●大使公用車襲撃 丹羽宇一郎前中国大使が事件時の胸中を明かす
2013/1/25:尖閣諸島問題が荒れたせいで公用車が襲撃された事件のときの丹羽宇一郎前中国大使って伊藤忠商事前会長だったんですね。日本経済新聞で丹羽宇一郎氏の経営者ブログという連載が始まりました。<大使車襲撃、その時… >(日本経済新聞 2012/12/27 11:00)で、襲撃事件のときの話が出ています。
<俺が一体何をしたというのか。殺すなら殺してみろ」――。恐怖感はなく、ただ理不尽な思いに捕らわれました。8月27日、私の乗った公用車が北京市内で襲撃された瞬間です。同時に「怪我をして苦しむのは嫌だなあ、殺すなら銃弾一発で仕留めてほしいなあ」とも考えていました>
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2502J_V21C12A2000000/ 当時は死を覚悟していたってことでしょうね。幸い、男は特に武器を持っていませんでしたが、一歩間違えれば…という話です。<公用車につけられた日本国旗を奪われたことは極めて遺憾でした>ともした上で、以下のような話をしていました。
<伊藤忠商事の社長に就任してから、トップに立つ人間はどこかで危機に巻き込まれる覚悟はしていました。社長就任以降も電車通勤を続けていましたが、ある時、「襲われる恐れもあるから社用車で通勤してほしい」と言われました。「襲われるリスクを完全に排除しようとしたら戦車で通勤しない限り無理。電車通勤を続けるよ」と断りました。あわせてこう、命じ続けていました。「仮に俺が誘拐されて身代金を要求されても、絶対に払うな」と。会社が、日本が、足下を見られるからです>
●日本人の身代金誘拐事件ではコロンビア邦人副社長誘拐事件が有名
思いつきませんでしたが、社長の身代金要求というのもありますね。日本だけじゃなく、海外でも最近そういう話がありませんのですっかり忘れていました。私が覚えある直近の事件は南米での話ですね。(これを下書きしたのは2013年でした。身代金じゃありませんけど、その後、2013年にアルジェリア人質事件も発生しています。
私が思いついた件というのは、Wikipediaで検索すると
コロンビア邦人副社長誘拐事件だった模様。ただ、社長が誘拐されたというケースではありませんでした。2001年にコロンビアで矢崎総業の現地法人副社長が左翼ゲリラに誘拐された事件という説明です。
<2001年2月22日、コロンビアのボゴタで矢崎総業の現地合弁企業「矢崎シーメル」の日本人副社長(当時52歳)が、帰宅途中、ボゴタ北部チアの路上で、警察官を装った男らに停車を命じられ、連れ去られた。
副社長は身柄を約25万ドル(約2700万円)で、中南米最大の左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)の第53戦線(ロマーニャ司令官)に引き渡された。その後、FARCは矢崎総業に対し、身代金2500万ドル(約27億円)を要求したとされる>
副社長の消息は2001年4月下旬にボゴタ南部フニン付近で目撃されたのを最後に途絶え、副社長の安否や健康状態など詳しい情報が入らないまま事件は長期化。2003年8月に目撃情報があり、10月30日時点ではり副社長の生存が確認できる情報が出ていました。しかし、そのすぐ後に遺体で発見されています。
<2003年11月24日、コロンビア国軍がボゴタ北方約60キロのクンディナマルカ州サンフアンデリオセコ付近の山中で副社長とみられる男性の遺体を発見した。遺体は戦闘服姿で、胸や脇腹に複数の弾痕があった。
遺体は翌日、ボゴタの法務監察医務院で司法解剖され、指紋や歯形、DNAなどから副社長本人と確認された。死因は至近距離からカラシニコフで複数撃たれたことによる失血死と判明した。
コロンビア国防省によると、24日午前10時半ごろ、現場付近で国軍のパトロール部隊が銃声を聞き、捜索中の午後1時半ごろ、副社長の遺体を発見した。
矢崎総業は交渉の過程で身代金を支払った事実はないと表明した>
●「日中関係は難しいからやめた方がいい」それでも中国大使に就任
話が逸れました。丹羽宇一郎さんの話に戻ります。中国大使を引き受けると決めたとき、これほど反日感情が強まるとは予想はできませんでしたが、相応の覚悟はあり、「日中関係は難しくなるからやめたほうがいいのでは」とも言われたものの、それでも引き受けたとしています。
<今回は政治主導の中国大使人事。しかも、日中関係は難しい時期で、必ず批判を受ける局面がくることは予想できました。それでも引き受けたのはきれいごとに聞こえるかもしれませんが、国のため、国益のためです。そのためには傷つき汚れても構わない。伊藤忠の会長就任以降、会社よりも国の仕事を優先してきたのは、名誉やカネ、地位に関係なく、国のためにやるべき仕事があるからです。反日感情の強い現在のような状況でもたぶん引き受けたと思います>
この問題以外を含めて尖閣諸島問題では日本人の死者が出なくて幸いでしたが、下手すれば死者が出る…というほど悪化しました。尖閣諸島は日本の領土ではあるのですが、中国が反発して日本人を危険に晒すリスクはあったため、本来でしたら中国側の反応をうかがいながら慎重に対応すべきだったのです。
これが政府の判断でこうなったのなら全面的に政府に責任があったのですけど、問題を引き起こしたのは中国側と交渉して事態をコントロールできない石原都知事でしたからね。軽率で無責任で何も考えていない石原都知事による殺人未遂みたいなものでしょう。
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