2013/1/30:
お寺・住職・宗教法人は税金を払っていない…というデマ
お寺は無税…どころか、税務署にとっては狙いどころ!
「寺には税金がかからない。坊主、丸儲け」は大嘘
2018/09/09:
「国税庁は宗教法人をほとんど調査できていない」というデマ
●お寺・住職・宗教法人は税金を払っていない…というデマ
2013/1/30:確かに非課税のものもあるんですけど、一部の人たちは宗教法人は税金を一切納めていないと勘違いしているそうです。しかし、そんなことはありません。
例えば、ある神奈川県のとある寺院は、税金の処理で大忙しに。父親の葬儀から3ヵ月経ったある日、地元の税務署員が訪れ、、相続税を中心とする税務調査が行わることになりました。寺の収入を管理している帳簿や、預金通帳、賽銭箱、掛け軸や骨董、車などが細かく、調べられました。
特に税務署が注目したのは、「住職の私的な財産」です。宗教法人である寺の財産のうち、例えば仏像や仏画、儀式に使う道具などは信仰の対象として公益性を帯びており非課税と認められています。また、宗教法人名義の預貯金などの金融資産にも税金はかかりません。ここらへんが皆さん「税金を一銭も払っていない」と誤解するところなのでしょう。
ところが、「個人財産」は違うのです。一般人同様、住職は課税対象。預貯金はもちろん、住職の趣味で集められたような古美術や、寺とは関係のないような絵画などは、相続税の対象となります。
寺で使用する車も、「せいぜい中級クラスの国産車」までが認められるところ。経済的に恵まれた寺の中には、「ベンツやポルシェなどの高級車を、寺の“営業車”とは別に所有しているケースもある」(都内の僧侶)といい、これらは個人的な贅沢品と見なされて課税されても仕方がないと考えられています。
(
坊さんのベンツは「課税対象」か? 寺の「相続」と「カネ」を巡る悩ましい問題 鵜飼 秀徳 2013年1月10日(木) 日経ビジネスオンラインより)
●お寺は無税…どころか、税務署にとっては狙いどころ!
問題なのは「寺の財産」と「住職個人の財産」の線引きを、アバウトにしているということで、"そのため、近年の税務調査の強化によって、寺が税務署に「目を付けられている」のだ"とのこと。
個人のものとの区別が曖昧だというのは宗教法人に限らず、自営業の方ならみんな危ないところじゃないかなぁ?と思いますけど、宗教やっているところはお金持ちが多い上に、経理面が疎いイメージもあります。脱税してやろうという意識がなくても、会社の人より「法人を経営している」という意識が低く、ミスが多いと思われます。
"寺が税務署に「目を付けられている」"というのは、要するに「取りやすいところから取る」ということなのかもしれません。
●「寺には税金がかからない。坊主、丸儲け」は大嘘
とまあこうやって書いてきた通り、「寺には税金がかからない。坊主、丸儲け」は大嘘なんです。住職個人に支払われる給料は源泉対象だし、当然、僧侶だからといって、消費税など直接税の特例措置もあるわけがありません。おそらくむしろ一般人より多くの税金を収めていると思われます。
その他にも寺の事業は、税務申告が必要ではない非収益事業と、申告が必要な収益事業に分けられている。ということで、"寺が飲食店や駐車場経営などのサイドビジネスを始めた場合などにも、調査が入"ります。それらは課税対象なのです。
駐車場経営やカルチャーセンターの開催などは収益事業となる。宗教法人の収益事業は「旅館業」「印刷業」「不動産販売業」など34業種に渡って規定されている。
興味深いのは、線香やろうそくの販売は、収益事業と見なされ、税務申告の必要があることだ。仮に、寺でなくとも、線香などは一般の店でも販売できるという理由からだ。
宗教法人への課税の考え方が難しくなるのは、前述のように非課税なものと課税対象のものがごっちゃになっているためでしょう。幼稚園や老人ホーム経営、お札やおみくじの販売なんかも非収益事業に分類されるため、これらは非課税なんだそうです。
たぶん当のお坊さん自身も、ちゃんと理解しきれていないんじゃないかと思います。
●「国税庁は宗教法人をほとんど調査できていない」というデマ
2018/09/09:うちでは宗教に関してむしろ厳しいことを書くことが多いのですけど、『週刊東洋経済』9月1日号特集の「宗教 カネと権力」は、だいぶデマが多い感じでした。
(
どうして宗教団体はあんなに儲かるの?「週刊東洋経済」特集「宗教 カネと権力」が面白すぎる エキサイトレビュー 2018年9月3日 08時00分 ライター情報:大山くまお より)
最初の投稿での紹介記事でなかった本当っぽい話としては、宗教法人が行う「収益事業」も税制が優遇されているということ。収益事業が得た収益であっても、宗教法人は普通に企業の税金の65%程度で済むという説明でした。
ただ、「国税庁OBによると、国税庁は宗教法人をほとんど調査できていないという。宗教法人側が政治家にはたらきかけて税務調査を逃れることもある」というのは、明らかにデマじゃないかと。前述の記事の通り、税務調査の実例があります。うちの実家が檀家になっているお寺にも、税務調査がほぼ定期的に入っているのを知っています。
東洋経済の特集を紹介したこの記事によると、今回の特集は創価学会、幸福の科学、真如苑、統一教会などのカネの流れにメスを入れるものと説明があり、他に「ワールドメイト教祖・深見東州の収入源は?」といった話もやっていたとのこと。これらの新興宗教団体はすべて自民党か公明党に近いか、保守派の宗教団体であり、ひょっとしたら本当に税務調査を免れているのかもしれません。
でも、きちんと税務調査が入ってる宗教法人は、たくさんあります。お寺の人は素人で公私の区分もはっきりしていないということもあり、最初の記事では、税務署にとっては税金を巻き上げるチャンスの大きいお得意さんだとすらされていました。
個人的には、宗教法人への税務調査はもっともっと厳しくして良いと思っています。また、税金の優遇措置やその範囲も狭くして良いのではないかと考えています。しかし、東洋経済の今回の特集はさすがにひどすぎじゃないですかね…。
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