Appendix

広告

Entries

特許庁システムだけじゃない 次期年金(社会保険)システム、人事・給与システムでも中止、停止、延期


 特許庁システム刷新頓挫で55億円の税金が無駄に 失敗の東芝、賄賂のNTT 悪いのは官僚?政治家?を投稿した直後に、元にした記事は単発ではなく「政府システム調達、失敗の本質」というシリーズであるということに気づきました。

 「これはすぐ読んで必要なら補足しなきゃ」と思っていたんですけど、やる暇がなかったせいでだいぶ間が開きました。

政府システム調達、失敗の本質 IT力と変化対応力が不足
2012/12/11 ITpro 浅川 直輝=日経コンピュータ 出典:日経コンピュータ 2012年7月19日号  
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121204/441883/?ml


 実は省庁の失敗というのは、「特許庁システム刷新頓挫」に限らないそうです。
次期年金システム(社会保険オンラインシステム)、府省共通の人事・給与システムなど、大規模システムや省庁共通システムでプロジェクトの中止や停止、延期が相次ぐ。

 納税者としては泣きたくなります。ただでさえ税収不足だというのに、そんなにポンポン失敗されては堪ったもんじゃありません。


 とりあえずこれらに共通して見えるポイントは、記事によれば2点です。

・IT人材が質と人数の両面で足りない
・入札準備から稼働に至るまでの調達プロセスが未成熟


 今回特許庁の行った「分割発注」は、"システム開発の範囲や工程を分けて委託する"ものです。

 "調達の透明性や競争性を高める効果"があり、「分割発注」そのものでは悪ではありません。(ただし、今はこれすら達成できないとのこと)

 しかし、

発注者は、複数のITベンダーを取りまとめたり、仕様や成果物の粒度を統一したりする必要があり、高度なITスキルが欠かせない。だが今回の最適化計画で、各省庁が職員のITスキルについて検証した形跡はない。それが開発失敗を招いた。

 ということで、要するに発注者、つまり省庁側の能力不足のようです。

 そして、
分割発注をこなせるスキルを備えた職員を育成しようにも、「省庁の人事は2年のローテーションで異動する前提である以上、不可能だ」(あるCIO補佐官)

 ということで、対応できていないようです。

 しかし、いつも私は疑問に思うんですけど、官僚のこういう考え方は腐っていません?現状のあり方を肯定してそれありきとし、「だから、変えられない。不可能」という論理は信じられません。

 官僚批判するといじめだと怒る方がいますけど、本来官僚組織というのは国民のためにあるはずなのに、これじゃあ官僚組織維持のために国民が税金を納めているという格好です。

 実は官僚の皆さんは「国のために働いてる」というなみなみならぬプライドがあるそうなんですけど、それは本当に「国のため」なんでしょうか?官僚の方の言う「国」って、いったい何を指すのでしょう?


 話が逸れましたけど、"失敗のもう一つの要因である調達プロセス"について。
システム開発計画を審査する仕組みやプロジェクトのレビュー機能、省庁間で業務プロセス改革を推進する仕組みが整っていなかった。

 府省共通の人事・給与システムの開発では、省庁の利害を現場レベルで調整するプロセスの整備を怠った。その結果、人事院が単独で開発したシステムに他の省庁から改善要望が殺到、人事院は仕切り直しを迫られた。

 技術力で劣るITベンダーの落札を防ぐ仕組みも機能しなかった。価格だけでなく技術も評価する総合評価方式を導入したことは間違っていなかったが、価格点と技術点の配分を「1対1」に固定したことが問題だった。技術点では差が付きにくく、結局は安値での入札が決め手になった。

 と言うか、技術点で低すぎるところは問答無用でカットすべきでしょう。ここらへんは先の省庁側の能力不足の延長です。

 また、政治家もいっしょに批判されていました。
ITベンダー出身のCIO補佐官は「政治家や官僚にとって、本来の狙いはレガシーシステムのオープン化によるITコストの削減にあり、業務プロセス改革は二の次だった」と振り返る。

 「政治家も官僚も、EA(エンタープライズアーキテクチャー)に基づく業務プロセス改革を省庁自ら手掛けるのは無理だと最初から諦めていた。このため、EAという言葉だけは残したものの、制度上の枠組みやIT人材は用意しなかった」(同)。

 というか、使いものにならなければそれは結局高く付きますし、大体にして途中で頓挫していますので全然削減できていません。まさに安物買いの銭失い、本質を見誤ったせいで余計な出費を増やしています。

 また、「政府の情報システムにかかるコスト」という点で見ても、"2008年度予算の6268億円から、2012年度予算では5283億円に1000億円ほど減った"ものの、

 ユーザー企業出身のあるCIO補佐官は「ハードウエアの性能向上に伴うサーバーの集約だけでも、同様のコスト削減を実現できた可能性がある」と分析する。「あえて多額の費用をかけて全システムをオープン化する必要はなかった」(同)との考え方だ。

 こうした費用対効果の評価は置き去りにされている。最適化計画を策定した際に想定した投資額について、計画を統括する総務省は「入札予定価格を予想できてしまうため」として公開していない。一部の例外を除き、刷新に使った総費用も公開していない。会計検査院はこの状況を問題視し、2010年10月に「費用対効果の評価を十分に行えていない」とする意見を政府に提出している。

 といった批判があります。

 こういった大局的な見地という点では、すぐに結果が欲しい(そして、次の選挙で受かりたい)政治家が絡むと余計悪化するものです。

 官僚への評価もそうなんですけど、長いスパンで見た成功・失敗をきちんと公開して、国民の審判に活かせるようにしないとおそらくこの傾向は変わりません。

 ここらへんは国民一人一人に調べろと言ったって無理ですので、マスコミに頑張ってもらわないといけないところです。

 マスコミは政局や選挙報道ばかり夢中になっていますけど、こういう一見地味な検証だって立派な政治報道です。芸能人スキャンダル的な報道より、こちらに目を向けてくれればと思います。


(ただ、これは国民にもやはり問題があります。この前の選挙もお祭り騒ぎで、勝った負けたのファン投票のようになっていましたけど、それ以外のことにも関心を持つべきです。
 マスコミは国民の鏡のような部分があり、マスコミレベルは国民レベルとある程度比例していると思われます。芸能ニュースのような政治報道がウケなければ、マスコミだってそれを控えるんですから)


 関連
  ■特許庁システム刷新頓挫で55億円の税金が無駄に 失敗の東芝、賄賂のNTT 悪いのは官僚?政治家?
  ■脱談合の希望社、公共工事の利益を返還
  ■復興予算の流用・横流し・不適切使途 脱官僚批判が後押した官僚のシロアリ化
  ■脱「脱官僚」・脱官僚批判が招いた消費税増税
  ■消費税増税では財政健全化できない
  ■その他の政治(時事)について書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由