを銃撃事件の扇動者として批判していた左派有名サイト「デイリー・コス」も、ペイリンと同様の「標的マップ」を2008年の選挙で掲載、しかも、左派の立場からギフォーズを「標的」としていたことがのちに分かり議論を呼んだ。
ここらへんの異常な攻撃性による高揚感みたいなものは、銃の蔓延していない日本でも事件を引き起こすに十分なものであり、日本人にとっても他人ごとではないでしょう。
●アメリカでまた敵議員を並べてライフルを持つ画像を掲載した議員登場
2020/09/25:懲りずにまた銃撃を誘発しそうなことをやっている政治家がアメリカにいました。やっぱり右派ですね。なお、以下の中で出てくる「Qアノン」は、日本人にわかりやすく言うと、2ちゃんねるから誕生した過激派ネトウヨ集団みたいな感じです。うちでは、
海外に広がる日本の2ちゃんねる文化 4chan・8chan・Redditとゲーマーゲート論争とQアノンの誕生で書いています。
また、省略した部分では、「社会主義者に対抗する強力な保守キリスト教徒が必要だ」といった主張も出ていました。こちらもピンと来ない人がいるでしょうけど、アメリカの右派は宗教的右派である保守キリスト教徒との関係が深いです。宗教右派と関係が強いというのは、実は日本でも同じで、自民党がそうなっています。
<米フェイスブックは4日、下院議員候補のマージョリー・テイラー・グリーン氏(共和党)の投稿が、暴力の扇動のポリシーに違反するとして、同投稿を削除した。(中略)「スクワッドは最悪の悪夢」とラベルをつけて、ライフルを持った自身の隣に、民主党のアレキサンドリア・オカシオ・コルテス議員とイルハン・オマール議員、ラシダ・タリーブ議員の顔を並べた画像を投稿した。これら議員は2018年中間選挙で当選した有色人種の新人議員で、昨年、移民対策支出法案を巡って、党内でナンシー・ペロシ議長ら指導部と対立したことから、スクワッド(分隊)と呼ばれている>
<グリーン氏は、これまで、人種差別主義や反イスラム、反ユダヤ主義的な発言を繰り返していたことが判明している。また、SNSでQアノン陰謀論を支持する発言をしていたことから、共和党内部からも問題視する声が上がっている。なお、トランプ大統領はグリーン氏が当選した際、「未来の共和党のスター」と呼び、「大勝利だ。おめでとう」と祝福していた>
(
Qアノン支持の共和党下院候補者、民主党議員にライフル銃?→FBが削除 - mashup NY 2020-09-08より)
これ以外にも、グリーン議員は、フェイスブックに投稿した広告で、「もっとも銃を支持する議会メンバーとして、アメリカの銃オーナーのために戦う」と題し、「銃規制」「国境開放」「グリーンニューディール」「社会主義」などの文字を標的に、自ら射撃をする動画を公開していたとのこと。左翼をぶっ殺せ!って感じですね。わかりやすくひどいのですけど、こういう政治家がむしろ人気があるというのが怖いですわ。
【本文中でリンクした投稿】
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全米ライフル協会(NRA)「銃規制は逆効果、暴力的なゲームのせい」 ■
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