2013/1/7:
アマゾンの全品送料無料が終了に 「あわせ買いプログラム」を導入
Amazonは実態以上のイメージの悪化が心配
年会費3900円のAmazonプライム会員も例外ではないことに怒り
なぜアマゾンが全品送料無料を終了させた「表向きの理由」
今まで取り扱えていなかった商品も売れるから…は本当か?
アマゾンの全品送料無料終了、本当の理由は?
全品送料無料はそもそも無理?佐川急便・日本郵便に負担
税金収めないAmazon、日本から一方的な搾取する状態に?
●アマゾンの全品送料無料が終了に 「あわせ買いプログラム」を導入
2018/05/17:古い投稿を見直しつつまとめて再投稿。配送問題が大きく盛り上がる前のものでしたけど、今読み直しても特に問題ない内容でした。ただし、佐川急便撤退前であり、佐川急便がAmazonの配送を行っていること、佐川急便の後取扱を増やして後にやはり撤退したヤマト運輸の名前は一切出ていないことなどは、現在とは違う情報です。
2013/1/7:
楽天がアマゾン対抗で即日配送 まずは関東、無料化なども検討で書いた「一気にいろいろと動いた」という話の一つは、アマゾンの全品送料無料が終了でした。
楽天がアマゾン対抗で即日配送 まずは関東、無料化なども検討と<ヨドバシカメラがアマゾン打倒に立ち上がる 書籍、無料で当日配送>(
ヨドバシカメラがヤマダ電機やビックカメラなどよりすごい理由にまとめ)などは、配送に定評のあるアマゾンに対して競業他社が追いつこうという動き。一方、今回のニュースは間逆です。アマゾンのサービスが劣化して、下の方に近づこうとするものでした。
楽天やヨドバシカメラが上がっていこうという動きと、アマゾンが下がっていく動きとが、同時に起こっているようです。こんな短期間でこんなにニュースが連発するとは思いませんでした。以下の記事の書き方を見ると、どうも配送で損するものは少額だと、そもそも注文させない!ということみたいですね。
Amazon、何でも送料無料から一歩後退!? 「あわせ買い」開始 2013年01月04日 10時00分更新 ASCII.jp編集部
2012年末に導入された「あわせ買いプログラム」では、一部の安価な商品を対象に、注文の合計額が2500円(税込)に達していない状態では注文できないように設定されている。
これは合計2500円以下の注文では別途送料がかかるのではなく、対象商品の場合は必ず2500円以上注文する必要があるというものだ(対象外の商品を組み合わせてもいい)。
http://ascii.jp/elem/000/000/755/755356/
●Amazonは実態以上のイメージの悪化が心配
強調しておきたいのは、これは飽くまで一部商品であるということです。2500円より安い商品でも、これまで通り単品で送料無料という商品が今のところ多いです。
ただ、これでイメージが悪化するのは間違いないでしょう。私がヨドバシカメラの追撃が難しいのでは?と見ていたのは、アマゾンが圧倒的に便利という印象を植え付けていたからです。
実際にはもともとマーケットプレイスの商品など、アマゾン本体以外の配送では送料が必要だったわけですが、アマゾン=送料無料のイメージは強烈でした。
今回はそのイメージ像を崩すもので、大部分送料無料のままであるという実態以上に、ダメージがあるかもしれません。
●年会費3900円のAmazonプライム会員も例外ではないことに怒り
また、ユーザーの怒りを買っているのは、年会費3900円の「Amazonプライム」に加入している場合でも同様であるということ。これはAmazonプライム会員にとっては、納得できないことでしょう。こちらもアマゾンのイメージを傷つけるものとなりました。
2013年01月04日 18時00分 ニフティ Amazon.co.jp 「送料無料」の方針変更、低価格商品は合計2500円以上の「あわせ買い」必要に
Amazonプライムの利用者から不満の声
年会費3900円を支払っているAmazonプライム利用者にとって不当な変更だとして批判の声もある。
Amazonプライムはもともと低価格の商品を単品で買った場合も含め送料が無料というのが大きな特典の1つだったが、Amazon.co.jpが2010年に楽天ブックスなどとのキャンペーン合戦のすえ一般利用者にも全商品を送料無料にすると宣言(関連記事)して以来、その利点はやや薄れ、通常は追加料金がかかる速達サービス「お急ぎ便」「当日お急ぎ便」、受け取り日時指定サービス「お届け日時指定便」が無料で使えるといった程度のものになっていた。
送料無料の方針変更である「あわせ買いプログラム」がAmazonプライム利用者も対象にしたことで、同サービスの意味をあらためて問う声が出ている。
http://bizmash.jp/articles/38338.html
●なぜアマゾンが全品送料無料を終了させた「表向きの理由」
では、なぜアマゾンが全品送料無料を終了させて、「あわせ買いプログラム」を導入したのでしょう? まず、表向きの理由は以下でした。
Amazon.co.jp 「送料無料」の方針変更、低価格商品は合計2500円以上の「あわせ買い」必要に 2013年01月04日 18時00分 ニフティ
http://bizmash.jp/articles/38338.html
Amazon.co.jpにとって配送コストの問題が改善することで、取り扱う低価格商品が拡大するとの期待もある。
Amazon.co.jpもこの点を強調し、あわせ買いプログラムのヘルプページでは「このプログラムによって、低価格帯商品の品ぞろえが拡大し、よりバラエティに富んだ商品をご購入いただけるようになりました」と説明している。
実際にあわせ買い対象の商品を検索してみると、当面は砂糖などの食料品や、かみそりなどの日用品、ビスなどの大工道具、鉛筆などの文具といったものを少量パッケージにしたものが見つかる。今後こうした商品は分野、種類をさらに広げていくと見られる。
●今まで取り扱えていなかった商品も売れるから…は本当か?
