日本の替え玉受験 父が女装、芸能人の子ら大量発覚で逮捕者、開成で兄弟替え玉通学など

　替え玉受験などの話をまとめ。＜芸能人の子ら大量発覚で逮捕者まで出た明治大学替え玉入試事件＞、＜本当にあった日本の替え玉受験 父が女装して娘として受験など＞、＜高校日本一の開成で兄弟替え玉受験ならぬ替え玉通学？退学処分に＞などをまとめています。


●替え玉受験ってばれないのでは？センター試験で発覚は2件のみ

2019/01/20：最初、女子高生に「ブラ外せ」 中国・インドのカンニングと対策の最前線に追記する予定だったのですが、おもしろい話が多かったので、日本の問題だけで一つ作ることに。というか、中国・インドは「カンニング」というテーマですから、テーマもちょっと違いましたね。

　さて、日本の替え玉受験の話です。独立行政法人大学入試センターは、2015年までの10年間で、65件の不正があったことを発表しています。この内の2件が「替え玉受験」だったそうです。これを踏まえて、「センター試験の替え玉受験は過去に2度だけ」といている人がいましたが、そうではないでしょう。

　まず10年間より前の不正は不明。犯罪数やマナーなどの傾向からすれば、過去の方が最近よりずっと不正が多かっただろうと予想されます。
(21時追記：最初、「戦後間もなくの方が」と書いていたものの、考えてみると前身の大学共通第1次学力試験が始まったのが1979年で、あまり昔は共通テストに限って言えば存在しませんでした)

　また、高度な替え玉受験対策が行われているわけでもないので、実際にはもっと替え玉受験が行われている、つまり、バレていない例があるのでは？とも思います。独立行政法人大学入試センターが発表している2件というのは、飽くまで発覚しているのが2件という話です。


●普通に替え玉受験って犯罪じゃないの？過去には逮捕者も…

　さて、ばれないのではないか？という替え玉受験。犯罪にはならないのでしょうか？ きちんと犯罪になった方が抑止のためには良いと思うのですけど、困ったことに先の2つのケースでは、かかわった生徒は、全科目の受験が無効と判断されただけで、刑事処分は受けていなかったそうです。

　ただし、水野順一弁護士によると、過去の例では大ごとになったものがありました。明治大学替え玉入試事件では、替え玉受験にかかわった明治大職員を含む5人が『有印私文書偽造罪』、『同行使罪』で起訴されています。また、替え玉受験 - Wikipediaによると、明治大野球部元監督ら3人が逮捕されたといいます。
(センター試験でも「替え玉受験」がおこなわれていた！ どんな「罪」になるの？ - 弁護士ドットコム　2016年02月11日 10時30分より)

　話がそれてしまいますが、こうした話を聞いちゃうと、大学側が受験者に対して不正をした、医学部の女子や浪人生などを減点した事件は甘いな…と思ってしまいますね。
(関連：頭悪い男子に加点し女子を減点の東京医科大を田母神俊雄が擁護)


●芸能人の子ら大量発覚で逮捕者まで出た明治大学替え玉入試事件

　明治大学替え玉入試事件では、さらに『替え玉』役の大学生は起訴猶予となったものの、退学・停学などの厳しい処分をうけているとのこと。もちろん替え玉で合格した学生は、合格取り消しになっています。

　ところが、一方でまた甘い話もありました。この事件は組織的規模で行われていた上、有名人の息子や著名なスポーツ関係者がかかわっており、社会的な影響もあったため、特別だったのではないかと指摘されていたのです。

　この明治大学替え玉入試事件は規模がすごくって、弁護士ドットコムによると14人、Wikipediaによると20人の替え玉受験が発覚したとのこと。信じられないですね。なお、この事件での有名人というのは、なべおさみさんの息子で、事件後にたけし軍団入りしたなべやかんさんだそうです。


