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ディーゼル車はガソリンエンジン車より燃費が良く、二酸化炭素排出量も少ない


 今さらな話なのか、まだ知られていない話なのかわかりませんけど、ディーゼルエンジンの話です。


 日本の政治家のやり方もマズかったと思うのですが、ディーゼルエンジンはなぜか環境に対して悪いものといったイメージを植え付けられました。

 そして、たぶんそのイメージは払拭されていないのではないんじゃないかなと思ったので、今回一応書くことに。

 こう書くからにはディーゼルエンジン車は環境に悪いとも言い切れないわけなんですけど、それどころかヨーロッパではむしろ環境に良いクルマとして認知されています。

 今の日本の状況がよくわからないんですけど、以前のままだとすればヨーロッパとは正反対なわけなんですね。


 Wikipediaではこうあります。

長所

燃費・効率面

燃料の比較では、軽油はガソリンに比べ単位質量あたりの熱量が高く、同じ体積から取り出せる熱エネルギーが21 - 23%程度大きい。

燃焼室内の空気過剰率が大きいため、作動ガスの比熱比が高く図示熱効率が高い(投入したエネルギーに対して燃焼ガスの温度上昇に使われる割合が高い)

部分負荷時の燃料消費率が低く、同じ仕事に対する二酸化炭素の排出量が少ない。端的には燃費が良くなる。これがヨーロッパでのディーゼルシフトの最大の要因であり、世界初となった燃費100km/3リットルの自動車の実用化もディーゼルエンジンなしでは困難であったと思われる。

高回転運転には不適なため、同排気量あたりのガソリンエンジンと比較して表示上の最高出力は低い。しかし実用トルクの発生回転数がガソリンエンジンに比べて低く、しかもフラットな特性であるため、低回転でも出力が得られる。実用回転域が下がることにより、機械的な損失が減り、燃費の向上にも寄与している
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

 下記のサイトではもう少し優しい書き方をしていました。

ガソリンエンジンとディーゼルエンジン クルマ.info 自動車情報ガイド

【メリット】

燃費がよい

内燃機関で熱効率(燃焼時に動力に転換させる熱量の比率)がいちばんよい。ガソリンエンジン・・・32%  ディーゼルエンジン・・・46%
すなわち、燃料の熱量に対して動力に変わる割合が大きいので燃費にすぐれていることになります。

地球に優しい

地球温暖化の要因となるCO2(二酸化炭素)の排出量 は、消費する燃料の量に比例して増加します。よって熱効率のよいディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べCO2排出量 が格段に少なくなります。
また、CO(一酸化炭素)・HC(炭化水素)は不完全燃焼時に発生しますが、ディーゼルエンジンは燃料に対する空気の量 が多い為、CO・HCの排出が少なくなります。
http://www.kuruma777.com/info001.html

 先程言ったヨーロッパの印象も下記のような感じです。
Q & A about Bosch Diesel Technology ボッシュ・イン・ジャパン

Q3 ヨーロッパではなぜディーゼルエンジンの人気が高いのでしょうか?

A ヨーロッパでは、ディーゼルエンジンは低公害でクリーンなエンジンだと認識されていることが人気の高い理由のひとつです。環境意識が高いヨーロッパでは地球温暖化を防ぐために CO2(二酸化炭素)の削減が急務とされていて、2008年には自動車の CO2 排出量を140g/km 以下に自主規制することを目標とし、2012年にはさらに120g/km以下に規制が強化される予定です。それには燃費のいいディーゼル車が圧倒的に有利ですし、一回の給油で長距離を移動できる利点があります。そして「Fun to Drive」を体感できることも人気の大きなポイントです。ディーゼル特有の低速トルクはゆとりのある走りを約束します。特に若い人たちの間では、価格が多少高くても運転が楽しいディーゼル車を買う方がカッコイイという意識もあるぐらいです。
http://www.bosch.co.jp/jp/diesel/qna/


 ただし、ガソリンエンジンと比べて完璧に環境への負荷が少ないと言えるか?となると、疑問符がつきます。(以下、Wikipediaより)
ガソリンエンジンより熱効率の高いディーゼルエンジンは、原理的には環境への負荷が少なくて済む。しかし、ガソリンエンジンには無いいくつかの問題点も含んでいる。

