東大の不正やハラスメントに関する話をまとめ。<東大は人数が多いのに不正やハラスメントが少ない?隠蔽の可能性も>、<東大教授が東大卒を調査 結果、保守的で差別的だと判明!>、<セクハラ教授、女性派遣職員に「次の契約は更新しないぞ」とパワハラ>、<論文指導要請をさんざん無視し、締め切り直前に根幹揺るがす指摘>などをまとめています。
4番目に追記
2023/06/20追記:
●東大教授が東大卒を調査 結果、保守的で差別的だと判明!
最後に追記
2023/07/17追記:
●院生に「研究者の資質ない」准教授と助教のアカハラを認定 【NEW】
●東大の男性教授、広島大などと出張旅費二重取りで1千万円不正受給
2019/10/14:
東大元教授、1千万円を不正受給 出張旅費を二重取り:朝日新聞デジタルというニュースがありました。東京大の40代男性教授が出張旅費を共同研究先などに二重に申請し、計約1千万円を不正に受け取っていたことが判明したそうです。
記事では「元教授」となっているものの、不正などの問題で多いように発覚時点では「現役教授」。調査結果を認め、「一身上の都合」を理由に退職し、その後に発表されたために「元教授」となっているようです。
東京大によると、元教授は広島大大学院の准教授だった2011年度から18年8月までに、東京大と広島大に対し、本人と指導していた学生の分の出張旅費を二重に申請したとのこと。両方に請求して、2倍の旅費をとっていたんでしょうね。
なお、全部が東大からではなく、東大から不正に受領したのは約450万円だそうです。ほかに広島大から約420万円、人間文化研究機構からも約130万円を受け取ったということで、合計およそ1000万円となったみたいでした。
●東大は人数が多いのに不正やハラスメントが少ない?隠蔽の可能性も
例によって短いので別の話とセットにしようと思って気づいたのですけど、東大は規模が大きいわりに、研究不正や研究費不正やハラスメント関係の話が少ない気がします。隠蔽されているだけ…という可能性もなくはないですけどね。
東大不正、渡邊嘉典教授のみ捏造認定は忖度か?医学系は全部シロ判定などで書いたように、東大で認定されている数少ない研究不正が日本代表クラスの大きな不正で、なおかつ他にも隠蔽されている疑いが出ています。
で、実際にニュースを検索してみたのですけど、やはり研究費不正もハラスメント系も全然出てきません。ただ、書いているうちに、
女は頭が悪いから…男の弁解が頭悪すぎ 強制わいせつ罪の東大生という、これまたすごい話があったことを思い出しました。渡邊嘉典教授の不正の前にも伝説的な連続不正事件があり、東大の問題は数が少ない分、一つ一つがとんでもない規模になっている感じです。
安全に関する経験則として、大きな事故はいきなり起きず、小さな隠れた事故が多数ある現場で起きるというものがあります。判明している事件の規模の大きさから見ると、東大での問題は隠蔽されているだけ…という可能性をどうしても考えちゃいますね。
●東大でもハラスメントはあるが、早稲田大や大阪大と比べると…
さて、検索で出てきた東大の問題ですが、全くヒットしなかったというわけではなく、一つ関係しそうなタイトルのものを見つけました。
早大教授のセクハラに、東大・慶應etc.でも起きている「アカハラ問題」 | 女子SPA!(2018.07.11)という記事です。
記事のタイトルになっているのは、
早稲田大学でまたセクハラ 渡部直己教授問題では口止めも発覚の件。マンモス大学の代表校である早稲田大学の場合は普通にハラスメントや不正が多い上に、問題への対応も最悪でボロボロ。ここはわかりやすくダメな大学です。
「東大・慶應etc.でも起きている」というタイトル通り、この記事ではいろいろな大学の話を書いていました。東大の関係する部分としては、2015年には東京大学 大学院 医学系研究所の男性講師が、講師の女性に「性的行為の強要や威圧的な言動など多数のハラスメントをした」とし、神戸地裁から慰謝料など約1126万円の支払いを命じられている、といったところです。
また、東大以上に問題を聞かない印象の京都大では、2017年には京都大学大学院農学研究科の男性准教授が、指導していた女子学生を昼夜問わず叱責したり、別の女子学生に好意を伝えるメールを執拗に送りつけたとして停職2ヶ月の懲戒処分を受けたという話がありました。
ついでに元記事タイトルの慶應大学の話も。2017年には慶應大学総合政策学部の教授が、教え子である女子学生を洗脳し、不倫関係になっていると報じられています。『先生とだったら世界征服もできそう』『死ぬのが怖くなくなってきた』という女子学生のメモも見つかっており、別な方向性でやばい案件です。
早稲田大学と比べると慶應大学は頻度が少ないですけど、ここも結構問題を報じられていますね。一方、前述の通り、東大や京大はそうでもありません。旧帝大ではなぜか大阪大学で圧倒的に問題が多く、
大阪大は不祥事多い?パワハラ・セクハラ・アカハラ・山内直人教授カラ給与疑惑などで書いています。大きな差が出ているのは不思議ですけど、これも一つの校風なんでしょうか。
(書き終わってから気づきました。最初の話、うちですでに書いていた
広島大准教授が不正受給で東大教授へ華麗に出世 パワハラ教授もの件でしたね。全然思いつきませんでしたわ)
●東大教授が東大卒を調査 結果、保守的で差別的だと判明!
