2019/06/02:
●ABO式・Rh式だけじゃない血液型、区別する抗原は数百種類も
●大戸斉・福島県立医大教授ら、新しい種類の血液型KANNOを発見?
●1991年に発見されていたのに、証明まで30年近くかかった理由
●ABO式・Rh式だけじゃない血液型、区別する抗原は数百種類も
2019/06/02:血液型ってABO式だけだと思っている方がいらっしゃいますが、実は違います。「知ってる。Rh+とRh-もあるんでしょ?」と思った方もいるかもしれません。ただ、それだけでもありません。
Wikipediaでは、血液型を、血球の表面または内部にある血液型物質(抗原)の有無によってつける個人の区別と説明。例えば、ABO式血液型の場合は、A抗原、B抗原を持っているかどうかで区別します。Rh式血液型は、40種以上の抗原が発見されていて、こちらの数はかなり多いです。
さらに、この抗原は数百種類が知られており、その組み合せによって決まる血液型は、数兆通り以上という説もあるほど膨大な数に。普段の生活では問題になることがないために、そこまで厳密には区別されていないのですが、一卵性双生児でもない限り自分と完全に同じ血液型をしている人はいないとすら言われているそうです。
現在は直接DNAを鑑定する手法が用いられるのですけど、この性質を利用して畜産、特にサラブレッド生産の分野において血液型が親子関係の証明に使われていたというほど様々。ABO式で同じ血液型の人同士であっても、実際には全然違う血液を持っているのです。
●大戸斉・福島県立医大教授ら、新しい種類の血液型KANNOを発見?
…といった話を踏まえて、
新しい血液型「KANNO」福島県立医大教授ら発見 | 河北新報オンラインニュース(2019年06月01日土曜日)というニュースについて紹介。前述のような前提知識がないと、わかりづらい話でした。
福島県立医大総括副学長の大戸斉(ひとし)教授(輸血医学)らが、新しい血液型「KANNO(カンノ)」を発見したという論文が米国の学会誌に掲載されました。
名前が苗字っぽいなと思ったら、KANNOは1991年、同大病院で採られた血液から未知の抗原の存在が浮上し、提供者の名前を取って暫定的に命名されていたものだそうです。たぶん許可が得られているんでしょうね。
記事によると、血液型はABOやRhなど36種類の分類。なので、6月下旬にスイスである国際輸血学会で認められれてば37種類目の血液型。これが認められれば、日本の研究グループで初の快挙であもあるそうです。
●1991年に発見されていたのに、証明まで30年近くかかった理由
1991年の発見ですので、かなり時間がかかったように見えます。この理由も記事では書かれていました。
大戸教授によると、新しい血液型の特定に取り組み始めたのは10年ほど前。ただ、当時は1人分の遺伝子解析に億単位の費用を要するという時代でした。コスト的に研究が難しかったようです。それが近年、解析装置の急速な進歩によりコストが数十万円まで下がったため、一気に研究が進んだと説明されていました。
大戸教授らは東大、日赤と共同で血液型が「KANNOマイナス」の18人の遺伝子を解析。体内で作られるプリオンと呼ばれるタンパク質の組成の一部を変化させる遺伝子変異が全員にあり、このプリオンが新たな血液型を決める抗原であると証明できたようです。
プリオンと言うと、狂牛病ことBSEや羊で起きるスクレイピーという病気のことを思い出すのですが、記事でも プリオンは脳に多く含まれるタンパク質で、構造が異常化して脳にたまるとクロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病を引き起こすとの説明がありました。この関係で大戸教授は「KANNOとプリオン病の関係についても今後研究が進むことを期待したい」と話していました。
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