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最も面積が小さい市町村舟橋村 子供の割合日本一で人口増加中(一時は人口増加率日本一)


●最も面積が小さい市町村舟橋村 子供の割合日本一で人口増加中(一時は人口増加率日本一)

2013/1/18追記:今回取り上げる舟橋村は売りになる点、特徴が多すぎて、タイトル付けに困りました。まず、大したことない話ですが、名前的なところから特徴的。「ふね」で「橋」というと有名なのは千葉県船橋市ですが、舟橋村は富山県。船橋市が「ふなばし」という読みなのに対し、「舟橋」は「ふなはし」です。

 うちのタイトルは結局詰め込みすぎな感じで、<最も面積が小さい市町村舟橋村 子供の割合日本一で人口増加中(一時は人口増加率日本一)>という長いタイトルになりました。このタイトルでわかる通り、ウィキペディアによると、執筆時時点では日本で最も面積が小さい市町村である一方で、かつては人口増加率が日本一の村(2000年~2005年の人口増加率)でした。

 「面積が小さい」というと、過疎な村かと思っちゃいますが、むしろ伸びていた村なわけです。2000年~2005年の人口増加率以外悪いということではなく、平成に入ってから四半世紀も連続で人口増加中でした。また、北陸3県に現存する唯一の「村」など、いろいろ特筆すべき要素があります。他の村だけでなく市町にとってもうらやましいような個性ある村でしょう。

 ここまで書いてきた情報のうち「平成に入ってから四半世紀も連続で人口増加中」だけは、<子どもの割合日本一の村で 「いいとこ取り」感覚の同居>(朝日新聞 2012年12月18日22時53分 【赤田康和】)という記事からでした。

<面積が3・47平方キロメートルと東京ディズニーランド7個分しかない、「日本一小さい自治体」の富山県舟橋村。驚くのは、平成に入ってからの四半世紀、人口が増加傾向ということだ。しかも15歳未満の子供が全人口に占める割合が21・8%と、全国の市町村の中でトップだ>
http://www.asahi.com/national/update/1218/TKY201212180470.html


●富山県舟橋村はなぜ人口が増えているの?答えを聞いてがっくり…

 なぜ人口が増えているのか?と言うと、聞いてみれば何てことありません。以下のように単に「富山市のベッドタウンだから」という話です。Wikipediaでも「富山市のベッドタウン化が進んでいる影響で、人口増加率が県内で一番高い。さらに、2005年時点の幼少人口割合は22.7%で全国の市町村で最も高い」との説明でした。

<平成になって人口が増加したのは、村が富山市のベッドタウンとして発展したことによる。「川を1本超えれば富山市。とても便利な街なのに、土地代が安い。だから村に住んでいるという人が多いと思います」と中野さん(引用者注:村の公式フェイスブックの運営を手伝ったことがある中野小百合さんという方)はいう>

 「ベッドタウンだから」と言うのは、意外な理由ではありません。また、ちょっとがっかりしてしまう理由でもあるかもしれません。というのも、これは地理的な要因が大きく、多くの市町村では真似できないため。多くの市町村で人口が減っており、人口を増やす秘訣を知りたいところでしたが、参考にできなそうです。

 朝日新聞のこの記事はそもそも<朝日新聞の新年企画では、交流サイト・フェイスブックの特設ページ「オルタナティブ・ニッポン」で、少子化問題を解決する道を開かれた場で議論している。舟橋村には少子化解決のヒントがあるのではと思い、村の人に会いにいった>という趣旨。これでは無駄足だったかもしれません。

 …とは言っても「ベッドタウンだから」だけでは記事になるはずがありません。ボツになるでしょう。こうして記事の形にされたからには「ベッドタウンだから」以外の何かがあるはず…と、気を取り直して期待しながら最後まで読んでみたのですが、そのまま終了。本当に何にもねーのかよ!と思わずツッコみました。

 記事では、前述の中野さんの話をつらつら書いているだけだったんですよね。いまいち参考にならないな…と思いつつも、いいところ探しとして、それでも一応何かあるのかな?と感じた部分を挙げてみると、以下のあたりでした。

<22歳の長男、21歳の次男、16歳の長女の3人の子どもがいる。「まわりに子育てしてもらったとつくづく思います」と振り返る。スポーツを一緒にする村の仲間や、顔を見知った近所の人など、地域コミュニティーに支えられていた。夫の両親と同居。自分の実家も車で1分ほどの近さ。「とにかく手がいっぱいあった。育てやすい環境にいたなあと思います」
(中略)少子化の背景にはまず、「核家族化」があると体験的には思っている。「子どもが泣き叫び、一人おっぱいをあげているのに、横には眠り込んでいる夫がいる。疲れ果て、正常な判断ができなくなり、泣き叫ぶ子どもの口を押さえたくなることもあります。その意味では、3世代で暮らすことで助けられることは多い。若い頃はみな両親世代との同居を望まないけれども、『いいとこ取りさせてもらう』という感覚でよいと思うんです」>

 でも、以下のように悪いところもいっぱい出ていて、特に舟橋村が何か優れているわけではありません。

・夫の両親との同居は、生活スタイルの違いなどからくる摩擦に、戸惑い、思い悩むことは少なくなかった。
・中野さんは地方銀行に勤めていたが、休憩をとって、出過ぎてしまう母乳を絞っていると、先輩の女性行員に「私は我慢したわよ」となじられた。
・育休の制度ができていたので申請したら、「そんなものを取らせている店はありません」と支店長に言われた。


