2013/1/22:
文科省の未来予測実現率低下 最近の完全実現はわずか8%
技術的な限界…科学技術の進歩は止まりつつある?
●文科省の未来予測実現率低下 最近の完全実現はわずか8%
2013/1/22:
未来予想が当たらない 科学技術の進歩頭打ち?(2012/12/2付 日経新聞 草塩拓郎)という記事があり、何をもって科学技術の歩みが遅くなったと言うのか?と疑問に思いました。ただ、一応理由はあります。
文部科学省が1971年からほぼ5年おきにまとめる科学技術の未来予測。"未来予想は多くの市民に将来の期待を抱いてもらい、社会全体で研究を後押しする効果が言われてきた。途上国では次の有望市場を見定める貴重な資料になる"とその意義を語っていました。
この文科省の未来予測において、文科省科学技術政策研究所がそれぞれ20年後に実現した割合を調べたところ、その完全実現率が以下のように低下し続けているというのです。
23%(1971年)、17%(77年)、17%(82年)14%(87年)、8%(92年)
1971年の第1回調査で実現目標に選んだ技術のうち、「発電効率が20%以上の太陽電池材料」「人工衛星を使う世界の気象観測システム」など23%が完全に実現。実現しなかったのは「精神病の予防が可能になる」など47%だったそうです。
ところが、92年の第5回調査では、完全な実現は「3Dテレビ」「油分を含む岩石(シェールオイル)の採掘」などわずか8%に留まりました。「がん化の仕組みの解明」「雪崩の発生予測」など一部実現が52%あるものの、未実現の技術も40%となっています。
●技術的な限界…科学技術の進歩は止まりつつある?
先の70年代と90年代についてですが、実現しない理由を比較すると、明確に傾向が異なるそうです。70年代は技術的には近づいてもニーズが低いという理由だったのが、90年代になるとニーズはあるんだけど技術的に追いつかないとのこと。なので、人類の技術的な限界が近いことを連想させているみたいです。
ただ、まあ、発展すれば発展するほど難しくなるのは当たり前で、あんまり関係ないんじゃないの?って気もします。
また、70年代なら予測が簡単だったという可能性も感じますけど、記者は「70年代でも未来を見通すのは難しかったはず。90年代になってなぜこれだけ当たらなくなったのか」としていました。ただし、調査をまとめた科技政策研究所の横尾淑子上席研究官は「(専門家にとっても)将来を見通すことが難しくなっているようだ」という意見。
さらに、未来予想には個人の思いも入るので、そのせいでもあるのではないかとの見方も。おもしろいことに、予想の成績が落ち始めた80年代後半は、好景気に沸いた時代。当時の研究者らは難易度の高い技術の実現にも自信を持っており、楽観的な予想になって外したのでは?と。今なら逆に悲観的で現実的な予想になるんでしょうか?
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