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スマートフォンの時代は終わる 久夛良木健元ソニー副社長


2022/07/24追記:
●スマホの時代は終わる?グーグルが開発中の新デバイスに期待感 【NEW】

久多良木健のプレステ革命 (ワック文庫) 麻倉 怜士




●スマートフォンの時代は終わる 久夛良木健・元ソニー副社長

2013/2/11:タイトルを見て一瞬「おっ?」と思った「スマートフォンの時代は終わる」(白石 武志 2013年1月29日 日経ビジネスオンライン)という記事。ただ、<サイバーアイ・エンタテインメント社長兼CEO、久夛良木 健氏に聞く>とも書かれていて、この「予言」をしているのは、元ソニー副社長の久夛良木健さんでした。

 ソニーが先を読めなかった(2021/09/13追記:投稿当時のソニーは不振)んですから、全然説得力を感じない…と思ってしまいました。何だかあっという間に上がったテンションが下がってしまいましたが、一応読んでみます。最初は以下のような話がありました。久夛良木 健さんは2人目の「賢者」だそうです。

<連載2回目に登場する賢者はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション」の生みの親で、現在は自ら設立したサイバーアイ・エンタテインメントで次世代技術の開発に取り組む久夛良木健氏。クラウドコンピューティングが加速することで、ネット社会の主役はスマートフォンやタブレット端末ではなくなっていくと予言した。不振を極めている日本の家電メーカーが復活するカギも、そこにある>


●プレステ時代からクラウドを構想も時代が久夛良木健に追いつかず

 久夛良木 健さんと言えば、プレステ。しかし、夛良木健さんの本当の関心は、ゲームではなく今で言うクラウドだったようです。「プレイステーションの開発において、インターネットはどのように意識されていたのでしょうか」という質問に対して、まず、以下のように答えています。

<SCEが初代のプレイステーションを発売したのが1994年。プロジェクトの段階から数えるともう20年以上が経ちますが、私はプレステの開発を始めた当初から、どこかの時点でプレステをインターネットに“溶かしたい”という思いを持っていました>

 「プレステをネットに“溶かす”」というのは、変わった表現ですね。これは、ゲームソフトの情報をクライアント(端末)側ではなく、通信回線でつながったネット側で処理するという意味だとのこと。今で言う、クラウドコンピューティングに近い考え方だとも説明しています。

 ただ、当時はネットに常時接続するサービスがなかったため、構想を実現するにはあまりに早すぎたとのこと。「早すた天才」「時代が久夛良木健に追いつかなかった」という感じですね。一方で、現在なら受け入れられる考え方だと言えるため、以下のようにもおっしゃっていました。

<現在では米アップルのスマートフォン「iPhone」など、新たなネット端末が登場し、様々なクラウドのサービスが普及し始めました。10年前にはできなかったサービスが、これからの10年では十分に実現可能になっています。いよいよ、すべてのゲーム機がネットに溶け始める時期が到来したと確信しています。>


●過去記事を見ると、プレステ次世代機で野心的な構想があったのは確か

 このクラウドの話で思い出したのが、以前書いた投稿のPS次世代機の処理能力は1000倍は欲しい…と言っていたソニーです。元記事の日付が不明ですけど、メールにメモしたのは2002年3月24日で、おそらく当時とっていた読売新聞の記事(ネット記事ではなく新聞紙)だと思われます。以下のような内容が書かれていました。

<『プレイステーション3』(PS3)の研究戦略は分散コンピューティングに重点を置いている。ソニーの計画では、ネットワークでつながれたゲーム機がソフトウェア、処理能力、データを共有するものになると考えられる>

 これを読むと、今になって話をでっち上げて自慢しているのではなく、当時からそういった構想があったというのも嘘じゃないのかな…と最初思ったんですよ。ただ、よくよく考えると、分散コンピューティングとクラウドは違いますね。勘違い。分散コンピューティングの話もおもしろくて、私はワクワクしたんですけどね。


●今のクラウドはもう古い?消費者が求めているのはSF映画のようなAI

 「クラウドの先にあるネットの世界は、どのようなものになるのでしょうか」という質問に対しては以下のような回答。最初誤読していて、この部分でトンチンカンな感想を書いていたので修正(2021/09/13)。読み直してみると、ここだけクラウドを悪く言っているように見えましたが、正直よくわかりません。

<極論すれば、今のネットサービスの多くは、映画や音楽など、既に完成したものをデジタル化してどこかの場所に記録しておき、利用者の要望に応じてコンピューターを使ってネットで配信しているにすぎません。米アップルが手がける「iTunes」も、基本的にはこうした考え方に基づいています。これは20世紀的な発想だと思います。
 消費者がネットに求めているのは、スタンリー・キューブリック監督のSF映画「2001年宇宙の旅」に登場する人工知能「HAL9000」のように、1つの問いに対して答えを1つだけ返してくるような能力です。そのためにはコンピューター側で情報を処理する機能を一段と高める必要があります。これからのネットは単なる配信用としてではなく、膨大な情報を処理できる超巨大コンピューターのようなイメージを目指すのではないでしょうか>


●スマホはカードのような薄さでタブレットは下敷きになる?