●郵便局が一番最後にできた自治体 スーパーマーケットはまだない

 Wikipediaに何かないかなぁと思いましたが、私の求めていた子供に関するものはなし。ただ、こちらだとそれ以外のユニークな話はありました。

・独立志向が非常に強く常願寺川東部地域全域における産業の系統的育成の観点から周辺自治体からの合併話が多い中、また全国的に平成の大合併が進行する中でも自立を保つ自治体であり、明治の町村制施行以来一度も合併を行なっていない。
・もともと富山県最小の市町村であり、2006年3月27日以降は日本最小の市町村となった。その面積は羽田空港の3分の1以下であり、東京ドーム75個分、東京ディズニーリゾートの3.8倍である。
・日本で最も遅くまで郵便局がなかった自治体でもある(舟橋簡易郵便局:1994年5月9日設置、1999年10月1日廃局、同日に別の場所に舟橋郵便局が開局している)。
・舟橋村は消防非常備村であり、消防署は存在しない。舟橋村消防団には分団が存在しないため分団長、副分団長の階級は存在しない。
・村内にスーパーマーケットはない。コンビニエンスストアはサークルKとローソンがある。
・舟橋村商工会が存在したが、2009年4月1日に立山町商工会と合併し「立山舟橋商工会」となった。


●国の方針に逆行して子育て支援重視も特長?ただし将来はリスク

 子供に関する話は記事がきっとあると思うので探すと、また朝日新聞。たぶん同じ特集ですね。検索してみて思ったのですが、意外なことにあまり朝日新聞以外では取り上げられていないみたいです。非常にユニークで特筆性のある村だと思うんですけど…。

・村長「みんなで子育て支える」 支援手厚い富山・舟橋村(2012年12月19日10時55分 朝日新聞)
<「宅地開発ができないという規制の網が村全体にかかっていた。いわゆる市街化調整区域だったんです。それが1988年に調整区域から除外された。全国で初のケースだった」。金森村長はこう話す。
 水田を埋め立てて宅地にすることが可能になり、89年以降、村営の「東芦原団地」(計75区画)など、住宅団地が次々と造られていった。これまでに累計で約16万8千平方メートルの農地が宅地に転用され、522区画の住宅が誕生した>
http://www.asahi.com/national/update/1218/TKY201212180483.html

 あらら、水田が悪者ってことだったんですかね。国の農業政策のせいで他の町村は苦戦……みたいに聞こえますね。その後、以下のような話があるものの、これは要するにベッドタウンという話であり、先程もあった身も蓋もない話。他の自治体では真似したくても真似できません。

<人口もぐんぐん伸び、90年の1371人が2010年には2967人まで拡大した。子どもの数も増え、90年に101人だった小学生は2010年には285人に、中学生は53人から109人に増えた。村の平均年齢は38.8歳。
 金森村長は「山間部にある村とは違って、富山市という地方都市に近いという地理的特徴もある。それでいて地価が安いから、人が集まった」と話す>

 もう少し参考にできる話はないか?と読み進めてみます。すると、結局、お金は必要ではあるものの、やっと参考になる話がでてきました。自民党が国では面倒を見ないと宣言した「0歳児」について、舟橋村では支えていく考えを強調。他の自治体と差をつけていこうという考えのようです。

<村は、子育てへの支援にも力を入れてきた。生後6カ月から預かる保育所を開設。土曜日も含む週6日、朝7時から夜7時まで預かっている。不妊治療費の助成や乳幼児医療費の無料化を県とともに実施。第3子以降への出産祝い金を村単独で10万円支給している。
 衆院選で圧勝し、与党になることが決まった自民党。昨年7月に発表した中長期政策の方向性を定めた報告書「日本再興」では、「0歳児については、家庭で育てることを原則とし、家庭保育支援を強化する」と明記している。
 だが、金森村長は「高齢化社会になり、誰もが将来を若い人に支えてもらわないといけない。だから、子どもが育ちやすい環境をみんなでつくり、みんなで子育てを支える。それが原則だと思います」と語る。
 子育てを、地域社会が支えるには、地域が人と人とがつながった近所づきあいの人脈網が機能している必要がある。そこで、村は、祭りなどを担う自治会活動に交付金を支給している>

 しかし、舟橋村も安泰ではありません。村の年代別の人口をみると、35~44歳が全体の約2割を占めるのに対して、20代前半は4.3%、20代後半は3.4%しかいません。子供が多いということで若者も多いのかと思いきや、普通に若者は少ないようです。若者が少ないとなると、将来についてはリスクがあります。

 ということで、大学卒業後の若者たちの「Uターン」を促す方策を、役場内にチームをつくって検討する方針だとのことでした。ここらへんの子供が生まれても活性化に繋がるとは限らないという話は、出生率高い地域で過疎化 原因は別なので少子化対策では地域活性化しないでやりました。若者が都市に横取りされてしまう…という問題があるんだそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■出生率高い地域で過疎化 原因は別なので少子化対策では地域活性化しない

【関連投稿】
  ■子育て女性を甘やかすな!三井住友銀行が育休自覚研修ビデオ作成
  ■都道府県面積と人口密度の関係
  ■雑学・歴史についての投稿まとめ

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