あらかじめ空気とガソリンを混合して圧縮するガソリンエンジンと異なり、高温の空気中に液体燃料を噴射する拡散燃焼の原理上、均一な燃焼が難しく、PMや黒煙を発生しやすいことが欠点である。また、高温高圧環境を利用する内燃機関の中でもディーゼルエンジンは特に高圧であり、また余分に空気を取り込むことから、原理上は窒素酸化物 (NOx)の生成量が多くなってしまう。

さらに、部分負荷域(パーシャルスロットル)での空燃比は30:1から60:1と希薄となるため、排出ガスは酸素過多の状態となり、そのままでは排出ガス浄化のための触媒である三元触媒が有効に働かない。

 先の"クルマ.info 自動車情報ガイド"では、"酸性雨の原因であるNOxや黒煙に代表されるPMが多く排出される"と書いていましたけど、この関係はWikipediaによれば「二律背反」なのだそうです。

 つまり、一方を防げば一方が増えるということですね。実は黒煙の出ているときは、NOxは少ないってことなんでしょうね。変な感じですけど。
NOxと黒煙

排ガス中のNOxと黒煙とは、二律背反の関係にある。

高圧噴射で少量の燃料を完全燃焼させ黒煙の発生を防ごうとすると、高温高圧下でシリンダー内の窒素(空気)により、NOxが生成されてしまう。このため、ガソリンエンジンと比べてより多くの空気(窒素)を吸い込むディーゼルエンジンは黒煙の発生対策が容易ではない。燃焼時間を伸ばし温度と圧力のピーク値を抑えるとNOxの生成は減らせるが、従来の1回吹きでは、燃料過多となり燃え残りが増えて黒煙が多くなり、燃費は悪化し、CO2とCOやHCも増加するという別の問題が発生する。

 ただ、まあ、これは昨今の技術の進展でだいぶ抑えられてはいるようです。

 さらにもう一つ、硫黄酸化物 (SOx) の問題があります。
硫黄とSOx

ディーゼル燃料(軽油)には硫黄が残留している。そのためディーゼルエンジンでは有害な硫黄酸化物 (SOx) が排出される。また、触媒表面に付着した硫黄成分は排気ガス浄化のための触媒機能を阻害する。欧州で使用される軽油が低硫黄分の北海産原油を原料とすることが多いのに対し、日本で使用される軽油は高硫黄分である中東産原油を原料とすることが多く、欧州に比べ脱硫レベルは低かった。

日本では従前、産業用として安価であることが優先される軽油と重油では高レベル脱硫が行われず、酸化触媒の普及も進まなかった。このことは、ディーゼルエンジンによる大気汚染拡大にも関係していた。脱硫に関しては2004年末、自動車排出ガス規制に関連する「自動車燃料品質規制値」の変更が行われ、軽油に含まれる硫黄の許容限界は、従来の0.01%質量以下から0.005%質量以下へと改められた。

 日本でかつて問題となったのはこのSOxの部分かな?と思いましたけど、どっちかと言うとNOxであるかのようにWikipediaでは書いているところもありました。
従来の噴射量・噴射時期制御と大量EGRによる対策のみではガソリンエンジンより有害排出物が多く、欧州メーカーのディーゼル車はNOx値の規制が厳しい日本や米国の排出ガス規制を満たしていないものがある。

 結局、国によって規制値が違うからってことですかね。食品なども他国の値をもって「日本はおかしい」とすることが多いですが、実際には日本の方が厳しいものもありまちまちなんです。

 また、その他のデメリットとしては以下です。
 環境面への影響として、自己着火に必要な高温を高圧縮で作るため、振動や騒音が大きくなったり、小排気量エンジンの場合はエネルギー損失が多い。また、脈動が大きく、吸排気系の振動や騒音が大きい。


 基本的には"長所と短所はエンジンとそれを搭載する乗り物が大型であるほど長所が目立ち短所が目立たなくなる傾向がある"そうです。

 そのため、"小型車はガソリンで大型車はディーゼルになることが多く、船舶や鉄道など大型機関を搭載した大量長距離輸送手段はディーゼルの独擅場"となっているようです。

 先程の環境性能も同様に一長一短といったところでしょうか?


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