高齢社長などの話をまとめ。<日本の社長の高齢化止まらず過去最高 でも本当に悪いこと?>、<高齢で長期政権は社長が良い証拠?若手社長と比較してみた結果…>などをまとめています。
●日本の社長の高齢化止まらず過去最高 でも本当に悪いこと?
2020/03/12:
社長の高齢化止まらず 平均年齢「還暦」目前 : J-CAST会社ウォッチ(2020/2/ 2 17:30)という記事があり、この投稿のことを思い出しました。最初に日本の社長の高齢化がわかっているというデータがあった方がおもしろいかな?と思って、冒頭に追記しています。
人口の高齢化が進むなか、日本の社長もどんどん高齢化。帝国データバンクが毎年行っている「全国社長年齢分析 2020年版」によると、2019年の社長の平均年齢は、前年を0.2歳上回る59.9歳で、過去最高を更新したそうです。社長の平均年齢は、1990年に54.0歳。それ以降は小刻みに右肩上がりが続いてきました。
年商規模別にみると、「1億円未満」の企業の平均が61.1歳で最高齢となっています。企業の規模が小さいほど後継者難であることをうかがわせるデータです。ただし、上場企業の社長に限っても、平均年齢は58.7歳であり、全体の平均年齢59.9歳とほとんど変わりませんね。
この記事では、高齢の社長が増えていることが問題であるような雰囲気でした。直接そうであるとは書いていないんですけどね。政治なんかでも高齢で長期政権…ってのがあるのですけど、ひょっとしたらそうした高齢社長は良いことという可能性があります。…ということで、データで確かめてみよう!というのが以下の当初の話でした。
●高齢で長期政権は社長が良い証拠?若手社長と比較してみた結果…
2019/03/12:長期政権を築いた社長や会長などを辞めさせる場合、過去の実績というのもあり、たとえ高齢であっても多くの反対意見が出てきます。主張内容や最近のやり方を見ると明らかに良くないように見えた、セブンイレブンなどを傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文さんについても、過去の栄光があり、擁護が目立ちました。
ただ、エゴール・マトベイエフ・米MIT経営大学院客員助教授らの、良いCEOと悪いCEOの傾向について研究によると、長期政権、高齢CEOともに良くないデータとなっていたんですよ。個人差があり個別例に当てはめられませんが、鈴木敏文さんには悪いデータ。過去の実績があってもダメなのかもしれません。
まず年齢を見てみましょう。若いと言っても極端に若いわけではなく、研究では、58歳未満のCEOを若年CEO、65歳を超えるCEOを高齢CEOと定義しました。この若年CEOが退任すると企業価値が平均4%下がります。つまり、若年CEOのおかげで、その会社の価値は4%上がっていることを意味しています。
さらに、在職期間8年未満を短期、18年を超える場合を在職期間長期のCEOと定義した場合、高齢で在職期間の長いCEOは芳しくない傾向。彼らは企業価値を3%以上、下げています。すなわち、彼らが退任すればその企業価値は3%アップするというわけ。飽くまで全体の傾向ではあるのですが、辞めてもらった方が良いということです。
(
在職期間の長いCEOが交代に失敗する理由:日経ビジネス電子版 2018年12月27日より)
●創業者がいる企業は強い…高齢でも創業者なら違うのでは?
CEOは創業者であるかどうか…というのも重要なポイントでしょう。ここらへんはデータ的な話ではなく、飽くまで私の印象ではあるのですが、基本的に創業者がいる企業は強い…というイメージで、創業者が引退すると衰える企業が多いように見えます。ただ、今回の分析の結果はもっと複雑になりました。
若年の創業者は企業価値の9%近くを占めています。単に若いCEOだった場合の会社の価値に与える効果は前述の通り4%でした。加えて創業者であった場合数字が激増するんですね。ここはイメージ通り、創業者が会社に対して強く良い影響を与えているというもの。創業者であることがちゃんとプラスに働いています。
ところが、高齢で在職期間の長い創業者兼CEOという条件になると全く逆で、会社のお荷物になっているという分析結果に。先程3%下げているという話があった高齢で在職期間の長いCEOよりさらに悪く、5%以上、企業価値を押し下げていました。創業者なら長期政権高齢でも…ではなく、なおさらダメという結果になっています。
●若い方が成功する?若い人はどんどん起業をした方が良いのか?
なお、最初この話を追記するか迷った過去の投稿に、
倒産!会社を潰す社長5つの特徴 人情に弱くリストラ躊躇、高齢社長の企業もあまり儲からないがあります。こちらもタイトルでわかるように、高齢社長はダメという分析結果だったんですよ。同じなんですね。
また、注意してほしいのが、途中でもちょっと書いたように、若手社長とは言っても極端に若くなければいけないという定義ではないこと。今回の分析は58歳未満が若手で、「若者」ではないCEOが多数含むデータです。そして、うちでは、
若い方が起業の成功率上がるは嘘だった ワンマン社長タイプもダメという話もやっているんですよ。
「若い人は起業をすべきではない」と言いたいわけではないものの、起業はリスクがありますからね。この点は強調しておかなくてはいけません。「若い人は起業すべき」「若い方が成功する」「今の時代は起業した方が安全」などと安易に起業を勧める人がいるため、うちで釘を刺しておきます。
【本文中でリンクした投稿】
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