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右脳と左脳の働き・機能や利き手との関係はどこまで本当なのか?


 いわゆる右脳・左脳論って疑似科学的なところがあるといった話を読んだのですが、どこまでが本当でどこまでが嘘なのかがよくわからないのでちょっと整理です。

 まず、脳のすべての部位が均等に同じ働きをしているわけでなく、場所によって主な働きが異なっているというのは本当です。

 60歳の老人と6歳児はキレやすさがいっしょでも「脳の前頭前野の外側部」というピンポイントな場所の話が出ていました。


 こうした脳の機能の違いは、実験でも確かめられます。聞いているだけで頭がムズムズしてきますが、脳の一部を損傷させてみればわかるのです。

 もちろんそういう人体実験をしなくても、事故などで脳の一部を損傷してしまった人らを観察していればわかります。

脳損傷と精神機能失調の関係調査は20世紀初頭の第一次世界大戦で大きく進んだ。この戦争では銃の性能向上で銃弾の貫通力が増加した結果、脳の非常に限局した部分を損傷する患者が多く現れた。これらの患者を治療する過程で、脳の損傷部位と精神機能失調の間に特定の関連があることが調べられた。この後も、大きな戦争のたびに調査が進むことになる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%A9%9F%E8%83%BD%E5%B1%80%E5%9C%A8%E8%AB%96

 また、今は否定されていますが、ほんの数十年前までは脳の一部を外科手術で切除するという恐ろしい精神疾患治療法があり、この大失敗によっても脳機能の研究が進みました。


 さて、問題となるのは右脳・左脳、右手・左手、右利き・左利きといった左右に関する見解です。

 これらに関連するところを脳機能局在論のWikipediaから抜き出してみます。
左右半球

大脳および中枢神経系では、左右で異なる機能が局在していることがある。

・大脳においては、一般的には体の右側の末梢神経(感覚や運動)は左半球に投射され、左側の末梢神経は右半球に投射される。ヒトの視覚においては、網膜の右視野(右目の外側、左眼の内側)は左半球に投射され、左視野は右半球に投射される(半交叉)。

・言語野は大脳皮質の左半球にあることが多いが、右利きの人で数%、左利きの人で30~50%程度が右半球に言語野をもつことが知られている。総合的には90%以上の人では言語野は左半球にある。

・左半球に言語中枢がある場合においては、その損傷は言語ほか多くの精神機能の損傷を引き起こすことが多い。精神の主要な機能は左半球にあることが多いとされ、その場合においては左半球を優位半球、逆を劣位半球と呼ぶことがある。また右半球に言語中枢がある場合においては、これを優位半球と呼ぶことになり、どちらかが一般的に優れている、劣っているということではない。現在でも脳外科手術において手順を決める際によく用いられ、言語野のある半球を優位半球とすることが多い。

・後天的に利き手の矯正を行った場合でも、優位半球や言語野の位置は特に変わらないことが知られている(厳密に言えば、一旦優位半球が確定した後に利き手の矯正を行った場合)。

・これら高次機能の局在が生じる原因等についてはよくわかっていない。

・先天的半球欠如や、幼少時におけるてんかん治療などのための脳の部分的切除を行った場合、片方の半球に局在していることの多い機能がもう一方の半球で処理されるようになることがあることが知られている。

 最後がすごいですね。厳密に分離されているわけではなく、ある程度の融通が効くようです。

 この後の項目を読んでいくと、実際に

"脳機能はある程度局在しているが、この局在は臓器などの器官のように代わりの利かない堅固なものなのか、それとも後天的に形成され変わるものなのか"

 とあり、研究の対象となっているようです。

 "事故などによって手足を切断した患者では、失った手足かあたかも存在するように知覚される幻肢という現象が高確率で起こる"ものの、"時間がたつにつれ体の残存部位の知覚と融合して"いくという話もあり、これも融通性を感じさせます。


 上記は"中枢神経が残ったまま末梢神経からの入力がなくなった場合"の話だそうですが、逆に"末梢が残っていて中枢が損傷した場合"の話もあります。

"たとえば脳梗塞などで脳が部分的に死んだ場合、明白な機能局在がある部分が失われるとそれに対応する精神機能も失われる。言語野を損傷すれば失語症となり、運動野を損傷すれば身体不随に、視覚野を損傷すれば失明などの現象が生じる"

 ここまで読んだ限りでは融通が全く効かない印象を受けますが、不思議なことに"損傷から一定期間たつと機能が回復することがあることが知られている"そうです。

 ただ、"回復することがある"ですから、絶対ではありません。普通の怪我なり病気なりがそうですけど、これもまた"若ければ若いほど起こりやすい"んだそうな。


 話がちょっと逸れてきた感じですが、ここから本題です。ズバリ「右脳・左脳論」という項目が脳機能局在論のWikipediaの中に存在しています。
左右の活動に差があることも示されてはいるものの、fMRIなどによる脳活動の測定はあくまで相対的な活動の増大を示すものであり、その部位がその精神活動を行う中枢であるとか、その部位がその精神活動を専門に処理しているといった根拠にはならない。