2023/06/20追記:
東大教授が「東大卒」を調査した | | 本田由紀 | 毎日新聞「政治プレミア」(本田由紀・東京大学大学院教授 2023年6月20日)という気になるタイトルの記事を発見。どういう記事か?と読んでみると、なんと東大生が差別的で保守的という話でびっくりしました。
<東京大学大学院教育学研究科教授の本田由紀さんは、「日本社会にはびこるメリトクラシー(能力主義)とジェンダーギャップ」が凝縮されていると言います。
東京大学の卒業生を対象にした社会調査(※1)を実施した本田さんに聞きました>
本田由紀・東京大学大学院教授は「学生・教員の女性比率の低さをはじめ、ジェンダー平等の状況が悪いことは認識されていました」としており、以前から言われていた模様。そういえば、別の東大教授も東大には男女格差があり是正が必要…みたいなことを以前言っていた気がします。
<男女で明確な差が認められたのは、「生活に苦しんでいる人は努力が足りないせいだ」(「まったく賛同しない」は女性は40.4%、男性は26.2%)などのメリトクラシーに関わる項目と、「家事育児は主に女性が担うべきだ」(「まったく賛成しない」は女性は62.0%、男性は36.3%)などのジェンダー平等に関わる項目です。特に年代が高くなるほど、その傾向が強くなります。 (中略)
調査でも確認できたように、特に男性の卒業生は典型的な「勝者」として、しかも年代が高ければ高いほど、高い地位に就き、権力・発言力・財力を手にしています。
日本社会の問題点が卒業生を経由して再生産されている、それも濃縮して再生産されている可能性を示しています。>
この話を聞いて、いろいろと思い出す話がありました。ひとつは、東大生らの強制わいせつ事件。このとき東大生は「女は頭が悪いから」などと言っており、女性差別と能力史上主義がセットで見えます。本人の思想は不明ですが、この事件には安倍首相や統一教会に近い自民党ガチ保守派議員の親族も関与していました。
また、東大で不正やハラスメントの報道が少ないと以前感じたことも思い出します。普通に「実際、少ない」という可能性はあったものの、もう一つ、隠蔽されているという可能性も当時考えました。ハラスメントに理解がない場合、調査を決める側も何が問題かわかっていないということが起こりがち。これらの心配もした方が良いかもしれません。
●東大教授が女性学生にセクハラ、否定するも証拠がLINEに残っていた!
