タイトルを見て、なるほどそういう考え方ができるんだなと思ったもの。
女性の社会進出が少ないことを嘆く方は配偶者控除廃止に批判的だと思いますけど、それはむしろ女性の労働を減らす役割を果たしているのかもしれません。
2013年1月17日 森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員] ダイヤモンド・オンライン
安倍政権が女性の社会進出を支援するなら配偶者控除を廃止すべきではないか
昨年秋のIMF東京総会で、ラガルドIMF専務理事は「日本では、質の高い女性労働力が活用されていない。女性は日本の潜在力で、働く女性を増やせば、日本経済がよくなる」という力強いメッセージを送った。
企業経営面でも、女性管理職をうまく活用している会社ほど、パフォーマンスがいいという実証研究の成果もある。
このように、女性パワーの活用が今後のわが国の政策に占める重要性は高まりつつあるが、ひとつ抜け落ちている政策がある。それは、専業主婦や一定所得以下のパート主婦を(もつ夫を)優遇する配偶者控除の問題である。
http://diamond.jp/articles/-/30628 配偶者控除を見ながら労働量を調整しているのは知っていましたけど、私は結びつけて考えたことがなかったです。
ただ、よく読んでみると、森信茂樹さんはそういう負の効果を強調しているわけではないようです。
とりあえず、この配偶者控除が維持されている理由は以下だそうです。
その最大の理由は、家事や育児を一手に引き受けることによる「内助の功」への評価である。「夫のみが所得を稼得した場合でも、妻は家庭内の勤めを果たすことにより夫の所得の稼得に大きく貢献しており、これに配慮すべきである」というわが国の伝統的な考え方である。
加えて最近では、家庭で一生懸命子育てすることには大きな社会的な意義がある、専業主婦の優遇は少子化対策につながる、という論点も加わり、存続論を補強してきた。
ということは、海外ではそんな制度ないんですかね?記事を読むとそういう前提である感じです。
ところで、記事では"女性の労働力率(女性がどのくらい働いているかを示す指標)と出生率との関係をグラフにしたもの"があったんですけど、これは驚きです。
まず、1980年は"女性が働く比率が高い国は出生率が低い"という何を当たり前のことを……という話です。
ところがところが、2000年の場合、OECD諸国では「女性の労働力率が高いほど出生率も高い」、あるいは「女性の労働力率が高く出生率も高い」という状態に変わりました。
これは衝撃的ですね。
ただ、日本ではそうなっていません。1980年スタイルを踏襲しています。
森信茂樹さんは他の先進国でなされた"公的な制度、企業の支援、家庭における夫の役割の見直しなど、さまざまな政策・努力"が、日本ではやっていないからでは?としています。
そして、諸外国と比較して結果が出ていないのであれば、日本独特の配偶者控除というのもあんまり役に立っていないということにもなりそうです。
ですから、森信茂樹さんは"配偶者控除を廃止"して、浮いた財源を"子育て家庭への現金給付や保育園の整備などの現物給付の充実に向け"てはどうかとしていました。
私は待機児童の問題を重視していますので、廃止するんでしたらそこらへんに向けて貰えればなと思います。
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