「大津市民病院、医師9人が退職」といった短縮見出しが見えて何ごと?と思ったら、大津市民病院理事長が、京都大の医師らに圧力をかけたところ、圧力があまりにも効きすぎて集団退職に繋がって慌てて弁明…といった感じでした。理事長は京都府立医科大名誉教授で、どうも自分の学閥の医師をねじ込もうとしたようです。
●外科・消化器外科・乳腺外科の医師10人のうち9人が退職の異常
2022/02/17追記:
大津市民病院の外科医9人が退職意向 「パワハラ」めぐり争い:朝日新聞デジタル(菱山出2022年2月15日 22時30分)によると、大津市の地方独立行政法人・市立大津市民病院は、外科・消化器外科・乳腺外科の医師10人のうち9人が退職する意向を示していることを明らかにしました。「10人のうち9人」ですから、たいへんなことになっています。
大津市民病院、医師9人が退職意向 理事長からの「強要」主張 毎日新聞 2022/2/15 19:44(最終更新 2/15 22:57) で話を聞いた関係者によると、2021年9月、京都府立医科大名誉教授でもある理事長が「京都府立医科大チームと代わったらどうか」と発言しました。
医師らは9人は「退職を強要された」「全員交代」と認識と受け止め、京大も、病院に対し「チームを派遣しない」と通告する事態に。医師側はパワーハラスメントだとも主張しましたが、病院内部の検証ではパワハラと認定されていません。ただし、一般論で言うと、パワハラのもみ消し自体はよくある話です。
●京都府立医科大教授の大津市民病院理事長、京大排除で医師大量退職?
また、たとえパワハラがなかったとしても、「京都府立医科大チームと代わったらどうか」と発言した時点で今回は問題であり、この発言が事実かどうかが争点でしょう。そして、朝日新聞によると、会見した理事長自身が「主たるチームを京都府立医科大にかえたい」と外科医側に伝えたと言っており、これは事実のようです。アウトですね。
医師側は2月から、「院長・理事長・事務局長の決定による病院運営上の判断で、全員が退職しなければならなくなった」とする文書を患者に配布したと毎日新聞では書いており、準備を進めていた模様。9人の退職は京大からの指示で、「信頼できない病院には安心して京大の医師を派遣できないということだ」と話したそうです。
朝日新聞の取材に外科医の一人は理事長から『外科の業績が思わしくない。京都府立医大と交代し、京大に撤退しなさい』と言われた。業績はコロナ以前に戻ったと説明したが認められなかった」と話したとのこと。理事長の希望通り「撤退」となったのですが、理事長の方は後のことを考えて準備していたわけでもないみたいですね。
●理事長はほぼ京都府立医科大学一筋 各学会の理事務める大物医師
ドクターズガイド|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイトによると、市立大津市民病院 理事長は、ほぼ京都府立医科大学一筋といった感じの経歴。教授から名誉教授となったのは2021年からで、同年に市立大津市民病院理事長になったばかりでした。多くの学会で理事を務めた経験があるため、かなりの大物のようです。
1981年 京都府立医科大学 卒業
1986年 米国バッファロー医学財団研究所留学
1988年 京都府立医科大学医学博士
1993年 社会保険京都病院産婦人科部長
2008年 京都府立医科大学教授
2017年 京都府立医科大学附属病院病院長
2021年 京都府立医科大学名誉教授
市立大津市民病院理事長
理事:日本生殖医学会(副理事長)、日本女性医学学会、日本エンドメトリオーシス学会、日本生殖内分泌学会、日本受精着床学会、日本生殖発生医学会、日本女性心身医学会、近畿エンドメトリオーシス研究会代表世話人、京都産婦人科救急診療研究会代表、他
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