Wikipediaもありましたが、説明・例ともにわかりやすかったのはこちらです。
アンカリングは係留効果という訳語を与えているものもあります。
このサイトは例が非常にわかりやすいです。
例えば、30,000円のコートがあった場合、通常であれば顧客は製品の品質や利用価値に注目して、価格に見合ったものかどうかを検討して購買行動を行う。
ところが、「通常価格58,000円→特別価格30,000円」と表示することで、先に提示した通常価格58,000円という情報がアンカーとなり、30,000円という価格に対して「28,000円値引きされている」という判断がなされ、お買い得に感じられるといったことがある。
価格のアンカリング効果によって、顧客は購買判断の際、性能や品質以上に価格や割引率といった数字に注目するようになるのである。
国語の教科書でも確かこんな話があったのを思い出しました。
あと、以前の
交渉はふっかけもアンカリングでしょうね。
別の例。
協効果と呼ばれる極端の回避性とアンカリング効果を組み合わせた手法もある。
妥協効果とは、極端な高低の価格帯を避けて、無難な中間の価格帯を選びやすいという心理効果のことである。
例えば、コース料理でAコース16,000円、Bコース10,000円というふたつの選択肢だけの場合は、顧客の選択は双方に分散することが多い。
しかし、更に上のSコース30,000円という高品質・高価格のコースを設定することで、Sコースが高価格帯の基準になり、AコースとBコースに割安感が出て注目されるようになる。
そして、安いコースを選んで失敗したくないという心理によって、妥協効果が働き、一番安いBコースが選択から除外される。結果として、中間の価格帯となったAコースが選ばれやすくなる。
このように、非常に高価格なSコースをブラフとして設定することで、もともとは高価格であるAコースを無難な選択肢だと思わせることができる。
このやり方は聞いたことありました。この場合は30,000円にアンカリングされてしまうということですかね?
また、ちょっと変わった実験も。
それぞれ100、1,000、10,000という数字の入ったカードを一枚だけ引いてもらい、その後、ボールペンの価格を予想してもらったところ、小さな数字を引いた人は低い価格を予想する傾向が、大きな数字を引いた人は高い価格を予想する傾向が見られたという。
さらにボールペンの品質を評価してもらうと、小さな数字を引いた人からは書き味が悪い、安っぽいといった意見があり、一方、大きい数字を引いた人からは高級感がある、手が疲れにくいなどの意見があったという。
これは全然関係ない数字でも大きい数字を見ているだけで、何かすごいもののような気がしてくるってことですね。不思議です。
さて、後回しにしたWikipediaの例です。
例えば、中古車を買おうと探している人がいるとする。彼は走行距離と年式に注目し、それを中古車選びの判断基準にしていて、エンジンやトランスミッションの保守状況の良否をあまり考慮しない。
ねっ、なんかピンと来ませんよね。まあ、特定の情報に目が行ってしまっているというのは確かに間違いないんですけど。
あとは実験の話がここにも。
彼ら(引用者注:エイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマン)の初期の研究によれば、アフリカの国々が国連メンバーとなっている割合を訊ねられた人々について、最初に「45%より上か下か?」と訊かれた人々は最初に「65%より上か下か?」と訊かれた人々よりも小さい値を答える傾向があることが示された。このパターンは他の様々な推定についての実験でも同様であった。
別の例として、マサチューセッツ工科大学の教授 Dan Ariely が提案したものがある。聴衆に彼らの社会保障番号の最後の2桁をまず書いてもらい、次にワインやチョコレートなどの品物に擬似的に入札してもらう。最初に書いた数字が大きい人々は、高い値段で入札する傾向がある。最初に数字を強く考えた単純な行為が、論理的には何の関係もない次の行為に影響を与える。
あとは、別のページ。
このページではまさに
交渉はふっかけの値引き術も載っていました。
「値段は店員まで」という商品では店員は高い価格を提示してくるので、先にあり得ない安い価格を提示せよというものです。すると、低い価格に逆に店員がアンカリングされてしまうというわけです。
そういえば、生命保険の人ってやたらと金額の高い手術料や契約金額の例を出してきて、オーバースペックであり得ないし、強迫のようにも感じて不愉快だったんですが、あれもアンカリングの一種かもしれません。
ここまではマーケティング分野でのアンカリングが中心に書いてきましたが、どうもそれだけじゃなく広い意味のようです。
もともと心理学で"行動経済学の分野で特に注目されるようになった"ということで、別に限定されていたわけじゃないですからね。
下記は投資の分野でのページ。
株のお話はこちら。
株式投資におけるアンカリングと言えば、高値覚え、安値覚え、ではないだろうか。100円の株が500円に値上がりしたりすると、ずっと前から100円という値段を見てきた人アンカリングからすると有り得ない株価であり、手が出ないどころか空売りしたくなる人もいるだろう。逆にずっと1,000円だった株が200円に値下がりすると、これは安いと思い、それだけで飛びつきたくなる(略)
さらに別な視点でためになるアンカリングの話も。
やる気を高めるマル秘テク “アンカリング”の秘訣とは?
2010.02.04 R25 有馬ゆえ/ノオト
「よくスポーツ選手は、試合前にする独自の行動ルールを持っています。たとえばニューヨーク・メッツの五十嵐亮太選手は、スパイクを履く、グラウンドに入るなどの行為をすべて決まった足から始めるそうです。多いのは、“結果がよかった過去の試合の前にした動作”を繰り返すスタイルですね」
(中略)「モチベーションアップになるなら、験担ぎであっても立派なアンカリングですよ」と教えてくれたのは、ビジネスコーチングを行うNLPタッチの玉置充弘さん。
「アンカリングとは簡単にいえばパブロフの犬のようなものです。何らかの刺激とともに特定の感情を体に記憶させ、再びその刺激を与えることでその感情を呼び起こすのです」
アンカリングを行うには、まずその刺激を決めること。やや非日常的なものがよく、動作ではなく言葉やモノでもいいそう。
「静かな場所でリラックスしてイスに座り、過去の成功体験を思い浮かべます。音、においなど五感をフルに使ってその記憶に臨場感を持たせ、臨場感がピークに近づいたら、決めておいた刺激を与えてください」(同)
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100204-00001285-r25 これはそのまんま験担ぎって言った方がわかり良いですね。
ちなみに中村俊輔選手のアンカリングは、「前日寝る前に野菜ジュースを飲む」だそうです。地味ですね。
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