2013/2/1:
●新卒者の最低支給額が残業込み、しかも過労死レベルの残業が前提
●ブラック企業大庄の「日本海庄や」の過労死 「月80時間残業しないと減給」
●やはりブラック企業は普通じゃない…大庄の広報担当者は超強気に反論!
●明らかにブラックな内容なのに大庄は納得せず最高裁まで争う
●「庄や」だけじゃない…大庄が経営するブランドはたくさんあるので注意
●新卒者の最低支給額が残業込み、しかも過労死レベルの残業が前提
2013/2/1:今回の件、なぜ調べたのかと言うと、
ブラック企業の特徴・社員の使い捨てと選別 とにきは過労死もで書いた若年層の労働問題に取り組むPOSSE代表今野晴貴さんの以下の発言が気になったためでした。
今野:本にも取り上げた大手外食チェーンの場合、新卒者の最低支給額を月額19万4500円と記していましたが、これは80時間の残業をして初めて得られる金額でした。本来の最低支給額は12万3200円、時給にすると770円ほどにとどまります。そうした中、過労死しても不思議ではないほどの長時間労働が常態化していました
(
「ブラック企業」が日本の若者を使いつぶす 若年層の労働問題に取り組むPOSSE代表の今野晴貴氏に聞く 西頭 恒明 2012年12月18日(火) 日経ビジネスオンラインより)
最低支給額が残業込みの給与というのはおかしいです。この時点でもう詐欺。しかも、その時間外労働の80時間というのは、過労死ラインの目安となる時間です。おかしすぎるでしょう。
●ブラック企業大庄の「日本海庄や」の過労死 「月80時間残業しないと減給」
さて、検索かけると問題の企業の名前が簡単にわかりました。私も聞いたことあります、「日本海庄や」です。
「月80時間残業しないと減給」店員過労死、両親提訴へ 2008年12月19日11時30分 朝日新聞 阪本輝昭
全国チェーンの日本料理店「日本海庄や」の店員、吹上元康さん(当時24)が急死したのは過酷な残業が原因だとして、京都市に住む両親が東証1部上場の経営会社「大庄」(東京)に約1億円の賠償を求める訴訟を来週にも京都地裁に起こす。(中略)
亡くなるまで4カ月間の時間外労働は月平均98時間余りで「2カ月以上にわたって月平均80時間以上」という厚生労働省の「過労死ライン」を超えていた。大津労働基準監督署は今月9日、その死を労災と認める決定をした。(中略)
両親側によると、大庄の担当者が作成したとされる「給与体系一覧表」では、吹上さんら一般職から管理職の店長・調理長までの8分類について、等級や最低支給額、手当や賞与の有無などが表になっていた。この表によると、最低支給額は吹上さんら一般職が最も低く月19万4500円で、最高は管理職の店長・調理長の月31万5千円~。しかし、欄外には一般職の最低支給額についてのみ、1行のただし書きがあり、「時間外(労働が)80時間に満たない場合、不足分を控除するため、本来の最低支給額は12万3200円」とされていた。吹上さんはこの給与体系を入社3週間後の新入社員研修で初めて知らされたという。両親は「事前に説明を受ければ入社せず、過労死することもなかった」と語る。
http://www.asahi.com/special/08016/OSK200812180095.html
●やはりブラック企業は普通じゃない…大庄の広報担当者は超強気に反論!
やはり詐欺という内容ですね。しかし、ブラック企業はやはり面の皮が厚いです。全く動じません。大庄の広報担当者は朝日新聞記者の取材に対し、以下のように反論しています。
「月額19万4500円は80時間残業した場合の給与を一つのモデルとしているに過ぎず、長時間の時間外労働を強いているわけではない」
「サービス業である以上、残業が必要な場合もある。給与体系は採用時の会社説明会などで詳細に伝えている」
記事には"労働基準法は労働契約を結ぶ際、賃金や労働時間などの労働条件を明示することを企業側に義務づけている"とあり、裁判するまでもないと思うのですけど、Wikipediaによればまだ争っている雰囲気です。
過労死事件
2008年12月22日に、長時間の残業により24歳の従業員が過労死したとして、この従業員の両親が、約1億円の損害賠償を求め、京都地方裁判所に訴えを提起した。
原告の主張は、新入従業員を月額19万4,500円で募集していたが、その月額は80時間の残業を前提としており、それ以下の場合は減額され、最低月額は12万3,200円であった。2008年度のリクナビ求人サイトには、月額19万6,400円+残業手当と書かれていたという。
2010年5月25日、京都地方裁判所は原告の請求を認容、同社と取締役4人に対し約7,860万円の支払いを命じた。判決理由は「長時間労働を前提としており、こうした勤務体制を維持したことは、役員にも重大な過失がある」、「生命、健康を損なわないよう配慮すべき義務を怠った」と指摘している。過労死を巡る訴訟は、会社側が責任を負うことが一般的で、取締役の賠償責任を認めた司法判断は珍しい。原告代理人の弁護士は、「上場企業の役員個人の責任が認められたのは画期的」と述べた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%BA%84
●明らかにブラックな内容なのに大庄は納得せず最高裁まで争う
地裁では前述の通り、大庄側が完敗。りゃ、そうです。こんなの認められるわけがありません。しかし、"この第一審判決に対して、被告大庄側は大阪高等裁判所に控訴"します。マジでこれが通ると思っているんでしょうか?
