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代引き・後払いでイタズラなりすまし注文 返品可で大量返品も


 <Amazonの返品可を利用して大量返品、同業他社の妨害行為か?>、<日本だけ?返品が多い返品大国アメリカで嫌がらせはないの?>、<女性の元に週10件以上も見に覚えがない商品が届くいたずら注文>、<不正注文検知サービスまで登場 少なくとも731億円の不正が存在>などの話をやっています。

2022/03/23追記:
●女性の元に週10件以上も見に覚えがない商品が届くいたずら注文
2023/07/17追記:
●不正注文検知サービスまで登場 少なくとも731億円の不正が存在 【NEW】


●Amazonの返品可を利用して大量返品、同業他社の妨害行為か?

2019/03/27:アマゾンで広がる返品可の悪用:日経ビジネス電子版(広田 望 日経ビジネス記者 2019年2月6日)で最初出ていたのは、Amazonの「フルフィルメント by Amazon(FBA)」パートナー業者で「不良品でないのに返品される」と訴える人。これはアマゾンのルール通りであり、悪用とは言えません。拍子抜けしました。

 ただ、後半の話はマジで悪用。夜間の作業などに使うヘッドライトを売る会社は、愛知県の人から100個を超える同じ商品が返品されたとのこと。再検品して箱詰めし、アマゾンの倉庫に再度送るというかなり人的コストのかかる被害が出ています。会社では、競合メーカーによる嫌がらせと見ていましたが、嫌がらせレベルではなく損失が出ていて犯罪的です。

 日経ビジネスの調査では、家電を売る中小業者など、少なくとも4社で同じような嫌がらせとみられる返品が相次いでいたとのこと。実態はもっと悪い可能性があり、ライバルへの営業妨害としてある程度知られた方法なのかもしれません。


●日本だけ?返品が多い返品大国アメリカで嫌がらせはないの?

 これは返品可そのものが悪いというわけではなく、対策が取れそうなものですね。例えば、返品個数に制限をつけるだけで、一気に妨害行為を行うのが手間になります。完璧ではないがある程度対策できるでしょう。また、不思議なのがアマゾンの本拠地アメリカではどうしているの?ということですね。

 返品大国アメリカのクレージーな返品事情で、ユニクロ大苦戦か?で書いたように、アメリカでは返品が日本よりずっと多いにも関わらず、それで企業が全滅するということもなく、経営が成り立っているんですよね。日本とは何か違うところがあるのではないでしょうか。

 それから、返品可はAmazonの意向でやっているようですので、Amazonがリスクを負うべきではないかとも思います。全体の取り扱い点数が多い場合、たとえ嫌がらせ返品があったとしても、大量にある全体からすれば一部であり、返品可によるメリットが上回るというのも理由。規模が大きければ被害は軽微なのです。

 しかし、これは飽くまで規模が大きければ…という話。損失は均等に配分されるのではなく偏りが生じるため、十分な売上のない中小企業の場合は、たまたま大量返品に当たった場合、リスクを背負いきれません。なので、Amazon側でリスク管理するというのが理にかなっています。

 当初は業者ごとに返品対応の扱いを決められたのを、Amazonが一律返品可に変更した…といった話もありました。だとすれば、やはりAmazon側がリスクを負うべきという話。また、Amazon側が有利な立場を利用して強制するなど、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)的な問題もあるのではないかと思います。


●代引き・後払いでイタズラなりすまし注文 返品可で大量返品も

 この大量返品から、日本歯科大の教授が不動明王の仏像など100点以上注文 なぜ?で紹介したイタズラ注文・なりすまし注文問題のことも思い出しました。稼げるネットショップ経営.COMによると、商品代引きや後払い決済は多くのネットショップで売上の2割~4割の利用率という人気の決済方法です。ところが、これはイタズラ注文・なりすまし注文ができてしまうという、ショップ側にとっては困った注文方法だといいます。

 代金引換で受け取りをされない場合には、往復送料と手数料が発生。さらに商品の廃棄が必要なケースでは、商品の原価も損害となります。また、ここでは書かれていなかったものの、廃棄費用も問題になってくるでしょうね。さらに、前述の通り、人件費的なコストも発生していると考えられます。非常に悪質であり、対策らしい対策がない困った嫌がらせなわけです。

 ただし、イタズラ注文だらけ…ということでは、さすがにありません。統計的なデータではなく、経験上という話ですが、「いたずら注文」「なりすまし注文」の発生率は全体の注文の0.1%以下。代引きに限った場合でも、発生率は0.5~2%ほどといった感覚だそうです。

 しかし、じゃあ許せる…という話ではありませんし、ジャンルによってもっとイタズラが多いところというのはあるでしょう。例えば、女性用下着はイタズラに使われやすいと思われます。女性用下着を販売するトリンプでは、「いたずら注文や、誰かになりすましたなりすまし注文、所在不明や代金引換時の受け取り拒否などの、 悪質な迷惑行為が発生しております」という注意書きが出ていました。


●いたずら注文のニュースでネットの反応「店側に問題がある」

2020/11/28:日本歯科大の教授が不動明王の仏像など100点以上注文 なぜ?に追記した話なのですが、こちらにも転載。唐揚げ店、大量キャンセルで「心折れた」 イタズラ推測させる「軽い感じ」の電話内容とは: J-CAST ニュース【全文表示】(2020年06月26日19時51分)という記事で、テイクアウト式で鶏の唐揚げや丼物など様々なメニューを提供する「唐揚専門 東京 丸武商店」の被害が報じられていました。