 タイトルになっていたスマートフォンの話はこの後でした。「ネット端末はどんな姿になりますか」という質問に対して、「スマホブームは一時的なものだと思います」と回答。スマホは高機能化を続けているのですが、こうした高機能競争は間違っていると指摘しています。

<本来、ネット端末は消費者に持っていることを意識させてはいけないのに、今のスマホはCPU(中央演算処理置)がどんどん高機能化して、1日で電池を使い切ってしまうようになっています。これは端末メーカーの発想が古いままで、クラウド側で十分な情報を処理できないことに原因があるのではないでしょうか。
 一般には、スマホの高機能化がこれからも続くように思われているかもしれませんが、これは端末メーカーにとって都合のいい進化、願望に過ぎません。そもそも、数100グラムもの重さがあって、すぐに電池を消耗する現在のスマホやタブレットを何台も持ち歩くのはわずらわしくはありせんか。私は理想のネット端末とは言えないと思います。
 今後10年の間に、クラウド側であらゆる情報を処理する環境が整えば、端末が豊富な機能を持つ「リッチクライアント」の時代から、端末には限られた機能しか持たせない「シンクライアント」の時代へ大転換が起きると予想しています。スマホはクレジットカードのような薄さに、タブレット端末は下敷きぐらいの薄さになるのが理想的です。そうなれば、消費者は様々なサイズの端末をいくつも持ち歩き、状況に応じて使い分けるようになるはずです>

 Googleのパソコンってこんな発想じゃありませんでしたっけ? でも、どうせ下敷きくらいの薄さになるのなら一枚で良いくらいになってくれりゃいいのに…と思っちゃいました。消費者は様々なサイズの端末をいくつも持ち歩き、状況に応じて使い分けするって、それはそれで不便ですよね…。全然便利じゃなさそうです。

 以上のように、正直、本当かいな?という話。ただ、ハード重視じゃないというのはおもしろいところ。日本はハード重視すぎてその他でダメっぷりを発揮しているというのは、日本企業がアップル・グーグル・マイクロソフトに追いつくのは不可能 ソフトウェアとセキュリティの重要性を理解できない日本でも書かれていました。違うところを見ている日本人がいること自体は、良いことです。


●スマホの時代は終わる?グーグルが開発中の新デバイスに期待感

2022/07/24追記:「スマホの時代は終わる」と言われつつ、全く終わりそうな気配がありません。なので、話半分に聞いておいた方が良さげなんですけど、最近になって、スマホ時代の終わりは近そう。Google I/Oで発表された秘密兵器 | ギズモード・ジャパン(2022.05.12 21:30 塚本直樹)という記事も出ているのを見つけました。

<Google(グーグル)の開発者向け会議こと「Google I/O」。「どうせ開発者向け会議でしょ」となめていたら、とんでもない新製品の山、山、山…ガジェットオタクなら涙を流すような、熱い展開となりました>
<その中でもリチャード(引用者注:ギズモード・ジャパンのガジェットコーディネーターこと西谷茂リチャード)が注目したのが、AR(拡張現実)機能を活用したスマートグラスのプロトタイプでした。
 (中略)音声認識などのAI(人工知能)を利用して、目の前の人が喋っていることを書き起こしたり、あるいは外国語を翻訳してレンズに表示してくれるんです。このようなウェアラブルデバイスとAIの進化により、いずれスマートフォンはいらなくなってしまうかも?>

 記事では、グーグルは以前「Google Glass」を一般向けに発表したものの、搭載カメラによるプライバシーの問題などにより失敗したと書いています。私もすぐにこのことを思い出しました。それでも、今ならセキュリティやAI処理の発達で克服できるかもと書いています。ただ、飽くまで「かも」という軽い調子だったんですよ。

 プライバシーは技術が上がれば解決というものではないですし、私は懐疑的です。しかし、最近読んだ遺伝子組換えの記事で、電磁波が人体に悪影響だというデマが強く支持されなかったのは携帯電話が圧倒的に便利だったため…との説が出ていました。グーグルグラスも利便性が高ければ、プライバシー問題を吹き飛ばすかもしれません。

久多良木健のプレステ革命 (ワック文庫) 麻倉 怜士




【本文中でリンクした投稿】
  ■PS次世代機の処理能力は1000倍は欲しい…と言っていたソニー
  ■日本企業がアップル・グーグル・マイクロソフトに追いつくのは不可能 ソフトウェアとセキュリティの重要性を理解できない日本

【関連投稿】
  ■多角化で金融業が大成功 トヨタ、イオン、ソニー、ホンダ、セブン&アイ、楽天
  ■アンドロイドは儲からなくて良い グーグルがアップルのiPhoneを助けた理由
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