2013/2/28:
●アルファクラブがユニクエスト・オンラインをこっそり買収
●「小さなお葬式」は「低価格・追加料金なし」路線
●アルファクラブ「さがみ典礼」の大手4社覆面調査の結果
●葬儀が高いアルファクラブが小さなお葬式ユニクエスト買収はなぜ?
●有望企業買収を華々しく発表できなかった「二重価格」の問題
2019/05/05:
●ユニクエストに社名変更など、その後のユニクエスト・オンライン
●アルファクラブがユニクエスト・オンラインをこっそり買収
2013/2/28:たまにやっている葬儀の話。売上高で葬儀業界2位であるアルファクラブグループが、注目の買収を行ったそうです。事業開始からわずか3年で葬儀業界4位の葬儀施行件数(年間)を獲得した「小さなお葬式」ブランドのユニクエスト・オンラインを買収。
通常こうした買収ではプレスリリースが出ますし、特に業界大手が有力企業を買うというのは、非常にアピールポイントとなることが予想されます。ところが、この買収、"公式な発表"がないというのです。何だかこっそり買収した感じですね。
妙な気がしますが、理由は"その裏に顧客騙しととらえられかねない「二重価格問題」が潜んでいるから"と言われているとのことでした。
(
葬儀業界で大型買収劇が密かに成立 探られたくない「二重価格問題」 2013年2月4日 週刊ダイヤモンド編集部 野口達也 より)
●「小さなお葬式」は「低価格・追加料金なし」路線
この理由はすでに名前が出ている「小さなお葬式」というブランド名がポイントになります。
買収されたユニクエスト・オンラインの「小さなお葬式」は、低価格で追加料金のない明朗会計を売りに全国展開。一部地域を除き、火葬式なら17万8000円(食事、返礼品を除く)、一般的な家族葬であれば49万8000円(同)と、一般的な葬儀の価格よりも安価。葬儀は簡素でいいという時流に乗って急成長し、「低価格・追加料金なし」というビジネスモデルではダントツのトップ企業となりました。
明朗会計というのは、
やっぱり葬儀費用はぼったくり?ティアの適正価格が相場から見ると激安にのティアと同じ路線ですね。
●アルファクラブ「さがみ典礼」の大手4社覆面調査の結果
そして、問題はアルファクラブグループの性質。何から何まで正反対なのです。
まず、アルファクラブグループは老舗の葬儀会社。関東から東北を営業エリアとし、主に「さがみ典礼」ブランドで営業しています。利用者をあらかじめ募集して、葬儀費用を前払い式で積み立ててもらうシステム。葬儀業界では広く活用されており、互助会システムと記事では説明していました。この積立金の一部を葬儀会館建設に使えるので、豪華な葬儀会館で執り行うことができるというのが売りです。
ただ、逆に言うと、それだけお金がかかるということではないか?と考えられます。実際、葬儀費用は高額になりがちで、費用の内訳は分かりにくいとのこと。週刊ダイヤモンド1月19日号「カネをかけずに納得の寺・墓・葬儀特集」の覆面調査では、30人規模の葬儀に対する提案金額が大手4社中で最も高い188万円(食事、返礼品込み)だったといいます。
●葬儀が高いアルファクラブが小さなお葬式ユニクエスト買収はなぜ?
なんとアルファクラブがは業界最高値。全く違うビジネスモデルであり、記事で使われていた"水と油"という表現はぴったり。葬儀業界で最も高いアルファクラブが、安い葬儀の代表格であるユニクエスト・オンラインを買収したという不思議なことになっています。
こうしたことから、アルファクラブにすれば、昨今の葬儀の低価格化は面白くないはず。そこで低価格化の急先鋒である小さなお葬式を取り込み、最終的には潰してしまうのではないか、といった噂話も出ているとのこと。たた、これはビジネス的にはあり得ない選択でしょう。
低価格化は世の流れであり、食い止めることは難しく、「小さなお葬式」だけ潰しても仕方ありません。高価格帯のブランドが低価格帯のブランドと棲み分けするといったことはあります。将来的に客を取られてしまうのがわかっているのなら、自分も奪う側に回る…というのは、悪くない選択じゃないでしょうか。
●有望企業買収を華々しく発表できなかった「二重価格」の問題
ただ、これはこれで問題がないわけではありません。先程少し出てきた「二重価格問題」です。
小さなお葬式で契約した場合、依頼したのがアルファクラブの営業地域であれば、アルファクラブの従業員によって、アルファクラブの葬儀会館で葬儀が執り行われることもあります。一方でアルファクラブと直接契約した場合は、当然ながら小さなお葬式の料金は適用されません。同じアルファクラブの葬儀でも違う価格になる可能性があるという指摘です。
記事では、「祭壇や料理のグレードに違いがあるだろうが、契約先が違うだけで2倍以上の金額の差があることを、アルファクラブが合理的に説明するのは難しいだろう。顧客によっては騙されたと感じるはずだ」としていました。
アルファクラブが業界の有望企業を買収したことを華々しく発表しなかったというのも、これが理由でしょう。そもそも安い価格できる葬儀が存在することは、なるべく知ってもらいたくないんじゃないかと思います。
●ユニクエストに社名変更など、その後のユニクエスト・オンライン
2019/05/05:親会社が変わっていないか?と検索。
ユニクエスト・オンライン - Wikipediaでは、主要株主にアルファクラブの名前は見えません。ただ、内容を見ると、かなり古い記述のようでした。
<主要株主>
・役員
・ジャフコV2有限責任投資事業組合( 株式会社ジャフコ )
・大阪投資育成第5号投資事業有限責任組合( 大阪中小企業投資育成株式会社 )
・株式会社広島ベンチャーキャピタル
・PE&HR株式会社
オフィシャルページの沿革を見ると、「アルファクラブ武蔵野株式会社が親会社となる」以降、親会社に関する話はなし。アルファクラブから変わっていないんじゃないかと思われます。
また、Wikipediaは未だに古い名前でしたが、2018年6月に株式会社ユニクエストに社名変更したという話も載っていました。
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