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江戸時代に定価販売を始めた三越 ダイナミック・プライシングと一物一価


2019/02/04:
●ダイナミック・プライシングが新たなビジネス流行語になる?
●一物一価が崩れ、客ごとに値段が変化…を我々は許せるのか?
●商才を恐れた兄たちに追放された三井財閥の基礎を築いた三井高利
●江戸時代に当時は非常識だった定価販売を始めた三越
●繁盛ぶりに嫉妬した同業者からは迫害され嫌がらせ


●ダイナミック・プライシングが新たなビジネス流行語になる?

2019/02/04:日経ビジネス記者の藤村 広平さんは、企業取材をしていて、ダイナミック・プライシングという言葉をよく耳にするようになったとしていました。直訳すると「動的な価格設定」。動く値付けということで、モノやサービスの価格を、需要と供給のバランスなどに応じて変動させる取り組みのことです。

 これ自体は今までなかったものではありません。盆や正月に航空料金やツアー旅行の料金が割高になる例、居酒屋などで客の少ない夕方早めの時間帯を「ハッピーアワー」などと称し、割引を実施している例が挙げられていました。

 ただ、今になってブームになりそうな気配があるのは、AIの発展があるため。三井物産が、ヤフーと組んでダイナミック・プライシングを手がけるための新会社を設立するなど、ダイナミック・プライシングが増えそうな感じです。


●一物一価が崩れ、客ごとに値段が変化…を我々は許せるのか?

 この話が載っていたのは、「客ごとに値段が違うお店」許せますか?:日経ビジネス電子版(2018年10月9日)という記事。その時々の需給だけでなく、購入者の属性によっても価格が変動し、それが他人にわかるとしたら、不満が強くなるのではないか?という懸念です。

 また、同じ記事では、AIを活用したホテル向けの宿泊料金提案サービス「マジックプライス」を提供する空の松村大貴CEOが以下のような持論を披露していました。

「物々交換をしていたような昔には、価格って変動して当たり前のものだったと思うんです」
「大量供給・大量消費の時代になって、売り手と買い手がモノやサービスの対価をその都度交渉していては効率が悪くなった。そのうちに、いつしか価格は固定され、20世紀は一物一価の時代となったのです」

(なお、普通言う一物一価というのは、あるお店の商品の価格が1つという意味ではなく、どのお店でも同じ価格といった意味。例えば、デジタル大辞泉では、「一物一価の法則」を「完全競争が行われるならば、同一時点・同一市場では、同質の商品には一つの価格しか成立しないという経済法則」と説明しています)


●商才を恐れた兄たちに追放された三井財閥の基礎を築いた三井高利

 この記事を読んでいてあれっと思ったのは、こういった話があるなら出てくるかな?と思った三越の話が出てこなかったため。すべてのものがそうだったかは不明ですけど、江戸時代の呉服店は定価がなく人によって違っていて、定価販売を始めた越後屋(のちの三越)は画期的だったとよく言われています。

 以下、定価販売以外も含めて、三井財閥の基礎を築いた三井高利さんの話を見ていきます。まず、お店を始める前の時点の話。ここだけでも結構ドラマチックです。

・三井高利は、江戸で釘抜三井家を創業した長兄の三井高次に丁稚奉公し、番頭となる。だが、28歳のときに、その商才を恐れた兄達に、郷里で母親・三井殊法の面倒を見てほしいという表向きの理由をつけて、事実上放逐され、故郷の松坂で金融業を営む。
・1673年、長兄高次の死後、母・殊法の許しを得て江戸本町一丁目に呉服店を開業し、屋号を越後屋(のちの三越)とする。
・当時の江戸にはすでに老舗大店が幾店も軒を連ねていたがm高利は天才的な創意で新機軸の商法を編み出していく。
(越後屋誕生と高利の新商法:江戸期|三井の歴史|三井広報委員会、三井高利 - Wikipediaより)
https://www.mitsuipr.com/history/edo/tanjo.html


●江戸時代に当時は非常識だった定価販売を始めた三越

 さて、肝心の画期的な商法の話。まず、代表的な商法が「店先売り」と「現銀(金)掛値なし」です。これは今では当たり前の「店頭で、現金を持っている人なら誰にでも販売する方法」でした。

・当時、一流の呉服店では、前もって得意先の注文を聞き、後から品物を持参する見世物商いと、直接商品を得意先に持参して売る屋敷売りが一般的。
・代金は後日の掛け(ツケ)払いで、定価がなく客との交渉での駆け引きで売値を決める方法。支払いは、盆・暮の二節季払い、または12月のみの極月払いの掛売りが慣習であった。
・ただし、これらの方法は、貸倒れや掛売りの金利がかさむので、商品の値が高く、資金の回転も悪かった。
・高利はこの制度を廃止し、「店先売り」に切り替え、商品の値を下げ、正札をつけて定価制による店頭販売での現金取引を奨励した。
・現金売りによる収入は資金の回転を早め、二節季払いの仕入れ先には数倍活用された。


●繁盛ぶりに嫉妬した同業者からは迫害され嫌がらせ

 もう一つよく言われる画期的な手法というのが、呉服業者間では禁じられていた「切り売り」をやったこと。当時は一反単位の取引が常識で、どの店も一反から売っていました。ただ、一反だと長すぎたみたいですね。「うちは大量注文じゃないと受け付けません」ということを業界が揃ってやっていたわけです。

 そんな中、高利は、客の需要に応じて切り売りし始めました。しかも、前述の工夫でも価格を下げられていましたので、当然、よく売れます。複数の理由により、今まで買えなかった人まで買えるようになったわけですからね。

 でも、そんなことしたら業界の人たちが怒るんじゃないの?と思います。実際、怒ったようです。繁盛ぶりに嫉妬した同業者からは迫害され、組合からの追放や引き抜き、不買運動などにあい、店舗を移転することを余儀なくされたとのこと。

 この解決策というか、転機となったのは、側用人牧野成貞の推薦によって幕府御用達の商人となったこと。幕府御用達店への攻撃は幕府に対する非礼に当たるため、こうした動きは影を潜めたんだそうな…。


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