"海外の女性役員や管理職 「日本企業の社員は男性ばかりで怖い」"(2013/2/4)という投稿だったのを、"女性の社会進出、日本はアジア以下 男性より現実的で論理的な思考ができる?"(2017/05/09)を追加して、タイトル変更しました。
●海外の女性役員や管理職 「日本企業の社員は男性ばかりで怖い」
2013/2/4:
日本で女性の社会進出が進まないのは離婚しないからの続きで、同じ
「女性が日本を救う」と叫ばれながら男性社会が崩れない、その本当の理由(2013年1月21日 永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー] ダイヤモンド・オンライン)という記事からの話。
永田公彦さんによると、日本の極度な男性優位社会については、多くの外国人女性が好感を持っていないと言います。これ自体は、特に驚く話ではありません。
しかし、驚いたのが、中には、一緒に仕事するのは「怖い」と言う人さえいるということ。まさか「怖い」という感想が出てくるとは思いもしませんでしたので、驚いてしまいました。それくらい、日本が特殊だということなのでしょう。
このように彼女たちは、オジサン達に違和感を覚え戸惑います。中には、一緒に仕事するのは怖いと言う人さえいます。それもそうです。上級管理職に関する国際比較データでも明らかですが、彼女たちは自国でも他の多くの国々でも、相手(部課長クラス以上)が女性である確率が10人に3~5人という環境で働いています。これが日本だと、その確率が20人に1人となり、よほど運が良くない限り相手は全員男性です。また、この傾向は、企業に限らず、公務員や政治家の世界でも同じです。
●高齢男性しかいない会社の人に飲み会に誘われる恐怖
また、日本の企業と仕事をせざるを得なくなった欧米系企業の役員や部課長級の女性が、よく筆者に次のような質問をするそうです。
「日本のパートナー企業からでてくる人たちは、皆年配の男性。私のような若手の外国人女性との交渉や協業はやりにくいのでは?」
上記では男性優位社会だけでなく、年功序列的なところもも見えています。世代も性別も違う人ばかりで戸惑ってしまうようです。
他によく聞かれる話として、以下のようなものがありました。こちらは上記と違って、ポジティブな話に見えます。
「日本の企業を訪問したら、受付で若い女性が可愛い笑顔で迎えてくれる。次に指の先まで綺麗にした中年女性がやってきて会議室まで案内してくれる」
ここで、「ああ、日本も女性社員が多いんだな…」と彼女らは思うようですが、これは大間違い。女性社員は案内役専用なのです。
「ところが、会議室に入ってくるのは年配の男性ばかり。なぜ、ここまで男女の役割分担がはっきりしているの?」
また、男性ばかりであることは、飲み会でも戸惑いが生じます。これは「怖い」にも通じそうな話でした。
「日本出張中に飲みニケーションに誘われた時、お断りしたらまずいかしら?日本人男性の中に私が紅一点というのは変じゃない?日本人女性みたいに私から男性にお酌しないとだめかしら?」
●日本人は異性を意識しすぎなのか?
ただ、この記事自体はちょっと矛盾したところもあります。
日本に行く度に感じることがあります。まず、男女差別ならぬ年々エスカレートしている感すらある「男女区別」です。
例えば、世界も驚く、女性専用車両(+男性専用車両構想)、ホテルの女性専用フロア、女性専用マンション、女性専用バス、男性専用ネイルサロン、男性専用シェアハウスなどです。また、仕事の休憩時間や昼食時に男女別々に固まる傾向もあります。女子会は、今やブームを越えすっかり定着しているかのようです。
これに加え、変に異性を意識します。電車やエレベーターの中で、同性同士だと体が触れてもさほど気にしないのに、相手が異性だと変に気を使います。深夜のオフィスで、残業で最後に残ったのが男女2人だと、互いに変に異性を意識してしまいます。
職場でもテレビのバラエティ番組でも、「女子はこうだ」「男の人って…」と男と女を集団的に区別した発言が飛び交います。夫婦参加のパーティーや食事会では、旦那さんチームと奥さんチームで固まりがちです。他人の妻と話をする男性や、他人の夫と手が触れた女性は、居心地悪そうに周りを気にします。
異性を意識せず、他人の奥さんや旦那さんと自然に会話を楽しむ欧米のパーティーとは対照的です、この男と女の変な異性意識が、仕事仲間としての男女の自然な交わりを妨げ、女性が男の牙城に入ることを難しくしています。
しかし、前半の話からすれば、欧米の人もやはり異性を意識しているところがあると考えた方が良さそうです。もちろん永田公彦さんは日本は欧米と比較して意識が強すぎる、と強調したかったのだとは思いますけど…。
●女性の社会進出、日本はアジア以下 男性より現実的で論理的な思考ができる?
2017/05/09:上記は「欧米だから」と思うかもしれないものですが、アジアでの女性活躍に関する話もありました。てんやを運営するテンコーポレーションの社長である用松 靖弘さんが、青木宣行海外FC部長に話を聞いている
てんや、海外で「てんやわんやですよ」:日経ビジネスオンライン(用松 靖弘 2017年3月29日)という記事の中で出ていた話です。
「アジアは女性がマネジメントに参加している国が多いですよね」という用松社長の質問に、青木部長は、「ええ、ASEAN諸国では、商品や人事部門は、女性がトップのことが多いです」と答えています。
例えば、タイで一二を争う大企業で、レストラン運営会社は約800店を運営しているセントラルレストラングループ。こちらのゼネラルマネージャーが女性で、今は異動された二番手の方も女性でした。
インドネシアも商品開発系の役員は女性ですし、フィリピンもオペレーション部門の役員は女性です。女性が外に働きに出やすい国になっているように思うと、青木部長は感想を述べていました。
さらに個人的な感想になるので注意が必要ですが、お客様の立場に立つのは、女性の方がうまいと感じるとも言っていました。これは、日本ではよくある「とにかく食べてくれ。食べてくれれば分かる」に対し、「お客様が入らなかったら、味が良くても分からない」ので、「まず、どうしたら店にお客様が入るか」という、マーケティングに凄く力を入れているということ。
現実的で、論理的な考え方だと言えますし、てんやの場合、異なる食文化からの参入ですから、特に来店してもらうというのは重要なことだと言えます。
なお、こうした来店機会重視の戦略は、最近だと、ミスタードーナツやかっぱ寿司がやっていることを、
セブンのコンビニドーナツはミスタードーナツにとってむしろ良い効果?で書いています。
「いいものを作れば売れる」という思想での失敗…といった言い方をすると、食品業界だけでなく、家電業界にも通じるような考え方の違いを感じました。
【本文中でリンクした投稿】
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