2020/02/09:東大のハラスメント系のニュースがあったので追記。<東大教授が停職4か月の懲戒処分 大学院生へのセクハラ理由に | NHKニュース>(2020年2月6日 16時27分)という記事です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200206/k10012275191000.html
懲戒処分を受けたのは、東京大学大学院の50代の男性教授。大学によると、この男性教授は指導する女性の大学院生に2年以上にわたって交際を迫ったり、体を触るなどの性的な嫌がらせをしたりしたということです。かなりストレートなセクハラでした。この大学院生は、精神的に追い込まれ研究を続けられなくなった…という深刻なことにもなっています。
なお、大学が男性教授に聴き取り調査をしたところ「そういった事実はない」と、当初は否定していたといいます。ただし、交際を迫る内容のSNS上の記録が残っていたことなどから、今では事実を認めているみたいですね。停職4か月の懲戒処分になりました。
●セクハラ教授、女性派遣職員に「次の契約は更新しないぞ」とパワハラ
2021/06/15:東京大学は、派遣職員の女性に対し、1年余りにわたって体を触るなどのセクハラ行為や、パワハラ行為を繰り返したとして、東京大学の研究所に所属する50代の男性教授を停職4か月の懲戒処分にしました。<東大教授 派遣職員にセクハラなど繰り返したとして停職処分>(NHK 06月14日 19時34分)では、以下のように報じています。
<大学によりますと、男性教授は、派遣職員の女性に対し、恋愛感情を示して体を触ったり、繰り返し性的な言動を行ったりしていたということで、女性がたびたび「やめてほしい」と訴えたものの1年余りにわたってこうした行為が続いたということです。
また教授は、職場での優位な立場を背景に、女性に対し「派遣の契約の更新を迷う」などと伝えたほか、休日や深夜に業務と関係のないメールを送って返信を求めるなど、精神的な苦痛を与える行為を繰り返したということです>
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210614/1000065758.html
東京大学によると、教授は一部の行為は認めていないとのこと。どの行為を認めていないのか不明ですが、「休日や深夜に業務と関係のないメールを送って返信を求める」といったものは証拠として残っていそうな感じですね。これは前回追記分と似たケース。ただ、逆に言うと、わかりやすい証拠が残らないセクハラ・パワハラは見過ごされている可能性もありそうです。
●論文指導要請をさんざん無視し、締め切り直前に根幹揺るがす指摘
2023/04/15追記:相変わらず多くはない東大のハラスメント報告が久しぶりにありました。<東京大学教授がアカハラ停職 論文指導に期限間際まで応じず>(NHK 2023年4月14日 19時23分)という記事が出ています。停職1か月の懲戒処分になったそうです。
<東京大学の60代の教授が、大学院生から求められていた論文の指導に、提出期限の間際まで応じていなかったことがアカデミックハラスメントに当たるとして停職の懲戒処分を受けました。
東京大学によりますと、60代の教授は、指導している大学院生が、おととし春に提出する予定だった博士論文について、指導や助言を再三、求められていたのに、3か月余りにわたって応じなかったということです。
そして、論文の提出期限の3週間前になって初めて、大学院生に対し、文献の不足を指摘したり、論文の根幹に関わることを問うようなメールを送ったりしたということです>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230414/k10014038871000.html
教授は、大学に対し「教育指導上の効果をねらっていたもので、大学院生を傷つける意図はなかった」と説明。ただ、再三助けを求められたのに無視していて、「直前」と言って良い3週間前になってから、論文の根幹をひっくり返すような指摘をしたことを正当化できる理由ではありません。まさしくハラスメント=嫌がらせであったのだろうと思われます。
●院生に「研究者の資質ない」准教授と助教のアカハラを認定
2023/07/17追記:
東大、50代准教授をアカハラで懲戒処分 研究者の資質ないと発言:朝日新聞デジタル(山本知佳 2023年4月21日)という記事が出ていました。たぶんまだ紹介していなかった一件だと思います。こういうアカハラは教員への擁護が多いんですけど、プライバシーに関する問題もあったそうです。
<東京大は21日、学生3人に対してアカデミックハラスメントをしたとして、同大大学院の50代の准教授を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。
処分は3月7日付。大学によると、准教授は2018年4月~20年4月、指導学生やゼミの受講生だった大学院生3人に対し、研究者としての資質がないといった内容や、プライバシーに関して不快と感じるような内容のメールを送ったり、発言したりしたという。>
准教授については上記の通りですが、同時期に同じ研究室にいた助教についても、被害にあった大学院生のうち1人に対して、人格を傷つける発言があったとしてアカハラを認定していたそうです。しかし、懲戒処分の審査が始まる前に退職したため、処分はできなかったといいます。
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