保守・右翼思想と体罰の相性の良さについてまとめ。<右派の代表格・石原慎太郎氏も「体罰はいい」「子供は殴れ」>、<死人出た戸塚ヨットスクールに賛同 石原氏・田母神俊雄・西村眞悟>、<カルト宗教・統一教会にも協力した人が作った財団も体罰擁護論>などをまとめています。
冒頭に追記
2022/08/02追記:
●カルト宗教・統一教会にも協力した人が作った財団も体罰擁護論
2022/12/06追記:
●カッターで脅す・叩く・つねる・暴言・宙づり…でまさかの擁護 【NEW】
●都合の良い部分だけ抜き出して擁護「問題にするほどのことか」 【NEW】
●カルト宗教・統一教会にも協力した人が作った財団も体罰擁護論
2022/08/02追記:別件で書いていた産経新聞が体罰擁護キャンペーンをやっていたときの記事の話が、右派との関係が深かったのでこちらでも紹介。
【解答乱麻】「あえて言う 体罰必要なときも」 日本財団情報グループ長・菅原悟志 - 産経ニュース(2013/3/2)という記事です。
右派関係での注目ワードは「日本財団」。日本財団は「大衆右翼」を自称した右翼の大物・笹川良一さんが作った財団であり、右派ほど体罰擁護という傾向とも見事に合致します。また、ここらへんの右派・体罰擁護・産経新聞というキーワードは、追記時点で話題の統一教会や安倍元首相にも繋がってくるんですよ。
産経新聞は今、カルト宗教・統一教会(家庭連合)に家族を壊された人に恨まれて殺害された安倍元首相の美化キャンペーンをやっているところですが、笹川良一さんもまた統一教会に協力した人でした。また、産経新聞社出身のある自民党議員は安倍首相に近い上に、統一教会の重点支援候補でもあるという密接さもあります。
で、肝心の日本財団情報グループ長・菅原悟志さんによる体罰肯定論の方ですが、意外に過激ではなく、いじめっ子みたいな特殊な子に限って体罰OKという主張でした。この主張だと、産経新聞が当時載せていた記事で肯定する「罰ゲームのようなノリで楽しむ体罰」は普通に禁止…ということになりそうです。
<体罰ではなく明らかに暴力行為なので、その後全国各地で発覚した体罰とは意味が異なる>
<本来、学校は子供が大人に成長するために大切な基礎を学ぶべきところである。個性の異なる生徒を教育するには、ある程度の強制は必要だ。
体罰の是非は、世代や性別によって差があり、個人差もあるが、世の中の流れが体罰禁止の方向へ向かうなかであえて言うが、必要に応じて体罰を認めるべきだと考える。
罪のない他生徒の心や身体を深く傷つけ、苦しめるいじめや差別、校内暴力、そして将来を棒に振る可能性がある違法行為に限定し、最後の手段としてやむを得ない。
いじめや校内暴力などの問題行動を起こす生徒は、自らの感情を抑えることや他人の痛みを感じることができない場合が多い。教師が手を出さないとわかれば、ますます増長し、歯止めが利かなくなるだろう>
一方、最後は結局過激で、<学校で他人を傷つけるような行為をしているならば、育てた責任として、親が体を張りわが子に対し体罰を与えればいい。それならば誰も問題にはしない>と、家庭内での体罰を推奨。家庭内では監視の目が弱いため体罰が過激化しやすく、今、こちらが問題となっているところなんですけど…。
●カッターで脅す・叩く・つねる・暴言・宙づり…でまさかの擁護
2022/12/06追記:舛添要一さんが自民党推薦で都知事選に出たとき、ネトウヨさんらはなぜか「安倍首相が本当に応援しているのは田母神俊雄」として、舛添要一さんを擁立した自民党サイトの掲示板が批判の嵐になるほどの熱狂を見せました。ただ、この人、舛添要一さんすら霞むほどに問題外な人ですからね…。
今回、もとからヤバかったこの田母神俊雄さんが、そのヤバさを改めて知らしめることになったのが、虐待を擁護したためでした。先にこの虐待内容を紹介。ちょっとやそっとの虐待ではなく、「体罰」と肯定しようがないレベルですが、田母神俊雄さんは体罰肯定本も出していますし、その関係での擁護だと思われます。
<静岡県裾野市の保育園で、3人の保育士が1歳の園児を宙づりにするなど問題行為をくり返していたことを受け、裾野市が30日 会見を開き、計15件の問題行為が確認されたことを明らかにしました>
(1)ロッカーに入って泣いている園児の姿を個人所有の携帯電話で撮影
(2)園児の頭をバインダーでたたき泣かせる
(3)棚に入った園児の足をつかんで引っ張り出し、あしをつかみ宙づりにする
(4)あらかじめ遅刻する連絡のあった園児に対し、腕を引っ張り「遅いんだよ」と怒鳴る
(5)寝かしつけた園児に対し「ご臨終です」と何度も発言