ただし、これもあっさり棄却されます。当然ですね。
2011年5月25日、大阪高等裁判所は約7,860万円の賠償を命じた第一審京都地裁判決を支持、会社側の控訴を棄却した。従業員死亡までの約4カ月間の時間外労働は月平均100時間超で、厚生労働省が定めた過労死認定基準(月80時間超)を上回っていた。控訴審の審理において控訴人大庄側は、月100時間までの残業を認めた労使協定があり「外食産業では一般的」と主張したが、裁判所は「過大な残業が常態化し、協定でも補いきれなかったのが実情に近い」と認定し、三六協定や賃金体系の体制作りは「経営判断事項」とする大庄側の主張に対し、「責任感のある誠実な経営者であれば、自社の労働者の至高の法益である生命・健康を損なうことがないような体制を構築し、(中略)義務があることは自明」とその主張を退けた。
でも、まだ続いているのでは?と書いたように、ここで終わりではありませんでした。会社側は2011年6月8日、控訴棄却を不服として上告し、引き続き最高裁で争われることになった、とのこと。
上記の裁判ペースから行くともう結果が出てそうなものですが、Wikipediaはここまででしたのでまだ続いているのでは?と一応書いておきました。これもさっくり棄却されてそうですけどね。
2018/12/26:今Wikipediaを読み直すと、「訴訟では最高裁まで争われた結果、労働者側の言い分が認められ、会社と役員に対しても7860万円の支払いが命じられた」とありました。そのまま認められたようです。
●「庄や」だけじゃない…大庄が経営するブランドはたくさんあるので注意
なお、経営する株式会社大庄(だいしょう)は、なんと東証一部上場なのです。そして、「庄や」以外にも多数のブランドを持っている他、関連会社も多いみたいですので、気をつけてくださいね。
<展開業態一覧>
庄や
やるき茶屋
新やるき茶屋
日本海庄や
大漁日本海庄や
日本海北前庄や
歌うんだ村(カラオケ)
中の濱
榮太郎
こりゃうめぇ
ちゃぽん
呑兵衛
大和路
マ・メゾン
あっぱれ
鮮乃庄
すし築地日本海
ジョン万次郎
ジョン万次郎Ⅱ世
讃岐茶屋
磯や
魚彩
個室割烹日本海
お好みもんじゃ
立ち呑み 呑んき
ぐるめんはうす
心らぁめん
蕎麦蔵 結
おでん 自然
茶寮 結
ととや市場 結
鳥キング
魚がし庄や
大庄水産
よろこんで庄や
らーめんにんじんや
ごはん処 東京きっちん
ブルワーズハウス
MIYABI
949(関連子会社)
949海(関連子会社)
塩梅(関連子会社)
築地日本海(関連子会社)
浜の母や(関連子会社)
満天酒場(関連子会社)
佐吉(関連子会社)
天(関連子会社)
蔵七(関連子会社)
壽司岩(関連子会社)
イズプランニング(大庄の関連子会社)
米川水産(大庄の関連子会社)
アルス(大庄の関連子会社)
アサヒビジネスプロデュース(大庄の関連子会社)
新潟県佐渡海洋深層水(大庄の関連子会社)
寿司岩(大庄の関連子会社)
【本文中でリンクした投稿】
■
ブラック企業の特徴・社員の使い捨てと選別 とにきは過労死も【関連投稿】
■
ワタミの労働は本当にブラックなのか?日経新聞記者が企業に突撃 ■
すき家の労働は本当にブラックなのか?日経新聞記者が企業に突撃 ■
日本の会社はもっと解雇すべき パナソニックの不当な退職強要 ■
三菱電機248億円水増しで773億円返納へ 防衛省、JAXAなどで数十年間 ■
企業・会社・組織についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|