無料で配送することがためらわれて、今まで取り扱えていなかった商品も売れるということです。この説明は理解できないことはありません。
実際にアマゾンCEOのジェフ・ベゾスさんは以前のインタビューで、届けるのに適した商品・そうでない商品というのを意識していると言っており、具体的には「ほうき(箒)」が苦手だとしていました。
↓実際には、以前から売っていましたが。
アマゾンがもともと本から始めた…というのは、配送に適しているというのも理由の一つです。決して「本が好きだから」みたいな理由で始めたのではなく、綿密な計算があったのです。
●アマゾンの全品送料無料終了、本当の理由は?
しかし、他の理由も考察されています。たとえ上記のような理由があっても
Amazonが全品送料無料をやっていた理由は?絶対儲からない…損失が出ると言われたやり方で書いたようなメリットを失うわけで、上記だけでなく複数の動機があると考えるのは自然です。
たとえば、
Amazon全品送料無料が終了!少額商品は2,500円以上必須「あわせ買いプログラム」が始まりました 2013年01月03日 ひとぅブログではいくつもの理由を挙げて、Amazonの狙いを推測していました。
・日本国内におけるアマゾンの知名度が浸透した
・少額商品のみ注文する人の割合が予想より多かった
・ちゃんと利益確保する経営戦略の転換
最後の利益確保ですけど、アマゾンは飽くまでアメリカの企業であり、向こうで上場しています。そして、アメリカの翻訳記事を読むと、アマゾンの利益率は株主の期待よりも低く、もっと高めてほしいという要望があるようです。勝手な推測ですけど、そういった市場からのプレッシャーもあるのかな?と思いました。
●全品送料無料はそもそも無理?佐川急便・日本郵便に負担
さて、さらに別の理由も考えられます。他の投稿で書いたように、Amazon以上のサービスを目指して追撃している企業もあるんですけど、そもそも全品送料無料という試みに無理がありすぎたのでは?という考え方です。これは下記の記事(元記事は週刊ダイヤモンド)を読んでいて、そう感じました。(2018/05/17追記;佐川急便はその後Amazonとの取扱を停止)
Amazonのゴリ押し大量物流で、佐川・日本郵政が限界に!? 2012.12.14 ビジネスジャーナル 松井克明/CFP
最近、佐川急便は同社に大幅値上げを打診。多くの運輸業者がその規模の大きさゆえに、取引を続けてきている。しかし、採算度外視の取引のために、現場が疲弊しているのが現実だ。佐川急便としてはこれ以上不採算事業はできないと、Amazonとの取引を断られることを覚悟で大幅の提案を行ったのだ。
Amazonの大量の取引は現場を大きく歪めている。
日本郵便では、Amazonとの料金は本社のトップ交渉で決まるために、支社・支局レベルではまったく数字が開示されていない。現場では、同社の物流量に追いついておらず、Amazonの郵送を優先する「計画配送」を行なう一部郵便局もあるという。休日中に配りきれない書留や特定記録郵便など(中身はクレジットカードやキャッシュカードだ)の郵便物を後回しにして、Amazonを優先しているのだ。
だが、こうした取引も限界を迎えつつあるようだ。Amazonは現在、世界ではすでに70ほどの物流拠点を有している。わずか数年間で10数拠点以上のペースで増えている。
http://biz-journal.jp/2012/12/post_1153.html
このため、"Amazonは自社で運輸業に乗り出す動き"があり、"いずれ、日本でも自ら運輸業を行ない、日本郵便は下請け業者になっていくのかもしれない"としています。ただ、これは当然未来の話ですので、現時点ではこういった無理が影響しているのかもしれません。
●税金収めないAmazon、日本から一方的な搾取する状態に?
なお、「週刊東洋経済 12/1号」での『新流通モンスター アマゾン』という記事の中では、同社の本社機能は米・シアトルのAmazon・ドット・コム・インターナショナル・セールスであり、日本では法人税は払う必要がないという日本人としては釈然としない事実が紹介されていたそうです。
海外企業であっても、健全な競争でなおかつ、税金をきちんと納めていれば、日本全体の利益にはなっており、これを排除することはむしろ不利益になります。しかし、不当に利益を奪うことで取引相手や競合他社を弱め、なおかつ税金をしっかり払っていないとなると話は全く違う話に…。
全品配送無料というのは消費者にとってはありがたいサービスでしたけど、他の日本企業が割を食っていたという状況だったのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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