アンドロイドやグーグル、アップルの話をまとめ。<ライバルなのになぜ?グーグルがアップルのiPhoneを助けた理由>、<グーグルにとってアンドロイドは儲からなくて良い…本当なのか?>、<マイクロソフトも数十年間アップルの「Mac」を強力に支援してた>などをまとめています。
●敵に塩?ひどすぎて地図が使えないiPhoneをグーグルが手助け
2013/1/28:
グーグルがiPhoneを助けた理由(2012.12.18 TUE ワイアード)という記事がありました。ここで言う「グーグルがiPhoneを助けた」というのは、2012年に不具合を連発したアップルのダメ地図アプリの代わりにまともに使える地図アプリを投入したことを指しているようです。例えば、アップルの地図アプリでは、パチンコガンダム駅、マクドナルド駅などわけのわからない駅名が表示されました。
これは、
アップルiPhone5のiOS6の酷すぎる爆笑地図アプリリンク集でやった話ですが、
アップルのiPhone5(iOS6)のマップで日本の地図が特に酷い理由 尖閣諸島も2つでやったように、尖閣諸島が2つ表示されるといったことも起きています。
記事では、グーグルは、「iOS」向けに新ヴァージョンの「Google Maps」と「Gmail」をリリースしたことで、iPhoneが世界最高のスマートフォンになる手助けをした、と書いていました。問題が多い地図アプリが理由で最新iPhoneに乗り換えるのを控えていた人々もいるため、この動きはより多くのiPhone販売につながりそうだ、としています。
●ライバルなのになぜ?グーグルがアップルのiPhoneを助けた理由
こうして「Android」OSと、スマートフォンを作るモトローラ部門を持つグーグルが、ライバルと見なされるアップルを助けた理由について、記事では、簡単にいえば広告だとしていました。グーグルでは広告ビジネスが実質的に収益源のすべてを占めています。グーグルにとってAndroidは、それほど重要ではないという説明でした。
Androidは中心ビジネスにとっての付随物だというのは、携帯電話部門のモトローラも同様だとのこと。となると、今度はなぜグーグルがそんなAndroidに資金を投入するのかと言う疑問が湧きます。これは、アップルやマイクロソフトといった会社が、スマートフォン市場からグーグルを排除できないようにするのが主な目的だとしていました。
実際、モバイル向けGoogle Mapsの責任者であるグーグルのダニエル・グラフさんも、OS競争を「行う理由はない」として、他のOSを駆逐したいわけではないと説明。「グーグルはすべてのプラットフォームに存在したい。そして可能な限り最高の体験を提供したいと考えている」としていました。
●グーグルにとってアンドロイドは儲からなくて良い…本当なのか?
また、ウェブの新興企業Stack Overflow社のジョエル・スポルスキー最高経営責任者(CEO)も「グーグルのAndroidはオープンソースで、同社の利益になるわけではない。グーグルのサーヴィスが使われて初めて、同社にお金が入るのだ」と指摘していました。そもそもグーグルはアンドロイドで直接利益を得ていないというのです。
ジョエル・スポルスキーCEOは、スマートフォンはグーグルによるウェブサービスを補完するものなので、「Androidの目的は、スマートフォン市場に競争を生み出し、スマートフォンの価格を下げることだ」ともしていました。儲からないことに力を入れるという慈善事業のようなことをする…にわかには信じられず、嘘くさいと思うかもしれません。
ただし、実際にはこうしたグーグルの戦略で不利益を被る人もいるわけです。このように儲けどころが違う会社が利益度外視で参入してくると、そこで利益を得ていた会社のビジネスモデルが破壊され、価格も破壊されるということがよくあります。アップルなんかはむしろそうして他の企業を壊してきた側でした。
●マイクロソフトも数十年間アップルの「Mac」を強力に支援してた
ところで、アップルはグーグルだけでなく、かつてはマイクロソフトにも助けられていたようです。マイクロソフトは数十年間、アップルの「Mac」を強力に支援していたといいます。この理由もまた儲けどころの問題。マイクロソフトの中核事業はアプリケーションの販売であり、競合するOS「Windows」の販売ではなかったためだとされていました。
実を言うと、先程の解説をしていたOverflow社のジョエル・スポルスキー最高経営責任者(CEO)は、マイクロソフトの製品マネージャーだったそうな。このスポルスキーCEOは、「1990年代の初めには、Windows機が売れるよりも、Macが売れるほうがマイクロソフトの儲けが大きい時期があった」と驚くべきことを言っています。
「当時、Mac所有者はほぼ全員が『Word』と『Excel』を購入しており、実質的には競争がほとんどなかった。一方、Windowsだと『WordPerfect』と『Lotus 123』という選択肢があり、WordとExcelが購入される割合が低かったのだ」(ジョエル・スポルスキーCEO)
●儲けどころが違えば安くしたり無料にしたりできるように
記事を書いている現在はタブレットによる争いが激しくなっていますが、ここで争っているアマゾンのKindleは、アマゾンにとって儲けどころじゃありません。飽くまでアマゾンでのお買い物してほしいということで、Kindleについては本体価格が安いだけでなく、通信料もタダにしてしまっています。
ぐっと話が変わりますけど、LCCなんかは本来そういう考え方があったんですよ。今まで稼いでいたのと違うところで儲けよう!というのが、LCCを始めた航空会社にはありました。さらに広い意味で言うと、試供品や期間限定お試しサービスなんかもそうです。試している時点では企業はマイナスだけであり、儲けになっていません。
儲からないことに力を入れるという慈善事業のようなことをする…にわかには信じられず、嘘くさいと思うかもしれませんが、こうやって見ていくと結構よくある話だとわかるでしょう。どこで儲けるか?ということを深く考えていくと、儲けにならないサービスも可能になるのです。
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