(6)泣かない園児に対し、額をたたき無理やり泣かせようとする
(7)昼食時に園児を怒鳴りつけ、ほほをつねる
(8)日常的に特定の園児に対し、にらみつけ声を荒げ、ズボンを無理やりおろす
(9)園児を宙づりにした後、真っ暗な排泄室に放置
(10)園児の様子を馬鹿にした呼びかけ(ブス、デブ等)、暴言を浴びせる
(11)手足口病の症状のある園児の尻を、無理やり他の園児に触らせる
(12)給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭をたたく
(13)不適切な発言をして、玩具が入っている倉庫に閉じ込める
(14)園児に対し、カッターナイフをみせ脅す
(15)丸めたゴザで園児の頭をたたく
(寝かせた園児に「ご臨終です」15の問題行為 発覚後に園は口外しないよう全保育士に誓約書も(22/11/30(水) 17:48配信 テレビ静岡NEWS)より)
●都合の良い部分だけ抜き出して擁護「問題にするほどのことか」
田母神俊雄さんはさすがに「カッターで脅す」などは擁護せず。自分に都合の良い情報だけを抜き出して反論する…といったやり方をしていました。よくある詐欺的な手法なので注意が必要です。ただし、後述するように、この田母神俊雄さんが擁護した部分もリスクがあるために、この擁護部分すら無理があると思われます。
田母神俊雄 on Twitter: <裾野市の保育園の虐待の話。本当に問題にするほどのことなのか。子供の足を掴んで逆さづりにして子供が喜ぶことなんかよくあることだ。保育士が逮捕されるほどのことなのか。今朝のニュースでは市長が園長を刑事告発するという。子供を守るのではなく事なかれ主義で自分を守っているのではないか>
Ayrtonism 色んなパターンの虐待をしてることがもう明らかにされているのに、その中の「逆さ吊りは遊んでやるときもやることだ」的に言うの、情報収集不足な上にバイアスかかりまくりで、ほんと口を開くと害しかない人。
n-styles 直前ツイートが講演会のお知らせなので、その露出を増やすための意図的な炎上なのでは。
(
はてなブックマーク"より)
<田母神俊雄氏 元保育士逮捕を疑問視「子供が喜ぶことも」指摘 ネットは猛反論>(22/12/5(月) 15:15配信
デイリースポーツ)によると、ネットでも猛批判。「いつも賛同していましたが、この件には賛同できません」などともあったようですが、以前から似たようなレベルなので、もっと早く気づいてほしかったんですけど…。
なお、この記事のヤフーニュースコメントでは、「逆さ吊り」も普通に危ないという以下のようなコメントがありました。ここらへんは専門家の意見が聴きたいところですが、安全サイドで考えた方が無難。以前、自分が考えた赤ちゃんのための運動を広げていた人が2人殺してしまった…という事件も起きています。
<小さい骨格の時に宙吊りしたら 脱臼するばあいもある、私は小さい時肘や肩を脱臼してましたからね! 母が何気に腕を掴むだけでも脱臼してたから、赤ちゃんと言っても小さなえんじによぬそんな残酷な事をやれるか驚きです>
https://news.yahoo.co.jp/articles/90d9995eff91836638114408f89411ca692cade6
●保守・右翼思想と体罰の相性の良さ 東国原知事「げんこつ条例を」
2013/1/17:保守批判ありきで体罰自殺問題を利用というのは品が良くないのですけど、批判するかどうかは別にして、保守・右翼思想と体罰の相性の良さは皆さん感じていらっしゃるところだと思います。ニュースなどで出てくる体罰賛成有名人の話を見ると、石原慎太郎さんと東国原英夫さんなど保守系の人が出てくるんですよね。
とりあえず、このうちの東国原英夫さんから。東国原英夫さんは、2013年の時点では右派・日本維新の会の現役国会議員であり、右派はまず確定。体罰発言としては、例えば、
東国原知事「一定の体罰」容認 みの大賛成(2008/6/19 10:59)が該当。保守派以外の賛成の話も載っているのですけど、以下のような話がありました。
<みのもんたが、「げんこつならOK」、続いて竹内香苗アナが、「愛のムチの提案です」と読み始めた。宮崎県の東国原知事が教師の位置づけに関連して、「一定の体罰は認められるべきだ」と、宮崎県で「愛のムチ条例」もしくは「げんこつ条例」がつくれないかと語ったニュースである。(中略)
みのは、「ボクらが子どものころは、耳を殴るときは、平手でやると鼓膜が破れるからいかん。げんこつでコツンとやれ、と先生が言っていた。げんこつは当たりまえでしょう」と、再び「体罰」に戻す。
