無印商品の話をまとめ。<デフレ脱却でインフレは無理?値上げした無印良品、値下げ方向に転換>、<リフレ派待望のインフレ本格化で、再び無印商品が値上げ路線に>、<ユニクロ系社長が就任、原点回帰で強気計画を立ててコケていた>などをまとめています。
2022/12/30追記:
●リフレ派待望のインフレ本格化で、再び無印良品が値上げ路線に
2023/04/23追記:
●ユニクロ系社長が就任、原点回帰で強気計画を立ててコケていた 【NEW】
●「神」と讃えられた値下げ企業から値上げ路線に転じていた無印良品
2018/06/22:メインの記事の前に検索してみると、無印良品は2014年に消費税が8%に増税されてからも、価格を値上げしないと発表して、「神か…」、「天使すぎる」などと話題になったようです。むしろ価格を上げない企業とされていたんですね。消費税増税での価格据え置きは、実質値下げだとも言えます。
このときには、同時に無印良品のせいで「デフレが加速されてる」という批判も出ていたようですけど、これは良くありません。違法などではない限り、企業はそれぞれの戦略で利益を最大化することで支払う税金が増えて社会に貢献できるので、価格を維持したとしても全く悪いことではないんですよ。
リフレ派の経済学者や右派などによる「インフレが良い」という主張のせいで、ある意味社会主義国のようにも見える、こうした全体主義的な批判が出てしまうってのは危ないですね。同様に個人の自由の問題を、国のためにこうしろ…みたいな批判が出ることがあり、危ないものがあります。
話を戻して、このように値下げする企業と見られた無印良品なのですけど、その後一転して値上げ路線へ。はっきりした時期がわからないものの、口コミを見ると2016年前半くらいのようでした。物価が上がる中、致し方ないことでしょう。前述の通り、どのような価格戦略を取るかは企業の自由なのです。
●デフレ脱却でインフレは無理?値上げした無印良品、値下げ方向に転換
しかし、「物価が上がる中、企業の利益を考えると致し方ない」と思われたこの値上げ路線も、実際にはまた良くなかったのかもしれません。2017年11月14日に
2500品目値下げ 過去最大、18年1月から 毎日新聞という記事が出ていました。
さらに、今回書こうというきっかけになった記事が、"無印、約230品目の値下げを発表 値上げにはもう懲りた?"(ITmedia ビジネスオンライン / 2018年6月12日 16時3分)というタイトルだったんですよ。無印良品を運営する良品計画が、8月に衣料・雑貨の約30品目と生活雑貨の約200品目を値下げすると発表したのです。
記事によると、例えば、「えらべる3足靴下(紳士・婦人)」は、2015年12月にを3足1000円から1200円に値上げ。この時期に他の商品も値上げを次々と発表していたとのこと。私がさっきパッと調べて想像した時期のもう少し前から、値上げ路線に転じていたようです。
ところが、この「えらべる3足靴下(紳士・婦人)」などを値上げしたあと、靴下の売り上げ数量や売り上げ金額は前年比マイナスになってしまいました。衣類・雑貨部門の客数は前期比マイナス10%という深刻な状況に陥っています。値上げすると、やはり売れなかったんですね。
そこで16年8月にはもう靴下の価格を3足990円に値下げ。すると、靴下の売り上げ数量、売り上げ金額ともに前期比で大幅なプラスとなり、衣服・雑貨部門の客数にも好影響。おもしろいほどわかりやすい結果です。ここ数年の値下げ戦略により無印良品の店舗には客足が戻ってきており、おそらく値上げによる客数減に懲りて、値下げ路線に変更したのだろうと記事では想像していました。
●リフレ派待望のインフレ本格化で、再び無印良品が値上げ路線に
2022/12/30追記:ひょっとしたらその後も会社の方針が二転三転していたのかもしれませんが、再び無印良品が値上げ路線にかじをきるようです。2022年12月26日に
無印良品、値上げ幅25% 商品の2割、不揃いバウムは30円上げ:朝日新聞デジタル(益田暢子)という記事が出ていたんですよ。低価格が売りの企業だったという説明もあります。
<「無印良品」を展開する良品計画は26日、無印良品の春夏向け商品全体の約2割を来年1月以降に値上げすると発表した。値上げ幅は平均約25%で、食品や家具などは1月13日から、小物雑貨などは2月3日から値上げに踏み切る>
<無印良品は1980年、「わけあって、安い。」をキャッチコピーにスタートし、低価格商品を生み出してきた。原材料価格の高騰や円安の影響のなかでも価格維持に努めてきたが、今回は「コストを吸収することが限界に達した」という>
今回は今までと違って値上げは受けいられるのではないか?と予想。リフレ派や右派の望んだインフレが本格化し、どこもかしこも値上げであるのが、以前との大きな違いです。一方、逆に以前あった「インフレが日本を救う」信者の声はすっかり聞かなくなって、今、物価上昇は素直に悪者扱いになっているのも以前と違う点。手のひら返し的で釈然としませんけどね…。
●ユニクロ系社長が就任、原点回帰で強気計画を立ててコケていた
2023/04/23追記:もう少し無印良品の話を…と検索していて目についたのが、
無印良品、2030年に売り上げ6倍へ。ファストリ出身の新社長が語った5つの戦略 | Business Insider Japan( 横山耕太郎 [編集部]Jul. 26, 2021)という記事。ライバルではないでしょうが、同業とはいえるユニクロ系の社長になっていたんですね。知らなかったので驚きました。
2021年9月1付けで新社長への就任が発表されている堂前宣夫さんは、この時点では 専務取締役。マッキンゼーを経て1998年にユニクロを展開するファーストリテイリングに入社。副社長、フランスや米国の責任者などを歴任し、2015年前後までファストリ幹部として辣腕をふるったといいます。
最近はむしろ苦戦が伝えられる無印良品ですけど、2021年に無印良品を展開する良品計画が発表した、2024年までの中期経営計画には、強気ともとれる数値目標が並んでいたそうです。つまり、だいぶ失敗したみたいですね。
1.「売上高6倍」カギは積極出店
2. 新店舗は全国の「人気スーパーの隣」へ、日用品を充実
3.「脱プラ100%」宣言
4. 原料までさかのぼった取引先の人権デューデリジェンス(強制労働やハラスメントなどへの救済)の徹底
5. 住宅分野を拡大しオフィスも
また、印象に残ったのが、価格に関する以下の発言。私は全然無印良品に安いという印象がなかったので、前回追記した部分であった「低価格が売りの企業だったという説明」には違和感があったんですよね。この言い方からすると、低価格路線でスタートしたのが最近は変わっていて、再び低くしようと舵を切ったところでインフレでコケたようです。
堂前宣夫・新社長
「これまで、ともすると、一部のお客さんに受け入れていただければいいんじゃないかというふうに誤解されることもあった。そもそも無印良品ができたときは、世の中のほとんどの人のために、良いものを手に取れる価格でというところからスタートした。そこにもう一度立ち戻りたい」
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