2019/05/26:
●戸塚宏氏の名言?体罰で自殺する子にも問題があったと指摘
●戸塚ヨットスクール事件で2名傷害致死、1名病死、2名行方不明
●事件…は冤罪? 一審判決は破棄、最高裁で確定した結果は?
●その後も戸塚ヨットスクールでは次々と死者が出る
●戸塚宏氏の名言?体罰で自殺する子にも問題があったと指摘
2019/05/26:「戸塚ヨットスクール」の校長・戸塚宏さんが、2012年12月に発生した大阪市立桜宮高等学校のバスケットボール部主将が顧問から暴力を受けて自殺した事件に関して、持論を語っていました。
<「(自殺者が)あの子だけということは、あの子にも問題があったということ。本当に体罰で死んだかどうかもわからないですよね」など体罰を肯定し、自殺する側に問題があるという持論を述べている>(2013年1月13日のテレビ朝日系列の番組「サンデースクランブル」での発言、
Wikipediaより)
そもそもこの方は自身でも体罰自殺させた疑惑がありますし、体罰殺人事件も引き起こしています。この人がこういうことを言うのはわかっていたわけで取り上げるのを躊躇していましたが一応紹介。
この後そこらへんの話をやるように、何でこのレベルの人が活動を続けて入れられるのか?というレベルです。ただ、マジメにそれがなぜか?と言うと、死人が出てもなお支持するという、体罰に対する社会的な許容があるからでしょう。体罰で自殺する子にも問題があったというこの主張すらむしろ「よく言った!そのとおり!」と称賛する人がいると思われます。
●戸塚ヨットスクール事件で2名傷害致死、1名病死、2名行方不明
さて、戸塚さんの過去の話。Wikipediaでは、まず日本の男性教育者で、愛知県知多郡美浜町に所在するフリースクール「戸塚ヨットスクール」の校長と紹介。続けて、生徒への暴力(体罰)によって死者を出した戸塚ヨットスクール事件を引き起こした、と書かれています。
Wikipediaを読んでいくと、生徒の死が何度も出てくるんですよ。
・1976年 - 株式会社戸塚ヨットスクール開校。当初はオリンピックでメダルを獲れるようなセイラーを育成するためのスクールとして発足したが、翌年の秋頃不登校などの情緒障害児の更生に効果があると評判になり、マスコミで紹介されてからは、もっぱら情緒障害児の治療を目的とした活動へとシフトしていった。同スクールの合宿に参加した上之郷利昭が著した『スパルタの海』(支援者である伊東四朗主演で映画化されたが戸塚の逮捕によりお蔵入り、出獄後の2005年支援者によりDVD化、2011年に劇場公開された)では、同スクールの活動が生々しく報告されている。コーチ陣の過度の訓練・体罰が近因となり死者5名(2名は傷害致死、1名は病死、2名は行方不明のままみなし死亡)を出す。
・1983年6月13日 - 戸塚ヨットスクール事件が発覚、コーチと共に監禁・傷害致死の容疑で逮捕。
●事件…は冤罪? 一審判決は破棄、最高裁で確定した結果は?
一審では有罪であったものの、「執行猶予付き判決」でした。
・1992年7月7日 - 名古屋地裁は戸塚宏とコーチ6名に対して傷害致死罪で執行猶予付きの有罪判決、検察被告とも控訴。
しかし、高裁では執行猶予なしの有罪判決に。
・1997年3月12日 - 名古屋高裁は
「訓練は人権を無視。教育でも治療でもない」として一審判決を破棄し、戸塚宏に懲役6年、コーチ3人も実刑の判決を下した。戸塚らは即日上告。
さらに上告するも棄却されています。現在も体罰との因果関係は一切無かったとして無罪を主張しているそうですが、裁判上では有罪が完全に確定しています。
・2002年2月15日 - 最高裁判所は上告を棄却。
・2002年3月11日 - 無罪を主張するが退けられ戸塚宏に懲役6年の刑が確定。「教育か、暴力か」が争点となったが、起訴された15人全員の有罪が確定した。
●その後も戸塚ヨットスクールでは次々と死者が出る
しかし、「生徒の死が何度も出てくる」と書いたのは、実はこれに留まらないため。上記の時点ですでに5人もの生徒が亡くなっているのですが、その後も死人が出続けているのです。異常でしょう。「何でこのレベルの人が活動を続けて入れられるのか?」と書いたのはそういう理由でした。
<出所後も死者を出す>
・2006年4月29日 - 静岡刑務所を満期出所。出所後、戸塚は静岡市内で報道陣から「お帰りなさい、スクールはまだ続けますか」との問いかけに対し「まだまだ続けていく」と回答した。
・2006年10月9日 - 戸塚ヨットスクールからいなくなった訓練生の25歳男性が、知多湾で水死体となって発見される。
・2009年10月19日 - 戸塚ヨットスクールの寮内にて、訓練生の女性が寮の3階より飛び降りて死亡した。
・2011年12月10日 - 戸塚ヨットスクールの寮内にて、訓練生の男性が寮の3階より飛び降りて重傷を負った。
・2012年1月9日 - 戸塚ヨットスクールの寮内にて、訓練生の男性が寮の3階より飛び降りて死亡した。
最初の「(自殺者が)あの子だけということは、あの子にも問題があったということ」という主張には全く根拠がないのですけど、このような暴論ですら多数死なせている戸塚ヨットスクールの場合は擁護できません。戸塚さんの中ではどのような論理で自身は無罪だとしているんでしょうね。不思議です。
あと、前述の通り、このような体罰とすら言えそうにないものですら支持者がいて、体罰根絶はたいへん難しいことがわかります。しかし、今回のバスケ部員の死を無駄にせずに、少しでも前進を…というのが私の願うところです。
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