"ルーマニアの人々の心深くには今も「魔女文化」が根付"いているそうです。
なんつー話だ!と思ったのですけど、先日やったロマとも関係があるようです。
実を言うと、こっちの話を書きたいがために先にロマを書いたわけですが……。
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現代ヨーロッパにおけるロマ・ジプシーへの人種差別 戦後になってもスイス政府支援団体が子供を拉致〈ルーマニアの魔女〉 国内に2千人以上いるといわれる呪術師や占師で、多くは少数派のロマ人とされる。1965~89年のチャウシェスク独裁政権時代は冷遇され、投獄された魔女もいた。
以前書いたようにロマは差別の対象として有名です。そういった事情があるとややこしいなと感じました。
それとも、「魔女の力を信じる」が70%というのは受け入れられている証拠であり、民族差別的なところとは関係ないと言えるでしょうか?
ただ、こういった不思議な力は差別とセットで信じているという場合も多いです。要するに「あの家の人は呪いを使います、近寄っちゃいけません」というパターンです。(日本でも伝統的にこういうのはありました)
ここらへんの扱いはよくわかりませんが、とにかく信じている人は多いです。
この魔女信仰の背景を見ると、まさに「信仰」であり、魔術が宗教として受け入れられている感じもあるようです。
共産主義政権下で宗教活動が制約された中・東欧諸国の人々は、神に祈るより、占いや予言に救いを求める傾向が強いと言われる。
(中略)調査した社会学者のミレル・パラダ氏(39)は「チャウシェスク時代の厳しい抑圧から解放された反動で、人々は心の空白を埋めるものを求めており、魔女がその心の隙間に入り込んだ。最近の経済不振による困窮がそれに拍車をかけているのでは」と見る。
実際の魔女さんのお話もありました。
首都ブカレストの中心部から北へ車で約30分。「白魔術の女王」と呼ばれる人気の魔女チレシカさん(46)の自宅を訪ねた。飼っている猫も犬も真っ黒。まさに「魔女の館」だ。
チャウシェスク元大統領の妻エレナ夫人のお気に入りの魔女だった母親に学び、7歳から占いや呪術を生業にしてきた。魔女修業には教科書や資格もなく、秘技は親から子へ受け継がれていくという。「最近、魔女の質が落ちている。専門のアカデミーを作って優秀な魔女を発掘したい」と言う。
占いや呪術で使う秘蔵の道具を見せてくれた。子羊の頭蓋骨(ずがいこつ)、鎌首をもたげた蛇の置物、巨大な植物の種子……。呪いをかける術では、猫のフンや犬の死体、人骨なども使うという。
お守りなどのグッズも販売しており、子宝に恵まれる「魔法の卵」を強く薦められたが、1個500ユーロ(約5万3千円)と聞いて丁重にお断りした。
人を助ける「白魔術」専門のチレシカさんは、他の魔女の呪いをはねのける術も身につけている。だが、強力な呪いは、かけた魔女本人しか解くことができない。「魔女を陥れようとした男が呪いをかけられ、心臓発作で死んだ」という。
元記事の順番とは相当入れ替えているのですけど、ルーマニアの魔女の歴史の中でも以下の部分はいただけないことです。
民主化後も法律の枠外に置かれ、一部は闇社会と結びつき巨額の富を稼いでいるともいわれる。
これは擁護しかねます。
東欧ルーマニアは「魔女」が力をもつ国だ。「呪い」で大金を得ていたとして2011年12月、人気魔女が逮捕され、芸能人や政治家も巻き込んだ大スキャンダルに発展した。(中略)
逮捕された魔女はメリッサ、バネッサと呼ばれる30~40代の2人。いずれも、テレビ番組にも出演する売れっ子だった。
警察などによると、メリッサらは人気女優(39)から母親との遺産争いの問題で相談を受け、母親が別の魔女に依頼してかけた「呪い」を取り除く見返りに法外な報酬を要求。現金や高級車ポルシェ、ブカレスト市内のマンションなど45万ユーロ(約4700万円)相当を受け取っていた。この女優がメリッサらとの関係を絶とうとしたため、仲間の5人の男たちを使って「自殺に追い込む」などと脅迫した疑いがもたれている。
さらに、ルーマニアの有名サッカーチームのオーナー夫人は、夫の愛人から呪い殺されないための呪術の報酬として40万ユーロ(約4200万円)を支払っていたことが判明。人気サッカー選手も10万ユーロ(約1050万円)で、国外の有名チームへの移籍がかなうよう祈願していた。効果があったかどうかは分からないが、フランスのチームに移籍を果たした。
一方、ブカレストのオプレスク市長は、08年の選挙戦でメリッサらに加勢を依頼。09年の大統領選で敗れたジョアナ元社会民主党党首も、現職のバセスク大統領が「強力な魔術師を雇っている」と知り、助力を請うていたという。
だが、話はこれで終わらない。12年2月、事件の担当検察官が収賄容疑で逮捕された。裁判を魔女らの有利に終わらせる見返りに10万ユーロ(約1050万円)の賄賂を持ちかけられ、手付金を受け取った疑いだ。
タイトルにした「魔女を正規の職業に!」というのは、実は魔女を信じるあまりに「正規待遇を」という意味ではなく、こういった問題を是正するためです。
当の魔女はむしろ大反対なのです。先の「白魔術の女王」チレシカさんも"魔女規制の動きに「魔女を攻撃すれば当然の報いをうける」とすごんだ"そうです。
長く正規の職業と見なされてこなかった魔女を労働法や税制の枠に組み込もうとする動きも最近出てきた。
11年1月、魔女を正規の職業と認め、16%の所得税などを課税すべきだとの議論が国会で浮上。魔女が秘儀で利益を得ることを禁ずる法案作成の動きも出たが、反発した魔女らが「呪い」で政治家に報復すると騒ぎ出した。
結局、手続きの煩雑さなどを理由に導入は見送られたが、メディアは「政治家が魔女の呪いを恐れた」と書き立てた。
何だかすごいことになっていますね、ルーマニアは。
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