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証券マン・銀行マンに騙されるな!投資は素人で営業がプロなだけ


 投資の話をまとめ。<証券マン・銀行マンに騙されるな!投資は素人で営業がプロなだけ>、<「相場の読める男」「伝説の営業マン」の会社、僅か数ヶ月で半分を失う>、<社会保険庁の天下り役人や金融機関OBらも素人であっさり騙される>などをまとめています。

 その後、<むしろ安全とされていた金融商品が無価値に 日本でも被害続出>、<よりによって損失が出るAT1債をなぜかピンポイントで重点販売!>なども追記しました。

2023/04/15追記:
●むしろ安全とされていた金融商品が無価値に 日本でも被害続出
2023/07/06追記:
●劣後なのに安全とされて売られた「永久劣後債」の複雑怪奇さ
2023/11/16追記:
●よりによって損失が出るAT1債をなぜかピンポイントで重点販売! 【NEW】


●証券マン・銀行マンに騙されるな!投資は素人で営業がプロなだけ

2013/1/22:証券マンや銀行マンは投資のプロだと誤解している方がいますが、実際には素人に毛が生えただけで、投資が下手なことが多いと考えた方が良いです。そして、彼らが本当は何のプロなのか?と言うと、商品を売りつけるプロなんですね。投資のプロではないのです。

 非常にわかりやすいのが、浅川和彦さんと松木新平さん。二人は最も有名な証券会社である野村證券出身。そして、野村證券の同僚によると、浅川さんは「抜群の成績を残した伝説の営業マン」で、松木さんは「CB部長や株式部長を歴任した相場の読める男」だったと言われていました。

 で、この人達が何をやったのか?と言うと、浅川和彦さんが社長、松木新平さんが取締役となり、AIJ投資顧問という会社で中小企業の厚生年金基金の運用を3000億円も任されて、運用資産の大部分が消失させたのです。
(AIJ投資顧問の伝説の営業マン・浅川和彦社長は「ブラックボックス」に何をぶち込んだのか?  | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]  2012年03月01日(木) 伊藤 博敏 より)


●「相場の読める男」「伝説の営業マン」の会社、僅か数ヶ月で半分を失う

 「伝説の営業マン」だけでなく、「相場の読める男」が以上のような結果ですからね。「そんなはずがない」と思われるかもしれませんけど、これが現実なのです。

 別記事によると、浅川さんは「最初の数か月で約15億円の損を出した。取り返すまでファンドを水増しするしかないと考えた」と事件の経緯を語っていました。AIJが年金基金にファンドを売却し始めたのは2003年。数か月で預かった約30億円の半分を失ったという恐ろしいほどの下手さ。

 浅川さんは他のところもまずく、顧客にばれないよう、ファンドの純資産額を水増ししたことについて、「違和感はなかった。金融商品取引法を読んだことはなく、『まずいかな』ぐらいだった」と言っていました。倫理観的なところも最悪。加えて、関連法規も興味がないという、どれだけ素人なのか?という話になっています。
("「500億一気に損、夢に出る」AIJ浅川被告(2013年1月21日08時24分 読売新聞)"より)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130121-OYT1T00157.htm


●社会保険庁の天下り役人や金融機関OBらも素人であっさり騙される

 「相場の読める男」ですら上記のような有様なのですけど、営業マンが投資がうまいわけではないというのはできれば気づいてほしいところ。「伝説の営業マン」というのは、まさに「商品を売りつけるプロであって、投資のプロではない」の典型です。

 さらに酷いのは、官僚・公務員や金融機関のOBでしょう。彼らは素人から見るとプロに見えますけど、口が裂けてもプロとは言えない存在です。

 最初の現代ビジネス によると、「伝説の営業マン」の浅川さんは、AIJの前身の投資顧問会社を買い、02年頃から企業年金を扱うようになり、「化粧した運用成績」で次々に顧客を獲得していたのですけど、粉飾じゃないとあり得ない運用成績のAIJにあっさり騙されていたという事実。

