2013/2/3:
自動運転の本当の問題は安全性ではない
安全性の高さが自動運転車の弱点になる理由
伊藤正倫氏「自動運転で事故は減るけど、車離れが起きるから問題」
●自動運転の本当の問題は安全性ではない
2013/2/3:ええ、それ言っちゃうの?というお話が、
「グーグルカー」は本当に必要ですか?安全技術の先にあるクルマらしさの喪失(伊藤 正倫 2013年1月28日(月) 日経ビジネスオンライン)がありました。
ただ、まず自動運転の安全性に関する話から。自動運転批判として多い「事故が起きる!」ですけど、データ的にはむしろ自動運転の方が良いという結果ばかり。今回の記事の作者・伊藤正倫さんも、この安全性については、自動運転批判の材料にしていません。むしろ以下のように、技術が確実に向上していることを強調していました。
"関連技術は今年、さらに普及・進化するとの見方は多い。各社がこぞって採用したことで「レーダーなどの部品単価はどんどん下がっている」(マツダの内藤氏)。日産自動車で将来必要になりそうな技術の先行開発を担う技術企画部の佐藤学部長は「安全技術は、EV(電気自動車)と並ぶ大きなテーマ。法制度の整備などの条件があるが、安全技術は自動運転技術へと向かうだろう」と認める"
●安全性の高さが自動運転車の弱点になる理由
ところが、作者はこの方向性に疑問をぶつけていました。前述の部分に続き、伊藤正倫さんは、「確かに、自動走行によって人為的なミスが生じる余地は減るだろう」とまずは認めます。その上で、以下のように指摘していました。
"完璧なシステムは存在しない。自動運転中のドライバーはいわば“乗客”になるから、通常の運転時と同じように周囲に注意を払い続けることを求めるのは難しくなるかもしれない。万が一、システムに誤作動が起きると大惨事につながりかねない"
さらに、"運転席で居眠りをしたり、飲酒したりしても自動運転に支障がないとなれば、ドライバーのモラル低下を招く危険性もある"と指摘。こういった事態は確かに私もあると思います。自動運転の最大の弱点かもしれません。
これによって、安全性が向上する技術の採用をやめるべきだとは思わないものの、「自動走行車はクルマの乗り方と役割を一変させるだけに、その反作用については慎重に検証する必要がある」といった言い分はまだ理解できました。
●伊藤正倫氏「自動運転で事故は減るけど、車離れが起きるから問題」
ただ、理解不能で驚いたのが、この後の部分でした。
"また、多くのマイカー所有者にとって、クルマは走る喜びを感じられる存在だ。単なる移動手段ではないところに、替え難い付加価値があるとしたら、自動走行はクルマらしさの喪失につながりかねない。クルマ離れに拍車をかけてしまっては元も子もないと考えるのは、筆者だけだろうか"
こっちが本音なのかもしれませんね。実を言うと、一連の文章の前には以下のようなことも書かれていました。
"自動走行によって交通事故が減るだけでなく、通常の運転が難しい高齢者などの外出機会を増やせるとの指摘がある。半面、クルマがそこまでする必要があるのかとの疑問も湧く"
プロフィールを見ると日経ビジネス記者とだけで業界関係者じゃなさげなんですが、「自動車業界は利益優先で考えるべきで安全は二の次にすべき」といった主張だと捉えられかねない言い方で、びっくりしてしまいました。
【関連投稿】
■
若者の車離れは当然 でもみんな本当に自動車にかかるお金を知らない ■
ドライブレコーダーのすすめと意外な活用法 安全運転効果や動画撮影使用 ■
音楽を奏でる道路メロディーロードの仕組み 北海道の建設会社が開発 ■
自動運転車グーグルカーは事故だらけ?雨の日も使えない役立たずか? ■
ディーゼル車はガソリンエンジン車より燃費が良く、二酸化炭素排出量も少ない ■
商品・サービス・技術についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|