アベノミクスに関しては
アベノミクスじゃなくて安倍のリスク?意外なことに批判続出で懐疑的な話を、
アベノミクスをアダム・ポーゼンが評価 金融緩和政策が有効という考えは捨ててなかったで好意的な話を書きました。
実は良い話もやったのは悪い方だけやっていると、また粗探し!と怒る人が出てくるんじゃないかと思ったためでした。
でも、この良い方はあんまり読まれませんでした。じゃあ、否定的な話の方が好まれるのかな?と感じたので、第二弾です。
2013年1月15日 週刊ダイヤモンド編集部 竹田孝洋
安倍新政権20兆円緊急経済対策 赤字だけが残る懸念ぬぐえず
財政出動で、13年度の成長率は0.5~0.6%は上向くと見込まれている。ただ、財政出動による成長率押し上げは一過性のもの。1990年代には、景気が落ち込むたびに、公共投資を積み増す経済対策が講じられたが、その効果は短期間で消え、財政赤字だけが積み上がっていった。
http://diamond.jp/articles/-/30516 どうも既に失敗済みの政策のようです。
同じ轍を踏まないためには、財政出動で一時的に成長率が上向いている間に、成長戦略の実行で中長期の成長力を向上させなければならない。「成長戦略で最も重要なのは規制緩和」(河野龍太郎・BNPパリバ証券経済調査本部長)である。しかし、これまでの政権は、既得権益の壁を崩せず、大きな効果を挙げられなかった。
また、今回の補正予算のための国債増発額は5兆円前後に上る。13年度予算でも新規国債発行額は50兆円前後に達する見込み。財政赤字は膨らむ一方だ。
安倍政権は日本銀行に強力な金融緩和と2%の物価上昇率目標の設定を求めている。緩和を継続すれば、物価上昇率2%が達成できる公算はある。しかし、物価上昇は金利上昇を招く。そのときに財政再建の道筋が見えていなければ、財政悪化を危惧して長期金利が急上昇する懸念はぬぐえない。長期金利が上昇すれば、国債の利払い費が増大し、国債を大量に保有する銀行が多大なる損失を抱えることになる。
(中略)歴代の政権が先送りしてきた実効ある成長戦略遂行と社会保障費抑制、これらの施策を早期に実現しなければ、今回の緊急経済対策も財政赤字を増やすだけの結果に終わるだろう。
社会保障費抑制はやらんでしょうね。選挙受け悪いですもの。
次のものはえらく古くって、11月。そのため、現在との相違点も多いかもしれません。
ただ、これも失敗済みの政策のようです。
そんな今だからこそ思い起こすべき言葉がある。「日本版ビッグバン」。1996年、当時の橋本龍太郎首相が打ち上げて始まった金融制度改革だ。
目標は、日本の市場をニューヨーク、ロンドンと並ぶ地位に引き上げることだった。今回の「アジアでナンバーワン」は、当時よりハードルが低い。つまり、16年前の目標は達成できなかった。
問題は"市場という鏡をいくら磨いても映るもの、つまりファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に魅力がないとマネーは集まらない"ということです。
難しい言い方ですけど要するに、いくら改革しても投資の対象となる企業などに魅力がなければお金は来ないよ、という単純な話でしょうか?
あんまり他で話題になっていない話でしたね。次のはどうでしょう?