●本当にあった日本の替え玉受験 父が女装して娘として受験など

　Wikipediaでは、前述のもの以外の日本の替え玉受験の話も載っていました。タイトルにしたお父さんが女装して替え玉受験してしまったってのが一番おもしろいですね。あり得ない発想。これでなぜバレないと思ったのでしょう。よほど中性的なお父様だったのでしょうか？

・1975年の津田塾大学の入学試験で、受験生の父親で受験生の通う高校の英語教師が女装して替え玉受験した。
・国家資格である建築施工管理技士試験でも、資格スクールの職員が関与する大規模な替え玉受験が行われたことが発覚している。
・配置薬販売業の社長が、髪形を変えるなどして自分の息子に成り済まし、『登録販売者』の資格試験（薬事法改正により設けられた）を、息子の代わりに替え玉受験していた事例が発覚している。
・各企業が入社試験の一部としてウェブサイト上で行っている一般常識試験や適性試験において、十分な本人確認がされていないため替え玉受験に手を染める学生が相次いでいる。
・2009年の中央大学理工学部の入学試験で、ある志願者が自身と替え玉受験者の証明写真を、それぞれパソコンに取り込んで合成、できあがった写真を受験票に貼り、2人のどちらにも見えるよう工作していたことが発覚した。

　ウェブでの試験で「十分な本人確認がされていない」という話が出ていたものの、私の受けたときのイメージだと、大学試験でも大丈夫なんだろうか？と心配なものでした。性別や年齢違い以外なら行けそうです。なので、判明している替え玉受験は、氷山の一角なんじゃないかと思います。


●高校日本一の開成で兄弟替え玉受験ならぬ替え玉通学？退学処分に

2020/09/29：日本の替え玉受験で新しい話。私立開成高校は、中高一貫の男子校で、39年連続東大合格者数日本一で、高校入試は偏差値70超と全国最難関校。この開成で2020年9月15日、高校の1年生が退学処分に。生徒には公式に説明せず理由は言わなかったそうですが、不審に感じた保護者が学校に問い合わせたところ、退学理由は「不正な経緯での入学だった」そうです。

　ここまでは一応、学校が回答したことらしいので確かなのかな？と思いますが、その後は、“替え玉受験らしい”という情報が一気に広まったということで、噂話レベル的なところかもしれません。とりあえず、開成高校「兄弟替え玉」で退学処分発覚　謎が謎を呼ぶ大騒動｜NEWSポストセブン(2020.09.28 07:00 )では、そういった伝聞情報をもとに書いています。

　タイトルで「兄弟」とあったので、私はてっきり兄が弟の代わりに受験したのかと思ったら逆だとの噂。退学になったのは本来受験できない年齢の18歳くらいである兄で、現在高校1年生で実際に受験できる年齢の弟が替え玉で受験したとされています。母が昔、学習塾を経営していて受験制度に精通していたという話も出ていること。ここらへんはいかにも噂話って感じですね。

　ただ、開成高校は、替え玉受験ではないという説明。受験した本人は正当に合格していたものの、違う生徒が通っていたため退学になったという説明。いわば「替え玉通学」です。また、この説明なら上記の噂話とそれほど違っていないわけですが、ふたりの関係についてだけはノーコメントとして、回答を避けていました。


【本文中でリンクした投稿】
　　■女子高生に「ブラ外せ」 中国・インドのカンニングと対策の最前線
　　■頭悪い男子に加点し女子を減点の東京医科大を田母神俊雄が擁護

【関連投稿】
　　■大学受験・受験失敗・浪人・留年の怖さがわかるコピペを高校生に
　　■おかしい校則「金髪の外国人留学生でも、規則では黒染めをさせる」と黒染め強要
　　■探究科創設で国公立大学合格者激増 堀川高校の奇跡なんて嘘？
　　■関大一高、こっそり受験相談で内定 高得点多数の試験組は不合格
　　■全く勉強せず卒業と勧誘、ウィッツ青山学園が不正受給 東理ホールディングスの子会社が経営
　　■学校・教育・子どもについての投稿まとめ