脳機能局在論に関して、一般に広く知られている右脳・左脳論があり、これは左半球が言語や論理的思考の中枢であり、右半球が映像・音声的イメージや芸術的創造性を担う、という観念である。

しかし芸術などを対象とした脳機能イメージングでは右半球にも活動のピークがあるといった程度であり、多くの研究では左半球にも活動の増大が認められる。

また、理屈っぽい人物は左脳優位、芸術肌の人物は右脳優位といった説があるが、これは単純かつステレオタイプな解釈であり、そのほとんどは科学的な知見からかけ離れた通俗心理学に類するものであると批判されることが多い。

誤った俗説として以下のようなものがある。

・左半球全体が論理処理のために活動している。また左半球だけが論理処理をしている。
・右半球全体がイメージ処理のために活動している。また右半球だけがイメージ処理をしている。

 じゃんじゃん否定されちゃってます。

 次のものは、要出典つきですので注意。
「右脳を鍛える」と称する訓練等があるが、それによって「イメージ能力」や「創造性」が向上するという説は、科学的根拠がないため否定も肯定もできない[要出典]。

 「否定も肯定もできない」っていう書き方が変なんじゃないですかね、ここは?

 この後は要出典なしの否定や迷信という指摘が続きます。

経済協力開発機構は、2007年に報告書『脳の理解:教育科学の誕生(Understanding the Brain: The Birth of a Learning Science)』の中で、脳についての迷信として「神経神話」の一つに、「論理的な左脳」と「創造的な右脳」という観念をあげた。

ハーバード大学の医学部の卒業生であり、小説家でもあるマイケル・クライトンは、作品『恐怖の存在』の中で、右脳・左脳論を否定している(より正確には、作中の登場人物が否定している)。作中に述べられている理由は以下のことである。

右脳・左脳論の観念が人々に広まったのは、スペリーの研究がもとになっているが、スペリーが研究対象としたのは、脳梁の切断手術を受けた患者の脳だけであり、この研究でのスペリーの発見は、そうした患者以外には適応できない。また、スペリー自身もそうした患者以外への適用を否定している。よって科学的には否定されたはずの右脳・左脳論であるが、人々の間には広まったままとなった。

九州大学大学院理学研究院生体物理化学講座や科学技術振興機構は、脳の左半球と右半球の違いを研究した。ただし、これは脳の左右に構造的非対称性があるということを解明しただけであり、「左脳が論理的思考をし、右脳が芸術を生む」ということを証明したのではない。

 また、そもそも先に「右利きの人で数%、左利きの人で30~50%程度が右半球に言語野をもつ」とあったように、個人差も大きいものです。

 ですから、右手を使うことで左脳の~という機能を鍛える!などと言いながら、実は逆の脳でその主な機能を担っているなんてこともありえます。こう考えると、右手・左手云々というのは全く当てにできなそうな感じですね。


 Wikipediaでは他のページにおいても、右脳左脳の話が出ていましたので合わせて紹介しておきます。

左利き

なぜ左利きは少数なのか

脳の半球説

言語と手仕事の両面において、より良い運動神経を必要とする場合、脳の片側の半球で両方の判断をした方が、左右両方の脳を使うよりも効率的であるという理論である。脳の左側は言語を制御しているので、脳の左側が制御する右半身の方が発達する、左利きの人は逆になっている。他の霊長類は人間のような話し言葉を使うものは無い。他の霊長類には利き腕の偏りが見られない。このようにこの理論では予測する。この理論にも反論があり、90%前後の右利きの人は言語を制御するのに脳の左半球を使っているが、左利きの人は左半球の場合と右半球の場合があり可変であるという主張である(詳細については脳機能局在論参照)。

右利きの脳と左利きの脳の基本的な違いを脳スキャンで確認するいくつかの研究が行われた。通常、脳の特定部位が各作業に使われている状態で、右利きの人の脳は非常に集中される。この集中化は左利きの脳では一般的に無い。左利きの人が脳卒中の発作に見舞われた場合、右利きの脳卒中患者よりも復帰が早い。これにより左利きの人の脳は、脳の各所に機能を分散する度合いが高く、集中させる度合いが低いとされる。

利き腕と脳についてよく言われる説で右利きは理論に優れ、左利きは芸術など感性に優れると言うことがあるがこれは間違いである。確かに人間の左脳は言語野など理論的なものがあり、右脳には感性を司る部位がある。そして、利き腕と脳はクロスした繋がりが太いことも確かである。しかし、腕の動きが活発であるかどうかと脳の活動はほとんど関係がない。

