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大豆のイソフラボンは環境ホルモン(内分泌攪乱物質) 女性ホルモンに似ているがゆえの危険性


 環境ホルモンの影響、実は嘘だった?で書いたように、環境ホルモン関連の研究は間違いが多く、あまり信用できないようです。

 しかし、「環境ホルモンは悪い」というイメージが定着しており、上記リンク先で紹介したように「有識者」の方がインスタント食品を食べてうんぬんといった話を広める事態になっています。


 一方、世の中には「体にいい」という触れ込みで、良いイメージが定着しているものも世の中にはいっぱいあり、たくさん取るように推奨されているものもあります。

 そんなものの一つに、大豆に含まれるイソフラボンがあるのですが、これがWikipediaの内分泌攪乱化学物質の項目で環境ホルモンと仲良く並んでいました。

環境ホルモン以外の内分泌攪乱物質

環境ホルモンの定義には当てはまらないが、次のように内分泌に影響すると考えられる(または可能性がある)物質がある。多く二次性徴期にその影響が明らかとなったため、発見に時間がかかり、被害が広まる要因となった。(中略)

天然物
植物中には女性ホルモン(エストロゲン)類似の作用を及ぼしうる物質が含まれ植物エストロゲンと総称される。これらは摂取量が合成物質よりもはるかに多いと考えられる点で無視できない。オーストラリアでヒツジの不妊が目立つことから研究され、クローバーに含まれる物質として明らかにされたのが最初であるが、ヒトの食物にもダイズに含まれるダイゼイン、ゲニステインをはじめとしていろいろなものがあり、イソフラボンと称される。東アジアでは日常的なダイズの摂取は古くから一般的であり、東洋人で乳癌発生率が低い原因はダイズ摂取ではないか(良い影響)とする疫学的研究もあるが、これらの物質の胎児に対する悪影響の有無なども詳しく検討されるべき課題である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E5%88%86%E6%B3%8C%E6%94%AA%E4%B9%B1%E7%89%A9%E8%B3%AA

 イソフラボンが環境ホルモンであるかどうかに関しては、ちょっとWikipediaでも統一された書き方がされていないように見えます。

 引用部では「環境ホルモンの定義には当てはまらない」としており、「環境ホルモン以外の内分泌攪乱物質」という書き方をしていますので、別であるように見えます。

 その一方、内分泌攪乱物質の最初の説明では、"通称として「環境ホルモン」がよく使用されている"という書き方であり、「内分泌攪乱物質=環境ホルモン」と捉えることができてしまいます。

 また、日本内分泌撹乱化学物質学会(環境ホルモン学会)は、はっきり(外因性)内分泌撹乱物質=環境ホルモンとしています。


 環境ホルモンではないという見方の根拠としては、おそらく"「環境中に存在するホルモンのような物質」という意味合いから環境ホルモン"の定義を採用したのでしょう。

 要するに植物や医薬品(省略部にこの例もある)は、環境にはないから環境ホルモンじゃないという言い方です。ややこしいですね。

 ここらへんは執筆者の定まっていないWikipediaならではの不統一です。(私もひとりでやっているのに、あちこち書いているうちに内容がおかしくなってくることありますけど)


 まあ、「環境中にないから」という定義をとったとしても役割が変わらないんですから、同じことです。

 そもそも内分泌攪乱化学物質は"エストロゲン(女性ホルモンの一種)に似た作用を誘発するものがあった"ことから、以前には「エストロゲン様物質」とも呼ばれていたそうです。

 ですから、"女性ホルモン(エストロゲン)類似の作用を及ぼしうる物質が含まれ植物エストロゲン"というのは、内分泌攪乱化学物質のまさにメインストリートに当たります。

 場所がどこにあるかなんてことは、大したことではありません。

 フィトエストロゲン(植物エストロゲン)の項目でも、ズバリこうあります。

フィトエストロゲン(英:Phytoestrogens)とは、内分泌系により産生されたものではなくフィトエストロゲン植物を摂取したことによる外因性の物質が内分泌された女性ホルモン(エストロゲン参照)のように機能することを意味する外因性エストロゲンのことである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3


 どうでもいい部分に行数を割きましたけど、一番気になるであろう「大豆のイソフラボンが危険か?」ということは、前述のとおり研究がいい加減なものしかなく、"悪影響の有無なども詳しく検討されるべき課題"という段階なんでしょうね。

 すっきりしないんですが、何とも言えません。 


 ただし、厚生労働省の食品安全委員会では、摂取し過ぎないようにと呼びかけています。

摂取量

厚生労働省は食品安全委員会に調査を依頼し、サプリメントや添加物としてのイソフラボンの過剰な摂取に注意を呼びかけることとなった。食品安全委員会による「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、大豆イソフラボンアグリコン換算した安全な一日の上乗せ摂取量の上限値を30mgとしている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%B3