 なんとここは、大量の電話注文キャンセルで廃棄処分としたために、在庫が無くなり閉店するほどの事態となっています。予約があったのは17時すぎ。電話で大量の注文をされたものの、在庫不足で一旦断っています。しかし、すぐに同じ客から電話があり、数を減らして注文を受けました。そして、いたずら注文としても特に悪質だというのは、この後に追加注文まであったということです。

<その後、同じ客から3度目の電話があり、注文の追加を依頼された。どうにか在庫は足りそうだったので店も受け付けた。
だが、しばらくして4度目の電話があった。さらに追加注文したいということだったが、店は在庫不足のため「その分はできません」と応じた。すると「だったら全てキャンセルしますー」。3度目までの電話で受けた注文分は既に調理しておりキャンセルできないと伝えたが、「キャンセルでーキャンセルでー」と繰り返すばかり。来店して待っている客がいたため、キャンセルを受け付けて電話を切った>

 J-CASTニュースの取材に応じた丸武商店の担当者は、「詳細を公表する予定はなかったのですが、間違った情報が錯綜しないように、また同業者の方々から『同じような被害に遭った』『同じことがあるかもしれないから教えてほしい』といった連絡をいただき、少しでも他のお店に役立てるならと思って発信しました」と投稿の理由を明かしていました。やはり「いたずら注文はよくある」ということがわかります。

 なお、日本のヤバさを感じるのが、この内容の話について、J-CAST ニュースで店側に問題がある…と責める反応が出ていたこと。右派の人は「普通の日本人」を自称することが多いのですが、研究によると、J-CAST ニュースは右派系の人がよく見るサイトですので、これが今の「普通の日本人」の反応なのかもしれません。


●女性の元に週10件以上も見に覚えがない商品が届くいたずら注文

2022/03/23追記:もともと書いていたのは業者側がいたずらに悩む…という話でしたが、当然、ユーザー側でも被害にあっている人がいます。Amazonで多発する“代引き送りつけ” 週10件以上の被害にあった女性の悲鳴 | マネーポストWEB(2019年7月9日 15:00 マネーポストWEB)という記事が出ているのを見つけました。

<注文した覚えのない商品が代金引換(代引き)で届いて困っている――。Amazonユーザーから、そんな悲痛な声が上がっている。ネットでも同様の訴えは多くみられ、多発しているようだ。
 Amazonプライム会員である都内在住の女性Aさん(40代)は、最近1週間で10件以上の代引き注文による送りつけ被害に遭った。(中略)
 被害は立て続けに起こり、部屋番号を確認する配送業者からの電話や返送対応に追われることになったAさん。送りつけられてくる品物はサプリや車用バッテリー、サーバーラックなどさまざまで、値段も3000円くらいのものから9万円弱という高額なものまで幅が広い>

 この方の場合は乗っ取りではなく、名前や住所が不正確なため、情報流出でもなさげで謎でした。このため、逆に女性のいたずらと判断されるリスクもあると思いますが、配達業者2社の担当者も事態を把握。ショップ側も「Amazon経由での“なりすまし注文”が多いため、事前連絡を始めた。発送前に一件一件確認している」としていました。

 Amazonのカスタマーサービスにその都度訴えると、担当者は「『身に覚えがない品が代金引換で届く』といった悪質ないたずらを含む報告は残念ながら増えてきているのは事実」と認めます。アマゾンはこういうとき対応が悪いことがあるので意外。また、アマゾンは「受け取り拒否」という対応を推奨していたそうです。


●不正注文検知サービスまで登場 少なくとも731億円の不正が存在

2023/07/17追記:もともと書いていたように、いたずら注文のようなものは販売側にとって非常に困ります。で、世の中には、不正注文を検知するサービスもある…ということを知りました。これは興味あるところ。不正検知サービス O-PLUX | かっこ株式会社 - Cacco Inc.というページを読んでみました。

 ここにおける「不正注文」というのは、<後払いにおける代金が支払われない注文や、クレジットカードのチャージバック、規約違反の転売・アフィリエイト等の紹介報酬の不正な取得を目的としている、などの注文>だとのこと。私が主に想定していたのは最初のものだけでした。それ以外の不正もあるようです。

 サイトによると、「導入サイト数 累計 110,000サイト」(東京商工リサーチ調べ)で「検知額合計 731億円」とのこと。これはサービス利用者が多いことを売りにした宣伝ですけど、それだけ不正な注文が多いとわかる話。この1サービスだけで被害額が「731億円」ですので、思った以上に、不正が多いようです。

 <不正注文を見抜く 不正な購入を注文時に検知し、発送前に商品提供をストップします>とあり、しくみも気になるところ。<検知率 96%>だそうで、この説明は「ネガティブ登録された取引金額うち、O-PLUXの自動審査結果でNG・REVIEWと判定された取引金額の割合」だといいます。ただ、私が知りたかった不正だと判断するしくみの話はよくわかりませんでした。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本歯科大の教授が不動明王の仏像など100点以上注文 なぜ?
  ■返品大国アメリカのクレージーな返品事情で、ユニクロ大苦戦か?

【関連投稿】
  ■前澤友作ZOZO社長も原価厨?「1万円の洋服の原価は2000円くらい」
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