利き足と言語に関しては、オウムの90%が左足利きであるという関係がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A6%E5%88%A9%E3%81%8D


 それから、分離能という項目。これはびっくりする話です。

分離脳(ぶんりのう、英: Split-brain)は、脳にある2つの大脳半球を接続している脳梁が、ある程度切断された状態を示す一般用語である。この状態を生み出す外科手術のことを脳梁離断術 (corpus callosotomy) と呼ぶ。この手術が行われることはまれではあるが、大抵の場合は難治性のてんかんの治療として、てんかん発作の猛威を減らすことにより、物理的な損傷を防ぐために行われる。

分離脳となった患者は、その患者の左視野 (つまり両目の視野の左半分) に画像を呈示された際、それが何の画像なのかを答えることが出来ない。この理由は、多くの人々において言語優位性半球は左半球なのだが、左視野にある画像は脳の右半球にのみ伝えられるためと考えられる。2つの大脳半球の連絡が切断されているため、患者は右半球が見ているものを答えることが出来なかったのだ。しかし、患者は左視野にある物体を左手で掴んだり、認知したりすることが出来る。これは左手が右大脳半球によりコントロールされているためである。

初期の分離脳の研究はロジャー・スペリーによって行われ、マイケル・ガッツァニーガ (Michael Gazzaniga) によって続けられた。この研究成果により、脳機能局在論の重要な理論が生まれることとなった。

分離脳の患者は時々、自らの行動に対する合理的な説明として作話を行うことがある。それは本当の動機が、言語的にアクセスできない右大脳半球で生み出されたため、説明不可能であるからといえる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E9%9B%A2%E8%84%B3


 また、「宣伝広告じゃない?」といった問題など多数の問題ありとされていますが、「効き脳」というページもあります。

効き脳

本人も無意識のうちに反応し、機能する脳の“利き”部分のこと。効果的に活用することで、日常生活やビジネス、人間関係に好影響を及ぼすことから、「効き」脳とよぶ。効き脳を明らかにすることで、その人の思考特性、すなわち考え方の癖が把握でき、個人の能力開発やキャリアアップ、コミュニケーション改善、組織やチームの生産性向上、チームビルディング、営業力/提案力強化、マーケティングソリューション等に活用することができる。

概要

使いやすく機能しやすい部位“利き手”“利き目”などがあるのと同様、脳にも“利き”があり、本人も無意識に反応する脳の部位のこと。大脳が最初に反応する「第一感情」ともいわれる。(中略) 思考特性は「先天三割、後天七割」と言われ、環境やトレーニングで変化する。つまり、左利きの人が、右手をトレーニングし利き手を変えることと同様である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B9%E3%81%8D%E8%84%B3

 何かもうステキなくらいに胡散臭さが充満しています。

 ちなみに「効き脳」って登録商標としてもう既にちゃんと登録済みなんだそうです。商売っ気たっぷりですね。

基礎理論

ベースの概念は、米国GE(ゼネラル・エレクトリック)社の能力開発部門責任者であったネッド・ハーマン氏が、大脳生理学を基礎に1977年に基本モデルを開発した「ハーマンモデル理論」。ハーマンモデル理論は、1981年にロジャー・スペリーらがノーベル生理学・医学賞を受賞した「右脳・左脳モデル」と、(中略)「三位一体型脳モデル」を統合し構築された。

右脳・左脳モデル

1960年代、ロジャー・スペリーらによって大脳の2つの機能を明らかにする研究が始められた。1981年、大脳半球の機能分化に関する研究にて、ノーベル生理学・医学賞を受賞。 ・右手を動かしている左脳は論理的、分析的、順序立て、理性的。数学的な方法によって物事を検証し、物事を異なる要素に分類する。 ・左手を動かしている右脳は広い視野で全体を認識する傾向が強く、瞬間的、直感的、視覚的、合成的、感情的であり、表現力豊か。直感によって解決策を見出し、物事を全体的に考え、関係や類推、類似するものを探す。

 スペリーさんは既に上で出てきましたね。忘れている方もいるでしょうから、もう一度引用。(分離能の項目でも出ていますが、その前の部分)
スペリーが研究対象としたのは、脳梁の切断手術を受けた患者の脳だけであり、この研究でのスペリーの発見は、そうした患者以外には適応できない。また、スペリー自身もそうした患者以外への適用を否定している。よって科学的には否定されたはずの右脳・左脳論であるが、人々の間には広まったままとなった。

 ハーマンさん、何か右脳・左脳モデルの理論をちゃんと理解できていないみたいですよ。


 関連
  ■60歳の老人と6歳児はキレやすさがいっしょ
  ■脳手術の性格への影響
  ■脳の損傷で画才開花
  ■ゲーム脳なんてない
  ■古い脳と新しい脳
  ■その他の科学・疑似科学について書いた記事

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