竹中平蔵さんは相当嫌われているようです。
「竹中氏は日本維新の会の衆院選候補者選定委員長だった。登用すれば、消費税増税の3党合意を結んだ民主党を首相が切り捨て、維新と連携するというメッセージになりかねません」
政権発足から一夜明けた12月27日。安倍は元首相の小泉純一郎の腹心で、内閣参与としてやはり「再登板」させた飯島勲のこんな進言に耳を傾けた。(中略)
副総理・財務・金融相の麻生太郎も、安倍の竹中起用の意向を知って驚がくした。話は2005年に遡る。小泉が推進した郵政民営化を巡り、小泉に忠実に仕えた竹中と、郵政事業を所管する総務相だった麻生は鋭く対立。小泉は「郵政解散」後の衆院選で圧勝すると、竹中を総務相に据えて民営化の完遂を命じた。麻生は外相に横滑りさせる形で事実上、更迭したのである。
積極財政論者の麻生と小さな政府論者の竹中は今も水と油。麻生は安倍を止めにかかった。新設の経済再生相で、諮問会議を担当する甘利明も麻生に加勢したが、安倍は説得を振り切ろうとした。最後に動いたのは、小泉政権でやはり竹中と反りが合わなかった飯島だった。思わぬ「反竹中包囲網」に安倍は渋々、マクロ政策を動かす諮問会議への登用だけはあきらめた。予算編成に竹中が口を出すのを危ぶんだ財務省も安堵した。
これ、そもそも安倍晋三首相の立場がはっきりしていないせいですよね。参与でも浜田宏一さんと積極財政論者の藤井聡さんという合わない二人を入れています。
そこらへんの違いをよく理解できていないんじゃないかなぁ、安倍首相は……。
(関連:
安倍晋三総裁のブレーン 浜田宏一、伊藤隆敏、高橋洋一VS藤井聡、三橋貴明 リフレ派、インフレターゲット論者)
竹中平蔵さんの件で"擁護に回って見せたのは官房長官の菅義偉だけ"だったそうです。
菅義偉官房長官は小さな政府系の理解があるんじゃないかと思います。前回の安倍晋三政権では、渡辺喜美現みんなの党党首とともに公務員改革に積極的で、高橋洋一さんに近そうでしたし、そんな気がします。
……と書いていると、"当時、竹中を支えた1人が菅"ということでやはりそれっぽいです。
何度も書いていますが、今の自民党の中心メンバーは呉越同舟なのです。
金融政策はインフレ目標2%の緩和路線で一致するが、財政政策で竹中は「短期的に出動するが、中長期的な財政の信認回復と一体で」と指摘。民間投資につながるのは「成長戦略」ではなく「構造改革」だと説いて一線を画す。
(中略)今の自民党で「構造改革」は死語に近い。政府が補助金や税の減免で特定分野の産業を戦略的に育てるターゲティングポリシー型の「成長戦略」が好まれがちだ。
(中略)「第2次安倍内閣はこのままでは『経産官僚内閣』と化すのではないか」と周辺に漏らす竹中。規制改革や法人税減税などの「構造改革」で論陣を張れば、「成長戦略」との路線対立が表面化しかねない。小泉政権で竹中諮問会議に経産省は冷ややかだった。攻守ところを入れ替えた「再戦」だ。
浜田宏一参与、自民党の財政政策・大型補正予算を批判・否定で書いたように、浜田宏一さんも積極財政派を攻撃していました。
その場での甘利明経済再生相さんの発言は「考慮しているよ」ってものでしたけど、この記事を読むと本心は違うって感じですね。
浜田宏一参与のように金融緩和を積極的に唱えている人は基本財政政策に否定的ですので、金融緩和派と積極財政派はほぼ対立と思って良いんじゃないかと思います。
上記では"金融政策はインフレ目標2%の緩和路線で一致する"とありましたが、積極財政派は金融緩和の理論が都合良いので利用しているだけに見えます。
それから、『経産官僚内閣』とありましたけど、この積極財政派には経済産業省も入れた方がいいでしょうね。麻生太郎財務相の人事は特に経済産業省の肝いりだったそうで、決まったときには大喜びしたとか……。
麻生太郎さんはそう言えば日銀総裁人事でも学者を否定していました。飯島勲さんも同じく学者否定。甘利明さんは「出身は関係ない」と言っており、私は当初麻生太郎さん批判なのかと思いましたが、ひょっとすると官僚擁護だったのかもしれません。ここらへんきれいに繋がって、反学者(金融緩和派は学者ばかりです)という感じがします。
また、自民党の外なのであまり言われませんけど、積極財政派に同じバラマキ路線の公明党も加えて良さそうです。
こうして見ると、積極財政派がだいぶ有利でしょうか?
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