 実を言うと、企業年金といっても、AIJの顧客の大半は、地域の中小の同一業種が集まる「総合型」だったそうです。そして、その担当理事は、社会保険庁や県庁といった役所の天下りか金融機関のOBだったといいます。これを一般の人はプロだと誤解していますが、実際には資産運用を手がけた人はほとんどいなかったとのこと。そして、素人の年金担当理事たちはいとも簡単に騙されていたようです。

 ただ、ひどいのが、彼らが接待漬けであったということ。浅川氏さんは全国の盛り場を熟知しており、脱退をほのめかす顧客がいれば、銀座、赤坂、六本木の"馴染み"の店で接待、必死で引きとめていたといいます。投資ではなく、こういうところでのプロだというのが真実でした。


●むしろ安全とされていた金融商品が無価値に 日本でも被害続出

2023/04/15追記:最近、相次いで銀行の経営危機が勃発しています。以前から不安視されていた銀行とは言え、クレディ・スイスという有名どころも経営危機になり、同じスイスの「UBS」に救済買収されるといった事態になっています。

・クレディ・スイス株主総会 救済買収めぐり経営トップが謝罪(2023年4月4日 21時20分 NHK)
<金融不安をきっかけに経営危機に陥り、スイスの金融大手「UBS」に救済買収されることになった「クレディ・スイス」が株主総会を開きました。経営トップは破綻寸前まで追い込まれたことを謝罪しました>
<レーマン会長は、去年から具体的な経営再建に取り組んできたものの、インフレやアメリカの銀行破綻の影響を受けて時間がなくなってしまったとしたうえで「買収か破綻のどちらかの選択しかなかった」と釈明しました。
 「クレディ・スイス」は相次ぐ不祥事やリスク管理の甘さなどから業績が悪化し、先月15日には株価が急落して顧客資金の流出が止まらず、政府や中央銀行が強力に介入する形でスイスの金融大手「UBS」に救済買収されることになりました>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230404/k10014029191000.html

 クレディ・スイスの危機はアメリカの銀行破綻が理由でしたが、このクレディ・スイスの経営危機もまた連鎖して被害を拡大させています。クレディ・スイスが販売してきた債券の「AT1債」というものが無価値になってしまったのです。これにより、日本でも被害が出ました。驚くほど多くの日本人がこれを買っていたようなのです。

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、スイスの金融大手クレディ・スイスの債券「AT1債」約950億円分を顧客に販売していたことが14日分かった。この債券はクレディ・スイスの救済合併が決まったことに伴い無価値となった。販売先は大半が個人の富裕層で、法人も一部含まれるという。
 三菱UFJモルガンによると、無価値となった時点で、同社の約1500の顧客口座でAT1債の保有があった。顧客の金融資産や知識、経験などに応じて販売していたという>
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa3d9b121ea824a824b4d9f19959f305ca511c3b

 約1500の顧客口座で約950億円分ですから、1口座平均6000万円以上。普通なら金持ちにしか売っていないと考えられるものの、口座数が1500もあって少なくないことからすると、大金持ち以外に売っていた可能性もありそう。これにより、人生設計が大きく狂ってしまった人も出てしまうかもしれません。

 三菱UFJモルガンの担当者は「一部のお客さまから厳しい意見を頂戴している。誠実なコミュニケーションを続ける」と説明。ヤフーニュースでは、「問題は三菱UFJモルガン側がどういう説明をして個人顧客にAT1債を売りつけたかですね。十分にリスクを説明していたかどうか...怪しい気がしますけど」とのコメントがついていました。

 私もリスク説明が不十分だったと予想しています。というのも、「AT1債」というのは業界ではむしろ安全性が高いと理解されていたらしいため。となれば、リスクが高いという説明なしに売った可能性が高いでしょう。以前から書いているように、銀行の営業などの説明は全然信頼できません。改めてそれがわかった出来事でした。


