2022/08/20追記:
●肉食なのにネコがマタタビを好むって変じゃない?研究してみた 【NEW】
●またたびが猫に与える効果は酒に似ている 実は死ぬ危険性も
2013/2/19:猫がまたたびで喜ぶという話は広く知られています。
Wikipediaでも<ネコ科の動物はマタタビ特有の臭気(中性のマタタビラクトンおよび塩基性のアクチニジン)に恍惚を感じ、強い反応を示すため「ネコにマタタビ」という言葉が生まれた>という説明がありました。これは酒に酔った状態・酩酊状態にも例えられます。
このたとえはたいへん適確かもしれません。というのもお酒と同様に、与えすぎると危険かもしれないと思われる話を見つけたためです。<獣医のペット病院ウラ話!?>ペット病院ウラ話>マタタビだったのか!猫にマタタビの危険性>では、以下のような悲しいエピソードが載っていました。
<ある日、呼吸困難ですでに亡くなった猫が連れてこられたことがあったのですが、(病院に運ぶ途中に亡くなったらしい)その原因が分からないことがありました。(中略)
後日、飼い主が置いてあったマタタビの袋が開いていたことが分かったのです。ちょっと分かりづらいところに置いてあったらしく、ずいぶん後に「原因はマタタビか!!」という話になったのを覚えています>
http://pet-net.sakura.ne.jp/neko/nekoura3.html また、「樹の散歩道」というサイトの<マタタビとミヤママタタビ 効能に違いがあるのか>というページ(リンク切れ)でも、以下のように死ぬ危険性について書かれていました。また、「酒に酔った状態・酩酊状態にも例えられます」との関係でも、そのまんま「酩酊状態」という言葉が登場しています。
<この植物に接した猫は興奮のあまり半狂乱状ともなり、陶酔状ともなる。これはマタタビ酸という揮発性有機酸の作用によるもので猫の大脳を麻痺させ、次いで脊髄、延髄を麻痺させるからだという。マタタビに対して猫以外の猫族動物皆同じ反応がある。一時に多量を与えると呼吸系麻痺で死ぬことがある。【樹木大図説(上原敬二)】(中略)
これを食べて一種の酩酊状態になる。成分は果実と葉に27種のイリドイド化合物などが知られている。【原色日本薬用植物図鑑(保育社)】>
http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_matatabi.html
●酒に似ているように見えるが実は違う!酒酔いではなく性的興奮?
ただし、先の「獣医のペット病院ウラ話!?」の獣医さんは「「酔っ払う」と言った表現によく似ているので、アルコールと同列に考えてしまいますが、全く違うものなので注意!」として、「酒と違う」という点を強調していました。この獣医さんはマタタビは猫科の動物にとって性的に興奮させる媚薬だとされています。
違う点のひとつとして、少量の酒は百薬の長とさえ言われている一方で、マタタビで猫が健康になることはないとのこと。後に知った話によると、お酒が人間に良い影響があるというのも実は誤解であり、特に良い効果はないという研究も出ているのですが、とりあえず、こういった説明がありました。(この部分2022/01/09追記)
また、もう一つ違う点として、子猫や妊娠中には効果が薄いということ。これは、前述したような「性的な興奮」だとするとわかりやすいのではないかと書かれています。さらに、以下のような特徴があるために、注意が必要とのこと。一応またたびを与えることは禁止していないんですけど、あげるのをためらう話でした。
<マタタビは中枢神経、つまり脳みそ関係に麻痺を起こします。性的興奮がありますので、喉を鳴らし、目を細め、よだれを流して眠りはじめます。この作用はだいたい20~30分でしょう。
しかし、麻痺を起こすのが脳みそ関係であるということに注意しなくてはなりません。麻痺が重度になると、呼吸が出来なくなってしまうことがあるのです。(中略)
大体売っている製品は一袋0.5g程度なので、もし全部食べても大丈夫なことが多いですが、1g以上はあげないように、むしろ出来るだけ少量であげるように気をつけた方がいいですよ>
●肉食なのにネコがマタタビを好むって変じゃない?研究してみた
2022/08/20追記:言われるまで気づかなかった…と思ったのが、
肉食のネコがなぜマタタビをなめ、かむのか、岩手大などが解明 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト(2022.07.23 Science Portal)という記事の話です。そういえば、確かに変ですね。
岩手大学など日英の研究グループの発表によると、ネコがマタタビの葉をなめたりかんだりすることで、蚊を遠ざけるマタタビの性質を強めるということがわかりました。蚊を遠ざける効果があったようです。ただ、読んでみると、これ自体はすでに前年の時点で判明していた内容のようです。
<1950年代の研究で、ネコが化学物質「マタタビラクトン」の仲間を嗅ぐためとされた。これに対し研究グループは昨年、ネコが反応する最も強力な物質が「ネペタラクトール」であることを発見。これに蚊を避ける効果があり、じゃれると蚊に刺されにくくなることを示した。
ただ、ネコは肉食でマタタビを食べないのになぜ、葉をなめ、かむのか。研究グループはこの謎の解明を目指して実験を行った>
まず、マタタビを傷つけると、無傷のものに比べ、ネペタラクトールとマタタビラクトン類の総放出量が10倍以上に増えることを確認。これらは葉が傷ついたことのストレス応答で、酵素が活性化したためとみられます。ただ、本当に重要なのは、この後の「じゃれる」という行為だったようです。
<無傷の葉と傷ついた葉の有効成分を再現してネコに与えた。するとネコは、傷ついた葉を再現した方に、より長くじゃれついた。反応が長ければ、それだけ蚊をよける成分が体にこびりつく。また、蚊を使って実験すると、傷ついたマタタビの有効成分の方が、無傷に比べ、少量でも虫よけの即効性に優れていた。
ネコが反応する取っかかりはネペタラクトールでも、じゃれつかれて葉が傷つくとマタタビラクトン類が増え、防虫効果を大きく高めていた>
肉食なのにネコがマタタビを好むのはなぜか?というと、このように蚊よけ効果のため。ただ、蚊よけ効果を理解してかんでいるというよりは、マタタビをかむのが好きなネコの祖先の方がそうじゃないネコの祖先より生き残りやすかったため、今のネコはマタタビを好むネコが多い…といった感じだと思われます。
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