 注意すべきという理由はWikipediaだとちょっとわかりませんでしたが、下記サイトによればやはりホルモンの関係のようです。

健康注意報:「大豆イソフラボン」の過剰摂取に警鐘 (06/02/16)
2006年02月09日

 摂取量に上限値が設定された背景には、サプリメントなどにより大豆イソフラボンのみを過剰に摂取すると、女性ホルモンのバランスが崩れる可能性があり、月経周期の遅れや子宮内膜増殖症などのリスクが高まることも報告されていることがあります。

(中略)例えば閉経前の女性の場合、過剰に大豆イソフラボンを摂取すると血中ホルモン値が変動したり、月経周期が延長することなどが知られています。

 また閉経前の日本人女性に、日常の食生活(大豆イソフラボン29.5mg/日)に加えて豆乳を1日当たり約400mL(同75.7mg)飲んでもらったところ、エストロゲンの一種「エストラジオール」の血清中の濃度が約33.3%低下し、月経周期が11.7%延長したという報告があります。

 大豆イソフラボンの過剰摂取が、ヒトの胎児や新生児に及ぼす影響は明確には分かっていませんが、動物を使った実験では、卵巣や精巣といった生殖器官に対して有害作用が報告されています。そのため食品安全委員会では、妊婦や乳幼児、小児などが、特定保健用食品として普段の食事に追加して大豆イソフラボンを摂取することを推奨していません。

(中略)食品安全委員会では、大豆イソフラボン錠剤150mg/日はヒトにおける健康被害発現量と考え、その半分の75mgを「臨床研究に基づく現時点におけるヒトの安全な上限摂取目安量」としました。

 また特定保健用食品として、通常の食事に加え、1日当たり27.1mg、または57.3mgの大豆イソフラボンを摂取してもらったところ、27.1mgでは血清中のエストラジオールが有意に上昇しましたが、摂取量が57.3mgになると逆に有意に低下することが分かりました。

 このことから食品安全委員会は、大豆イソフラボンの摂取量として、1日当たり57.3mgを日常の食生活における上乗せ摂取による最低影響量とみなし、およそその半量の30mgを特定保健用食品としての大豆イソフラボンの1日上乗せ摂取量と決めました。
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/421/421862.html


 それから、先のWikipediaですけど、一部の健康食品的な効果自体を疑う研究も出ているようです。上もそうですが、効果ありというデータもあり、様々です。


■期待される効果
 エストロゲン様の活性を持つがゆえ、乳癌や子宮体癌などのリスクを増すとも減らすとも考えられている。大豆イソフラボンは、更年期障害や2型糖尿病の改善に効果があるといわれ、また骨粗鬆症に対しては特定保健用食品として「骨の健康維持に役立つ」という表示が許可されたものがある。

■効果あり
・米ヴァンダービルト大学による中国での乳がん手術患者を対象とした大豆食品摂取の摂食と生存率の調査では、摂食量が多いほど死亡率・再発率は低下し摂食量と死亡・再発率は有意の逆相関関係にある事が示唆されている、但し有意な逆相関を得た患者群の摂食量は平均的な日本人の3倍程度である。

・厚生労働省研究班による大規模なコホート研究では、食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳がんや脳梗塞と心筋梗塞、男性の一部の前立腺癌のリスクが低下するという相関関係が見られた。

・順天堂大学の研究によれば、納豆の摂食頻度と月経状態・月経随伴症状は有意の関係がみられ、摂食頻度の増加は症状を軽減させている可能性があるとしている。

■効果なし
・大豆イソフラボンの長期摂取と骨密度の相関を調べた、米Miami Veterans Affairs Healthcare SystemのSilvina Levis氏らによる単一施設での二重盲検・無作為化試験データによれば、1日のイソフラボン摂取総量を体重1kg当たり2.05mgから4.50mgとし、2年間実施したがイソフラボン群(122人)と偽薬群(126人)の骨密度に有意な差はなかった。

・日本で2001年に20名の被験者を対象とした試験が行われたが、摂取量と骨密度の有意な関係を示唆するデータは得られなかった。

■むしろ悪影響
・一部のマスコミがむしろ乳がんの発症リスクを高めると報道したが、誤報だと指摘されている。

・イソフラボンは甲状腺へのヨウ素の取り込みを阻害する作用があるため、ヨウ素欠乏の状態で大豆製品を多食したりイソフラボン大量摂取すると、甲状腺肥大をもたらす可能性がある。


 なんかいろいろですね。困っちゃいます。

 とりあえずざっと眺めた感じだと、

・骨粗鬆症は怪しい。

・女性の乳がんや脳梗塞と心筋梗塞、男性の一部の前立腺癌には、効果がありそう。

・摂り過ぎは逆効果。

 って感じに見えますけど、責任は持てません。


 最初に書いた「体にいい」=「たくさん取る」の図式でむしろ健康被害という例は結構ありますので、毎度毎度口を酸っぱくして言っている通り、偏った摂り方だけはしないようにしてください。


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