●劣後なのに安全とされて売られた「永久劣後債」の複雑怪奇さ

2023/07/06追記:前回書いたクレディ・スイスが販売してきた債券の「AT1債」について<クレディ・スイスAT1債無価値化で崩れた神話の衝撃はなお続く>(23/4/14(金) NRI研究員の時事解説)という記事を使って補足。前回最後に書いたように、「AT1債」というのは業界ではむしろ安全性が高いと理解されていたものでした。このため、業界では衝撃を受けているようです。

 この点については、業界では安全だと理解されていたものを顧客に安全だと説明して売っていたのだから、金融機関は悪くない…という擁護も出そう。ただ、実際、顧客に被害が出ており、それで済む話でもないだろうと思います。また、後述するようにより安全性が高い商品もあり、絶対安全という商品でもありませんでした。

<大手金融機関が発行するAT1債は、普通社債よりも金利が高い一方でリスクは低い安全商品と考えられ、低金利環境下で積極的に購入されてきた。クレディ・スイスのAT1債無価値化によってそうした神話が崩れたため、AT1債の金利は一気に跳ね上がり、プレミアムが乗ってしまったのである>
https://news.yahoo.co.jp/articles/15e86b0a076078af2698c95d058bfdf1abd0d18a

 なお、「AT1債」は「永久劣後債」などとも呼ばれており、なぜ「劣後」なものを買うのか?と皮肉られていました。普通社債などより弁済順位が低いという点ではたしかに「劣後」であり、この点ではその通りです。さらに、「AT1債」「永久劣後債」よりもさらに劣る「劣後債」というものもあるみたいですね。

 ただし、名前と違って、「永久劣後債」や「劣後債」は普通の人が最も買う「株式」よりは弁済順位が高いため、その点だけ見ると、一応「安全」ということになります。このため、金融機関側ではこの点を強調して売ったのではないか?と疑いたくなるところ。また、今回の場合はこの説明されていたリスクの順番が崩れて、逆転現象が起きてしまったとも記事では解説されています。

<さらに、クレディ・スイスの買収では、同社の株式は無価値とならない中で、AT1債が無価値になるという異例の決定が行われた。株式と債券の弁済順位が逆転するという意味で大きなサプライズであり、これについても、弁済順位は必ず守られるという神話が崩れたと言えるのではないか。
 AT1債の無価値化(全額減損)を最終的に決定したのはスイスの規制当局だが、欧州中央銀行(ECB)や香港金融当局などその他の諸外国の当局は、弁済順位でAT1債の投資家は株主よりも優先されることを改めて説明し、火消しに回った>


●よりによって損失が出るAT1債をなぜかピンポイントで重点販売!

2023/11/16追記:もう一回前回の話の続き。前回の記事では、<クレディ・スイスのAT1債無価値化による損失は、米国の大手運用会社を中心に発生したとみられる>としていました。ただし、前回書いた理由に絡み、他のAT1債も信頼性が下がって価格を下げたために、世界中に損失が拡大したそうです。

 しかも、以下の部分によると、アジア地域では、欧米ではやらない、より悪い売り方をしていた模様。なぜかクレディ・スイスのAT1債を積極的に販売していたとのこと。よりによって問題が発生することになるAT1債をピンポイントで重点的に売っていたわけですからね。売り手のひどさがわかる話です。

 これは一応「問題があると知って売っていた」わけではなく、無知ゆえかもしれません。ただ、そうだとしても売り手が信頼できないという意味では同じこと。そして、これまで疑っていたきたように、「リスクについて十分な説明がなかった」件についても、記事では触れられていました。

<アジアの富裕者層も、欧米の金融機関を通じてクレディ・スイスのAT1債を積極的に購入していたようだ。クレディ・スイスやUBSについても、アジアのプライベートバンク顧客に対して、クレディ・スイスのAT1債を積極的に販売していたとされる。ちなみに、欧米地域のプライベートバンク顧客に対しては、金融機関は個別の証券を強く推奨することはあまりないという。アジア特有だったのかもしれない。
 そうしたアジアの顧客は、クレディ・スイスのAT1債無価値化で、巨額の損失を負ってしまった。安全で高利回りの商品との説明で、リスクについて十分な説明がなかった、と不満を抱えるアジアの顧客も少なくないようだ>


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