2013/1/13:
●野球選手は賛成83%でも桑田真澄・元プロ野球選手は反対
●極限状態に追い詰めて成長…体罰で成長するは本当なのか?
2019/05/03:
●有名人と体罰 元プロ野球選手・長嶋一茂などが体罰に賛成意見
●野球選手は賛成83%でも桑田真澄・元プロ野球選手は反対
2013/1/13:体育会系の人ほど体罰を強く肯定する傾向にあるようです。元プロ野球選手の桑田真澄さんは、 早大大学院にいた2009年、論文執筆のため、プロ野球選手と東京六大学の野球部員の計約550人にアンケートをしました。
体罰について尋ねると、「指導者から受けた」は中学で45%、高校で46%。「先輩から受けた」は中学36%、高校51%でした。一方、アンケートでは「体罰は必要」「ときとして必要」との回答が83%にのぼりました。アンケートは2009年のものですから、それほど古い調査ではありませんね。今回の体罰自殺事件の数年前でした。
(
「体罰は自立妨げ成長の芽摘む」桑田真澄さん経験踏まえ(2013年1月11日20時51分 朝日新聞 【岡雄一郎】)より)
以前書いた
自殺者・死者が出ても体罰賛成「間違っていない」「愛情があれば許される」という擁護意見では、自殺者が出ても「先生は間違っていない」と言えてしまうのは、自分の費やした時間を否定されたくないからでは?といったことを書きました。
桑田真澄さんも"「あの指導のおかげで成功した」との思いからかもしれません"と同じような推測をしています。さらに「でも、肯定派の人に聞きたいのです。指導者や先輩の暴力で、失明したり大けがをしたりして選手生命を失うかもしれない。それでもいいのか、と」書いていました。桑田真澄さん自身は体罰に反対なんですね。
なお、体罰を受けた人ほど肯定しやすくなるものの、桑田さん自身は体罰を受けた経験がなかったわけではない模様。体罰を受けなかった高校時代にもっと伸びた…と言っていましたが、逆に言うと中学生までは体罰を受けていたということ。小中学校時代は毎日のように練習で殴られていたそうです。
中学では1年でエースだったので、上級生のやっかみもあったのでは?と。スポーツマンはプラスの意味で使われることが多いですけど、その内面はむしろ薄汚いものでいっぱいなのかもしれません。
●極限状態に追い詰めて成長…体罰で成長するは本当なのか?
桑田真澄さんは以下のように、体罰は一方的なものであることも指摘。上下関係が厳しすぎるというのは、スポーツに限らず日本社会で見られる特徴でもあります。
"「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きるのが体罰です。監督が采配ミスをして選手に殴られますか? スポーツで最も恥ずべきひきょうな行為です。殴られるのが嫌で、あるいは指導者や先輩が嫌いになり、野球を辞めた仲間を何人も見ました。スポーツ界にとって大きな損失です"
自殺者・死者が出ても体罰賛成「間違っていない」「愛情があれば許される」という擁護意見で紹介していた産経新聞記事では、自殺が起きた指導校の好成績について強調していた感じでした。
しかし、桑田真澄さんは、「指導者が怠けている証拠でもあります。暴力で脅して子どもを思い通りに動かそうとするのは、最も安易な方法」だとしていました。例えば、野球で三振した子を殴って叱ると、次の打席では何とかしてバットにボールを当てようとスイングが縮こまってしまい、正しい打撃を覚えられないと指摘しています。
同じく愛ある体罰も全否定。「極限状態に追い詰めて成長させるために」と体罰を正当化する人がいるかもしれませんが、殴ってうまくなるなら誰もがプロ選手になれるだろうとしていました。実際には誰もがうまくなるわけじゃありませんよね。
●有名人と体罰 元プロ野球選手・長嶋一茂などが体罰に賛成意見
2019/05/03:
体罰自殺で保護者が「親の責任」「先生を応援します」 長嶋一茂も「我々はこんなレベルじゃなかった」と擁護・賛成論で書いているように、同じ元プロ野球選手でも長嶋一茂さんは擁護。野球選手へのアンケート結果からすれば賛成の方が多くて当然ではありますね。多数派であり、むしろ桑田真澄さんが例外なのでしょう。
あと、有名人の意見という話で言うと、
保守・右翼思想と体罰の相性の良さ 石原慎太郎、東国原英夫、戸塚ヨットスクール、田母神俊雄というのも書いています。政治的に右派の人たちが多く賛成しているんですね。相性が良いみたいです。
やはり保守派の新聞である産経新聞は、
自殺者・死者が出ても体罰賛成「間違っていない」「愛情があれば許される」という擁護意見で紹介した記事でも、体罰擁護の論調が見え隠れしていました。ただ、その後の記事ではもっと露骨に。体罰は悪くない…という記事を連発していて、ここまであからさまにやるのか!?と驚いたほどでした。
この産経新聞の体罰賛成では有名人も使用されており、よりによって評判の悪い作家の岩崎夏海さんすら持ち出してきていました。こちらは、
新聞社の体罰賛成論「教師が怒っただけで体罰と言われるので生活指導できない」で紹介しています。
【本文中でリンクした投稿】
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体罰自殺で保護者が「親の責任」「先生を応援します」 長嶋一茂も「我々はこんなレベルじゃなかった」と擁護・賛成論 ■
保守・右翼思想と体罰の相性の良さ 石原慎太郎、東国原英夫、戸塚ヨットスクール、田母神俊雄 ■
自殺者・死者が出ても体罰賛成「間違っていない」「愛情があれば許される」という擁護意見 ■
新聞社の体罰賛成論「教師が怒っただけで体罰と言われるので生活指導できない」【関連投稿】
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