共産党と生活保護 相談で受給支援の一方、不正受給・違法行為・詐欺黙認も

　一連の生活保護叩きは行き過ぎで、国民レベルについて考えてしまうほどでしたけど、現状様々な問題があるというのも間違いなく、私はむしろ批判的な視点のものを多く紹介していました。

　で、今回も不正受給というネガティブな話。以前も右翼も左翼も生活保護を不正受給 中核派や右翼団体というのをやっています。

　ただ、その話の前に事前知識として一つ。

2010年1月7日(木)「しんぶん赤旗」
公設派遣村入所者「相談してよかった」　生活保護 親身に支援

　国・東京都の「公設派遣村」（大田区の臨時宿泊施設）の約６００人の入所者は６日、交通費などを支給され、東京２３区などの福祉事務所に行き、生活保護の申請などを本格的に始めました。中野区では日本共産党区議団が親身に相談にのりました。（今田真人）

(中略)男性は翌６日、中野区役所の福祉事務所に行き、前日申請が受理された生活保護について、調査員から聞き取りと説明を受けました。保護費は月額合計約１４万円（アパート代含む）。そのほか、敷金・礼金、ふとん・家具代などの実費が合計約３０万円（上限）支給されます。１２日に支給開始予定と告げられました。

　男性は満面の笑みで言いました。

　「共産党に相談して本当によかった。臨時宿泊施設の大部屋で昨日夜、たまたま隣になった男性がいます｡彼は､墨田区に生活保護を申請したといっていた。彼にも共産党区議団に相談するようにすすめたい」

　相談にのった党区議の来住さんは「『公設派遣村』から２６人の入所者が６日から８日まで、中野区に生活保護の申請にやってくると聞きました。大変な思いをしてきた入所者を私たちも全力で支援していきたい」と話していました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-01-07/2010010715_01_1.html

　生活保護と言えば共産党のイメージがあります。上記のように生活保護の受給も手伝っています。

　「もっと堂々と生活保護を貰えるように。みんなどんどんと支給してもらうべき」といったことを言う方がいますが、今のように後ろ指をさされなくてはいけない状況はおかしく、ある意味正しい部分もあります。

　しかし、行き過ぎた行為は絶対に認められません。

共産県議、捜索受け辞職願…生活保護不正を黙認
（2013年1月15日07時32分 読売新聞）

　共産党の扶川敦・徳島県議（５５）は１４日、生活保護費の不正受給とされる事件を巡り、自宅や事務所が県警の捜索を受けたとして、県議会議長宛てに辞職願を提出した。

　受給者数十人が、生活保護費を受けやすくするため、不動産業者が書類を不正に作成するのを黙認していたといい、「コンプライアンス意識が不足していた」と釈明。辞職願は１５日にも許可される見通しで、現職県議が、捜索を受けて辞職する異例の事態となる。

　扶川県議が県庁で記者会見を開いて説明。扶川県議によると、２００９年１月頃～１０年７月頃、徳島市と北島町の不動産業者に生活保護受給者の入居先を仲介した際、業者が役所に提出する虚偽の書類を作成しているのを黙認していたという。書類は本来なら生活保護の対象にならない費用も含むようにしていた。扶川県議は受給者の連帯保証人として書類にサインしており、業者の「違法行為」を知っていたという。

　扶川県議によると、この問題で、板野町の自宅と事務所計３か所が「詐欺事件に関係あると思料される」などとして、県警の捜索を受け、パソコン６台や約２０００人分の生活相談の資料などが押収された。すでに北島町の業者は詐欺容疑で逮捕されているという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130114-OYT1T00757.htm"

　なお、先程の「みんなどんどんと支給してもらうべき」は現状の生活保護＝恥の図式から言えば少し正しいと言えるのですけど、本来は間違いです。

　今回はそういう話メインじゃありませんけど少し考えを書いておくと、生活保護は生活が苦しいから貰うのです。ですから、市民にとって一番良いのは貰わなくても暮らしていけるような生活です。

　生活保護の大切さを訴える人たちはそういった観点が抜け落ちている人が多い気がしますが、貧困層を固定することが生活保護の目的ではありませんので、そこのところは勘違いしないでください。


(1/26追記：共産党の元徳島県議を逮捕　生活保護の不正受給関与容疑　朝日新聞　2013年1月26日9時36分

　生活保護費の不正受給に関与したとして、徳島県警は２６日、共産党の元県議扶川敦（ふかわあつし）容疑者（５６）を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。(中略)

　扶川元県議は事務所が家宅捜索されたのを受け、「道義的責任をとる」として１５日、県議を辞職している。
http://www.asahi.com/national/update/0126/OSK201301260011.html)


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