2022/01/14追記:
●長時間作業の懲罰や1時間半大声で叱るなど…鳥取大で新たなアカハラ 【NEW】
●アカハラセクハラで停職6ヶ月は重すぎ 鳥取大教授が提訴した結果
2019/05/22:まず、先に地裁判決から。学生にアカデミックハラスメント(アカハラ)などをしたとして鳥取大から停職6カ月の懲戒処分を受けた同大大学院の男性教授が、処分を不当として同大学に懲戒処分の無効確認などを求めて訴訟を起こしていました。「アカハラなど」となっていますが、後述の別記事によると、セクハラもしていたみたいですね。女子学生にセクハラ発言をしたとのこと。ただ、これ以上詳しい記事が見つからず、アカハラの内容もよくわかりませんでした。
鳥取大:アカハラ訴訟 教授の懲戒処分無効 地裁判決 /鳥取 - 毎日新聞(毎日新聞2018年11月13日)によると、とりあえず、地裁の時点の判決では、ハラスメント行為を一部認定した上で「停職6カ月は処分が重すぎる」と指摘。裁判長は大学側の処分を無効とし、停職期間中の賃金など計約500万円の支払いを命じたそうです。
この訴訟は地裁では決着せず、高裁へ。最高裁まで争うかは不明ですが、高裁の結果は出ました。新しい方の記事によると、一審判決は、わいせつな発言などは認められず「停職期間は3カ月程度にとどめるべきで、6カ月は重すぎ、懲戒権の乱用に当たる」としていたとのこと。セクハラは認められず、アカハラのみということだった模様です。
しかし、高裁では逆転敗訴。
セクハラ発言で停職半年は妥当 鳥取大院教授、逆転敗訴 | 共同通信 ニュース | 沖縄タイムス+プラス(2019年5月20日 17:49)によると、一審鳥取地裁判決を取り消し、請求を棄却しました。裁判長は判決理由で、教育上の地位などを背景に、セクハラ発言を繰り返したのは悪質で、処分が社会通念上、相当性を欠くとは言えない、としたとのこと。セクハラも認めたようです。
単に重罰にせよというわけではないですが、ハラスメントや研究不正による処分は、毅然として厳しい懲戒処分を下すべきだと私は考えています。ただ、こうした訴訟リスクがあるんですよね。そのために、大学や研究機関側が、甘い処分に留めてしまう心理が働いているのではないかと思います。やっかいな問題です。
●余罪がありそうな他、別の教員もアカハラ・セクハラ キスや交際の要求
報道だとよくわからなかったので、鳥取大学のオフィシャルも見てみました。所属が書いていないのですけど、以下が上記報道の件に当たりそうな時期のもの。しかし、結局、詳しい内容は不明でしたので、わかりませんね。とりあえず、同じ教員だとした場合、別の学生へもハラスメントがあった感じです。
50代の男性教授 停職6か月
<当該教員は、自己の指導する女子学生に対し、ハラスメント行為を繰り返すことにより、精神的に追い込み、抑うつ状態に至らしめ、修学環境を悪化させました。また、このようなハラスメント行為が、被害学生以外の女子学生に対しても、以前から繰り返し行われていました>
(
職員の懲戒処分について/鳥取大学公式ホームページ 2016年08月10日より)
上記の後にも鳥取大学ではアカハラがあり、それらについては具体的な情報がある他、所属も書かれています。以前は詳しく書いていなかったのかもしれません。
工学研究科 教授 男性(40代) 停職1か月
<当該教員は、自己の指導する男子学生が就職を希望する企業への推薦書を合理的な理由もなく書かず、学生の自由な進路選択の権利を侵害しました。
また、同教員は、感情的になり恐怖を感じさせるような激しい口調で同学生を指導したことがある上に、就職に関する情報の取り扱いについて、本人の同意を得ずに他にもらすなど、認識不足や不注意なところがあり、これらの行為により同学生の就学環境を悪化させました>
(
職員の懲戒処分について /鳥取大学公式ホームページ 2017年03月31日より)
医学系研究科 教員 男性(40代) 停職6か月
<当該教員は、平成28年11月から平成29年2月にかけて、自己の指導する女子学生に対し、研究指導者という立場を利用して、食事及び遊びに付き合うことの強要、手を握る、肩をもむ、ハグ、キスの身体接触、交際の要求など、指導の見返りを求める言動を繰り返しました。また、この間、上司から注意及び指導を受け、自身の言動がハラスメントに該当するとの認識がありながら、ハラスメントを継続していました。さらに、同学生から同人が求める要求には応えられない旨を明確に意思表示した後も、同人は要求を続け、同学生の就学環境を悪化させました>
(
職員の懲戒処分について/鳥取大学公式ホームページ 2017年07月14日より)
前者はアカハラと明記。後者については明記していないものの、内容的には明らかにセクハラですね。このセクハラ内容からすると、停職6か月というのは甘く感じます。最初の件の内容が不明なのですけど、このセクハラと比較して重すぎだと思った可能性もあるかもしれません。
●長時間作業の懲罰や1時間半大声で叱るなど…鳥取大で新たなアカハラ
2022/01/14追記:鳥取大学で新しいアカデミック・ハラスメント(教員の立場を利用した不適切な言動)の発生が報道されていました。
アカハラで教授を停職処分、鳥取大 | 山陰中央新報デジタルによると、鳥取大学術研究院農学系部門の50代男性教授を停職10日間の懲戒処分となったそうです。
<同大によると、指導する学生に対し、懲罰的と捉えられる長時間の作業を指示したり、LINE(ライン)のメッセージを無断で確認しプライバシーを侵害したりした。また、別の学生に対して約1時間半にわたり大声で叱り、研究室を辞めさせるという趣旨の発言をしたという。
学生2人から2020年11月にそれぞれ相談を受け、大学側が調査し、アカハラがあったと認定した>
懲罰的指導に関して言うと、現在でも結構支持する人が多いですね。極端な例としては、
渡邉美樹会長の学校郁文館 反省文100枚・退学多数・教師も退職で書いたワタミの渡邉美樹会長。こうした報道があったにも関わらず、自民党から出馬して当選しており、懲罰的指導を悪いことだと感じていない人も多いと思われます。
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