何だかよくわからないので、簡単に「時代錯誤」と決めつけるわけにもいかないのですけど、妙な感じはあります。
朝日新聞 2012年12月28日0時5分
法律で規制すべきダンスとは? 警察庁幹部に聞く
風俗営業法は、設備を設けて客にダンスをさせ飲食を提供するナイトクラブ的営業や、ダンスを正しく教える能力のある人がダンスを教えることを除くダンスホール的営業について規制。そうした営業に、都道府県公安委員会の許可を得ることを義務づけ、さらに、許可を受けた場合でも原則午前0時(繁華街など一部地域は午前1時)以降の営業を禁じている。
DJが流す音楽に合わせて客が体を揺らせたり踊ったりするクラブなどで数年前から同法の厳格適用による摘発が相次ぎ、法改正を求める運動が起きている。
http://www.asahi.com/national/update/1228/TKY201212270988.html 結構長い記事ですけど、こういうのに一生懸命なのは左派系なんですかね?保守サイドは「いいぞ、もっとやれ」なのかも。
警察庁は、ダンスホール的営業をめぐる一部法令改正に先立ち、パブリックコメントを募集。その結果と解釈を11月末に発表した。その後、警察庁に寄せられた質疑に回答するかたちで12月17日、ダンスをさせる営業についての解釈をまとめ、保安課長名で各都道府県の警察本部長に通達した。
それによると、ダンスホール的営業に一定の規制を行うのは、「行われ方いかんによっては、男女間の享楽的雰囲気が過度にわたり、善良の風俗と清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがある」ためと説明。男女がペアになっておどる種類のダンスがこれにあたり、ヒップホップダンスや盆踊りなど、ペアの形態でないものは除外されるとする一方、「床面積がダンスの参加者数に比して著しく狭く、密集してダンスをさせるものなど」は規制対象となりうるとした。
また、この見解がナイトクラブ的営業の解釈にも適用されるかについては、「適正に営まれれば国民に健全な娯楽を提供するものとなり得るものである一方、営業の行われ方いかんによっては、享楽的雰囲気が過度にわたり、(略)障害を及ぼすおそれがあるため、必要な規制を行っている」とした。
ものものしい書き方で、21世紀の文章とは思えません。
警察庁幹部のインタビューは以下。
――法律で規制されるダンスとは何かについて、活発な議論がツイッターなどで続いています。
なぜ規制しているかを考えて頂きたい。客商売だから、変な人がこれをうまく利用するということも考えられる。そういったことに使われては困る。悪い商売をする人たちの商売につながりかねない。ですから、善良な風俗を害することを排除するためにも、法律の規制は必要なんです。
私がよくわからないのはこういう具体性のない物言いなんですよね。口にはしづらいハレンチ(死語?)なことかもしれませんけど、言ってくれないと議論にならんわ。
聞いてみれば、「ああそうか」ってのもあるかもしれないのに。
――薬物に関する法律や青少年健全育成に関する法律など、個別の方法で対処するべきではないですか。
それでは事後的な対応しかできなくなる。これだけたくさん踊る場所がある中で、抑止ができなくなりますね。運転免許制度と同じです。一定の条件のもとでやって下さいよ、ということ。許可を取ればできるのですから、ダンスをするなと言っているわけではない。ちゃんと健全なことができる業種ですから。ダンスを敵視してはいない。
これも乱暴な話。薬物はもちろんいけませんが、根本的な解決策じゃないですし、国家権力の濫用感溢れる論理。こりゃマズいでしょう。
ネット規制なんかもそうですけど、この論理が通れば何でも潰したい放題です。
――何をもって健全、善良というのでしょうか。密集とはどういう状態?
1メートルなのか99センチなのかとかいう話でもないし、そういう部分は、最終的に裁判所が判断していく部分かと思います。法律で明確な基準を設けられるようなものではない。ただ、例えば営業時間の規制がなぜあるかというと深夜はいろんな問題が発生しやすい。踊るだけでもそれなりに盛り上がるが、さらに飲食をして緊張や自制心が解けたら何があるかわからない。多くの人が寝ている時間、行き渡る目がないと、コントロールが行き届かなくなる。
(摘発が相次いだ)大阪・アメリカ村でも、警察が踏み込む前、地域住民の方が騒音やゴミ問題について何度も注意したりお店にお願いにいったりしている。地元が納得するかは大事なことだと思います。
踊りたい人の踊りたい気持ちが分からないわけではない。ただ、午前2時や3時までやられて、周りの人はどうでしょうか、ということです。自分たちだけを見てその意識の中で規制撤廃、とおっしゃるけど、もう一つの利害関係者の考えもあるではないですか。
騒音問題というのはわかります。こうやって具体的に言ってくるといいんです。
ただ、これはダンスに限らないものです。単に風営法違反で取り締まることができるのは、ダンスだけってことかもしれないですね。そうなると差別的であり、不満が残りますが、警察の仕事ってそんなものです。
――クラブのように常設の場所ではなく、公民館のダンス教室や海の家など影響が広がっています。年1回のダンスイベントなど単発の催しも対象ですか。
営業というのは、営利の目的をもって継続・反復してやること。公民館で実費程度のものを徴収するだけでは、風営法の対象にはあたりません。一部、そうしたことが問題になった事例は聞いていますが、市も役所。オーバーに受け止めたのではないですか。
あまりにも他人ごとの「知るか、そんなの」という発言で笑いました。「市も役所」って言っていますけど、この警察官も責任逃れの公務員の鑑みたいな発言で見事です。
――結局、法律で規制されるべきダンスとは何なんでしょうか。
こうした担当になり、私も外国も含めていろいろと調べましたが、ダンス自体の定義はない。踊りとは何だ、という。音楽に合わせて体を動かしたり、色々なダンスが生まれていますから、何かに限定したり列挙するわけにもいかない。どこまでいっても厳密な定義なんてできない。おおまかなコンセンサスしかない。だから自分たちのやり方が、まわりから理解されるかというところの議論が大切だと思うんです。私には、その部分がすっ飛んでいるように見える。
踊っている人の方が、よほど踊りには詳しいでしょう。私たちは、それによってだれかが搾取されたり被害にあわないためのことをしている。
スナックも、ビリヤードも業界の努力があって、風営法の規制がかわった。実態をみて、理性的に議論をしたいものです。
何だか煙に巻くような発言だなぁ。
ただ、定義は法律が元になるべきであり、警察庁がそれを逸脱するものを勝手に決めちゃうとそれはそれで問題なんですよね。
ですから、記者も「法律で規制されるべきダンス」という言い方をしています。飽くまで中心は法律なのです。
しかし、古い法律ですので杓子定規にやると全滅となり、今まではそういった運用はされてこなかったということでしょうね。急に変わったので混乱が生まれているようです。
また、実際にはダンスの定義に関しては法律でちゃんと決まっていないので、警察がそのときどきで好きに決めます宣言みたいなことになっちゃっていてやっぱり問題です。
あと、「行われ方いかんによっては、男女間の享楽的雰囲気が過度にわたり、善良の風俗と清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがある」の話はどうしたんでしょう?インタビューでは一切出てきませんでした。
結局、警察は法律の何を根拠に何が問題だとしているのか、よくわかりませんでした。
ダンスする人に対して「やり方が、まわりから理解されるかというところ」なんて言っていましたけど、警察自身は「やり方が、まわりから理解されるかというところ」を考えているんですかね?
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