大林(引用者注:元バレーボール選手の大林素子)「(げんこつには)賛成」
嶌「愛って何なのか、相当、議論になる」
みの「殴るときは、ブーツはいて、ムチもって、とかいろいろ出てくるかもしれません」
さすがにふざけ過ぎと思ったのか、みのは「これで最後です」と言って、自分でコーナーを閉じた>
●右派の代表格・石原慎太郎氏も「体罰はいい」「子供は殴れ」
それから、保守派政治家の代表格である石原慎太郎さん。
石原慎太郎 「子供の不良性は個性だから抑制すべきではない」l(2012.01.04 16:00 週刊ポスト2012年1月13・20日号)では、「いってもわからない時期(のしつけや体罰など)はしょうがない」という主張に聞かれて、以下のように主張しています。
<体罰はいいんだ。身にしみるからね。残虐行為とは全く違う。立たせるとか男のお尻をたたくとか、せいぜい平手打ちを食らわすぐらいあったっていいと思うな。やっぱり、しつけですよ。しつけっていうのは刷り込みなんです。たとえば九九算ですよ。あれは計算じゃなくて、刷り込みで暗記してる。それをやらなきゃダメです。それをある年齢まで来たときに、とにかく半ば強制的にやれるのは集団生活しかないから>
この流れから
戸塚ヨットスクールの戸塚宏、体罰自殺を語る「あの子だけということは、あの子にも問題があった」の戸塚宏さんが批判された話を出し、「『スパルタ教育』を出したときも、すごいベストセラーになったとはいえ、批判も多かったんじゃないか」と尋ねていました。
「批判も多かったんじゃないか」という質問について、石原慎太郎さんは、「多かったですよ。子供は殴れと書いたから」としています。この書籍では、他に「暴力の尊厳を教えよ」とか「子供を殴ることを恐れるな」とかも書いていたみたいですね。
●死人出た戸塚ヨットスクールに賛同 石原氏・田母神俊雄・西村眞悟
上記で出てきた戸塚宏さんは右翼思想関係ないだろうと思うかもしれませんが、関係あるのです。私も
Wikipediaを読んでいて知って驚きましたが、なんと政治的には極右のようです。極右政治団体「維新政党・新風」講師であり、賛同者の一人として名を連ねていました。
また、次の<朱子学と儒学を思想的根拠として「嫌韓」を公然と主張し、在日韓国・朝鮮人特別永住者への憎悪をむき出しにして排外主義活動を行っている>という思想なんかも、ネトウヨの方なんかに喝采を浴びそうな思想です。この戸塚宏さんの理解者にも保守派の政治関係の人が何人かいて、先の石原慎太郎さんも出てきています。
<著名な支援者・理解者>
・石原慎太郎(ヨット愛好者でもある政治家) - 戸塚ヨットスクールを支援する会会長
・西村眞悟(政治家、日本維新の会など) - 戸塚ヨットスクールを支援する会発起人
・田母神俊雄(文民統制に反する論文発表で更迭された元航空幕僚長)
田母神俊雄さんは政治家ではありませんけど、反米保守の立場です(2019/07/12追記:その後落選した上に横領で逮捕されていますが、政治活動を始めました)。反米なのに親米な自民党を応援するという妙なところもありますが、右は右。同じ反米保守の幸福の科学系の新聞にも確か出ていたはずです。
●保守派御用達の産経新聞もやっぱり体罰賛成 体罰擁護キャンペーン
あと、新聞で最右翼である産経新聞は、やはり石原慎太郎さんの体罰賛成インタビューを載っけていました。体罰自殺者が出た後、産経新聞は体罰賛成キャンペーン的に賛成者の話を多数載せていたんですよね(ここだけ(2019/07/12追記)。
そのインタビュー記事
【石原都知事、語る】(上)今年は本当にやっかいな年になる。世界全体が鳴動するね(2012.1.21 07:00)では、やっぱり戸塚宏さんの話が出ています。
「戸塚君は、少なくとも小中学校のレベルでは教育は体罰だと言い切るが、これでは世の中は躊躇する。しかし、体罰は一種の刷り込み。刷り込みは肉体的に苦痛を伴うかもしれないが、それをやらない限り、本当の教育やしつけできない。軟弱な地盤に高層ビルを建てるようなものです」
また、学校でも体罰、刷り込みのようなものは必要かに対し、「もちろん。たとえば、悪いことをした生徒を立たせるのが体罰ですか。懲罰かもしれないけれど、体罰ではないでしょう。殴る蹴るというのは、別の問題かもしれないけれど」としていました。
とりあえず、ここでは親和性の話だけ。最初に書いたように自殺事件を利用した保守批判ってのもやり方によっては問題となりますので、そこらへんは気をつけてください。
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