オリジナルと言うのと、ガラパゴスと言うのでは、イメージがずいぶん違いますけど、とにかく低価格紳士服専門店というのは日本独特の業態のようです。
そして同時に、とっても難しい業態のようです。
紳士服専門店業態は、需要の季節変動が大きく、在庫回転率は低い。それでいながら一定以上の品揃えが求められ、しかも価格競争は激しい。多品種・短サイクル、かつ小ロットの生産が求められる難しい業態だ。
ところが、不思議なことに
これだけ不利な条件を揃えながら、国内市場を寡占する大手各社は10%弱という売上高営業利益率を叩き出している。AOKIホールディングス、青山商事、コナカ、はるやま商事の4強が寡占状態でひしめき合う日本市場の競争の中で、需要予測と生産管理の仕組みを磨き、ヒットに頼るファッション業界とは一線を画した「売りすぎず、売らなさすぎない」絶妙なSPA(製造小売り)化を進めてきた結果だ。
となっています。
これはそれだけノウハウを溜め込んでいるということだと、記事では見られています。
今、紳士服専門店業界は"空前のアジア出店ラッシュに沸いている"そうです。
コナカの湖中謙介社長は「5年後には売上高の1割を海外で稼ぐ」として出店を加速させる。競合の青山商事は、業績不振で縮小していた中国事業に黒字化のメドがついたことから出店を再開。はるやま商事も2013年1月上旬に上海に出店を予定している。
そうすると、海外の企業もこれを真似しようとします。
コナカがタイにツープライス業態の店を出して好評を得ると、地元資本の業者がすぐに模倣して同様の店舗を出した。
しかし、前述の難しさゆえに、
確かに、商品も価格もすぐに真似できるかもしれない。だが、非効率極まりないこの業態で「儲ける」ための仕組みは一朝一夕では構築できないはずだ。「すぐに苦しくなるのではないかと見ている」と湖中社長も自信を覗かせる。
といった感じで、超強気です。
記事ではラストでこうまとめているんですけど、どうなるでしょうね?
モノを仕入れて売る業種である小売業は、一般に「何を売るか」、つまりいかに消費者のニーズに合った品揃えを実現するかで差異化を図る。だが、海外進出する場合、地元資本の競合に既存商品の品揃えで勝ることは難しい。必要なのは「どう売るか」、さらには「どう作るか」。その「仕組み」を輸出するという視点ではないか。
日本市場で、物流やIT(情報技術)を世界的に見れば「異常」なまでに発達させたコンビニエンスストアなども同様だ。消費者の要求水準が高いと言われる日本市場で独自進化を遂げた「ガラパゴス小売り」の、アジア市場での成長に期待したい。
そう言えば、
企業の海外進出戦略の成功例. ~ヤマハ、大塚製薬、ソニー~でちらっと出てきたヤマハや公文式は、商品ではなく手法で支持を得るといったやり方でした。
今回は小売ですので商品を売るのは間違いないんですけど、ポイントは商品そのものではなく「仕組み」ということで、このヤマハや公文式の話を思い出しました。
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